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免疫機能制御因子を発現する免疫担当細胞及び発現ベクター NEW

国内特許コード P190015849
整理番号 (S2016-0507-N0)
掲載日 2019年2月22日
出願番号 特願2018-505978
出願日 平成29年3月15日(2017.3.15)
国際出願番号 JP2017010437
国際公開番号 WO2017159736
国際出願日 平成29年3月15日(2017.3.15)
国際公開日 平成29年9月21日(2017.9.21)
優先権データ
  • 特願2016-053913 (2016.3.17) JP
発明者
  • 玉田 耕治
  • 佐古田 幸美
  • 安達 圭志
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 免疫機能制御因子を発現する免疫担当細胞及び発現ベクター NEW
発明の概要 本発明は、免疫担当細胞において免疫担当細胞の免疫機能制御因子を発現し、増殖能、生存能、及びT細胞の集積能を併せ持つ免疫担当細胞や、かかる免疫担当細胞を作製するための免疫機能制御因子発現ベクターを提供することを課題とする。
がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子、インターロイキン7(IL-7)、及びCCL19を発現する免疫担当細胞を作製する。がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子が、がん抗原を特異的に認識するT細胞受容体であることや、免疫担当細胞がT細胞であることが好ましい。
従来技術、競合技術の概要


がんは世界中で多くの罹患者がいる疾患であり、一般的に化学療法、放射線療法、又は外科療法が広く行われている。しかしながら、副作用が生じることや、一部の機能が失われることや、転移を治療しにくいこと等、様々な問題があった。



そこで、より患者のQOLを高く維持すべく、近年、免疫療法の開発が進められている。この免疫療法において、免疫細胞療法は、患者から免疫担当細胞を採取し、かかる免疫担当細胞の免疫機能を高めるように処置して増幅し、再度患者に移入する療法である。具体的には、患者からT細胞を採取し、かかるT細胞にCARをコードする遺伝子を導入して増幅し、再度患者に移入する療法(非特許文献1参照)が知られている。この療法は、現在世界中で臨床試験が進行しており、白血病やリンパ腫等の造血器悪性腫瘍等において有効性を示す結果が得られている。



また、T細胞等の免疫担当細胞の免疫機能制御因子としては、サイトカイン、ケモカイン、シグナル制御タンパク質等、少なくとも数百種類の因子が知られている。その中でインターロイキン7(IL-7)はT細胞の生存に必須のサイトカインであり、骨髄、胸腺、リンパ器官・組織のストローマ細胞等の非造血細胞によって産生されることが知られている。かかるIL-7の機能を利用したT細胞として、IL-7とIL-7Rアルファを融合したキメラサイトカイン受容体を発現するT細胞(特許文献1参照)が開示されている。しかしながら、かかるT細胞におけるキメラサイトカイン受容体は、一つの融合タンパク質として、導入したT細胞の膜表面に限定して発現し、自己の細胞に対してのみリガンド非依存的にIL-7R等のサイトカインシグナルを伝達するものに過ぎず、上記受容体を導入していないT細胞の機能を高めることはできなかった。



また、CCL19やCCL21、IL-7の発現低下がSIRPアルファ変異マウスにおける脾臓でのT細胞領域の維持欠損の原因となること(非特許文献2参照)や、CCL19やCCL21、IL-7が二次リンパ組織(脾臓やリンパ節)においてT細胞の恒常性を維持する働きを有していること(非特許文献3参照)が開示されている。しかしながら、上記非特許文献2、3は二次リンパ組織のT細胞領域に恒常的に存在する非活性化T細胞に対した作用を示したものであり、抗腫瘍免疫応答と直接的な関係性を示すものではなかった。さらに、上記非特許文献2、3におけるCCL19やCCL21、IL-7発現細胞はT細胞ではなく、二次リンパ組織に存在する細網内皮系の細胞であった。



一方、T細胞受容体(T cell receptor:以下、「TCR」ともいう)はT細胞の細胞膜上に発現している抗原受容体分子である。アルファ鎖とベータ鎖、又はガンマ鎖とデルタ鎖からなるヘテロ二量体として存在しており、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に結合した抗原分子を認識することでT細胞を活性化することが知られている。



かかるTCRの機能を応用し、がん細胞に発現する腫瘍抗原を認識できるTCR遺伝子をがん患者から得られたT細胞に導入し、増幅後に再度患者に移入する免疫療法の開発が進められている。具体的には、WT1発現細胞を特異的に認識するTCRを発現する細胞を含有する髄膜腫治療用医薬組成物(特許文献2参照)が開示されている。



上記技術の一部には、造血器悪性腫瘍に対する抗腫瘍効果を認めるものがあるものの、固形がんに対しては未だに顕著な効果が示された例は無い。これは移入した免疫担当細胞の生体内での生存効率が低い、あるいは移入した免疫担当細胞により誘導される内在性免疫担当細胞の活性化や、腫瘍局所への集積が不十分という問題が考えられており、それらを解決する技術の開発が求められていた。

産業上の利用分野


本発明は、がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子、インターロイキン7(IL-7)、及びCCL19を発現する免疫担当細胞や、かかる免疫担当細胞を含有する抗がん剤や、かかる免疫担当細胞を作製するための発現ベクターに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子、インターロイキン7(IL-7)、及びCCL19を発現する免疫担当細胞。

【請求項2】
がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子が、がん抗原を特異的に認識するT細胞受容体であることを特徴とする請求項1記載の免疫担当細胞。

【請求項3】
免疫担当細胞がT細胞であることを特徴とする請求項1又は2記載の免疫担当細胞。

【請求項4】
がん抗原が、WT1、MART-1、NY-ESO-1、MAGE-A1、MAGE-A3、MAGE-A4、Glypican-3、KIF20A、Survivin、AFP-1、gp100、MUC1、PAP-10、PAP-5、TRP2-1、SART-1、VEGFR1、VEGFR2、NEIL3、MPHOSPH1、DEPDC1、FOXM1、CDH3、TTK、TOMM34、URLC10、KOC1、UBE2T、TOPK、ECT2、MESOTHELIN、NKG2D、P1A、GD2、又はGM2であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の免疫担当細胞。

【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の免疫担当細胞を作製するための以下の(a)~(e)のいずれかの発現ベクター。
(a)がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子をコードする核酸、IL-7をコードする核酸、及びCCL19をコードする核酸を含有する発現ベクター:
(b)以下の(b-1)及び(b-2)の2つの発現ベクター:
(b-1)がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子をコードする核酸を含有する発現ベクター;
(b-2)IL-7をコードする核酸、及びCCL19をコードする核酸を含有する発現ベクター;
(c)以下の(c-1)及び(c-2)の2つの発現ベクター:
(c-1)がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子をコードする核酸、及びIL-7をコードする核酸を含有する発現ベクター;
(c-2)CCL19をコードする核酸を含有する発現ベクター;
(d)以下の(d-1)及び(d-2)の2つの発現ベクター:
(d-1)IL-7をコードする核酸を含有する発現ベクター;
(d-2)がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子をコードする核酸、及びCCL19をコードする核酸を含有する発現ベクター;
(e)以下の(e-1)、(e-2)及び(e-3)の3つの発現ベクター:
(e-1)がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子をコードする核酸を含有する発現ベクター;
(e-2)IL-7をコードする核酸を含有する発現ベクター;
(e-3)CCL19をコードする核酸を含有する発現ベクター;

【請求項6】
がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子が、がん抗原を特異的に認識するT細胞受容体であることを特徴とする請求項5記載の発現ベクター。

【請求項7】
(a)の発現ベクターにおける、がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子をコードする核酸、IL-7をコードする核酸、及び、CCL19をコードする核酸、
(b-2)の発現ベクターにおける、IL-7をコードする核酸、及びCCL19をコードする核酸、
(c-1)の発現ベクターにおける、がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子をコードする核酸、及びIL-7をコードする核酸、又は
(d-2)の発現ベクターにおける、がん抗原を特異的に認識する細胞表面分子をコードする核酸、及びCCL19をコードする核酸、
が自己切断型ペプチドを介して連結されていることを特徴とする請求項5又は6記載の発現ベクター。

【請求項8】
自殺遺伝子をコードする核酸を含有することを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の発現ベクター。

【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載の免疫担当細胞と、薬学的に許容される添加剤とを含有する抗がん剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2018505978thum.jpg
出願権利状態 公開


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