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量子ドット、これを用いた光デバイス、及び量子ドットの作製方法

国内特許コード P190015883
整理番号 (S2017-0555-N0)
掲載日 2019年2月25日
出願番号 特願2018-051284
公開番号 特開2019-016772
出願日 平成30年3月19日(2018.3.19)
公開日 平成31年1月31日(2019.1.31)
優先権データ
  • 特願2017-057431 (2017.3.23) JP
  • 特願2017-137392 (2017.7.13) JP
発明者
  • 劉 鋒
  • 沈 青
  • 張 耀紅
  • 丁 超
  • 豊田 太郎
出願人
  • 国立大学法人電気通信大学
発明の名称 量子ドット、これを用いた光デバイス、及び量子ドットの作製方法
発明の概要 【課題】簡単な合成法で表面構造が安定化された発光効率の高い量子ドットを提供する。
【解決手段】一般式CsMX3で表されるハロゲン化鉛ペロブスカイト型の量子ドットにおいて、MはPb、Sn、Ge、またはこれらの化合物から選択され、Xは、I、Br、Cl、またはこれらの化合物から選択され、前記量子ドットの表面がトリ-n-オクチルホスフィンのリガンドで安定化されている。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要

高い変換効率を有するナノ結晶構造として、ハロゲン化物ペロブスカイト型結晶が注目を集めている。ハロゲン化物ペロブスカイト結晶を用いた光デバイスは、溶液塗布による作製が可能であり、低コストで製造することができる。これまで、ホットインジェクション法による高ルミネセンスのCsPbX3量子ドットの合成が報告されている(たとえば、非特許文献1参照)。ここで、Xは塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)を含むハロゲン元素である。ホットインジェクション法による公知の方法を「従来方法1」と呼ぶ。

図35に示すように、従来方法1では、ヨウ化鉛(PbI2)の粉末をオレイン酸(Oleic Acid;図中「OA」と表記)とオレイルアミン(Oleylamine;図中「OAm」と表記)の溶液に溶解させたオクタデセン溶液201を、所定の温度に加熱する。加熱されたオクタデセン溶液201中に、オレイン酸セシウム(Cs-oleate)202を窒素雰囲気下で注入する。合成された溶液から不純物等を除去することで、立方形のCsPbI3量子ドットが得られる。他のハロゲン元素を用いたCsPbBr3量子ドットやCsPbCl3量子ドットも高いキャリア移動度と長い拡散距離を示すことが報告されている。ただし、立方相のバルクCsPbI3量子ドットは高温でのみ安定であり、空気中では不安定である。

一方、ヨウ化鉛(PbI2)を含む溶液にオレイン酸セシウム(Cs-oleate)を添加して合成された量子ドットを特定の手順で洗浄することで、立方相のCsPbI3量子ドットを空気中で数か月間安定化させる方法が報告されている(たとえば、非特許文献2参照)。この方法を「従来方法2」と呼ぶ。従来方法2では、PbI2の前駆体を含む加熱溶液中にオレイン酸セシウム(Cs-oleate)加えて、ヨウ化物のナノ結晶とオレイルアンモニアの表面リガンドによって可溶化されたCsPbI3量子ドットを生成する。生成された量子ドット溶液の塗布と、Pb(OAc)2またはPb(NO32の飽和酢酸メチル溶液への浸漬を複数回繰り返すことで、バルクのCsPbI3量子ドットを安定化させる。酢酸メチルは、凝集を引き起こすことなく未到達の余剰前駆体を除去する貧溶媒として用いられている。

産業上の利用分野

本発明は、量子ドットの作製に関し、特にハロゲン化物ペロブスカイト型ナノ結晶とその合成技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式CsMX3で表されるハロゲン化物ペロブスカイト型の量子ドットにおいて、MはPb、Sn、Ge、またはこれらの化合物から選択され、
Xは、I、Br、Cl、またはこれらの化合物から選択され、
前記量子ドットの表面がトリ-n-オクチルホスフィンのリガンドで安定化されていることを特徴とする量子ドット。

【請求項2】
前記Mは、Sn1-xPbx(0≦x≦1)であることを特徴とする請求項1に記載の量子ドット。

【請求項3】
前記Mは、Ge1-xPbx(0≦x≦1)であることを特徴とする請求項1に記載の量子ドット。

【請求項4】
フーリエ変換赤外分光法の測定で、波数1014/cm~1200/cmの領域に単一のピークを有することを特徴とする請求項1に記載の量子ドット。

【請求項5】
前記量子ドットの表面にリン-鉛の結合とリン-錫の結合の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1に記載の量子ドット。

【請求項6】
透明電極の上に光吸収層を有する光デバイスにおいて、
前記光吸収層は、請求項1~5の何れかに記載の量子ドットを有する層であることを特徴とする光デバイス。

【請求項7】
前記透明電極と前記光吸収層の間に、金属酸化物の多孔質膜を有し、
前記量子ドットは、前記金属酸化物に吸着されていることを特徴とする請求項6に記載の光デバイス。

【請求項8】
トリ-n-オクチルホスフィンにSnX2、PbX2、GeX2の中から選択される少なくと1種類のハロゲン化金属の粉末を溶解して注入溶液を生成し、ここで、XはI、Br、Cl、またはこれらの化合物から選択され、
オレイン酸セシウム溶液を所定の温度に加熱し、
加熱された前記オレイン酸セシウム溶液に、窒素雰囲気下で前記注入溶液を注入し、
所定時間反応させてハロゲン化物ペロブスカイト型の量子ドットを合成する、
ことを特徴とする量子ドットの作製方法。

【請求項9】
前記ハロゲン化金属の粉末として所定の割合で混合されたSnI2とPbI2の粉末、またはGeI2とPbI2の粉末を用いることを特徴とする請求項8に記載の量子ドットの作製方法。

【請求項10】
前記前記ハロゲン化金属の粉末として前記所定の割合で混合された前記SnI2と前記PbI2の粉末を用い、前記オレイン酸セシウム溶液の温度を100℃~170℃に制御して、一辺が8nm~17nmの立方形の量子ドットを生成することを特徴とする請求項9に記載の量子ドットの作製方法。

【請求項11】
前記オレイン酸セシウム溶液は、オクタデセン溶液に炭酸セシウムを溶解させて生成され、
前記炭酸セシウムに対する前記ハロゲン化金属の組成比は1以上、2以下であることを特徴とする請求項8~10のいずれか1項に記載の量子ドットの作製方法。

【請求項12】
前記オレイン酸セシウム溶液と前記ハロゲン化金属の反応時間は2~5秒であることを特徴とする請求項8~11のいずれか1項に記載の量子ドットの作製方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2018051284thum.jpg
出願権利状態 公開


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