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ジチオカルバミン酸基を有する金属吸着材とその製造方法及び金属抽出方法 新技術説明会

国内特許コード P190015965
整理番号 Q20102JP
掲載日 2019年4月16日
出願番号 特願2018-223025
公開番号 特開2020-082003
出願日 平成30年11月29日(2018.11.29)
公開日 令和2年6月4日(2020.6.4)
発明者
  • 植木 悠二
  • 瀬古 典明
出願人
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 ジチオカルバミン酸基を有する金属吸着材とその製造方法及び金属抽出方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】本発明の課題は、重金属等の金属の吸着性能に優れ、かつ特別な分離工程を必要とせずに回収可能な金属吸着材を提供することである。
【解決手段】上記課題を解決するために、高分子基材にジチオカルバミン酸基が導入されている金属吸着材であって、前記ジチオカルバミン酸基はグラフト重合体及びジチオカルバミン酸基導入基を介して導入されていることを特徴とする、金属吸着材を提供する。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要

工場排水等の溶液には、多数の重金属が含まれることがあり、それらの重金属が体内に蓄積されると、その毒性により中毒症状を引き起こすことが知られている。それら重金属を河川等の環境中に放出しないために、前記工場排水等の溶液はイオン交換樹脂に代表される吸着剤により処理されている。
一方、河川や海水等の水中には、レアメタル等の金属資源が溶解しており、資源の少ない我が国としては、より選択的に、又は、より効率的にそれらから金属資源を回収することができる金属吸着材等を必要としている。

代表的な金属吸着材として、ジチオカルバミン酸又はその塩は、硫黄原子を金属配位原子として有していることから、重金属に対するキレート能力が高く、窒素原子や酸素原子を金属配位原子とする官能基と比べて重金属に対する選択性に優れていることが知られている。例えば、特許文献1~2には、ジチオカルバミン酸基含有化合物からなる重金属固定化剤が開示されている。しかしながら、これらの重金属固定化剤は、低分子化合物であり、溶液に溶解して金属を吸着させるものであるため、吸着後に系中から分離を行うためには複雑な分離工程が必要であること、重金属を回収して再資源化することが困難である等の問題を有していた。

一方、上記問題を解決するために、高分子化合物に金属吸着能を付与させて金属吸着材とすることが知られており、例えば、特許文献3には、有機高分子繊維基材にイオン交換基及び/又はキレート基が導入されているフィルターカートリッジが開示されている。さらに、特許文献4には、セルロース系基材に、キレート形成基及び/又はイオン交換基が導入された吸着材が開示されている。そして、両者には、キレート基又はキレート形成基としてジチオカルバミン酸基が例示されているが、実際に合成されたこと、又は、どのように合成できるのか等、その具体的な化合物については何ら開示されていない。

産業上の利用分野

本発明は、ジチオカルバミン酸基を有する金属吸着材とその製造方法に関する。更に、本発明は、ジチオカルバミン酸基を有する金属吸着材を用いた金属抽出方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
高分子基材にジチオカルバミン酸基が導入されている金属吸着材であって、前記ジチオカルバミン酸基は、グラフト重合体及びジチオカルバミン酸基導入基を介して導入されていることを特徴とする、金属吸着材。

【請求項2】
前記ジチオカルバミン酸基導入基とジチオカルバミン酸基部分の構造は、下記式(1)で表される構造であることを特徴とする、請求項1に記載の金属吸着材。
【化1】
(省略)
(式(1)中、Xは、酸素原子又は窒素原子であり、n及びmは、アルキレン鎖の炭素原子数を表し、nは2以上の整数であり、mは0以上の整数である。Xが酸素原子である場合は、mは0である。また、mが0の場合は、窒素原子には水素原子が1つ置換されている。)

【請求項3】
前記グラフト重合体は、(メタ)アクリル重合体、スチレン重合体、(メタ)アクリル-スチレン共重合体から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の金属吸着材。

【請求項4】
下記の工程を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の金属吸着材を製造する方法。
(i)活性化した高分子基材を準備する工程
(ii-1)前記高分子基材に対して、モノマーをグラフト重合させる工程
(iii-1)グラフト重合体に保護基を有するジチオカルバミン酸基導入化合物を反応させ、グラフト重合体に保護基を有するジチオカルバミン酸基導入基を結合させる工程
(iv)グラフト重合体に結合したジチオカルバミン酸基導入基から保護基を脱保護する工程
(v)ジチオカルバミン酸基導入基に二硫化炭素を反応させる工程

【請求項5】
下記の工程を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の金属吸着材を製造する方法。
(i)活性化した高分子基材を準備する工程
(ii-1)前記高分子基材に対して、モノマーをグラフト重合させる工程
(iii-2)グラフト重合体にジチオカルバミン酸基導入化合物を反応させ、グラフト重合体にジチオカルバミン酸基導入基を結合させる工程
(v)ジチオカルバミン酸基導入基に二硫化炭素を反応させる工程

【請求項6】
下記の工程を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の金属吸着材を製造する方法。
(i)活性化した高分子基材を準備する工程
(ii-2)前記高分子基材に対して、ジチオカルバミン酸基導入基を有するモノマーをグラフト重合させる工程
(v)ジチオカルバミン酸基導入基に二硫化炭素を反応させる工程

【請求項7】
前記活性化した高分子基材は、放射線を照射して活性化した高分子基材であることを特徴とする、請求項4~6のいずれか一項に記載の金属吸着材を製造する方法。

【請求項8】
金属を含む被処理体から、前記金属を抽出する金属抽出方法において、請求項1~3のいずれか1項に記載の金属吸着材と前記被処理体を接触させる工程を含むことを特徴とする、金属抽出方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2018223025thum.jpg
出願権利状態 公開


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