TOP > 国内特許検索 > シトクロムP450モノオキシゲナーゼデコイ基質

シトクロムP450モノオキシゲナーゼデコイ基質

国内特許コード P190015993
整理番号 S2017-1053-N0
掲載日 2019年4月25日
出願番号 特願2017-173446
公開番号 特開2019-047748
出願日 平成29年9月8日(2017.9.8)
公開日 平成31年3月28日(2019.3.28)
発明者
  • 渡辺 芳人
  • 荘司 長三
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 シトクロムP450モノオキシゲナーゼデコイ基質
発明の概要 【課題】シトクロムP450モノオキシゲナーゼデコイ基質を用いた、より簡便且つ効率的なヒドロキシ炭化水素製造技術を提供すること。
【解決手段】一般式(1)で表される化合物からなる、細胞内でヒドロキシ炭化水素を製造するために用いられるシトクロムP450モノオキシゲナーゼデコイ基質、及びこれを用いて細胞内でヒドロキシ炭化水素を製造する方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


細菌由来の酵素であるシトクロムP450は、真核生物由来のシトクロムP450に比べて高い触媒活性を持つことが知られている。細菌由来のシトクロムP450として、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来のシトクロムP450camや、バチルス属菌細菌の一種であるBacillus megaterium由来のシトクロムP450BM3等の、シトクロムP450モノオキシゲナーゼが知られている。



これらの細菌由来のシトクロムP450は、脂肪酸等の基質を水酸化する高い触媒活性を備えている。また、水に対する親和性が比較的高いため、取得及び取扱が容易である。こうした理由から、シトクロムP450モノオキシゲナーゼは、バイオ触媒として適していると考えられる。



ただ、野生型のシトクロムは、工業的に有用な炭化水素系基質を水酸化するのにあたっては必ずしも触媒活性が高いわけでない。このため、種々の変異型シトクロムP450が提案されている(特許文献1~3)。



一方、本発明者らは、高い触媒活性を呈しない炭化水素に対してシトクロムP450を誤作動させるように擬似基質(デコイ基質)を取り込ませることで、水酸化反応を高効率に触媒することを既に報告している(特許文献4)。このデコイ基質は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼの基質結合部位に結合可能な末端構造と、アルキル鎖、とを備えており、アルキル鎖に含まれる少なくとも1つの分子がフッ素で置換されていることを特徴としている。ここで、アルキル鎖の水素分子をフッ素で置換したものをデコイ基質として用いるのは、フッ素原子半径が水素に近いため、基質の水素をフッ素で置換したフッ素化物が本来の基質に類似すると同時に、シトクロムP450はC-F結合を水酸化できないため、それ自身は基質とならないからである。



しかし、フッ素含有デコイ基質は、製造コストが高い他、その難分解性、環境残留性及び生体蓄積性等といった問題が生じ得る。



この問題を解決すべく、本発明者らは、デコイ基質中のアルキル鎖のフッ素化を一切しなくても、シトクロムP450モノオキシゲナーゼの基質結合部位に結合可能な末端構造と、非フッ素化アルキル鎖とを、ペプチド結合を含むリンカーを介して備えることで、デコイ基質として用いて、炭化水素を水酸化できることを報告している(特許文献5)。

産業上の利用分野


本発明は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼデコイ基質、該デコイ基質を用いたヒドロキシ炭化水素製造方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1):
【化1】


[式中、R1は置換されていてもよい炭化水素基を示す。R2は単結合又はリンカーを示す。R3は単結合又は式(2):
【化2】


(式中、窒素原子は、R2に結合する。)
で表される基を示す。R4及びR5は同一又は異なったアミノ酸側鎖を示す。R6は水素原子、水酸基、アルデヒド基、カルボキシ基、又はカルボキシ誘導体基を示す。但し、R5及びR6は互いに結合してラクトン環を形成していてもよい。nは0又は1以上の整数を示す。]
で表される化合物からなる、細胞内でヒドロキシ炭化水素を製造するために用いられるシトクロムP450モノオキシゲナーゼデコイ基質。

【請求項2】
前記R6がカルボキシ基である、請求項1に記載のデコイ基質。

【請求項3】
前記アミノ酸側鎖が、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、及びヘテロアラルキル基からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のデコイ基質。

【請求項4】
前記R1がアルキルアラルキル基であり、前記R2及びR3が単結合であり、且つnが0である、請求項1~3のいずれかに記載のデコイ基質。

【請求項5】
前記R1がアルキル基であり、前記R2が単結合であり、前記R3が前記式(2)で表される基であり、且つnが0である、請求項1~3のいずれかに記載のデコイ基質。

【請求項6】
前記R5及び前記R6がラクトン環を形成していない、請求項1~5のいずれかに記載のデコイ基質。

【請求項7】
前記R5及び前記R6が互いに結合してラクトン環を形成している、請求項1~5のいずれかに記載のデコイ基質。

【請求項8】
前記化合物がクオルモンである、請求項7に記載のデコイ基質。

【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載のデコイ基質及び炭化水素系基質を含む細胞を培養する工程を含む、ヒドロキシ炭化水素を製造する方法。

【請求項10】
請求項1~8のいずれかに記載のデコイ基質及び炭化水素系基質を細胞に導入する工程、及び得られた細胞を培養する工程を含む、請求項9に記載の方法。

【請求項11】
前記デコイ基質が前記細胞内で合成されるデコイ基質である、請求項9に記載の方法。

【請求項12】
一般式(1):
【化3】


[式中、R1は置換されていてもよい炭化水素基を示す。R2は単結合又はリンカーを示す。R3は単結合又は式(2):
【化4】


(式中、窒素原子は、R2に結合する。)
で表される基を示す。R4及びR5は同一又は異なってアミノ酸側鎖を示す。R6は水素原子、水酸基、アルデヒド基、カルボキシ基、又はカルボキシ誘導体基を示す。但し、R5及びR6は互いに結合してラクトン環を形成していてもよい。nは0又は1以上の整数を示す。]
で表され、且つ
R4及びR5の少なくとも1つが親水性アミノ酸側鎖である、或いは
R1-R2-R3-がアルキル基以外の基である
化合物からなる、シトクロムP450モノオキシゲナーゼデコイ基質。

【請求項13】
請求項12に記載のデコイ基質、炭化水素系基質、及びシトクロムP450モノオキシゲナーゼをインビトロで反応させる工程を含む、ヒドロキシ炭化水素を製造する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
名古屋大学の公開特許情報を掲載しています。ご関心のある案件がございましたら、下記まで電子メールでご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close