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バイオマーカーの候補及び治療用製薬 NEW

国内特許コード P190015826
整理番号 EF001P03-3
掲載日 2019年1月24日
出願番号 特願2017-155803
公開番号 特開2018-005925
出願日 平成29年8月10日(2017.8.10)
公開日 平成30年1月11日(2018.1.11)
発明者
  • 陳 洛南
  • 合原 一幸
  • 劉 鋭
  • 劉 治平
  • 李 美儀
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 バイオマーカーの候補及び治療用製薬 NEW
発明の概要 【課題】健康状態から疾病状態への遷移を示す疾病前状態の診断に用いるることが可能なバイオマーカーの候補を検出する。
【解決手段】測定対象から複数の生体サンプルを異なる時間点で採取し、採取した生体サンプルを測定して得られた測定データを集計して統計データを取得する。そして、ハイスループットデータの取得処理(s1)と、差次的生体分子の選出処理(s2)と、クラスター化処理(s3)と、DNBの候補の選出処理(s4)と、有意性分析によるDNBの判定処理(s5)とを行う。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


様々な研究結果によると、多くの疾病、特に複雑な疾病の悪化進行のプロセスは、気候システム、生態システム、経済システム等のシステムと同様に、ある臨界閾値を超えた時点、いわゆる分岐点に達すると、状態遷移が突然発生し、健康状態から急激に疾病状態に変化する(例えば、非特許文献1~5参照)。このような複雑疾病の動的メカニズムに関する研究において、疾病悪化(例えば、喘息発作、癌の発病)の進行プロセスを、時間に依存した非線形動力学システムとしてモデル化し、モデル化したシステムを観測することによって、分岐点での相転移で病気が急激に悪化することが既に判明している(非特許文献1、6参照)。



図1は、疾病の進行プロセスを概念的に示す説明図である。図1のaは、疾病の進行プロセスを模式的に示している。図1のb、c及びdは、進行プロセスの過程において、前述のモデル化したシステムの安定性をポテンシャル関数として示し、横軸に経過を示す時刻をとり、縦軸にポテンシャル関数の値をとって概念的に示したグラフである。図1のaに示すように、疾病悪化の進行プロセスは、正常状態(健康状態)、疾病前状態、疾病状態として表すことができる。正常状態において、システムは安定して、図1のbに黒丸の位置として示すように、ポテンシャル関数の値が最小値になっている。疾病前状態において、システムは、図1のcに黒丸の位置として示すように、ポテンシャル関数の値が高くなっている。したがって、外乱の影響を受けやすい状態であり、小さな外乱を受けるだけで相転移してしまう分岐点の付近、即ち、正常状態の限界に位置している。但し、当該疾病前状態は、適切な処置によって、容易に正常状態に回復することができる。一方、疾病状態において、システムは安定して、図1のdに黒丸の位置として示すように、ポテンシャル関数の値が大局的最小値になっている。そのため、正常状態から相転移で生じたこの疾病状態が、正常状態へ回復することは困難である。(図中では便宜上、回復不能と表記)



したがって、もし疾病前状態を検知して、疾病状態に遷移する前に、疾病状態に遷移しつつあることを患者に予告することができれば、適切な措置を取ることによって、患者を疾病前状態から正常状態へ回復させることができる可能性が高い。



即ち、分岐点(臨界閾値)を検出することができれば、臨界遷移の予測が可能であり、病気の早期診断を実現することができる。



なお、従来から疾病状態を診断する方法として、バイオマーカーが用いられている。従来から用いられている通常のバイオマーカーは、生体から採取された血清、尿等の体液、更には、組織に含まれる分子レベルのDNA、RNA、蛋白質、代謝物等であり、生体内の生物学的変化を定量的に把握することができる指標である。従来のバイオマーカーによる疾病の診断方法は、ノーマルサンプル(健康状態で採取したサンプル)から抽出したバイオマーカーと異常サンプル(疾病状態で採取したサンプル)から抽出したバイオマーカーとを比較することにより、病気を診断する方法である。

産業上の利用分野


本発明は、生体に関する測定により得られた複数の因子項目の測定データに基づいて、前記生体の症状の指標となるバイオマーカーの候補を検出する検出装置、検出方法及び検出プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
生体に関する測定により得られた複数の因子項目の測定データに基づいて、測定対象である生体の症状の指標となるバイオマーカーの候補を検出する検出装置であって、
前記因子項目の測定データの時系列変化及び前記因子項目間の測定データの時系列変化の相関関係に基づいて、前記バイオマーカーの候補を検出する検出手段を備えることを特徴とする検出装置。

【請求項2】
前記因子項目の測定データが、有意性をもって経時的に変化しているか否かを検定する差次検定手段を更に備え、
前記検出手段における因子項目は、前記差次検定手段によって経時的変化に有意性があると検定された因子項目であることを特徴とする、
請求項1に記載の検出装置。

【請求項3】
前記差次検定手段は、因子項目の測定データと予め設定されている参照データとの比較結果に基づいて、有意性の検定を行うことを特徴とする、
請求項2に記載の検出装置。

【請求項4】
前記因子項目は、遺伝子に関する測定項目、タンパク質に関する測定項目、代謝物に関する測定項目、及び生体から得られる画像に関する測定項目のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする、
請求項1~3のいずれか1項に記載の検出装置。

【請求項5】
前記検出手段によって検出されたバイオマーカーの候補に基づいて、前記生体に関する異常の有無、前記生体についての正常状態から疾病状態へ遷移する前の疾病前状態の当否、及び前記生体が発症する可能性を有する疾病のうち少なくとも一つに関する判定を支援する情報を出力する手段を備えることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか1項に記載の検出装置。

【請求項6】
生体に関する測定により得られた複数の因子項目の測定データに基づいて、測定対象である生体の症状の指標となるバイオマーカーの候補を検出する検出装置を用いた検出方法であって、
前記因子項目の測定データの時系列変化及び前記因子項目間の測定データの時系列変化の相関関係に基づいて、前記バイオマーカーの候補を検出する検出ステップを実行することを特徴とする検出方法。

【請求項7】
前記因子項目の測定データが、有意性をもって経時的に変化しているか否かを検定する差次検定ステップを実行し、
前記検出ステップにおける因子項目は、前記差次検定ステップによって経時的変化に有意性があると検定された因子項目であることを特徴とする、
請求項6に記載の検出方法。

【請求項8】
前記差次検定ステップは、因子項目の測定データと予め設定されている参照データとの比較結果に基づいて、有意性の検定を実行することを特徴とする、
請求項7に記載の検出方法。

【請求項9】
前記因子項目は、遺伝子に関する測定項目、タンパク質に関する測定項目、代謝物に関する測定項目、及び生体から得られる画像に関する測定項目のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする、
請求項6~8のいずれか1項に記載の検出方法。

【請求項10】
前記検出ステップにて検出されたバイオマーカーの候補に基づいて、前記生体に関する異常の有無、前記生体についての正常状態から疾病状態へ遷移する前の疾病前状態の当否、及び前記生体が発症する可能性を有する疾病のうち少なくとも一つに関する判定を支援する情報を出力するステップを実行することを特徴とする、
請求項6~9のいずれか1項に記載の検出方法。

【請求項11】
コンピュータに、生体に関する測定により得られた複数の因子項目の測定データに基づいて、測定対象である生体の症状の指標となるバイオマーカーの候補を検出する処理を実行させる検出プログラムであって、
コンピュータに、
前記因子項目の測定データの時系列変化及び前記因子項目間の測定データの時系列変化の相関関係に基づいて、前記バイオマーカーの候補を検出する検出ステップを実行させることを特徴とする検出プログラム。

【請求項12】
コンピュータに、
前記因子項目の測定データが、有意性をもって経時的に変化しているか否かを検定する差次検定ステップを実行させ、
前記検出ステップにおける因子項目は、前記差次検定ステップによって経時的変化に有意性があると検定された因子項目であることを特徴とする、
請求項11に記載の検出プログラム。

【請求項13】
前記差次検定ステップとして、因子項目の測定データと予め設定されている参照データとの比較結果に基づいて、有意性の検定を実行させることを特徴とする、
請求項12に記載の検出プログラム。

【請求項14】
前記因子項目は、遺伝子に関する測定項目、タンパク質に関する測定項目、代謝物に関する測定項目、及び生体から得られる画像に関する測定項目のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする、
請求項11~13のいずれか1項に記載の検出プログラム。

【請求項15】
前記検出ステップにて検出されたバイオマーカーの候補に基づいて、前記生体に関する異常の有無、前記生体についての正常状態から疾病状態へ遷移する前の疾病前状態の当否、及び前記生体が発症する可能性を有する疾病のうち少なくとも一つに関する判定を支援する情報を出力するステップを実行させることを特徴とする、
請求項11~14のいずれか1項に記載の検出プログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017155803thum.jpg
出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) FIRST 複雑系数理モデル学の基礎理論構築とその分野横断的科学技術応用 領域
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