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生体試料を生存状態で観察する顕微鏡および方法 NEW

国内特許コード P190016020
整理番号 (ST01P002)
掲載日 2019年5月9日
出願番号 特願2018-507415
出願日 平成29年3月23日(2017.3.23)
国際出願番号 JP2017011837
国際公開番号 WO2017164332
国際出願日 平成29年3月23日(2017.3.23)
国際公開日 平成29年9月28日(2017.9.28)
優先権データ
  • 特願2016-058946 (2016.3.23) JP
発明者
  • 永井 健治
  • 新井 由之
  • 鈴木 和志
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 生体試料を生存状態で観察する顕微鏡および方法 NEW
発明の概要 化学発光を生成する化学発光物質を含む生体試料を生存状態で顕微鏡により観察する。前記顕微鏡は、前記化学発光の状態を変化させる制御光を射出する光源と、前記生体試料の観察面に照射される前記制御光の照射パターンを画定する画定部と、前記生体試料から射出された前記化学発光を検出する検出器と、を備える。
従来技術、競合技術の概要


従来、試料中に含まれる物質から生成される発光を、顕微鏡を用いて観察することが行われてきた。例えば、従来の蛍光顕微鏡では、試料に紫外線やX線や可視光線を照射して試料中の物質を励起させ、励起状態の物質が基底状態に戻るときに放出する蛍光を検出することによって試料を観察する。したがって、従来の蛍光顕微鏡では、試料中の物質を励起させるための励起光の光源を必要とする。



近年では、励起光源を必要としない顕微鏡も出現している。このタイプの顕微鏡は、励起光源からの光照射を受けることなく、試料中に含まれる物質によって生成される化学発光を検出する。特許文献1には、700nm、強度400mWのイレース光を試料である鉄道虫の観察領域外に照射して当該観察領域外での化学発光の発生を抑制することによって、鉄道虫の観察領域から生成された化学発光を顕微鏡によって高感度で検出することが開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、生体試料を生存状態で観察する顕微鏡および方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
生体試料を生存状態で観察するための顕微鏡であって、
前記生体試料は、化学発光を生成する化学発光物質を含み、
前記顕微鏡は、
前記化学発光の状態を変化させる制御光を射出する光源と、
前記生体試料の観察面に照射される前記制御光の照射パターンを画定する画定部と、
前記生体試料から射出された前記化学発光を検出する検出器と、
を備えることを特徴とする顕微鏡。

【請求項2】
前記制御光は、その照射により前記化学発光の生成を抑制し、
前記画定部は、前記生体試料の観察面のうち前記化学発光を検出すべき第1領域に前記制御光を照射せずに、前記第1領域を取り囲む第2領域に前記制御光を照射するように、前記制御光の照射パターンを画定することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。

【請求項3】
前記制御光は、その照射により前記化学発光の生成を促進し、
前記画定部は、前記生体試料の観察面のうち前記化学発光を検出すべき第1領域に前記制御光を照射するように、前記制御光の照射パターンを画定することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。

【請求項4】
前記制御光は、照射により前記化学発光の生成を促進する第1制御光と、照射により前記化学発光の生成を抑制する第2制御光とを含み、
前記画定部は、前記生体試料の観察面のうち前記化学発光を検出すべき第1領域に前記第1制御光を照射し、前記第1領域を取り囲む第2領域に前記第2制御光を照射するように、前記第1制御光および前記第2制御光の照射パターンを画定することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。

【請求項5】
前記制御光は、その照射により前記化学発光の波長を第1波長から第2波長に変化させ、
前記画定部は、前記生体試料の観察面のうち前記化学発光を検出すべき第1領域に前記制御光を照射するように、前記制御光の照射パターンを画定し、
前記検出器は、前記第1波長の光を透過させずに前記第2波長の光を透過させるフィルタを介して、前記生体試料から射出された前記化学発光を検出することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。

【請求項6】
前記画定部は、前記観察面に複数の前記第1領域を形成するように前記制御光の照射パターンを画定することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の顕微鏡。

【請求項7】
前記検出器の検出結果を処理して前記化学発光の画像を生成する処理部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の顕微鏡。

【請求項8】
前記検出器の検出結果を処理する処理部を更に備え、
前記画定部は、前記生体試料の観察面に照射される前記制御光の照射パターンを第1パターンに画定し、
前記検出器は、前記生体試料の周波数成分と前記第1パターンの周波数成分との相互作用により前記観察面に形成された第2パターンを検出し、
前記処理部は、前記第1パターンの周波数成分と前記第2パターンの周波数成分とに基づいて前記生体試料の周波数成分を求めることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。

【請求項9】
前記第1パターンは、縞状のパターンを含み、
前記第2パターンは、前記生体試料の周波数成分と前記第1パターンの周波数成分との相互干渉により得られるモアレを含むことを特徴とする請求項8に記載の顕微鏡。

【請求項10】
前記制御光は、1W/cm以下の強度を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の顕微鏡。

【請求項11】
前記生体試料を刺激する刺激光を射出する第2の光源をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の顕微鏡。

【請求項12】
前記化学発光物質は、発光基質と、発光酵素および蛍光タンパク質を含み前記発光基質と協働して前記化学発光を生成する自発光タンパク質融合体と、前記発光酵素と結合され、前記制御光の照明の有無に応じて前記化学発光を制御する発光制御部分と、を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の顕微鏡。

【請求項13】
前記自発光タンパク質融合体は、化学発光反応を発生させる第1の立体構造と、前記化学発光反応の発生が抑制される第2の立体構造とをとることができ、
前記制御光は、前記自発光タンパク質融合体の立体構造を前記第1の立体構造から前記第2の立体構造に変化させることを特徴とする請求項12に記載の顕微鏡。

【請求項14】
前記発光制御部分は、フォトトロピンのLight-oxygen-voltage-sensing ドメイン2(LOV2ドメイン)、前記LOV2ドメインの変異体であるLOV2-I427V、BLUFタンパク質のAppAドメイン(1-133)、BLUFタンパク質のPapBドメイン(1-147)、または、BLUFタンパク質のYcgFドメイン(1-97)を含むことを特徴とする請求項12又は13のいずれか1項に記載の顕微鏡。

【請求項15】
前記自発光タンパク質融合体は、イエロ-ナノランタン、シアン-ナノランタン、オレンジ-ナノランタン、グリーン-ナノランタン、および、レッド-ナノランタンの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の顕微鏡。

【請求項16】
前記生体試料に前記発光基質を添加する添加部をさらに含むことを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の顕微鏡。

【請求項17】
前記画定部は、Voltex位相板、空間光変調器、または、前記制御光を遮断する材料が部分的に塗布された透明板であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の顕微鏡。

【請求項18】
前記生体試料を保持する保持部と、
前記光源から射出された前記制御光の前記画定部への入射をオンオフするシャッタと、
前記保持部と前記検出器との間に配置された対物レンズと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の顕微鏡。

【請求項19】
前記検出器は、前記生体試料の前記画定部の側とは反対の側の前記観察面から射出された前記化学発光を検出することを特徴とする請求項18に記載の顕微鏡。

【請求項20】
前記光源と前記保持部との間に配置され、前記光源から射出された前記制御光を前記保持部に向けて導き、前記画定部の側の前記観察面から射出された前記化学発光を前記検出器に向けて導くビームスプリッタをさらに備えることを特徴とする請求項18に記載の顕微鏡。

【請求項21】
前記保持部は、前記制御光の光路と直交する方向に前記画定部に対して移動可能であることを特徴とする請求項18乃至20のいずれか1項に記載の顕微鏡。

【請求項22】
前記制御光は、1光子吸収の380~480nmの波長または2光子吸収の850~940nmの波長を有することを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載の顕微鏡。

【請求項23】
前記生体試料は、互いに異なる波長の複数の化学発光をそれぞれ生成する複数種類の化学発光物質を含み、
前記検出器は、前記複数の化学発光を検出することを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載の顕微鏡。

【請求項24】
前記複数の化学発光を波長に基づいて分離する波長フィルタをさらに備え、
前記検出器は、前記波長フィルタによって分離された前記複数の化学発光のそれぞれを検出することを特徴とする請求項23に記載の顕微鏡。

【請求項25】
生体試料を生存状態で観察する方法であって、
発光酵素および蛍光タンパク質を含み発光基質と協働して化学発光を生成する自発光タンパク質融合体と、前記発光酵素と結合され、前記化学発光の状態を変化させる制御光の照明の有無に応じて前記化学発光を制御する発光制御部分と、を含む前記生体試料に前記発光基質を添加する添加工程と、
前記制御光の照射パターンを画定し、前記照射パターンに画定された前記制御光で前記生体試料を照明する照明工程と、
前記生体試料から射出される前記化学発光を検出する検出工程と、
を含むことを特徴とする方法。

【請求項26】
前記制御光は、その照射により前記化学発光の生成を抑制し、
前記照明工程では、前記生体試料の観察面のうち前記化学発光を検出すべき第1領域に前記制御光を照射せずに、前記第1領域を取り囲む第2領域に前記制御光を照射するように、前記制御光の照射パターンを画定することを特徴とする請求項25に記載の方法。

【請求項27】
前記制御光は、その照射により前記化学発光の生成を促進し、
前記照明工程では、前記生体試料の観察面のうち前記化学発光を検出すべき第1領域に前記制御光を照射するように、前記制御光の照射パターンを画定することを特徴とする請求項25に記載の方法。

【請求項28】
前記制御光は、照射により前記化学発光の生成を促進する第1制御光と、照射により前記化学発光の生成を抑制する第2制御光とを含み、
前記照明工程では、前記生体試料の観察面のうち前記化学発光を検出すべき第1領域に前記第1制御光を照射し、前記第1領域を取り囲む第2領域に前記第2制御光を照射するように、前記第1制御光および前記第2制御光の照射パターンを画定することを特徴とする請求項25に記載の方法。

【請求項29】
前記制御光は、その照射により前記化学発光の波長を第1波長から第2波長に変化させ、
前記照明工程では、前記生体試料の観察面のうち前記化学発光を検出すべき第1領域に前記制御光を照射するように、前記制御光の照射パターンを画定し、
前記検出工程では、前記第1波長の光を透過させずに前記第2波長の光を透過させるフィルタを介して、前記生体試料から射出された前記化学発光を検出することを特徴とする請求項25に記載の方法。

【請求項30】
前記照明工程では、前記生体試料の観察面に照射される前記制御光の照射パターンを第1パターンに画定し、
前記検出工程では、前記生体試料の周波数成分と前記第1パターンの周波数成分との相互作用により前記観察面に形成された第2パターンを検出し、前記第1パターンの周波数成分と前記第2パターンの周波数成分とに基づいて前記第生体試料の周波数成分を求めることを特徴とする請求項25に記載の方法。

【請求項31】
前記制御光の光路に直交する方向における前記生体試料の位置を変更する変更工程を含み、
前記変更工程の後、前記照明工程および前記検出工程をその順序で繰り返し行うことを特徴とする請求項25乃至30のいずれか1項に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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