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PHARMACEUTICAL COMPOSITION CONTAINING APELIN RECEPTOR AGONIST HAVING RETINAL NERVE PROTECTION EFFECT UPDATE_EN meetings

Patent code P190015842
File No. 2018-8
Posted date Feb 12, 2019
Application number P2018-192861
Publication number P2020-059679A
Date of filing Oct 11, 2018
Date of publication of application Apr 16, 2020
Inventor
  • (In Japanese)石丸 侑希
  • (In Japanese)前田 定秋
  • (In Japanese)吉岡 靖啓
Applicant
  • Josho Gakuen Educational Foundation
Title PHARMACEUTICAL COMPOSITION CONTAINING APELIN RECEPTOR AGONIST HAVING RETINAL NERVE PROTECTION EFFECT UPDATE_EN meetings
Abstract PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a pharmaceutical composition containing an agonist having high selectivity for an apelin receptor and having an effect of protecting retinal neurons to be damaged by diabetic retinopathy.
SOLUTION: The pharmaceutical composition contains as an active ingredient a compound represented by the general formula (I) in the figure. (R1 is a C1-6 linear, branched or cyclic alkyl group; R2-R4 are each independently H or a C1-6 linear, branched or cyclic alkyl group; and R5 is an optionally substituted phenyl group or nitrogen-containing heterocyclic group.)
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

近年、日本国内においては糖尿病患者総数の約15%が糖尿病網膜症にかかっていると推定され、国内では約140万人が対象と考えられる(OCULISTA 2013;8;1-5)。さらに別の報告によると、年間約3000人が糖尿病網膜症による中途失明者になり(岡畑純江等、月間糖尿病 Vol.6 No.6(通巻64号)2014年7月号17p)、成人の失明原因の主な原因となっている。中途失明は日常生活の質を極度に低下させることから、その防止は極めて重要な課題である。糖尿病網膜症は基本的には微小血管の破綻が原因と考えられている。糖尿病の罹患期間が長くなるに従い、網膜症の発症率が高くなることが知られており、血管壁が次第に薄くなり脆弱化が進行することで血液網膜関門の破綻が生じると硬性白斑が認められるようになる。こうした変化は血流障害を誘起し、血栓形成による微小血管の閉塞を来たすことが病態の進行が進むことが知られている。糖尿病網膜症の進行は一般に緩徐に進行し、初期にはこうした網膜の毛細血管が脆くなる単純網膜症の段階から、次いで血管の障害が次第に進行し増殖前網膜症を経て増殖網膜症の段階に至り、網膜剥離などを引き起こし多彩な症状を引き起こしながら網膜神経を破壊し、最後に失明に至ることが知られている。従って、網膜神経が損傷する段階若しくはその手前で網膜神経を保護する処置を行うことが出来れば、これによる失明は回避されると期待される。現状ではレーザー光凝固術による網膜および硝子体内に発生する新生血管の発生を防止する方法や、さらに病態が進行した場合には、硝子体手術が適用されるが、これらの方法では網膜神経が直接保護されるものでは無く、単に病態の進行を遅らせるに過ぎないことが指摘される。

糖尿病網膜症における網膜神経の変性にはNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体を介した神経細胞死が関与していることが示唆され、非特許文献1ではNMDAを眼内に投与することで網膜神経節細胞およびアマクリン細胞がアポトーシスを引き起こすことが明らかにされた。非特許文献1において、神経細胞死は神経毒性を有するグルタミン酸により誘起され、興奮性刺激により放出されたグルタミン酸が神経細胞のグルタミン酸受容体を刺激することで細胞内に過剰のカルシウムが流入し、このことが神経細胞内のカルパインを活性化することで神経細胞死に繋がることが報告されている。このことからカルパイン阻害剤を網膜神経細胞内に導入出来れば、神経細胞死を抑制する可能性が挙げられる。例えば非特許文献2において、カルパイン阻害剤としてSNJ-1945を投与することで神経細胞死が抑制できることが示されている。この場合、予めSNJ-1945を投与した後にマウスの硝子体内へNMDAを注入していることから、実際の治療目的に照らし合わせると、神経細胞死が進行している段階でのSNJ-1945の投与効果が示されておらず、慢性疾患である糖尿病網膜症の治療において、果たしてこうしたカルパイン阻害剤が有効であるか未だ不明である。非特許文献3においてはSNJ-1945の繰り返し投与によってもその効果は必ずしも発揮されない可能性を示しており、未だ投与後の体内動態や蓄積性など不明な点が多く残されている。さらに、カルパインは体内の様々な器官において多様な機能を司っており、これまで少なくとも15種類のカルパインがヒトの体内において機能していることが明らかにされているが、生理的機能が未だ解明されていない種も存在する。従ってカルパイン阻害剤を適用する際には、ターゲットとする特定のカルパインに対して選択的に作用する阻害剤を用いることが重要である。こうした観点からカルパイン阻害剤からのアプローチは有用である可能性が存在するものの解決すべき課題が多数残されていることが現状である。

糖尿病網膜症と並び失明に至る最も発生頻度の高い緑内障の予防、治療に関する研究も盛んに行われている。本発明者らはペプチドであるアペリンおよびアペリン受容体(APJ)の中枢神経系における発現とその作用に関する研究を進め、マウスにおいてAPJが網膜神経節細胞および内顆粒層に発現していることを見出している。緑内障による視神経の障害は視神経乳頭の陥没を伴うことが特徴である。視神経乳頭は網膜神経節細胞の神経軸索が集合し神経線維束となって篩状板を通過し、これ以降有髄線維束となって視交叉を経て後頭葉視覚中枢に達する。緑内障では篩状板が湾曲することで神経線維が絞扼され、神経細胞の活動を維持するための栄養因子などが途絶するため網膜神経節細胞のアポトーシスが引き起こされることが原因とされている。これに加えてグルタミン酸などの神経毒による障害も緑内障を悪化させる因子として挙げられる。本発明者らは、緑内障モデルとして、網膜にNMDAを作用させることで網膜神経細胞死が誘起されたマウスモデルにおいて、アペリンを硝子体内へ直接注入することで網膜神経節細胞とアマクリン細胞の双方のアポトーシスを抑制することを見出してきた(非特許文献4を参照)。

アペリンは、Gタンパク質供役受容体であるAPJのリガンドであり、アペリン-APJシステムは、体内の様々な組織で発現しており、様々な生理学的プロセスの重要な調節因子として機能している。これまで主に血管系におけるアペリン-APJシステムの役割に関して研究が進み、高血圧、心不全、アテローム性動脈硬化などの様々な病態の進行および抑制の両方に関与することが明らかにされてきた。アペリン-APJシステムは心血管系の恒常性を維持するための強力な調節因子であることから、これらは心血管系疾患における重要な薬理的ターゲットでもある。アペリン-APJシステムはこれ以外にも肝機能や腎機能の調整、体温調節、免疫性、グルコース代謝、血管新生、体液恒常性などにも深く関わっていることが知られている。
現在、臨床応用されている医薬品の多くがGタンパク質共役受容体を標的にしていることから、アペリン-APJシステムに対するアペリン類似化合物やアペリンと構造を異にするアゴニスト若しくはアンタゴニストは、新規な治療薬の開発に繋がる可能性が高く盛んに研究が行われている。

一方でアペリン及びAPJの両方は中枢神経系においても発現が認められているが、その役割については未だ不明な点が多い。これまでに、アペリンは、グルタミン酸や虚血再灌流障害により誘発される神経細胞死に対して保護作用を有することが報告されている。本発明者らは神経細胞として特に視神経に着目し、失明に至る様々な疾患から視神経を保護するための薬理作用を有するペプチドの研究を進めてきた。本発明者らは非特許文献4において、成体マウスの網膜においてAPJが網膜神経節細胞およびアマクリン細胞に発現していることや、緑内障モデルマウスの網膜神経細胞である網膜神経節細胞およびアマクリン細胞のアポトーシスに対してアペリンが顕著な保護作用を有することを開示した。このように本発明者らは緑内障モデルマウスにおいてアペリンによるAPJの活性化が網膜神経細胞の保護に有効であることを見出してきた。本発明において解決しようとする課題は、緑内障に代わり糖尿病網膜症における網膜神経細胞の保護を可能とする手段を見出すことであるが、発生機序が緑内障と糖尿病網膜症では大きく異なり、緑内障においては視神経乳頭部における網膜神経節細胞からの神経軸索の絞扼による神経細胞障害からの保護であり、糖尿病網膜症では微小血管の脆弱化による血流障害からの神経細胞の保護が重要になる。緑内障におけるアペリン/APJシステムの関わりを研究する中で、本発明者らは糖尿病網膜症における同システムの関与を追及する中で本発明の完成に至ったのである。

視細胞から伝達される光刺激シグナルは、光受容体である桿体および錐体の2種類の視細胞から双極細胞を介して介在ニューロンであるアマクリン細胞を経由し網膜神経節細胞に入り、ここから視神経乳頭に収束し、視交叉を経て後頭葉視覚中枢に達する。網膜神経節細胞は視覚を司る極めて重要な神経伝達の中継ポイントであり、さらに情報処理機能も備えているため、その障害は失明に直結する重大な問題となり得る。

糖尿病網膜症に対する治療方法として、レーザー光による網膜光凝固術や外科的手術がある。また、硝子体内の血管新生を抑制し病態の進行を抑制する手段として血管内皮増殖因子(VEGF)に対する中和抗体の硝子体内投与も行われているが、これらは病態の進行を抑制するのみで十分な治療方法として確立されたものではない。

先のカルパイン阻害剤からのアプローチとは対照的に、本発明者らは、緑内障モデルマウスにおいて、NMDAとアペリンを同時投与した際に、緑内障における網膜神経細胞死が顕著に抑制されることをこれまで見出してきた。しかしながら硝子体への薬剤の直接投与は侵襲が大きく患者への負担が大であり、感染症などの問題もあるため、こうした方法は実際の治療方法に展開することは困難であると考えられる。

アペリンは77残基のペプチド体から36残基のペプチド(アペリン-36)およびさらに分子量の低下した13残基のアペリン-13へと体内で処理され、これらがAPJに対するリガンドとして作用することが知られている。こうしたアペリン自体を医薬組成物として利用することは、ペプチドとしての安定性やその製造方法、入手方法、価格等に問題があり、治療目的に利用するためには様々な問題があるのが現状である。これに対して様々な合成化合物のアペリン受容体(APJ)アゴニストが報告されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。特許文献1および特許文献2には、様々な構造を有するAPJ受容体アゴニストが開示されているが、いずれもペプチド鎖を導入した複雑な構造を有する化合物であり、安定性や入手方法に関して問題がある。

糖尿病網膜症においては、網膜への血液供給が非常に重要な役割を果たしていると考えられる。網膜への血液の供給は実際二つのルートから行われており、両者の間の交通は存在しないと考えられている。即ち、心臓から頸動脈を経由して頭部に供給される動脈血は、内頸動脈を経て眼動脈に注がれ、これから網膜中心動脈を経由し網膜毛細血管から、網膜神経細胞に直接酸素および栄養素を供給する第1のルートと、網膜視細胞の網膜神経とは反対側の網膜色素上皮層に酸素及び栄養素を供給する毛様動脈を経由して脈絡膜毛細血管に到達する第2のルートの2つのルートがある。脈絡膜毛細血管は有窓血管で、脈絡膜実質中では血液成分は自由に交通しているが、網膜色素上皮層どうしはtight junctionで接合しており隣接する視細胞との間には特に接着構造は有していない。両者は外血液網膜関門を構成し、これからの視細胞への血液成分の移動は困難かつ選択的であり、第2のルートからの薬物の送達は困難である。また、第1のルートの網膜中心動脈からの輸送についても内血液網膜関門が存在し、やはり様々な薬物に対するバリアとして機能している。

これらの血液関門により網膜神経細胞を保護するための様々な薬剤の送達が阻害される。アペリンを始め水溶性ペプチド類は血液関門を通過することが困難であり、さらに水溶性でイオン性の化合物の通過も一般的に困難である。また、薬剤の投与方法として経口投与は最も好ましい投与方法の一つであるが、消化管内での酵素分解や肝臓における代謝を受けやすく、さらに血漿中の様々の酵素による分解反応についても考慮する必要がある。したがって、薬剤として医薬組成物を検討する場合、それに含まれる成分の分解挙動や薬効成分の放出のタイミングおよび投与方法などについても考慮することが必須である。

こうした理由から、上述したアペリン受容体(APJ)アゴニストとしては、血液網膜関門を通過できることに加えて、体内においてある程度の安定性を有することが必要である。特許文献1および特許文献2に示されるアペリン受容体アゴニストはいずれも血液網膜関門を通過できないため末梢血管系からの投入で網膜神経節細胞へ達することが出来なかった。

アペリン受容体(APJ)は上述したように生体内において様々な働きを通して正常な生体機能を維持するための調節に大きく寄与しており、その選択的アゴニストとしてアペリンが存在するが、APJのアゴニストとしてアペリン以外の分子を利用する場合、APJに対する選択性が問題となる場合がある。APJはアンジオテンシンII受容体AT1と相同性が高く、これ以外のGタンパク質供役受容体との相同性も有している。従って、アペリン以外のアペリン受容体アゴニストは、これ以外のタンパク質に対してもアゴニストとして作用することで生体内において好ましくない副作用を及ぼす可能性がある。こうした理由から、APJに対するアゴニストとしては選択性が高く、これ以外の相同性を有するタンパク質との相互作用ができるだけ少ないものを選択する必要がある。

したがって、糖尿病網膜症を予防若しくは治療するための網膜神経細胞を保護する作用を有するアペリンに代わる低分子化合物であるアペリン受容体(APJ)に対して高い選択性を有するアゴニストを含有する医薬組成物と、末梢血管系からの投入で網膜神経節細胞へ達することのできる医薬組成物の使用方法が求められている。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は糖尿病網膜症を予防若しくは治療するための、網膜神経細胞に対して神経保護作用を示すアペリン受容体(APJ)アゴニストを含有する医薬組成物とその使用方法に関する。具体的には、糖尿病が原因で網膜神経細胞が変性し細胞死に至る病態の進行を抑制し、該神経細胞を保護するために有効である低分子化合物のアペリン受容体(APJ)アゴニストとして作用する化合物を含有する医薬組成物に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
糖尿病網膜症において害される網膜神経細胞を保護するアペリン受容体アゴニストであって、下記一般式(I)で表される化合物を有効成分として含有する医薬組成物:
【化1】
 
(省略)
(式(I)中、R1は炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル基を、R2~R4は各々独立して水素原子、又は、炭素数1~6の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基を、R5は置換可能なフェニル基又は含窒素複素環基をそれぞれ示す。)。

【請求項2】
 
糖尿病網膜症において害される網膜神経細胞を保護するアペリン受容体アゴニストであって、下記一般式(II)で表される化合物を有効成分として含有する医薬組成物:
【化2】
 
(省略)
(式(II)中、R1は炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル基を、R3は水素原子、又は、炭素数1~6の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基を、R5は置換可能なフェニル基又は含窒素複素環基をそれぞれ示す。)。

【請求項3】
 
糖尿病網膜症において害される網膜神経細胞を保護するアペリン受容体アゴニストであって、下記一般式(III)で表される化合物を有効成分として含有する医薬組成物:
【化3】
 
(省略)
(式(III)中、R3は水素原子、又は、炭素数1~6の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基を、R5は置換可能なフェニル基又は含窒素複素環基をそれぞれ示す。)。

【請求項4】
 
前記一般式(I)で表される化合物において、R1がイソプロピル基、シクロヘキシル基、又は、ターシャリーブチル基、R2及びR4が水素原子、R3が水素原子、又は、メチル基、であることを特徴とする請求項1の医薬組成物。

【請求項5】
 
前記一般式(II)で表される化合物において、R1がイソプロピル基、シクロヘキシル基、又は、ターシャリーブチル基、R3が水素原子、又は、メチル基、であることを特徴とする請求項2の医薬組成物。

【請求項6】
 
ヒトを含む動物の末梢血管系に投与され、体循環を経て眼動脈経由で網膜に到達させるように用いられることを特徴とする請求項1~5の何れかの医薬組成物。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2018192861thum.jpg
State of application right Published


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