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血液脳関門インヴィトロモデルおよび血液脳関門インヴィトロモデルの作製方法 NEW

国内特許コード P190016001
整理番号 (S2016-0636-N0)
掲載日 2019年5月8日
出願番号 特願2018-511944
出願日 平成29年3月22日(2017.3.22)
国際出願番号 JP2017011361
国際公開番号 WO2017179375
国際出願日 平成29年3月22日(2017.3.22)
国際公開日 平成29年10月19日(2017.10.19)
優先権データ
  • 特願2016-081995 (2016.4.15) JP
発明者
  • 竹下 幸男
  • 神田 隆
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 血液脳関門インヴィトロモデルおよび血液脳関門インヴィトロモデルの作製方法 NEW
発明の概要 本発明は、BBBの解剖学的構造を再現したインヴィトロモデルおよびBBBの解剖学的構造を再現したインヴィトロモデルの作製方法の提供を目的とするもので、下記(a)~(e)の工程を含む、血液脳関門インヴィトロモデルの作製方法である。
(a)条件不死化アストロサイトを多孔性メンブレンの片方の面に、条件不死化脳ペリサイトを該多孔性メンブレンの他方の面に、各々、シート状になるまで培養する工程、
(b)条件不死化脳微小血管内皮細胞を培養容器中でシート状になるまで培養する工程、
(c)工程(b)で作製した条件不死化脳微小血管内皮細胞のシートを剥がす工程、
(d)工程(c)で作製した条件不死化脳微小血管内皮細胞のシートを、工程(a)で培養した条件不死化脳ペリサイトのシートに層状に接触させる工程、および
(e)工程(d)で作製した、条件不死化脳微小血管内皮細胞のシート、条件不死化脳ペリサイトのシートおよび条件不死化アストロサイトのシートの3層を含む細胞培養物を共培養する工程
従来技術、競合技術の概要


BBBは、外部からの有害物質の流入を制限し脳の内部環境維持に重要な役割を果たす。その一方、中枢神経系への薬物伝達を困難にするため、末梢では効果的な治療薬であっても中枢神経系には十分な効果を来さないことが多い。また、アルツハイマー型認知症、脳梗塞、多発性硬化症などの多くの中枢神経疾患においてBBBの破綻が病態に関与していることが示されており、BBBの生理的、病理的機能解明が急務な状況となっている。BBBは、血管内皮細胞、ペリサイト、アストロサイトの3種類の細胞から構成される。



これまでに、細胞培養インサート(cell culture insert)を用いた様々なBBBインヴィトロモデルが作製されてきた。
例えば、細胞培養インサートの上面に血管内皮細胞を培養し、培養ウェルの上面にアストロサイトとペリサイト(周皮細胞)を共培養したBBBインヴィトロモデルが報告されている(特許文献1)。しかし、このモデルは、アストロサイトとペリサイトが混在した状態で培養されており、また、血管内皮細胞と、ペリサイトおよびアストロサイトが非接触状態で培養されているため、インヴィボにおける血液脳関門の構造を再現しているとは言いがたいものであった。
また、細胞培養インサートの上面に血管内皮細胞、下面にペリサイト、培養ウェルの上面にアストロサイトを培養したモデルが報告されている(特許文献2、非特許文献1)。しかし、このモデルでは、アストロサイトが培養ウェル上にあるため、血管内皮細胞層、ペリサイト層への直接的な作用を観ることはできず、アストロサイトとペリサイトの血管内皮細胞に対する直接的な相互作用を有する、BBBの解剖学的構造を再現した理想的なインヴィトロモデルとはほど遠い状況であった。



発明者らは、アストロサイトと血管内皮細胞との直接的な接触を可能にするモデルとして、細胞培養インサートの上面に血管内皮細胞株、下面にアストロサイト細胞株を培養し、アストロサイトの足突起が細胞培養インサートの小孔を通って直接血管内皮細胞層に直接作用するBBBの解剖学的構造を反映させた培養系を確立している(非特許文献2)。



上述のように、多くの研究者の努力により、インヴィボの構造を反映すべく、血液脳関門のモデル系は改良されてきてはいるが、さらに解決すべき大きな課題が存在している。
BBBの主な構成細胞である血管内皮細胞、ペリサイト、アストロサイトの3種類の培養細胞株を用いて、通常の分散培養でBBBのマルチ培養モデルを作製する場合には、これら3種類の細胞株で増殖速度が異なるため、各細胞株が単層構造を形成せず、3つの細胞が3層構造をとる解剖学的構造を再現したBBBモデルの構築が、技術的に困難であった。

産業上の利用分野


本発明は、血液脳関門(BBB;blood-brain barrier、以下「BBB」と記載する場合もある)のインヴィトロモデルおよび血液脳関門インヴィトロモデルの作製方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記(a)~(e)の工程を含む、血液脳関門インヴィトロモデルの作製方法。
(a)条件不死化アストロサイトを多孔性メンブレンの片方の面に、条件不死化脳ペリサイトを該多孔性メンブレンの他方の面に、各々、シート状になるまで培養する工程、
(b)条件不死化脳微小血管内皮細胞を培養容器中でシート状になるまで培養する工程、
(c)工程(b)で作製した条件不死化脳微小血管内皮細胞のシートを剥がす工程、
(d)工程(c)で作製した条件不死化脳微小血管内皮細胞のシートを、工程(a)で培養した条件不死化脳ペリサイトのシートに層状に接触させる工程、および
(e)工程(d)で作製した、条件不死化脳微小血管内皮細胞のシート、条件不死化脳ペリサイトのシートおよび条件不死化アストロサイトのシートの3層を含む細胞培養物を共培養する工程

【請求項2】
前記工程(b)の培養容器の培養表面がラミニンコートされており、前記工程(c)において条件不死化脳微小血管内皮細胞のシートをラミニン層と共に剥がし、前記工程(d)が工程(c)で作製した条件不死化脳微小血管内皮細胞のシートとラミニン層を、工程(a)で培養した条件不死化脳ペリサイトのシートに層状に接触させる工程であることを特徴とする請求項1に記載の血液脳関門インヴィトロモデルの作製方法。

【請求項3】
前記条件不死化脳微小血管内皮細胞、条件不死化脳ペリサイトおよび条件不死化アストロサイトが、各々、初代培養脳微小血管内皮細胞、初代培養脳ペリサイトおよび初代培養アストロサイトに温度感受性SV40 large T抗原の遺伝子を導入して作製したものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の血液脳関門インヴィトロモデルの作製方法。

【請求項4】
前記工程(b)において、条件不死化脳微小血管内皮細胞を温度応答性培養容器で培養することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の血液脳関門インヴィトロモデルの作製方法。

【請求項5】
下から条件不死化アストロサイトのシート、多孔性メンブレン、条件不死化脳ペリサイトのシートおよび条件不死化脳微小血管内皮細胞のシートの順に、または、下から条件不死化微小血管内皮細胞のシート、条件不死化脳ペリサイトのシート、多孔性メンブレンおよび条件不死化アストロサイトのシートの順に積層されていることを特徴とする、血液脳関門インヴィトロモデル。

【請求項6】
下から条件不死化アストロサイトのシート、多孔性メンブレン、条件不死化脳ペリサイトのシート、ラミニン層および条件不死化脳微小血管内皮細胞のシートの順に、または、下から条件不死化微小血管内皮細胞のシート、ラミニン層、条件不死化脳ペリサイトのシート、多孔性メンブレンおよび条件不死化アストロサイトのシートの順に積層されていることを特徴とする、血液脳関門インヴィトロモデル。

【請求項7】
前記条件不死化脳微小血管内皮細胞、条件不死化脳ペリサイトおよび条件不死化アストロサイトが、各々、初代培養脳微小血管内皮細胞、初代培養脳ペリサイトおよび初代培養アストロサイトに温度感受性SV40 large T抗原の遺伝子を導入して作製したものであることを特徴とする、請求項5または6に記載の血液脳関門インヴィトロモデル。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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