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被検出物質の検出キットおよびそれを備えた検出システム、ならびに、被検出物質の検出キットの製造方法

国内特許コード P190015884
整理番号 (S2017-0674-N0)
掲載日 2019年2月25日
出願番号 特願2018-092515
公開番号 特開2018-194550
出願日 平成30年5月11日(2018.5.11)
公開日 平成30年12月6日(2018.12.6)
優先権データ
  • 特願2017-095849 (2017.5.12) JP
発明者
  • 飯田 琢也
  • 床波 志保
  • 田村 守
  • 山本 靖之
出願人
  • 公立大学法人大阪府立大学
発明の名称 被検出物質の検出キットおよびそれを備えた検出システム、ならびに、被検出物質の検出キットの製造方法
発明の概要 【課題】被検出物質の検出キットおよびそれを備えた検出システムにおいて、被検出物質を高精度に検出する。
【解決手段】検出キット100は、試料に含まれる可能性がある被検出物質を検出光により検出する。検出キット100は、検出光を透過する基板131と、基板131上に配置された金属薄膜132と、金属薄膜132上に配置された導電性ポリマー膜133とを備える。金属薄膜132および導電性ポリマー膜133には、各々の直径が検出光の波長よりも小さい複数の貫通孔135が周期的に形成されている。導電性ポリマー膜133は、各々が複数の貫通孔135のうちの対応する貫通孔につながる複数の窪みを有する。複数の窪みの各々の内壁面136は、球欠状の窪みであるボウル型構造を形成する。検出キット100は、金属からなり、ボウル型構造内の少なくとも一部分に配置された金属薄膜134をさらに備える。
【選択図】図8
従来技術、競合技術の概要

近年、たとえば医療診断や食品検査の分野において、ウイルスまたは細菌等の被検出物質を迅速かつ高精度に検出するための技術開発が進められている。様々な原理に基づく検出技術が開発されているなかで、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)を利用した技術に対する関心が高まっている。

詳細は後述するが、金属薄膜上に複数の微小な貫通孔が周期的に配列された構造体(いわゆるナノホールアレイ)に、各貫通孔の直径(孔径)よりも長波長の検出光を照射すると、表面プラズモン共鳴に起因する光の透過が生じる。この現象は、「異常透過」とも呼ばれる。検出光の照射下で被検出物質が金属薄膜に付着すると、被検出物質が金属薄膜に付着していない状態と比べて、検出光の透過スペクトルが変化する。よって、異常透過を示すスペクトル成分の変化(たとえばピーク波長のシフト量)に基づいて、被検出物質を検出することができる。

たとえば非特許文献1は、乱雑なナノ突起構造(ランダムナノスパイク)が形成された金属薄膜を備えた検出キットを開示する。ランダムナノスパイクに検出光を照射すると、ナノスパイクの先端部分に表面プラズモンが局在する。この現象を利用することで、ランダムナノスパイクが形成されていない場合と比べて、被検出物質(非特許文献1ではウイルス)が検出キットに付着した場合の透過スペクトルのピーク波長のシフト量を最大で約2倍増加させることが可能であることが非特許文献1に記載されている。

産業上の利用分野

本開示は、被検出物質の検出キットおよびそれを備えた検出システム、ならびに、被検出物質の検出キットの製造方法に関し、より特定的には、試料に含まれる可能性がある被検出物質を検出光により検出するための検出キットおよびそれを備えた検出システム、ならびに、上記検出キットの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
試料に含まれる可能性がある被検出物質を検出光により検出する、被検出物質の検出キットであって、
基板と、
金属からなり、前記基板上に配置された第1の薄膜と、
各々の内壁面がボウル型構造を形成する複数の窪みを有し、前記第1の薄膜上に配置された第2の薄膜と、
金属からなり、前記ボウル型構造内の少なくとも一部分に配置された第3の薄膜とを備える、被検出物質の検出キット。

【請求項2】
前記ボウル型構造は、半球状よりも深い球欠状の窪みであり、
前記ボウル型構造の直径は、前記検出光の波長と同程度である、請求項1に記載の被検出物質の検出キット。

【請求項3】
前記検出光は、可視域から近赤外域までの波長範囲の光であり、
前記ボウル型構造の直径は、ナノメートルオーダーであり、
前記第1および第2の薄膜には、前記複数の窪みの配列によるナノホールアレイが形成されている、請求項2に記載の被検出物質の検出キット。

【請求項4】
前記基板は、前記検出光を透過する材料からなり、
前記ボウル型構造は、球欠状およびロッド状のうちのいずれかの窪みであり、
前記第1の薄膜には、各々が前記複数の窪みのうちの対応する窪みにつながる複数の貫通孔が周期的に形成されており、
前記複数の貫通孔の各々の直径は、前記検出光の波長よりも小さい、請求項1に記載の被検出物質の検出キット。

【請求項5】
前記検出光は、可視域から近赤外域までの波長範囲の光であり、
前記複数の貫通孔の各々の直径は、ナノメートルオーダーであり、
前記第1および第2の薄膜には、前記複数の窪みの配列によるナノホールアレイが形成されている、請求項4に記載の被検出物質の検出キット。

【請求項6】
前記複数の窪みは、ハニカム状に配列されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の被検出物質の検出キット。

【請求項7】
前記ボウル型構造は、前記被検出物質の少なくとも一部を収容可能に構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の被検出物質の検出キット。

【請求項8】
前記ボウル型構造は、前記被検出物質を特異的に付着可能なホスト物質により修飾されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の被検出物質の検出キット。

【請求項9】
前記第2の薄膜は、導電性ポリマーからなる、請求項1~8のいずれか1項に記載の被検出物質の検出キット。

【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の検出キットと、
前記検出光を発する光源と、
前記検出光による前記検出キットの光応答スペクトルを測定することが可能に構成された分光器と、
前記光応答スペクトルに基づいて前記被検出物質を検出する検出装置とを備える、被検出物質の検出システム。

【請求項11】
前記検出装置は、前記透過スペクトルにおける前記検出光の異常透過を示すスペクトル成分の変化に基づいて前記被検出物質を検出する、請求項10に記載の被検出物質の検出システム。

【請求項12】
前記ボウル型構造の開口部における電場を局所的に増強させる、前記検出光とは異なる波長の光を発する他の光源と、
前記光源および前記他の光源を制御する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記検出光を発するように前記光源を制御するのに先立ち、前記異なる波長の光を発するように前記他の光源を制御する、請求項10または11に記載の被検出物質の検出システム。

【請求項13】
試料に含まれる可能性がある被検出物質を検出光により検出するための被検出物質の検出キットの製造方法であって、
基板上に金属により第1の薄膜を形成するステップと、
前記第1の薄膜上に複数の微粒子を周期的に配列させるステップと、
前記複数の微粒子の各々の表面の一部が露出するように第2の薄膜を形成するステップと、
前記複数の微粒子を溶液により除去することで、前記第2の薄膜の表面に各々がボウル型構造を形成する複数の窪みを形成するステップと、
各前記複数のボウル型構造内の少なくとも一部分に金属により第3の薄膜を形成するステップとを含む、被検出物質の検出キットの製造方法。

【請求項14】
前記ボウル型構造は、半球状よりも深い球欠状の窪みであり、
前記ボウル型構造の直径は、前記検出光の波長と同程度である、請求項13に記載の被検出物質の検出キットの製造方法。

【請求項15】
前記基板は、前記検出光を透過する材料からなり、
前記ボウル型構造は、球欠状およびロッド状のうちのいずれかの窪みであり、
前記被検出物質の検出キットの製造方法は、
各々の直径が前記検出光の波長よりも小さく、かつ、各々が前記複数のボウル型構造のうちの対応するボウル型構造から前記第1の薄膜を貫通して前記基板に達する複数の貫通孔を形成するステップをさらに含む、請求項13に記載の被検出物質の検出キットの製造方法。

【請求項16】
前記配列させるステップは、前記複数の微粒子の自己組織化を利用して前記複数の微粒子をハニカム状に配列させるステップを含む、請求項13~15のいずれか1項に記載の被検出物質の検出キットの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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