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非RIでのジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ活性測定方法

国内特許コード P190015904
整理番号 (S2017-0766-N0)
掲載日 2019年3月22日
出願番号 特願2018-113412
公開番号 特開2019-000109
出願日 平成30年6月14日(2018.6.14)
公開日 平成31年1月10日(2019.1.10)
優先権データ
  • 特願2017-118941 (2017.6.16) JP
発明者
  • 柴田 孝之
出願人
  • 国立大学法人 長崎大学
発明の名称 非RIでのジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ活性測定方法
発明の概要 【課題】本発明は、非RIで末梢血単核球のジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)活性を測定する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】(1)末梢血単核球溶解液にウラシル標品を添加し測定試料1を調製する工程;
(2)測定試料1を一定時間反応させ測定試料2を調製する工程;
(3)測定試料1及び測定試料2をそれぞれ、下記式(I):



(式中、Aは、C1-4アルキル基で置換されていてもよいC6-10アリール基である)で表される化合物と、酸化剤及び塩基の存在下で反応させて蛍光性化合物を得る工程;
(4)測定試料1に由来する蛍光性化合物の蛍光強度と測定試料2に由来する蛍光性化合物の蛍光強度とを測定し比較することによってウラシル量の消失を算出する工程;及び
(5)消失したウラシル量に基づきDPD活性を算出する工程、を含む
末梢血単核球中のDPD活性を測定する方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


5-フルオロウラシル(5-FU)に代表されるフッ化ピリミジン系抗がん剤(FPs)は、様々ながんに対して世界中で利用されているが、骨髄抑制など致死的な副作用を示すことから、FPsの投与量及び血中5-FU濃度には注意を払う必要がある。5-FUの約85%は、肝臓においてジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)によって代謝されるが、DPD活性を欠損した患者(DPD欠損症患者)にFPsを投与すると、5-FUの血中濃度が異常に上昇して副作用が出現し、最悪の場合は死に至る。そのため、全てのFPsの投与対象者に対して事前にDPD活性を測定すべきであり、その様に主張する医師も多く存在する。



肝臓のDPD活性が末梢血単核球(PBMC)のDPD活性と相関することから、PBMCのDPD活性測定はDPD欠損症の診断法として世界中で定着している(非特許文献1)。この方法は、PBMC溶解液中に含まれるDPDのピリミジン分解活性を直接測定する方法で部分/完全欠損を問わず信頼性が高い。しかし、この手法は放射性標識した基質を必要とするため、現在は放射性物質を使用しない代替法へ移行しつつある。
代替となる、DPD欠損症の診断方法として、尿中ジヒドロウラシル/ウラシル比を測定する方法が知られている。この方法はDPDの代謝前後の物質を定量することで間接的にDPD活性を測定する方法であり、簡便且つ非侵襲的に評価できる反面、多検体の同時検査ができない点や尿検査では部分欠損を判別できない、等の問題点がある。また、DPDをコードするDYPD遺伝子の変異からDPD活性を予測する遺伝子検査も知られている。この方法は簡便且つ確実に遺伝子変異を読み取ることができる反面、DYPD遺伝子の変異型とDPD活性との相関が完全に解明されておらず一部の完全欠損しか発見できず、また、後天性異常に対応できない、等の問題点がある。これらの非放射化学的な代替法は、いずれもDPD部分欠損を検出できないという問題点を有する。



また、これら従来の検査法は、いずれも高額である。この様に、DPD欠損症を気軽に精査できる手法が存在しないため、FPs投与の際は副作用に注意しながら少量ずつ増量するという対策が取られる。そのため、副作用が出現してFPs投与を中断したにも関わらず、回復せずに死の転帰をたどる例が、世界中で報告されている。
加えて、DPD欠損症の発症率は人種・性別に偏りがあり、白人では約10%がDPD活性を欠損している一方、日本人のDPD活性欠損者は0.1~0.01%しか存在しないと報告されている。日本でのFPsの副作用発生率は他国と比較して少なく、高額な検査費用も相まって、現在DPD欠損症をFPs投与前に事前検査できる機関は、国内に存在しない。すなわち、日本のがん臨床現場では、FPsが実際に使用されているにも関わらずDPD活性を測定できないという、極めて危険な状態が数年に渡って継続している。事実、毎年1報以上は、DPD欠損患者へのFPs投与による副作用例が報告されている。この様な背景から、簡便・正確・安価かつ多検体を同時に検査できるDPD欠損症の診断法の開発が必要不可欠であり、実際に医療現場でも長年望まれ続けている。



本発明者は、ウラシルに対して特異的に蛍光を発する新規誘導体化反応を開発し、尿中のウラシルを検出してDPD欠損患者のスクリーニングを行う方法について報告している(特許文献1)。

産業上の利用分野


本発明は、患者の末梢血単核球中のジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ活性を非放射化学的(所謂非RI)に測定する方法、及び該反応を用いたジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症の検査方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(1)末梢血単核球溶解液にウラシル標品を添加し測定試料1を調製する工程;
(2)測定試料1を一定時間反応させ測定試料2を調製する工程;
(3)測定試料1及び測定試料2をそれぞれ、下記式(I):
【化1】



(式中、Aは、C1-4アルキル基で置換されていてもよいC6-10アリール基である)
で表される化合物と、酸化剤及び塩基の存在下で反応させて蛍光性化合物を得る工程;
(4)測定試料1に由来する蛍光性化合物の蛍光強度と測定試料2に由来する蛍光性化合物の蛍光強度とを測定し比較することによってウラシル量の消失を算出する工程;及び
(5)消失したウラシル量に基づきジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ活性を算出する工程、を含む
末梢血単核球中のジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ活性を測定する方法。

【請求項2】
塩基の使用量が、式(I)で表される化合物に対して100~1000当量である、請求項1記載の方法。

【請求項3】
Aが、フェニル基又は3-メチルフェニル基である、請求項1又は2記載の方法。

【請求項4】
(i)酸化剤が、フェリシアン化カリウムである、及び/又は(ii)塩基が、水酸化カリウムである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
酸化剤の使用量が、式(I)で表される化合物に対して0.001~3当量である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。

【請求項6】
工程(2)における反応時間が5~60分である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。

【請求項7】
末梢血単核球が、ヒト患者由来の血液より単離精製されたものである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。

【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法を用いて、ヒト患者由来の血液試料中のジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ活性を測定することを含む、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症の検査方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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