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酸化亜鉛薄膜の製造方法及び製造装置 UPDATE 外国出願あり

国内特許コード P190015950
掲載日 2019年3月29日
出願番号 特願2007-530913
登録番号 特許第5396579号
出願日 平成18年3月16日(2006.3.16)
登録日 平成25年11月1日(2013.11.1)
国際出願番号 JP2006305244
国際公開番号 WO2007020729
国際出願日 平成18年3月16日(2006.3.16)
国際公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
優先権データ
  • 特願2005-237141 (2005.8.18) JP
発明者
  • 松本 俊
  • 今津 千竹
  • 萩原 茂
  • 木島 一広
  • 阿部 治
  • 平木 哲
  • 藤川 雄一郎
出願人
  • 国立大学法人山梨大学
  • 山梨県
  • 株式会社中家製作所
発明の名称 酸化亜鉛薄膜の製造方法及び製造装置 UPDATE 外国出願あり
発明の概要 プラスチック等のフレキシブルな基材表面に透明性が高く、かつ不純物をドープを必須の要件とせずに高導電率の酸化亜鉛薄膜の形成する方法、及びその薄膜装置を提供する。
真空に減圧された成膜室内に配置された基材表面で酸素ラジカルと亜鉛原子とを反応させて酸化亜鉛薄膜を形成する方法において、酸化亜鉛薄膜の原子配列の欠陥たる結晶欠陥密度を基材の温度により制御し、これにより酸化亜鉛薄膜を成膜する。酸化亜鉛薄膜の原子配列の規則性を意図的に乱すには、前記基材の温度を400℃以下で成膜することが好適である。
従来技術、競合技術の概要


デジタルカメラ、DVDビデオ、プラズマ表示パネル、有機ELパネルなどの電子部品には透明電極膜が不可欠であるが、この透明電極膜には酸化インジウムスズ膜(Indium Tin Oxide)が広く用いられている。しかし、インジウムは高価のみならず資源枯渇の問題もかかえており、他の材料への転換が急務である。



酸化亜鉛は化学的に安定な物質であり古くから使われている無害な物質でもあり、環境負荷が小さいという利点がある。酸化亜鉛の薄膜の主な製造方法としては、スパッタリング法、有機金属化学気相法、スプレー加熱法があげられる。スパッタリング法は最も広く用いられているが、膜の電気抵抗率に不均一がみられ、特に低温成膜時に不均一が著しいという問題がある。



有機金属化学気相法は大量の廃ガスが発生し、環境負荷が大きいという問題がある。また、スプレー熱分解法では高品質の膜を得るには550℃程度が必要であり、低温成膜ができないとう問題がある。



上記以外の方法で酸化亜鉛薄膜を形成する技術とし、分子ビームエピタキシャル成長法((Molecular Beam Epitaxy, MBE)がある(非特許文献1、非特許文献2参照)。しかし、これらの非特許文献が開示する酸化亜鉛薄膜の形成は、いずれも400℃以上という高温で成膜するものであり、プラスチック等の耐熱性のない材料を基材とする場合には適用できないとう問題がある。また、透明電極膜の電気抵抗率を低減するためには不純物をドープして成膜しなければならないという問題点もある。



また、大気圧グロー放電プラズマを利用し酸化亜鉛薄膜を形成する技術が特許文献1、特許文献2により開示されている。しかし、いずれも不活性ガスを用いてプラズマを発生させていること、酸化亜鉛薄膜の抵抗が3MΩ以上であるという問題がある。



更に、これらの文献等により開示されている酸化亜鉛薄膜の成膜方法は、真空に減圧された成膜室に設置した基材の温度を400℃以上に加熱し、酸化亜鉛反応を促進させ、成膜しするものである。また、これらの方法では十分な導電率が確保できないことから、不純物を成膜中にドープする必要がある。
【非特許文献1】
Plasma assisted MBE growth and characterization of hexagonal ZnO on GaAs(1111), Proceeding of 1stAsia-Pacific Workshop on Widegap Semiconductors,153-156 (2003)
【非特許文献2】
MBE growth and optical properties of ZnO on GaAs(1111) substrates, phys. Stat.sol. (b),241,591-594(2004)
【特許文献1】
特願2003-89875
【特許文献2】
特願2001-271167

産業上の利用分野


本発明は、低温で酸化亜鉛薄膜の製造方法、および製造装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
真空に減圧された成膜室内に配置された基材表面で酸素ラジカルと亜鉛原子とを反応させて酸化亜鉛薄膜を製造する方法において、
少なくとも前記基材の温度を制御し、
酸化亜鉛薄膜の原子配列の規則性を意図的に乱しキャリア発生源とし、前記原子配列の欠陥たる結晶欠陥密度を1×1018個/ cm3から5×1021個/ cm3の範囲とすることで、酸化亜鉛薄膜の抵抗率と、可視光領域での光透過率とが所望の範囲となるように成膜することを特徴とする酸化亜鉛薄膜の製造方法。

【請求項2】
真空に減圧された成膜室内に配置された基材表面で酸素ラジカルと亜鉛原子とを反応させて酸化亜鉛薄膜を製造する方法において、
前記酸素ラジカル及び/又は前記亜鉛原子の基材表面への供給量を制御し、
酸化亜鉛薄膜の原子配列の規則性を意図的に乱しキャリア発生源とし、前記原子配列の欠陥たる結晶欠陥密度を1×1018個/ cm3から5×1021個/ cm3の範囲とすることで、酸化亜鉛薄膜の抵抗率と、可視光領域での透過率とが所望の範囲となるように成膜することを特徴とする酸化亜鉛薄膜の製造方法。

【請求項3】
前記基材表面で酸素ラジカルと亜鉛原子とを反応させて酸化亜鉛薄膜を成膜する際に、前記基材表面にドーパントを供給し酸化亜鉛薄膜を成膜することを特徴とする請求項2に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。

【請求項4】
酸化亜鉛薄膜中のドーパントと亜鉛原子との比率が1対10~1対1000の範囲となるように前記ドーパントの供給量を制御することを特徴とする請求項3に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。

【請求項5】
前記基材の温度を400℃以下に保持し成膜することを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。

【請求項6】
酸素ラジカル発生源及び/又は亜鉛原子発生源と基材との距離を調節することにより基材の温度を400℃以下に制御することを特徴とする請求項5に記載の酸化亜鉛薄膜の成膜方法。

【請求項7】
酸素ラジカル発生源及び/又は亜鉛原子発生源と基材との距離は、酸素ラジカルおよび/又は亜鉛原子の平均自由行程以下であり、かつ酸素ラジカル発生源及び亜鉛原子発生源からの輻射熱による影響を所望の温度以下に保持可能な距離であることを特徴とする請求項6に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。

【請求項8】
前記基材はフレキシブル基材であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。

【請求項9】
前記フレキシブル基材がポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルクロライト(PVC)、ポリプロピレン(PP)のいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。

【請求項10】
成膜後の熱処理プロセスで修復される前記結晶欠陥密度を加味して成膜の際の結晶欠陥密度を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。

【請求項11】
真空に減圧された成膜室と、該成膜室内に配置され酸素ラジカルを噴出する微細な孔と容量結合型のリング状電極とを備えた酸素プラズマセルと、前記成膜室内に配置され蒸気の亜鉛原子を生成する亜鉛るつぼと、前記成膜室内に配置され前記酸素ラジカルと前記亜鉛原子との反応により表面に酸化亜鉛薄膜が形成される基材を保持する基材ホルダーとを備えた酸化亜鉛薄膜製造装置において、
前記基材と酸素ラジカル発生源及び/又は亜鉛原子発生源との距離を酸素ラジカルおよび/又は亜鉛原子の平均自由行程以下とし、かつ酸素ラジカル発生源及び/又は亜鉛原子発生源からの輻射熱による影響を400℃以下に保持可能な手段を備えたことを特徴とする酸化亜鉛薄膜製造装置。

【請求項12】
前記基材を400℃以下に制御可能な基材温度制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項11に記載の酸化亜鉛薄膜製造装置。

【請求項13】
ドーパントをドープする手段を更に備えたことを特徴とする請求項11又は12に記載の酸化亜鉛薄膜製造装置。

【請求項14】
前記酸素プラズマセル及び/又は前記亜鉛るつぼは、該酸素プラズマセル又は該亜鉛るつぼからの輻射熱の前記基材への影響を制御するための温度制御板を備えたことを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の酸化亜鉛薄膜製造装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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