TOP > 国内特許検索 > 動脈硬化性疾患の発症の予測因子および検査方法
動脈硬化症は、致死的な心筋梗塞や脳梗塞の原因ともなる重大な疾患である。動脈硬化症は、高血圧・脂質異常症・糖尿病といった生活習慣病の基盤病態であり、生活の質を損ない、しばしば致命的となる。全身における動脈硬化のモニター方法として、MRI(大脳白質病変)、血管エコー(頸動脈内膜中膜複合体肥厚)、脈波伝播速度(PWV)測定等が知られているが、これらから動脈硬化性疾患の発症を初期に予測することは難しい(非特許文献1)。
従来、血中のLDLやHDL等のリポプロテインがアテローム性動脈硬化の発症に関連することが知られている(非特許文献2)。また、炎症マーカーであるCRP、IL-5やその他の分子が閉塞性動脈硬化症や冠状動脈硬化症と関連することが報告されている(特許文献1、非特許文献3)。また、過剰な脂質摂取は動脈硬化症の発症に関与するといわれ、血中のコレステロール値が高いと動脈硬化症・心筋梗塞のリスクが高まることが知られている(非特許文献4)。しかしながら、現在のところ信頼性の高い動脈硬化症の初期マーカーは存在しておらず、そのような病初期マーカーに対するニーズが存在している。
本発明は、動脈硬化性疾患の発症リスクを評価するための方法およびキットに関する。より具体的には、血液中におけるC5aタンパク質の量を測定することにより、動脈硬化性疾患の発症リスクを評価するための方法およびキットに関する。また、本発明は、C5aタンパク質の活性を抑制する物質を含有する、動脈硬化性疾患の治療または予防に用いるための組成物にも関する。
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