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伐採状況調査用データ作成方法及び伐採状況調査用データ作成装置

国内特許コード P190016059
整理番号 L18015,S2019-0082-N0
掲載日 2019年5月24日
出願番号 特願2019-001419
公開番号 特開2020-112887
出願日 平成31年1月8日(2019.1.8)
公開日 令和2年7月27日(2020.7.27)
発明者
  • 加藤 正人
  • トウ ソウキュウ
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 伐採状況調査用データ作成方法及び伐採状況調査用データ作成装置
発明の概要 【課題】所定の森林域において樹木の伐採を行った際の伐採状況を調査するための伐採状況調査用データを多くの人手と時間を要することなく作成する。
【解決手段】伐採前樹冠高画像データ及び伐採後樹冠高画像データを取得するステップS10,S20と、伐採前樹冠高画像データと伐採後樹冠高画像データとから一本以上の伐採木の樹冠でなる樹冠領域の樹冠高が表わされている樹冠高差分画像データを作成する樹冠高画像データ差分処理ステップS30と、樹冠高差分画像データに存在するノイズを除去してノイズ除去済みの樹冠高差分画像データを作成するノイズ除去処理ステップS40と、ノイズ除去済みの樹冠高差分画像データに基づいて個々の伐採木の樹冠ごとに区分した伐採木樹冠区分画像データを作成する伐採木樹冠区分処理ステップS50と、伐採木樹冠区分画像データに基づいて伐採木資源情報を取得する伐採木資源情報取得処理ステップS60とを有する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

森林における樹木の伐採は、林業収入に影響する重要な作業であるが、木材価格が低迷していることや、自力伐採できない森林所有者が大部分であることから、都道府県や市町村からの補助金を伐採費用として使用して、森林所有者や木材生産者が赤字にならないようにすることが行われている。一方、都道府県や市町村の森林管理者及び伐採作業を行った木材生産者は、補助金の適正執行といった観点から、伐採終了後に計画通りの伐採がなされたかの調査(伐採状況調査)を実施する必要があるが、当該伐採状況調査は、人手によって実施しているのが現状である。

このような伐採状況調査は、伐採が終了した年度末の冬期に集中することから、寒冷地では積雪のもとで伐採調査が行われることも多い。このため、発注者、林業事業体及び調査員は、除雪など伐採状況調査のための準備を行った上で、現地において伐採状況調査を行った上で伐採状況調査資料の作成を行うなど、精神的な負担と多大な労力を要している。

また、伐採状況調査資料を作成するには、伐採が調査対象域において集中や偏りがなく全域に渡って満遍なく行われているかを現地において調査したり、伐採された樹木(伐採木ともいう。)の本数、平均胸高、平均樹高、材積など伐採木に関する資源情報を算定したりする必要がある。このため、伐採状況調査資料の作成には、多くの人手と時間を要するとともに、豊富な知識と経験も必要となる。

近年、上空から所定の森林域(調査対象森林域ともいう。)を含む地域にレーザー光を照射して得られたレーザー計測データに基づいて、調査対象森林域に関する森林資源情報を作成する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

特許文献1に記載されている森林資源情報算定方法は、三次元のレーザー点群データから、各樹木の樹冠直径、胸高直径、樹高、胸高直径と樹高とから得られる材積などの森林資源情報を高精度に算定可能とする森林資源情報算定方法である。

産業上の利用分野

本発明は、所定の森林域において樹木の伐採を行った際の伐採状況調査用データの作成を行う伐採状況調査用データ作成方法及び伐採状況調査用データ作成装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
所定の森林域において樹木の伐採を行った際の伐採状況を調査するためのデータを作成する伐採状況調査用データ作成方法であって、
前記所定の森林域における伐採前の樹冠高画像データを取得する伐採前の樹冠高画像データ取得処理ステップと、
前記所定の森林域における伐採後の樹冠高画像データを取得する伐採後の樹冠高画像データ取得処理ステップと、
前記伐採前の樹冠高画像データと前記伐採後の樹冠高画像データとの差分を取ることによって、一本以上の伐採木の樹冠からなる樹冠領域における樹冠高が表わされている樹冠高差分画像データを作成する樹冠高画像データ差分処理ステップと、
前記樹冠高画像データ差分処理によって作成された前記樹冠高差分画像データに存在するノイズを除去して、ノイズが除去されたノイズ除去済みの樹冠高差分画像データを作成するノイズ除去処理ステップと、
前記ノイズ除去処理によって作成された前記ノイズ除去済みの樹冠高差分画像データに基づいて、前記一本以上の伐採木の樹冠からなる樹冠領域を個々の伐採木の樹冠ごとに区分した伐採木樹冠区分画像データを作成する伐採木樹冠区分処理ステップと、
前記伐採木樹冠区分処理によって作成された前記伐採木樹冠区分画像データに基づいて、前記個々の伐採木に関する資源情報を取得する伐採木資源情報取得処理ステップと、
を有することを特徴とする伐採状況調査用データ作成方法。

【請求項2】
請求項1に記載の伐採状況調査用データ作成方法において、
前記ノイズ除去処理ステップには、
前記樹冠高画像データ差分処理ステップによって作成された樹冠高差分画像データから、最大樹冠高を抽出する最大樹冠高抽出処理ステップと、
前記伐採木の樹冠候補とするための樹冠高の閾値を前記最大樹冠高に基づいて設定し、当該閾値を第1閾値とし、前記樹冠高差分画像データにおいて当該第1閾値以上の樹冠高を有する領域を伐採木樹冠候補領域として抽出して、「伐採木樹冠候補領域抽出済みの樹冠高差分画像データ」を作成する伐採木樹冠候補領域抽出処理ステップと、
前記伐採木樹冠候補領域の面積に閾値を設定して、当該設定した閾値を第2閾値とし、前記伐採木樹冠候補領域の面積が前記第2閾値未満となっている小面積の伐採木樹冠候補領域を前記「伐採木樹冠候補領域抽出済みの樹冠高差分画像データ」から除去して、「小面積伐採木樹冠候補領域除去済みの樹冠高差分画像データ」を作成する小面積伐採木樹冠候補領域除去処理ステップと、
前記伐採木樹冠候補領域における長手方向長さを当該伐採木樹冠候補領域における短手方向長さで徐算して得られた値に閾値を設定して、当該設定した閾値を第3閾値とし、前記伐採木樹冠候補領域が前記第3閾値以上の細長い伐採木樹冠候補領域を前記「小面積伐採木樹冠候補領域除去済みの樹冠高差分画像データ」から除去して、「細長伐採木樹冠候補領域除去済みの樹冠高差分画像データ」を作成する細長樹冠候補領域除去処理ステップと、
前記伐採木樹冠候補領域の内側に存在する伐採木候補領域内ノイズを前記「細長伐採木樹冠候補領域除去済みの樹冠高差分画像データ」から除去して、「伐採木樹冠候補領域内ノイズ除去済みの樹冠高差分画像データを」作成する伐採木樹冠候補領域内ノイズ除去処理ステップと、
が含まれていることを特徴とする伐採状況調査用データ作成方法。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の伐採状況調査用データ作成方法において、
前記伐採木資源情報取得処理ステップには、前記伐採木樹冠区分処理ステップによって作成された前記伐採木樹冠区分画像データに基づいて、少なくとも、個々の伐採木の位置情報、個々の伐採木の樹冠面積及び/又は樹冠直径、個々の伐採木の樹高、個々の伐採木の胸高直径並びに個々の伐採木の材積を取得する処理が含まれていることを特徴とする伐採状況調査用データ作成方法。

【請求項4】
請求項3に記載の伐採状況調査用データ作成方法において、
前記伐採木資源情報取得処理ステップが取得した前記個々の伐採木に関する資源情報に基づいて伐採木資源量の集計処理を行う伐採木資源量の集計処理ステップをさらに有することを特徴とする伐採状況調査用データ作成方法。

【請求項5】
請求項4に記載の伐採状況調査用データ作成方法において、
前記伐採木資源量の集計処理ステップには、前記伐採木の本数、前記伐採木の平均胸高直径、前記伐採木の平均樹高及び前記伐採木の合計材積を集計するとともに、前記本数による伐採率及び前記材積による伐採率を算定する処理が含まれていることを特徴とする伐採状況調査用データ作成方法。

【請求項6】
請求項3~5のいずれかに記載の伐採状況調査用データ作成方法において、
前記個々の伐採木の樹冠面積及び/又は樹冠直径は、当該個々の伐採木の樹冠の領域の画素数に基づいて求められており、
前記個々の伐採木の樹高は、前記伐採木樹冠区分処理により区分された個々の伐採木の樹冠に対応する樹冠高画像データの最大値が当該伐採木の樹高として求められており、
前記個々の伐採木の胸高直径は、個々の伐採木の樹冠面積又は樹冠直径と個々の伐採木の樹高とから重回帰式で求められおり、
前記個々の伐採木の材積は、個々の伐採木の胸高直径と個々の伐採木の樹高とに基づいて求められている、
ことを特徴とする伐採状況調査用データ作成方法。

【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の伐採状況調査用データ作成方法において、
前記伐採前の樹冠高画像データ取得処理ステップが取得する前記伐採前の樹冠高画像データは、
伐採前の前記所定の森林域に対応する3次元点群データと当該所定の森林域に対応する地理的情報とに基づいて作成されている伐採前の所定の森林域画像データに基づいて、メッシュ化されたデジタル表層モデルデータとデジタル標高モデルデータとを作成し、当該メッシュごとに前記デジタル表層モデルデータと前記デジタル標高モデルデータとの差分を取ることによって作成されており、
前記伐採後の樹冠高画像データ取得処理ステップが取得する前記伐採後の樹冠高画像データは、
伐採後の前記所定の森林域に対応する3次元点群データと当該所定の森林域に対応する地理的情報とに基づいて作成されている伐採後の所定の森林域画像データに基づいて、メッシュ化されたデジタル表層モデルデータとデジタル標高モデルデータとを作成し、当該メッシュごとに前記デジタル表層モデルデータと前記デジタル標高モデルデータとの差分を取ることによって作成されている、
ことを特徴とする伐採状況調査用データ作成方法。

【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の伐採状況調査用データ作成方法において、
前記伐採木樹冠区分処理は、インディヴィジュアル・ツリー・ディテクション法(Individual tree detection method)を用いて、前記伐採木の樹冠領域を個々の伐採木の樹冠ごとに区分した伐採木樹冠区分画像データを作成することを特徴とする伐採状況調査用データ作成方法。

【請求項9】
所定の森林域において樹木の伐採を行った際の伐採状況を調査するためのデータを作成する伐採状況調査用データ作成装置であって、
前記所定の森林域における伐採前の樹冠高画像データを取得する伐採前の樹冠高画像データ取得処理部と、
前記所定の森林域における伐採後の樹冠高画像データを取得する伐採後の樹冠高画像データ取得処理部と、
前記伐採前の樹冠高画像データと前記伐採後の樹冠高画像データとの差分を取ることによって、一本以上の伐採木の樹冠からなる樹冠領域における樹冠高が表わされている樹冠高差分画像データを作成する樹冠高画像データ差分処理部と、
前記樹冠高画像データ差分処理によって作成された前記樹冠高差分画像データに存在するノイズを除去して、ノイズが除去されたノイズ除去済みの樹冠高差分画像データを作成するノイズ除去処理部と、
前記ノイズ除去処理によって作成された前記ノイズ除去済みの樹冠高差分画像データに基づいて、前記一本以上の伐採木の樹冠からなる樹冠領域を個々の伐採木の樹冠ごとに区分した伐採木樹冠区分画像データを作成する伐採木樹冠区分処理部と、
前記伐採木樹冠区分処理によって作成された前記伐採木樹冠区分画像データに基づいて、前記個々の伐採木に関する資源情報を取得する伐採木資源情報取得処理部と、
を有することを特徴とする伐採状況調査用データ作成装置。

【請求項10】
請求項9に記載の伐採状況調査用データ作成装置において、
前記ノイズ除去処理部には、
前記樹冠高画像データ差分処理部によって作成された樹冠高差分画像データから、最大樹冠高を抽出する最大樹冠高抽出処理部と、
前記伐採木の樹冠候補とするための樹冠高の閾値を前記最大樹冠高に基づいて設定し、当該閾値を第1閾値とし、前記樹冠高差分画像データにおいて当該第1閾値以上の樹冠高を有する領域を伐採木樹冠候補領域として抽出して、「伐採木樹冠候補領域抽出済みの樹冠高差分画像データ」を作成する伐採木樹冠候補領域抽出処理部と、
前記伐採木樹冠候補領域の面積に閾値を設定して、当該設定した閾値を第2閾値とし、前記伐採木樹冠候補領域の面積が前記第2閾値未満となっている小面積の伐採木樹冠候補領域を前記「伐採木樹冠候補領域抽出済みの樹冠高差分画像データ」から除去して、「小面積伐採木樹冠候補領域除去済みの樹冠高差分画像データ」を作成する小面積伐採木樹冠候補領域除去処理部と、
前記伐採木樹冠候補領域における長手方向長さを当該伐採木樹冠候補領域における短手方向長さで徐算して得られた値に閾値を設定して、当該設定した閾値を第3閾値とし、前記伐採木樹冠候補領域が前記第3閾値以上の細長い伐採木樹冠候補領域を前記「小面積伐採木樹冠候補領域除去済みの樹冠高差分画像データ」から除去して、「細長伐採木樹冠候補領域除去済みの樹冠高差分画像データ」を作成する細長樹冠候補領域除去処理部と、
前記伐採木樹冠候補領域の内側に存在する伐採木候補領域内ノイズを前記「細長伐採木樹冠候補領域除去済みの樹冠高差分画像データ」から除去して、「伐採木樹冠候補領域内ノイズ除去済みの樹冠高差分画像データを」作成する伐採木樹冠候補領域内ノイズ除去処理部と、
が含まれていることを特徴とする伐採状況調査用データ作成装置。

【請求項11】
請求項9又は10に記載の伐採状況調査用データ作成装置において、
前記伐採木資源情報取得処理部は、前記伐採木樹冠区分処理部によって作成された前記伐採木樹冠区分画像データに基づいて、少なくとも、個々の伐採木の位置情報、個々の伐採木の樹冠面積及び/又は樹冠直径、個々の伐採木の樹高、個々の伐採木の胸高直径並びに個々の伐採木の材積を取得する処理を行うことを特徴とする伐採状況調査用データ作成装置。

【請求項12】
請求項11に記載の伐採状況調査用データ作成装置において、
前記伐採木資源情報取得処理部が取得した前記個々の伐採木に関する資源情報に基づいて伐採木資源量の集計処理を行う伐採木資源量の集計処理部をさらに有することを特徴とする伐採状況調査用データ作成装置。

【請求項13】
請求項12に記載の伐採状況調査用データ作成装置において、
前記伐採木資源量の集計処理部は、前記伐採木の本数、前記伐採木の平均胸高直径、前記伐採木の平均樹高及び前記伐採木の合計材積を集計するとともに、前記本数による伐採率及び前記材積による伐採率を算定する処理を行うことを特徴とする伐採状況調査用データ作成装置。
国際特許分類(IPC)
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