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pH応答性リポソーム NEW

国内特許コード P190015879
整理番号 S2017-0771-N0
掲載日 2019年2月25日
出願番号 特願2017-136235
公開番号 特開2019-019059
出願日 平成29年7月12日(2017.7.12)
公開日 平成31年2月7日(2019.2.7)
発明者
  • 弓場 英司
  • 深谷 佳樹
出願人
  • 公立大学法人大阪府立大学
発明の名称 pH応答性リポソーム NEW
発明の概要 【課題】pHに応答して内容物を放出でき、ひいては細胞の細胞質へ目的物質を効率的に送達できるリポソームを提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも1つのカルボキシル基を有するカルボキシル基含有多糖由来部分と、疎水性部分と、末端マンノース基とを有し、末端マンノース基がリンカーを介してカルボキシル基含有多糖由来部分に結合したpH応答性物質をリポソーム膜に保持してなるpH応答性リポソームにより、上記の課題を解決する。
【選択図】図7
従来技術、競合技術の概要


患者本人の免疫を利用するガン免疫療法は、副作用の少ない治療法として注目されている。免疫療法の成功には、標的細胞(ガン細胞)を直接かつ特異的に攻撃できる細胞傷害性T細胞を活性化することが必須であり、そのためには、専門的抗原提示細胞である樹状細胞にがん抗原を導入してがん特異的な免疫を誘導する必要がある。



本発明者らのグループは、これまでに、カルボキシル基含有多糖由来部分と疎水性部分とを有するpH応答性物質を創製し、このpH応答性リポソームを用いて、生体適合性が高く、細胞質へ効率良く内包物(例えば、抗原)を送達できる送達システムを開発している(特許文献1、非特許文献1)。これは、エンドソーム内環境が弱酸性であることを利用しており、脂質二重膜から成るカプセルであるリポソームがエンドサイトーシスなどにより細胞内に取り込まれると、リポソーム膜(脂質二重膜)に保持されたpH応答性物質中のカルボキシ基が弱酸性環境に応答してプロトン化することにより(膜表面において)疎水化し、その結果、リポソーム膜が不安定化して破壊されると同時にエンドソーム膜と融合し、内包物を細胞質に放出するものである。



樹状細胞のような免疫細胞は、細菌の細胞壁の構成成分であるマンナンを認識するために、細胞表面にマンノースレセプターを有することが知られている。したがって、上記pH応答性リポソームにおいて、多糖としてマンナンを用いれば、そのようなリポソームは、細胞により認識されて取り込みが促進されると考えられた。
しかし、実際にマンナンを多糖として用いた場合には、リポソームの細胞取り込みの促進は観察されなかった(非特許文献1)。

産業上の利用分野


本発明は、アルカリ性のpH条件下では安定であるが、穏やかな酸性条件下で膜融合性となって内包物を放出できるpH応答性リポソームに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
少なくとも1つのカルボキシル基を有するカルボキシル基含有多糖由来部分と、疎水性部分と、末端マンノース基とを有し、末端マンノース基がリンカーを介してカルボキシル基含有多糖由来部分に結合したpH応答性物質をリポソーム膜に保持してなるpH応答性リポソーム。

【請求項2】
リンカーが、一般式:-X-R-Y- (式中、Rは炭素数が1~10の直鎖又は分岐鎖の二価脂肪族基;炭素数が3~10の二価脂環式基;又は炭素数が6~10の二価芳香族基であり、前記二価脂肪族基及び二価脂環式基はヘテロ原子を有してもよく、不飽和結合を含んでいてもよく;X及びYは各々独立して結合手、又は-O-、-NH-若しくは-CO-である)で表される請求項1に記載のpH応答性リポソーム。

【請求項3】
カルボキシル基含有多糖由来部分中の多糖部分のヒドロキシル基への末端マンノース基の導入率が0.5~10%である請求項1又は2に記載のpH応答性リポソーム。

【請求項4】
カルボキシル基含有多糖由来部分が、生体由来多糖を用いて得られるカルボキシル基含有半合成多糖に由来し、生体由来多糖が、グルコース、マンノース、ガラクトース及び/又はその誘導体を構成単位とする多糖である請求項1~3のいずれか1項に記載のpH応答性リポソーム。

【請求項5】
生体由来多糖が、β-グルカン、デキストラン、ヒアルロン酸及びマンナンより選択される請求項4に記載のpH応答性リポソーム。

【請求項6】
カルボキシル基含有多糖由来部分が、生体由来多糖とジカルボン酸とから得られ、ジカルボン酸が一般式:HOOC-R1-COOH(R1は、結合手、主鎖部分の炭素数が1~10で直鎖状若しくは分岐鎖状であってよいアルキレン基(分岐鎖の炭素数は1~4である)、環状部分の炭素数が3~10で、置換されていてもよいシクロアルキレン基(置換基は炭素数1~4のアルキル基である)、炭素数1~4のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基、炭素数1~4のアルキル基で置換されていてもよいフェニルアルキレン基(フェニルアルキレン基のアルキル部分の炭素数は1~4である)である)で表されるジカルボン酸、並びにマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、2-ペンテン二酸、メチレンコハク酸、アリルマロン酸、イソプロピリデンコハク酸、2,4-ヘキサジエン二酸及びアセチレンジカルボン酸からなる群より選択される請求項1~5のいずれか1項に記載のリポソーム。

【請求項7】
ジカルボン酸が一般式:HOOC-R1-COOH(R1は、結合手;C1~C2アルキル基で置換されていてもよいC1~C4アルキレン基;C1~C2アルキル基で置換されていてもよいシクロへキシレン基;又はC1~C2アルキル基で置換されていてもよいフェニレン基である)で表されるジカルボン酸からなる群より選択される請求項6に記載のリポソーム。

【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のリポソームと、薬剤とからなるpH応答性薬剤放出システム。

【請求項9】
少なくとも1つのカルボキシル基を有するカルボキシル基含有多糖由来部分と、疎水性部分と、末端マンノース基とを有し、末端マンノース基がリンカーを介してカルボキシル基含有多糖由来部分に結合したpH応答性物質を含むpH応答性リポソーム製造用試薬。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017136235thum.jpg
出願権利状態 公開
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