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微粒子情報解析装置、微粒子情報解析方法及び微粒子情報解析プログラム UPDATE

国内特許コード P190016053
整理番号 160037JP01
掲載日 2019年5月21日
出願番号 特願2016-211838
公開番号 特開2018-072141
出願日 平成28年10月28日(2016.10.28)
公開日 平成30年5月10日(2018.5.10)
発明者
  • 花▲崎▼ 逸雄
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 微粒子情報解析装置、微粒子情報解析方法及び微粒子情報解析プログラム UPDATE
発明の概要 【課題】光学顕微鏡を用いて流体中の微粒子群を観察して拡散係数を求める。
【解決手段】カメラ装置(28)で撮像した動画を用いて、時間差分に関する空間的FFTにより、画像強度の波数を導出し(S100)、各波数に対する時定数を導出し(S110)、時定数に対して、同的光散乱現象の法則が成立する範囲を導出し(S120)、その範囲の中から評価関数を最小にする最適な範囲を探索し(S130)、探索結果を用いて拡散係数を求める(S140)。このようにして、空間解像度を活用して連続して撮像された撮像画像を用いて運動する微粒子を示す関数へフィッティングする際の成立範囲を特定でき、光学顕微鏡を用いて流体中における微粒子の微粒子情報として拡散係数を簡単かつ自動的に解析することができる。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要

流体中の微粒子や分子の運動を計測する技術として、光学顕微鏡を用いたLOC(Lab On a Chip)と呼ばれる、チップ上に微細加工されたラボ・オン・チップ・デバイスを用いた極小規模で実験を行う技術が知られている。LOC技術では、一粒子追跡(SPT:Single Particle Tracking)技術を用いた粒子追跡流速測定技術(PTV:Particle Tracking Velocimetry)、つまり粒子の軌跡から「速度」場を計測する。流速場の評価は光学系構成や画像を二値化して微粒子の位置を特定して軌跡を獲得するアルゴリズムなど多数の技術が開発されている。ところで、流速場の評価技術の開発段階では、熱揺らぎに起因する微小な粒子のランダムなブラウン運動が「ノイズ」として忌避される。これに対して、バイオテクノロジー等の分野では細胞計測として、細胞内やLOC内で注目する分子のブラウン運動の様子自体を計測することが求められる場合がある。しかし、光学顕微鏡では、光源の波長(の半分程度)より小さい物体を捉えることが困難なため、対象となる微粒子や分子は蛍光染色してから観察することが一般的である。

対象となる微粒子や分子を蛍光染色してから観察する際には、蛍光染色に多くの作業量が生じる上に特定の対象となる微粒子や分子だけを染色するのに満たすべき技術条件も存在する。また、蛍光染色に用いる蛍光色素はブリンキングや退色を示すため、観察に際しては熟練が必要である。したがって、微粒子や分子の運動を観察する際に、蛍光染色不要とする技術が求められている。

一方、インクや機能性微粒子合成など産業的な場面では、流体中に分散された微粒子の拡散係数や有効粒径を評価することが求められている。微粒子の拡散係数や有効粒径を評価する際には、細胞計測と違い蛍光染色は非現実的である。例えば、一粒子追跡技術によるSPT装置では、光学顕微鏡に取り付けたカメラ装置で撮像した連続する複数の画像データ(動画データ)から、粒子の位置を時々刻々特定して同一粒子を特定することにより軌跡を得て、その軌跡から拡散係数を評価する。ところが、光学顕微鏡では光源の波長より小さい粒子を捉えることが困難であることに加えて、微粒子を含む高濃度の流体では同一粒子を特定しつつ追跡することが困難である。

そこで、近年、微粒子の拡散係数や有効粒径を評価する場面では、動的光散乱(DLS:Dynamic Light Scattering)の現象を利用した特別の光学系を備えたDLS装置が用いられている。しかし、DLS装置は、光学顕微鏡と異なり空間解像度が無いことが知られている。つまり、対象を空間的に一様と見なしている。しかも、DLS装置は特別の光学系を備えた高価な装置になることが一般的であり、また、DLS装置により得られる基本的な情報は拡散係数及び拡散係数を基にした有効粒径である。

これに対して、動的光散乱と光学顕微鏡の間の時空間スケールで拡散係数の計測を可能にしたDDM(Differential Dynamic Microscopy)技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。このDDM技術では、光学顕微鏡と高感度カメラで獲得した動画からDLSの原理を理論的に活用することにより、画像の二値化で粒子位置を特定して軌跡を得ることなく拡散係数の評価を可能にしている。

産業上の利用分野

本発明は、微粒子情報解析装置、微粒子情報解析方法及び微粒子情報解析プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数の運動する微粒子を含み、かつ照明光で照明された対象物を連続して撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像した連続する複数の撮像画像の2つの撮像画像各々の差分画像における画像強度の波数、及び前記画像強度の波数に対する前記複数の微粒子の自己相関情報を導出する導出部と、
動的光散乱現象に基づいて定められた前記波数、前記自己相関情報、及び前記複数の微粒子の拡散係数の関係に適合する前記導出部で導出した前記自己相関情報に対する前記画像強度の波数の範囲を探索する探索部と、
前記探索部で探索した前記画像強度の波数の範囲内の波数、及び前記関係を用いて拡散係数を演算する演算部と、
を備えた微粒子情報解析装置。

【請求項2】
前記探索部は、
前記関係に適合する前記波数の範囲を候補範囲として複数導出し、導出した複数の候補範囲の中から前記関係の評価用物理量を表す評価関数の最適値を与える候補範囲を前記波数の範囲として導出する
請求項1に記載の微粒子情報解析装置。

【請求項3】
前記演算部は、
ストークス-アインシュタインの関係を用いて、前記演算した拡散係数に対応する粒子径を算出する粒子径算出部を含む
請求項1又は請求項2に記載の微粒子情報解析装置。

【請求項4】
前記照明光は、白色光である
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の微粒子情報解析装置。

【請求項5】
前記関係は、次式で表される
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の微粒子情報解析装置。
【数1】
(省略)

【請求項6】
前記評価関数は、次式で表される
請求項2に記載の微粒子情報解析装置。
【数2】
(省略)

【請求項7】
コンピュータが、
複数の運動する微粒子を含み、かつ照明光で照明された対象物を連続して撮像した複数の撮像画像の2つの撮像画像各々の差分画像における画像強度の波数、及び前記画像強度の波数に対する前記複数の微粒子の自己相関情報を導出し、
動的光散乱現象に基づいて定められた前記波数、前記自己相関情報、及び前記複数の微粒子の拡散係数の関係に適合する前記導出した前記自己相関情報に対する前記画像強度の波数の範囲を探索し、
探索した前記画像強度の波数の範囲内の波数、及び前記関係を用いて拡散係数を演算する
微粒子情報解析方法。

【請求項8】
複数の運動する微粒子を含み、かつ照明光で照明された対象物を連続して撮像した複数の撮像画像の2つの撮像画像各々の差分画像における画像強度の波数、及び前記画像強度の波数に対する前記複数の微粒子の自己相関情報を導出し、
動的光散乱現象に基づいて定められた前記波数、前記自己相関情報、及び前記複数の微粒子の拡散係数の関係に適合する前記導出した前記自己相関情報に対する前記画像強度の波数の範囲を探索し、
探索した前記画像強度の波数の範囲内の波数、及び前記関係を用いて拡散係数を演算する
処理をコンピュータに実行させるための微粒子情報解析プログラム。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2016211838thum.jpg
出願権利状態 公開
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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