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プロペラ負荷状態推定装置、プロペラ負荷状態推定方法、およびプロペラ負荷状態推定プログラム

国内特許コード P190015868
整理番号 S2017-0715-N0
掲載日 2019年2月25日
出願番号 特願2017-095748
公開番号 特開2018-192838
出願日 平成29年5月12日(2017.5.12)
公開日 平成30年12月6日(2018.12.6)
発明者
  • 大 出 剛
  • 賞 雅 寛 而
  • 清 水 悦 郎
  • 波津久 達 也
  • 井 原 智 則
出願人
  • 国立大学法人東京海洋大学
発明の名称 プロペラ負荷状態推定装置、プロペラ負荷状態推定方法、およびプロペラ負荷状態推定プログラム
発明の概要 【課題】モータのモニタリングデータを用いて、プロペラ負荷状態を追加の計測器を設置することなく精度よく推定する。
【解決手段】実施形態のプロペラ負荷状態推定装置は、モータによってプロペラを駆動する船舶のプロペラ負荷状態を推定する装置であって、前記モータのモニタリングデータの現在値を所定のサンプリング周期で取得する現在値取得部と、前記モニタリングデータの現在値に基づいて前記プロペラ負荷状態を示す観測負荷の現在値を算出する現在値算出部と、予め設定された信号解析対象期間における前記観測負荷のデータ列を解析対象データとして算出値記憶部から読み出す記憶データ読出部と、前記解析対象データに対する信号解析処理を実行する信号解析部と、前記信号解析処理の実行結果に基づいて前記プロペラ負荷状態を推定する状態推定部と、推定された前記プロペラ負荷状態を出力する推定結果出力部と、を備える。
【選択図】 図6
従来技術、競合技術の概要


船舶の船体動揺や海面の波動等によってプロペラ周辺の気泡吸い込みやキャビテーション等が引き起こされ、その結果、プロペラの空転やレーシングによるプロペラ推力の低下することが知られている。



船舶推進用の動力装置として広く使用されている内燃機関(エンジン)においては、回転計やトルク計等の計測器によってプロペラの回転状態を検知し、ガバナー(調速機)を用いて燃料噴射量を制御することによって、プロペラの空転の発生を抑制している。しかし、回転計やトルク計には計測精度に制約がある上に、時定数が大きくなるために応答性に課題があった。



内燃機関を動力装置とする船舶に対して、誘導モータや永久磁石同期モータなどのモータを動力装置とする船舶が使用され始めている。このような船舶では、船舶用ドライブシステム(以下、単に「ドライブシステム」ともいう。)が用いられる。ドライブシステムは、パワーエレクトロニクス技術を利用した可変電圧可変周波数型のインバータから可変的に供給される電力でモータを駆動することによって、モータのトルク制御および回転速度制御を行う。ドライブシステムおよびプロペラ推進機構で構成されるパワートレインは、内燃機関に比べて制御におけるトルク応答性が良く、きめ細かい制御が可能である。



また、ドライブシステムは、インバータからモータに出力される電流および電圧や、モータのトルクおよび回転速度等の内部状態を、モニタリングデータとして出力する機能を備えている。このため、内燃機関と比較して、回転計やトルク計を別途設ける必要がないという特徴がある。



なお、特許文献1には、エンジンの動力により推進する船舶において、エンジンの回転速度を時間微分することによってキャビテーションの発生を検知し、キャビテーションの発生が検知された場合に、変速機構部に対して減速比を変更する信号を出力することによってエンジンの回転速度を制御する技術が記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、プロペラ負荷状態推定装置、プロペラ負荷状態推定方法、およびプロペラ負荷状態推定プログラムに関し、特に、モータによってプロペラを駆動する船舶のプロペラ負荷状態を推定するための、プロペラ負荷状態推定装置、プロペラ負荷状態推定方法、およびプロペラ負荷状態推定プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
モータによってプロペラを駆動する船舶のプロペラ負荷状態を推定する装置であって、
前記モータのモニタリングデータの現在値を所定のサンプリング周期で取得する現在値取得部と、
前記現在値取得部が取得した前記モニタリングデータの現在値に基づいて、前記プロペラ負荷状態を示す観測負荷の現在値を算出する現在値算出部と、
前記現在値算出部が算出した前記観測負荷の現在値を記憶する算出値記憶部と、
予め設定された信号解析対象期間における前記観測負荷のデータ列を解析対象データとして前記算出値記憶部から読み出す記憶データ読出部と、
前記記憶データ読出部が読み出した前記解析対象データに対する信号解析処理を実行する信号解析部と、
前記信号解析処理の実行結果に基づいて、前記プロペラ負荷状態を推定する状態推定部と、
前記状態推定部が推定した前記プロペラ負荷状態を出力する推定結果出力部と、
を備えるプロペラ負荷状態推定装置。

【請求項2】
前記状態推定部が推定する前記プロペラ負荷状態は、前記プロペラの空転が発生している不適正負荷状態、および前記プロペラの空転が発生していない適正負荷状態を含む、
請求項1に記載のプロペラ負荷状態推定装置。

【請求項3】
前記適正負荷状態は、前記プロペラの効率が最適となる状態を有する最適負荷状態を含む、
請求項2に記載のプロペラ負荷状態推定装置。

【請求項4】
前記モニタリングデータは、トルクに対応するトルク対応データおよび回転速度に対応する回転速度対応データを含み、
前記観測負荷の現在値は、前記トルク対応データの現在値および前記回転速度対応データの現在値を用いて算出される、
請求項1から3のいずれかに記載のプロペラ負荷状態推定装置。

【請求項5】
前記現在値算出部は、前記モータがトルク一定に制御されている場合には、前記トルク対応データの現在値に相当するパラメータを定数として前記観測負荷の現在値を算出する、
請求項4に記載のプロペラ負荷状態推定装置。

【請求項6】
前記トルク対応データは、前記モータに供給される電流を示すデータであり、
前記回転速度対応データは、前記モータに印加される電圧を示すデータである、
請求項4に記載のプロペラ負荷状態推定装置。

【請求項7】
前記信号解析部は、前記信号解析処理として統計解析処理および/または周波数解析処理を行う、
請求項4から6のいずれかに記載のプロペラ負荷状態推定装置。

【請求項8】
前記信号解析部は、前記統計解析処理として、前記解析対象データの分散値を算出し、
前記状態推定部は、前記信号解析部が算出した前記解析対象データの分散値が第1閾値を超える場合には、前記プロペラ負荷状態が、前記プロペラの空転が発生している不適正負荷状態であると推定し、前記第1閾値よりも小さい第2閾値以下である場合には、前記プロペラ負荷状態が、前記プロペラの空転が発生していない適正負荷状態であると推定する、
請求項7に記載のプロペラ負荷状態推定装置。

【請求項9】
前記信号解析部は、前記周波数解析処理として、前記解析対象データのピーク周波数成分を抽出し、
前記状態推定部は、前記信号解析部が抽出した前記ピーク周波数成分の中に、前記回転速度対応データから算出される基本周波数および高調波成分から所定のパターンでピーク周波数がシフトした成分が検出された場合、前記プロペラ負荷状態が、前記プロペラの効率が最適となる状態を含む最適負荷状態であると推定する、
請求項7または8に記載のプロペラ負荷状態推定装置。

【請求項10】
前記現在値算出部は、前記観測負荷の現在値を次式によって算出する、
請求項4から9のいずれかに記載のプロペラ負荷状態推定装置。
【数1】


ここで、Kρ:前記観測負荷の現在値、Q:前記トルク対応データの現在値、n:前記回転速度対応データの現在値、D:前記プロペラの直径の設定値である。

【請求項11】
モータによってプロペラを駆動する船舶のプロペラ負荷状態を推定する方法であって、
前記モータのモニタリングデータの現在値を所定のサンプリング周期で取得する現在値取得ステップと、
前記現在値取得ステップにおいて取得された前記モニタリングデータの現在値に基づいて、前記プロペラ負荷状態を示す観測負荷の現在値を算出する現在値算出ステップと、
前記現在値算出ステップにおいて算出された前記観測負荷の現在値を算出値記憶部に記憶する算出値記憶ステップと、
予め設定された信号解析対象期間における前記観測負荷のデータ列を解析対象データとして前記算出値記憶部から読み出す記憶データ読出ステップと、
前記記憶データ読出ステップにおいて読み出された前記解析対象データに対する信号解析処理を実行する信号解析ステップと、
前記信号解析処理の実行結果に基づいて、前記プロペラ負荷状態を推定する状態推定ステップと、
前記状態推定ステップにおいて推定された前記プロペラ負荷状態を出力する推定結果出力ステップと、
を備えるプロペラ負荷状態推定方法。

【請求項12】
モータによってプロペラを駆動する船舶のプロペラ負荷状態を推定する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記モータのモニタリングデータの現在値を所定のサンプリング周期で取得する現在値取得ステップと、
前記現在値取得ステップにおいて取得された前記モニタリングデータの現在値に基づいて、前記プロペラ負荷状態を示す観測負荷の現在値を算出する現在値算出ステップと、
前記現在値算出ステップにおいて算出された前記観測負荷の現在値を算出値記憶部に記憶する算出値記憶ステップと、
予め設定された信号解析対象期間における前記観測負荷のデータ列を解析対象データとして前記算出値記憶部から読み出す記憶データ読出ステップと、
前記記憶データ読出ステップにおいて読み出された前記解析対象データに対する信号解析処理を実行する信号解析ステップと、
前記信号解析処理の実行結果に基づいて、前記プロペラ負荷状態を推定する状態推定ステップと、
前記状態推定ステップにおいて推定された前記プロペラ負荷状態を出力する推定結果出力ステップと、
をコンピュータに実行させるプロペラ負荷状態推定プログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017095748thum.jpg
出願権利状態 公開


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