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動物細胞凍結保存液用ガラス化状態安定化剤 NEW

国内特許コード P190015822
整理番号 (S2016-0438-N0)
掲載日 2019年1月24日
出願番号 特願2018-500176
出願日 平成29年2月15日(2017.2.15)
国際出願番号 JP2017005592
国際公開番号 WO2017141991
国際出願日 平成29年2月15日(2017.2.15)
国際公開日 平成29年8月24日(2017.8.24)
優先権データ
  • 特願2016-027612 (2016.2.17) JP
発明者
  • 松村 和明
  • 中 俊明
出願人
  • 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
  • 澁谷工業株式会社
発明の名称 動物細胞凍結保存液用ガラス化状態安定化剤 NEW
発明の概要 (a)ε-ポリ-L-リジンをブチル無水コハク酸と反応させてカルボキシル化した両性高分子化合物;(b)ε-ポリ-L-リジンを、ブチル無水コハク酸及び無水コハク酸と反応させてカルボキシル化した両性高分子化合物;又は(c)ε-ポリ-L-リジンを、式Iで表される化合物と反応させてカルボキシル化した両性高分子化合物、からなる群から選択された両性高分子化合物と、(d)エピクロロヒドリン架橋されたショ糖多量体高分子とを含む動物細胞凍結保存液用ガラス化状態安定化剤、及び該ガラス化状態安定化剤を含有する動物細胞凍結保存液によって、優れたガラス化能を有する動物細胞凍結保存液を提供する。
従来技術、競合技術の概要


近年、再生医療の臨床応用への期待が高まっている。このための基本技術として、細胞、細胞シート、三次元形状の細胞構造体、組織を、凍結保存する技術が必要とされている。このような技術として、凍結保護物質を添加して、対象の損傷を防ぎつつ、凍結保存する技術がある。このような凍結保護物質として、ジメチルスルホキシド(DMSO)(O=S(CH32)、グリセリンなどが知られている。



DMSOやグリセリンは、分散した細胞に対する凍結保存での使用には、十分な実績がある。しかし、DMSOやグリセリンは、細胞シート、三次元形状の細胞構造体、組織などに対する凍結保存での使用では、解凍後にしばしば損傷した状態を生じて、ダメージを残してしまう。この損傷が、凍結時の氷晶形成や脱水収縮から生じるのではないかと考えて、氷の結晶化を制御して、アモルフォスの状態のままで固化させる、ガラス化法が、試みられている。



ガラス化法は、受精卵の凍結手法として発展してきたものであり、従来のガラス化法は、一般に、急速な凍結速度と濃い溶質濃度によって、水溶液をガラス化させることを意図している。例えば、マウスの受精卵のガラス化溶液として、DAP213が知られている。DAP213は、DMSO 2M、アセトアミド 1M、プロピレングリコール 3Mの溶液であり、濃度が高く、毒性も高くなっている。典型的な使用法は、マウスの受精卵に含有されている水を、この溶液で置換し、液体窒素に直接浸漬して、ガラス化状態を得る手法である。しかし、このようなガラス化溶液によるガラス化では、細胞毒性が高く、さらに解凍時の再結晶化によるダメージも高いとされている。



そこで、本発明者らは、凍結保護物質を検討して、ガラス化法を改良することを試みてきた(特許文献1)。



特許文献2には、ショ糖多量体高分子の製造が開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、動物細胞凍結保存液用ガラス化状態安定化剤、及び該ガラス化状態安定化剤を含有する動物細胞凍結保存液に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(a)、(b)及び(c)からなる群から選択された、アミノ基及びカルボキシル基を同一分子中に有する両性高分子化合物と、
(d)エピクロロヒドリン架橋されたショ糖多量体高分子とを含む、動物細胞凍結保存液用ガラス化状態安定化剤:
(a) ε-ポリ-L-リジンをブチル無水コハク酸と反応させてカルボキシル化した両性高分子化合物;
(b) ε-ポリ-L-リジンを、ブチル無水コハク酸及び無水コハク酸と反応させてカルボキシル化した両性高分子化合物; 又は
(c) ε-ポリ-L-リジンを、次の式I:
【化1】


(ただし、上記の式中、
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はC1~C4のアルキル基であるか、あるいはR1及びR2が一体となって形成されたC1~C6のアルカン-ジイル基であり;
R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又はC1~C4のアルキル基であるか、あるいはR3及びR4が一体となって形成されたC1~C6のアルカン-ジイル基であり;
R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又はC1~C4のアルキル基であるか、あるいはR5及びR6が一体となって形成されたC1~C6のアルカン-ジイル基である)
で表される化合物と反応させてカルボキシル化した両性高分子化合物。

【請求項2】
式Iで表される化合物が、次の式II:
【化2】


(ただし、上記の式中、
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はC1~C4のアルキル基であるか、あるいはR1及びR2が一体となって形成されたC1~C6のアルカン-ジイル基である)
で表される化合物である、請求項1に記載の動物細胞凍結保存液用ガラス化状態安定化剤。

【請求項3】
両性高分子化合物において、ε-ポリ-L-リジンの側鎖のアミノ基のうち、カルボキシル化されたアミノ基の割合が、50%~75%の範囲にある、請求項1又は請求項2に記載の動物細胞凍結保存液用ガラス化状態安定化剤。

【請求項4】
ε-ポリ-L-リジンを、ブチル無水コハク酸及び無水コハク酸と反応させてカルボキシル化した両性高分子化合物が、
ε-ポリ-L-リジンの側鎖のアミノ基のうち、無水コハク酸との反応によってカルボキシル化されたアミノ基の数Aに対する、
ε-ポリ-L-リジンの側鎖のアミノ基のうち、ブチル無水コハク酸との反応によってカルボキシル化されたアミノ基の数Bの比率B/Aが、
2/30~40/30の範囲にある、請求項1~3のいずれかに記載の動物細胞凍結保存液用ガラス化状態安定化剤。

【請求項5】
エピクロロヒドリン架橋されたショ糖多量体高分子の分子量が、10,000~1,000,000の範囲にある、請求項1~4のいずれかに記載の動物細胞凍結保存液用ガラス化状態安定化剤。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載された動物細胞凍結保存液用ガラス化状態安定化剤を含有する生理溶液からなる、動物細胞凍結保存液。

【請求項7】
請求項1~5のいずれかに記載された動物細胞凍結保存液用ガラス化状態安定化剤を含有し、
エチレングリコール又はプロピレングリコールを、3~8Mの濃度で含有する、生理溶液からなる、動物細胞凍結保存液。

【請求項8】
さらに、スクロースを、0.1~1Mの濃度で含有する、請求項7に記載の動物細胞凍結保存液。

【請求項9】
(a)、(b)及び(c)からなる群から選択された両性高分子化合物を、2~40重量%で含有し、
エピクロロヒドリン架橋されたショ糖多量体高分子を、1~30重量%で含有する、請求項6~8のいずれかに記載の動物細胞凍結保存液。

【請求項10】
動物細胞凍結保存液のガラス転移点が、-135℃~-80℃である、請求項6~9のいずれかに記載の動物細胞凍結保存液。

【請求項11】
請求項6~10のいずれかに記載の動物細胞凍結保存液中へ、動物細胞を浸漬する工程、
動物細胞凍結保存液中の動物細胞を、降温して凍結する工程、
を含む、動物細胞凍結保存方法。

【請求項12】
動物細胞を、降温して凍結する工程の後に、
凍結した、動物細胞凍結保存液中の動物細胞を、昇温して解凍する工程、
を含む、請求項11に記載の動物細胞凍結保存方法。

【請求項13】
動物細胞を、降温して凍結する工程が、
動物細胞を、降温してガラス化状態で凍結する工程、である、請求項11~12のいずれかに記載の動物細胞凍結保存方法。

【請求項14】
動物細胞を、昇温して解凍する工程が、
動物細胞を、昇温して再結晶化することなく解凍する工程、である、請求項12~13のいずれかに記載の動物細胞凍結保存方法。

【請求項15】
降温して凍結する工程が、
降温速度5℃/分~50℃/分で降温して凍結する工程、である、請求項11~14のいずれかに記載の動物細胞凍結保存方法。

【請求項16】
昇温して解凍する工程が、
昇温速度5℃/分~100℃/分で昇温して解凍する工程、である、請求項12~15のいずれかに記載の動物細胞凍結保存方法。

【請求項17】
動物細胞を、降温して凍結する工程の後で、
凍結した、動物細胞凍結保存液中の動物細胞を、昇温して解凍する工程の前に、
凍結した、動物細胞凍結保存液中の動物細胞を、-196℃~-75℃で保存する工程、
を含む、請求項12~16のいずれかに記載の動物細胞凍結保存方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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