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(In Japanese)酵母の液胞トランスポーターシャペロン複合体の機能欠損による発酵促進方法

Patent code P190015847
File No. (S2016-0382-N0)
Posted date Feb 22, 2019
Application number P2017-566935
Date of filing Feb 6, 2017
International application number JP2017004212
International publication number WO2017138489
Date of international filing Feb 6, 2017
Date of international publication Aug 17, 2017
Priority data
  • P2016-025324 (Feb 12, 2016) JP
Inventor
  • (In Japanese)渡辺 大輔
  • (In Japanese)高木 健一
  • (In Japanese)高木 博史
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
Title (In Japanese)酵母の液胞トランスポーターシャペロン複合体の機能欠損による発酵促進方法
Abstract (In Japanese)本発明は、酵母による発酵能、エタノール生産性を向上させるための方法に関する。より具体的には、酵母において、液胞トランスポーターシャペロン複合体(VTC複合体)の機能を低下又は喪失させることを含む、酵母の発酵能を向上させる方法、酵母においてVTC複合体の機能が低下又は喪失している条件で、アルコール発酵を行うことを含む、酵母を用いた発酵産物の製造方法、酵母において、遺伝子変異を行うことにより、VTC複合体の機能を低下又は喪失させることを含む、発酵用酵母の作製方法、遺伝子変異により、VTC複合体の機能が低下又は喪失した酵母、酵母の発酵能を向上させるための薬剤のスクリーニング方法に関する。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

近年、酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)において、液胞トランスポーターシャペロン複合体(以下「VTC複合体」)が見出された。VTC複合体は、Vtc1p、Vtc2p、Vtc3p、Vtc4pにより構成されるタンパク質複合体である。VTC複合体は、液胞型プロトンATPaseの安定性の維持や、タンパク質の輸送、ミクロオートファジー、液胞内へのポリリン酸の蓄積に関与することが報告されている(非特許文献1、2、3、4)。非特許文献1では、実験室株の酵母W303株を用いて、Vtc1pをコードするVTC1遺伝子の破壊株が作製され、VTC複合体についての解析が行われている。

酵母は、パン生地等や清酒をはじめとする酒類等の発酵食品やバイオエタノール等の製造に用いられている。発酵食品やバイオエタノールの製造においては、一般的に、ブドウ糖などの糖類をサッカロミセス属の酵母によりエタノールと二酸化炭素に分解するアルコール発酵の工程が用いられる。

酵母によるアルコール発酵速度を高めることは、発酵食品やバイオエタノールの生産性の向上に直結する。酵母のアルコール発酵を促進する方法として、遺伝子組換え酵母を作製する方法が検討されている。本発明者らは、酵母のストレス応答性を改変することによりアルコール発酵を促進し得ることを見出し、ストレス応答転写因子をコードするMSN2遺伝子又はMSN4遺伝子を破壊した酵母(特許文献1)や、酵母の増殖が停止する定常期への移行に関する定常期移行促進因子をコードするIGO1遺伝子又はIGO2遺伝子を破壊した酵母(特許文献2)を作製した。しかしながら、ストレス応答性を改変する方法では、酵母のアルコール発酵の促進には限界があり、酵母のアルコール発酵を効果的に促進する方法の開発が望まれる。

酵母においてどの遺伝子がアルコール発酵に関連しているかは未だ解明されておらず、アルコール発酵とVTC複合体との関連性についての報告もない。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、酵母の液胞トランスポーターシャペロン複合体の機能欠損によって発酵能を向上させる方法に関する。

本出願は、参照によりここに援用されるところの日本出願、特願2016-025324号優先権を請求する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
酵母において、液胞トランスポーターシャペロン複合体(VTC複合体)の機能を低下又は喪失させることを含む、酵母の発酵能を向上させる方法。

【請求項2】
 
酵母のVTC複合体の機能の低下又は喪失が、複数の構成因子から形成されるVTC複合体の形成阻害によるものである、請求項1に記載の酵母の発酵能を向上させる方法。

【請求項3】
 
酵母のVTC複合体の機能の低下又は喪失が、酵母において遺伝子変異を導入することにより、VTC複合体の構成因子をコードする遺伝子から選択される少なくとも1つの遺伝子の発現量を低下させることによるものである、請求項1または2に記載の酵母の発酵能を向上させる方法。

【請求項4】
 
酵母における遺伝子変異が、VTC複合体の構成因子をコードする遺伝子から選択される少なくとも1つの遺伝子の破壊である、請求項3に記載の酵母の発酵能を向上させる方法。

【請求項5】
 
VTC複合体の構成因子をコードする遺伝子から選択される少なくとも1つの遺伝子が、VTC1遺伝子、VTC2遺伝子、VTC3遺伝子、VTC4遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子である、請求項3又は4に記載の酵母の発酵能を向上させる方法。

【請求項6】
 
VTC複合体の構成因子をコードする遺伝子から選択される少なくとも1つの遺伝子が、以下の(a)~(e)からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子である、請求項2~5のいずれかに記載の酵母の発酵能を向上させる方法:
(a)配列番号1~4のいずれかに記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子;
(b)配列番号1~4のいずれかに記載のアミノ酸配列において1又は数個以上のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子;
(c)配列番号1~4のいずれかに記載のアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子;
(d)配列番号5~8のいずれかに記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含む遺伝子;
(e)上記(a)~(d)からなる群から選択されるいずれかのポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドを含む遺伝子。

【請求項7】
 
請求項1~6のいずれかに記載の酵母の発酵能を向上させる方法を含む、酵母を用いて発酵産物を製造する方法であって、酵母においてVTC複合体の機能が低下又は喪失している条件で、アルコール発酵を行うことを含む、発酵産物の製造方法。

【請求項8】
 
発酵産物がエタノールである、請求項7に記載の発酵産物の製造方法。

【請求項9】
 
発酵産物が発酵飲料又は発酵食品である、請求項7に記載の発酵産物の製造方法。

【請求項10】
 
酵母において、遺伝子変異を導入することにより、VTC複合体の機能を低下又は喪失させることを含む、アルコール発酵用酵母の作製方法。

【請求項11】
 
遺伝子変異により、VTC複合体又はVTC複合体の構成因子の機能が低下又は喪失した、アルコール発酵用酵母。

【請求項12】
 
遺伝子変異が、VTC複合体の構成因子をコードする遺伝子から選択される少なくとも1つの遺伝子の破壊である、請求項11に記載のアルコール発酵用酵母。

【請求項13】
 
遺伝子変異により、VTC複合体の機能が低下又は喪失した酵母であり、醸造酵母、パン酵母、又はバイオエタノール酵母のいずれかである酵母。

【請求項14】
 
請求項11~13のいずれかに記載の酵母を含有する、アルコール発酵用組成物。

【請求項15】
 
酵母の発酵能を向上させるための薬剤のスクリーニング方法であって、被験化合物をVTC複合体に作用させる工程を含み、当該被験化合物がVTC複合体の機能を低下又は喪失させることを指標とする、スクリーニング方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
State of application right Published
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