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自重補償用ワイヤを有する多関節マニピュレータ NEW

国内特許コード P190015854
整理番号 (S2016-0163-N0)
掲載日 2019年2月22日
出願番号 特願2018-505360
出願日 平成29年2月15日(2017.2.15)
国際出願番号 JP2017005506
国際公開番号 WO2017159188
国際出願日 平成29年2月15日(2017.2.15)
国際公開日 平成29年9月21日(2017.9.21)
優先権データ
  • 特願2016-049165 (2016.3.14) JP
発明者
  • 遠藤 玄
  • 堀米 篤史
出願人
  • 国立大学法人東京工業大学
発明の名称 自重補償用ワイヤを有する多関節マニピュレータ NEW
発明の概要 多関節マニピュレータは、基台と、n(≧2)個のピッチ軸関節と、ピッチ軸関節によってシリアルに連結され、基台に結合された複数のリンクと、基台から第i番目(i=1、2、…、n)のピッチ軸関節に軸着された(n-i+1)個のプーリと、n個のワイヤであって、第i番目のワイヤは第1番目のピッチ軸関節から第i番目のピッチ軸関節に軸着されたプーリに少なくとも1回転して巻き架されたものと、各ワイヤの両端に接続され、基台内に設けられ、各ワイヤの張力を調整するための複数のアクチュエータと、各ピッチ軸関節に軸着された複数のピッチ軸自重補償用プーリと、各ピッチ軸自重補償用プーリに少なくとも1回転して巻き架けられ、基台内に導かれた自重補償用ワイヤと、自重補償用ワイヤに接続され、基台内に設けられ、自重補償用ワイヤの張力を調整するための自重補償用ロッド付アクチュエータとを具備するものである。
従来技術、競合技術の概要


過酷事故後の原子力発電所において溶融した核燃料取り出すための遠隔操作用マニピュレータとして、超長尺超多自由度の多関節マニピュレータが必要である。



図9は第1の従来の多関節マニピュレータを示す正面図である(参照:非特許文献1のFig.1(c))。図9の多関節マニピュレータは垂直(ピッチ軸)型であって、最も重力の影響を受け易い水平に伸展した姿勢を示している。図9においては、多数のリンク101-1、101-2、…(4つのみ図示)は水平方向のピッチ軸関節102-1、102-2、…によってシリアルに連結されて基台103に結合されている。各ピッチ軸関節102-1、102-2、…にはプーリ104-1、104-2、…が固定的に軸着されている。各リンク101-1、101-2、…はプーリ104-1、104-2、…に巻き架けたワイヤ105-1、105-2、…を基台103内に設けられたアクチュエータ(モータ)(図示せず)を駆動することによって駆動される。この場合、各ピッチ軸関節102-1、102-2、…における関節トルクτ、τ、…はワイヤ105-1、105-2、…の張力とプーリ104-1、104-2、…の半径との積に比例する。



図10は第2の従来の多関節マニピュレータを示す斜視図である(参照:非特許文献1のFig.3)。図10の多関節マニピュレータは、垂直(ピッチ軸)型であって、最も重力の影響を受け易い水平に伸展した姿勢を示している。図10においては、多数のリンク201-1、201-2、…(3つのみ図示)は水平方向の各ピッチ軸関節202-1、202-2、…によってシリアルに連結されて基台203に固定リンク201-0を介して結合されている。ピッチ軸関節202-1にはプーリ204(1、1)、204(1、2)、204(1、3)が軸着され、ピッチ軸関節202-2にはプーリ204(2、2)、204(2、3)が軸着され、ピッチ軸関節202-3にはプーリ204(3、3)が軸着されている。この場合、プーリ204(1、1)、204(2、2)、204(3、3)はピッチ軸関節202-1、202-2、202-3に固定的に軸着され、プーリ204(1、2)、204(1、3)、204(2、3)はピッチ軸関節202-1、202-2に摺動自在に軸着されている。ワイヤ205-1-1、205-1-2はプーリ204(1、1)に互い逆向きに1回転巻き架され、ワイヤ205-2-1、205-2-2はプーリ204(1、2)、204(2、2)に互い逆向きに1回転巻き架され、ワイヤ205-3-1、205-3-2はプーリ204(1、3)、204(2、3)、204(3、3)に互い逆向きに1回転巻き架されている。また、多数のリンク201-1、201-2、…の重量の増加を抑制するために、ワイヤ205-1-1、205-1-2;205-2-1、205-2-2;…を介して各リンク201-1、201-2、…を駆動するためのアクチュエータ(モータ)206-1-1、206-1-2;206-2-1、206-2-2;…はマニピュレータの基台203内に設けている。これにより、関節機構を簡略化できる。



図10において、たとえば、アクチュエータ206-3-1をワイヤ205-3-1を巻き取るように、かつアクチュエータ206-3-2をワイヤ205-3-2を弛ませるように駆動させると、リンク201-1、201-2、201-3は同時に上昇する。また、さらにアクチュエータ206-2-2及び206-1-2をワイヤ205-2-2及び205-1-2を巻き取るように、かつアクチュエータ206-1-1及び206-2
-1をワイヤ205-1-1及び205-2-1を弛ませるように駆動させると、リンク201-1のみが上昇する。



図11は第3の従来の多関節マニピュレータを示す斜視図である(参照:特許文献1)。図11の多関節マニピュレータは、垂直(ピッチ軸)かつ水平(ヨー軸)型であって、2節目を重力の影響を受け易い水平に伸展した姿勢を示している。図11においては、複数の4節平行リンク構造L1、L2、…(2つのみ図示)がシリアルに連結されて基台300に結合されている。各4節平行リンク構造L1、L2、…は、フレーム301、302、及びフレーム301、302間に設けられた平行な主リンク303及び副リンク304によって構成され、垂直方向のピッチ軸回りのα回転するようにする。さらに、基台300側の4節平行リンク構造L1のフレーム302と隣接する4節平行リンク構造L2のフレーム301とを垂直連結し、ヨー軸回りのθ回転するようにする。これらピッチ軸回り及びヨー軸回りの各アクチュエータ(モータ)は関節つまりフレーム301、302内に設けられる。さらに、図11においては、多数の4節平行リンク構造L1、L2、…の自重を補償するために、各フレーム301、302に自重補償用二重プーリ305、306を摺動自在に設け、自重補償用ワイヤ307-1、307-2、…を自重補償用二重プーリ306(305)の小径プーリから自重補償用二重プーリ305(306)の大径プーリに巻き架け、最後に自重補償用二重プーリ305の小径プーリをカウンタウェイト308で引張ることにより自重トルクを相殺している。



図11においては、平行リンク構造L1、L2、…を採用しているので、モーメントが変化しても主リンク303、副リンク304の圧縮力として構造的に支えるので、先端のみの力が関節トルクとして作用し、結果的に、次の平行リンク機構の姿勢に依存せず、一定のトルクで自重補償が可能である。



図12は第4の従来の多関節マニピュレータを示す正面図である(参照:非特許文献2)。図12の多関節マニピュレータは、垂直(ピッチ軸)型であって、最も重力の影響を受け易い水平に伸展した姿勢を示している。図12においては、多数のリンク401-1、401-2、…(3つのみ図示)は水平方向のピッチ軸関節402-1、402-2、…によってシリアルに連結されて基台403に固定リンク401-0を介して結合されている。各ピッチ軸関節402-1、402-2、…にはプーリ(図示せず)が固定的に軸着されている。各リンク401-1、401-2、…はこれらプーリに巻き架けたワイヤ(図示せず)をピッチ軸関節402-1、402-2、…内に設けられたアクチュエータ(モータ)(図示せず)によって駆動される。この場合、各ピッチ軸関節402-1、402-2、…における関節トルクτ、τ、…は上述の各ワイヤの張力とプーリ半径との積に比例する。さらに、図12においては、多数のリンク401-1、401-2、…の自重を補償するために、各ピッチ軸関節402-1、402-2、…に自重補償用プーリ404-1、404-2、…を摺動自在に軸着し、1本の自重補償用ワイヤ405を先端のリンクたとえば401-3に固定し各自重補償用プーリ404-1、404-2、…に1回転して巻き架け、その自重補償用ワイヤ405の端部405aをカウンタウェイト406で引っ張ることにより自重トルクを相殺している。

産業上の利用分野


本発明は手先出力が大きく細長いアームの超長尺超多自由度の多関節マニピュレータに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基台と、
n(≧2)個のピッチ軸関節と、
前記ピッチ軸関節によってシリアルに連結され、前記基台に結合された複数のリンクと、
前記基台から第i番目(i=1、2、…、n)のピッチ軸関節に軸着された(n-i+1)個のプーリと、
n個のワイヤであって、第i番目のワイヤは前記第1番目のピッチ軸関節から第i番目のピッチ軸関節に軸着されたプーリに少なくとも1回転して巻き架されたものと、
前記各ワイヤの両端に接続され、前記基台内に設けられ、前記各ワイヤの張力を調整するための複数のアクチュエータと、
前記各関節に軸着された複数のピッチ軸自重補償用プーリと、
前記各ピッチ軸自重補償用プーリに少なくとも1回転して巻き架けられ、前記基台内に導かれた自重補償用ワイヤと、
前記自重補償用ワイヤに接続され、前記基台内に設けられ、前記自重補償用ワイヤの張力を調整するための自重補償用ロッド付アクチュエータと
を具備する多関節マニピュレータ。

【請求項2】
前記自重補償用ロッド付アクチュエータは前記自重補償用ワイヤの張力をロッドの曲げモーメントで調整する請求項1に記載の多関節マニピュレータ。

【請求項3】
前記自重補償用ワイヤは自重補償用ロッド付アクチュエータのロッド近傍で2分岐され、該2分岐された部分を前記ロッドに対して平行にし、前記ロッドの曲げモーメントを相殺するようにした請求項1に記載の多関節マニピュレータ。

【請求項4】
前記自重補償用ワイヤは自重補償用ロッド付アクチュエータのロッド前方で前記ロッドに対して平行にした請求項1に記載の多関節マニピュレータ。

【請求項5】
さらに、
エアコンプレッサと、
前記エアコンプレッサと前記自重補償用ロッド付アクチュエータとの間に設けられ、前記エアコンプレッサから前記自重補償用ロッド付アクチュエータへの供給空気圧力を調整するための電空レギュレータと
を具備する請求項1に記載の多関節マニピュレータ。

【請求項6】
前記ピッチ軸関節は前記基台からの距離に応じて小さくなる請求項1に記載の多関節マニピュレータ。

【請求項7】
さらに、
対象物に合わせて前記各ピッチ軸関節の姿勢角を決定し、前記姿勢角の基で前記多関節マニピュレータの先端荷重及び前記各ピッチ軸関節の自重を支えるために前記各ピッチ軸関節で生成すべきピッチ軸関節トルクを演算し、前記各ピッチ軸関節トルクに対応する前記各アクチュエータで生成する前記各ワイヤの張力の最大値が最も小さくなるように前記各ワイヤの張力及び前記自重補償用ワイヤの張力を演算し、前記各関節トルクに対する前記ワイヤの各張力を生成すべく前記各アクチュエータを駆動しかつ前記自重補償用ワイヤの張力を生成すべく前記自重補償用ロッド付アクチュエータを駆動するための制御ユニットを具備する請求項1に記載の多関節マニピュレータ。

【請求項8】
さらに、
前記n個のピッチ軸関節の隣接する2つのピッチ軸関節の間にリンクを介して設けられた少なくとも1つの第1のヨー軸関節と、
前記n個のピッチ軸関節の最先端側のピッチ軸関節の外側にリンクを介して設けられた第2のヨー軸関節と、
前記第1のヨー軸関節に摺動自在に設けられた1対の第1のヨー軸自重補償用プーリと、
前記第2のヨー軸関節に摺動自在に設けられた第2のヨー軸自重補償用プーリと、
を具備し、
前記各ピッチ軸自重補償用プーリは1対のピッチ軸自重補償用プーリを具備し、
前記自重補償用ワイヤは第1、第2の系統に分岐され、前記第1の系統は前記1対のピッチ軸自重補償用プーリの一方に少なくとも1回転して巻き架けられかつ前記1対のヨー軸自重補償用プーリの一方に架けられ、前記第2の系統は前記1対のピッチ軸自重補償用プーリの他方に少なくとも1回転して巻き架けられかつ前記1対のヨー軸自重補償用プーリの他方に架けられ、前記第1、第2の系統は前記第2のヨー軸自重補償用プーリに架けられて結合した請求項1に記載の多関節マニピュレータ。

【請求項9】
前記自重補償用ワイヤの分岐された前記第1、第2の系統は前記自重補償用ロッド付アクチュエータのロッド近傍にて平行にされ、前記ロッドの曲げモーメントを相殺するようにした請求項8に記載の多関節マニピュレータ。

【請求項10】
前記自重補償用ワイヤの分岐された前記第1、第2の系統は前記自重補償用ロッド付アクチュエータのロッド前方にて平行にされた請求項8に記載の多関節マニピュレータ。

【請求項11】
前記ピッチ軸関節及び前記ヨー軸関節は前記基台からの距離に応じて小さくなる請求項8に記載の多関節マニピュレータ。

【請求項12】
基台と、
n(≧2)個のピッチ軸関節と、
前記n個のピッチ軸関節の間に設けられた少なくとも1つの第1のヨー軸関節と、
前記n個のピッチ軸関節の最先端側のピッチ軸関節の外側に設けられた第2のヨー軸関節と、
前記ピッチ軸関節及び前記第1、第2のヨー軸関節によってシリアルに連結され、前記基台に結合された複数のリンクと、
前記基台から第i番目(i=1、2、…、n)のピッチ軸関節に軸着された(n-i+1)個のプーリと、
n個のワイヤであって、第i番目のワイヤは前記第1番目のピッチ軸関節から第i番目のピッチ軸関節に軸着されたプーリに少なくとも1回転して巻き架されたものと、
前記各ワイヤの両端に接続され、前記基台内に設けられ、前記各ワイヤの張力を調整するための複数のアクチュエータと、
前記各ピッチ軸関節に摺動自在に軸着された1対のピッチ軸自重補償用プーリと、
前記第1のヨー軸関節に摺動自在に軸着された1対の第1のヨー軸自重補償用プーリと、
前記第2のヨー軸関節に摺動自在に軸着された第2のヨー軸自重補償用プーリと、
前記各1対のピッチ軸自重補償用プーリの一方に少なくとも1回転して巻き架けられかつ前記1対の第2のヨー軸自重補償用プーリの一方に架けられ、前記第2のヨー軸自重補償用プーリに架けられ、前記各1対のピッチ軸自重補償用プーリの他方に少なくとも1回転して巻き架けられかつ前記1対の第2のヨー軸自重補償用プーリに架けられ、前記基台内に2本に分岐して導かれた自重補償用ワイヤと、
前記自重補償用ワイヤに接続され、前記基台内に設けられ、前記自重補償用ワイヤの張力を調整するための自重補償用ロッド付アクチュエータと
を具備する多関節マニピュレータ。

【請求項13】
前記自重補償用ワイヤの分岐された2本は前記自重補償用ロッド付アクチュエータのロッド近傍で平行にされ、前記ロッドの曲げモーメントを相殺するようにした請求項12に記載の多関節マニピュレータ。

【請求項14】
前記自重補償用ワイヤの分岐された2本は前記自重補償用ロッド付アクチュエータのロッド前方で平行にされた請求項12に記載の多関節マニピュレータ。

【請求項15】
前記ピッチ軸関節及び前記第1、第2のヨー軸関節は前記基台からの距離に応じて小さくなる請求項12に記載の多関節マニピュレータ。

【請求項16】
さらに、
対象物に合わせて前記各ピッチ軸関節の姿勢角を決定し、前記姿勢角の基で前記多関節マニピュレータの先端荷重及び前記各ピッチ軸関節の自重を支えるために前記各ピッチ軸関節で生成すべきピッチ軸関節トルクを演算し、前記各ピッチ軸関節トルクに対応する前記各アクチュエータで生成する前記各ワイヤの張力の最大値が最も小さくなるように前記各ワイヤの張力及び前記自重補償用ワイヤの張力を演算し、前記各関節トルクに対する前記ワイヤの各張力を生成すべく前記各アクチュエータを駆動しかつ前記自重補償用ワイヤの張力を生成すべく前記自重補償用ロッド付アクチュエータを駆動するための制御ユニットを具備する請求項12に記載の多関節マニピュレータ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 公開
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