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コンクリート躯体の補強方法 NEW

国内特許コード P190016125
整理番号 H22-052
掲載日 2019年6月14日
出願番号 特願2010-164137
公開番号 特開2012-026120
登録番号 特許第5504463号
出願日 平成22年7月21日(2010.7.21)
公開日 平成24年2月9日(2012.2.9)
登録日 平成26年3月28日(2014.3.28)
発明者
  • 川崎 秀明
  • 池田 隆
  • 吉田 等
  • 久保 弘明
出願人
  • 国立大学法人山口大学
  • 一般財団法人ダム技術センター
発明の名称 コンクリート躯体の補強方法 NEW
発明の概要 【課題】長期間に亘って補強の効果が持続する、補強技術の提供を課題とする。
【解決手段】コンクリート躯体10に貫通孔18を開けると共に基礎11に定着部孔19を開ける工程と、孔17にテンドン20を挿入し、第1パッカ24を膨らませる工程と、第1室28へグラウト材29を注入し、凝固させてテンドン20の先端部22を定着部孔19に固定する工程と、テンドン20の基部23を引張り機械31で掴み、テンドン20に第1のテンションF1を掛け、この第1のテンションF1を維持しながら第2パッカ25を膨らませる工程と、第2室32へグラウト材29を注入し、凝固させる工程と、引張り機械31を緩める工程と、からなる。
【効果】テンションのかかる区間を短くすることで、テンドン20とグラウト材29との間に発生し得るクラックを、より有効に防止することができる。クラックの発生を防止することで、長期間に亘って補強の効果が持続する。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要 ダムをはじめとして、コンクリート製の建造物である、様々なコンクリート躯体が知られている。コンクリート躯体を建造する場合は、ベース部としての基礎の上部に、本体としてのコンクリート躯体を建造することが一般的である。コンクリート躯体をより高い強度で基礎に結合させ、地震等の外力から保護するための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1(図3)参照。)。

特許文献1を次図に基づいて説明する。
図9に示すように、ダム堤体101は、地盤102上に建造され、グラウンドアンカーテンドン103で補強されている。

この補強は以下のようにして行う。即ち、ダム堤体101から地盤102まで孔104を開け、この孔104に、テンドン(tendon)105、105を挿入し、孔104の下部に、セメントミルク等のグラウト106aを注入する。グラウト106aが凝固すると、テンドン105、105の下部が地盤102に固定される。次に、テンドン105、105を引張る。このままで、孔104にさらにグラウト106bを注入し、凝固させる。

テンドン105、105は、芯部に鋼線を用いた伸縮自在な部材である。保護体109、109よりも上部は、シース111、111と呼ばれる樹脂製の保護材で、鋼線が覆われている。テンドン105、105は、シース111、111が被せられない先端部105aと、固定板108が取り付けられる基部105bとで引張り合うようにして、テンションを保っている。

ところで、本発明者らが地震に関する実験を行ったところ、次のような問題があることが分かった。
図9の要部拡大図である図10に示すように、ダム堤体101に揺れが加わり、この揺れの力が所定の値を超えると、固定板108近傍で部分的な破壊117が生じ得ることが分かった。部分破壊が生じることで、所望の補強作用が得られなくなる。

図9に戻り以下のこともいえる。テンドン105、105はダム堤体101を貫通している。補強が必要な部位は、ダム堤体の中でも大きな負荷のかかる、地盤102とダム堤体101の下部との間であるにも関わらず、従来の技術ではダム堤体101の全体を圧縮していた。即ち、無用な圧縮力をダム堤体101にかけていた。
コンクリート躯体において、部分破壊を防止しつつ、必要な部位にのみ圧縮力のかかる補強技術の提供が望まれる。
産業上の利用分野 本発明は、コンクリート躯体の補強方法、特に、「多点PSアンカーによる大型コンクリート駆体の補強方法」に関する。
なお、PSアンカー(prestressed anchor)は、予め軸方向に張力を付与されているアンカーを意味する。多点とは、軸方向の異なる部位をいう。多点PSアンカーとは、軸方向の異なる部位に、各々張力が付与されているアンカーを意味する。
特許請求の範囲 【請求項1】
基礎上に構築したコンクリート躯体の補強方法において、
前記基礎及びコンクリート躯体に孔を開けることができる削孔機と、内圧で膨らませることができる複数個のパッカを備えた鋼棒又は鋼線からなるテンドンと、このテンドンに張力を掛ける引張り機械とを準備する工程と、
前記削孔機で前記コンクリート躯体に貫通孔を開けると共に前記基礎に定着部孔を開ける削孔工程と、
前記孔に前記テンドンを挿入する工程と、
前記パッカのうち、前記定着部孔に最も近い第1パッカを膨らませる工程と、
この第1パッカと前記定着部孔で囲われた第1室へグラウト材を注入し、凝固させて前記テンドンの先端部を前記定着部孔に固定する定着工程と、
前記テンドンの基部を前記引張り機械で掴み、前記テンドンに第1のテンションを掛ける工程と、
この第1のテンションを維持しながら前記第1パッカの隣の第2パッカを膨らませる工程と、
前記第1パッカと前記第2パッカと前記貫通孔とで囲われる第2室へグラウト材を注入し、凝固させる工程と、
前記引張り機械を緩める工程と、からなることを特徴とするコンクリート躯体の補強方法。

【請求項2】
基礎上に構築したコンクリート躯体の補強方法において、
前記基礎及びコンクリート躯体に孔を開けることができる削孔機と、内圧で膨らませることができる複数個のパッカを備えた鋼棒又は鋼線からなるテンドンと、このテンドンに張力を掛ける引張り機械とを準備する工程と、
前記削孔機で前記コンクリート躯体に貫通孔を開けると共に前記基礎に定着部孔を開ける削孔工程と、
前記孔に前記テンドンを挿入する工程と、
前記パッカのうち、前記定着部孔に最も近い第1パッカを膨らませる工程と、
この第1パッカと前記定着部孔で囲われた第1室へグラウト材を注入し、凝固させて前記テンドンの先端部を前記定着部孔に固定する定着工程と、
前記テンドンの基部を前記引張り機械で掴み、前記テンドンに第1のテンションを掛ける工程と、
この第1のテンションを維持しながら前記第1パッカの隣の第2パッカを膨らませる工程と、
前記第1パッカと前記第2パッカと前記貫通孔とで囲われる第2室へグラウト材を注入し、凝固させる工程と、
前記引張り機械で、前記テンドンに第1のテンションより小さな第2のテンションを掛ける工程と、
この第2のテンションを維持しながら前記第2パッカの隣の第3パッカを膨らませる工程と、
前記第2パッカと前記第3パッカと前記貫通孔とで囲われる第3室へグラウト材を注入し、凝固させる工程と、
前記引張り機械を緩める工程と、からなることを特徴とするコンクリート躯体の補強方法。

【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のコンクリート躯体の補強方法であって、
前記コンクリート躯体は、ダム堤体であることを特徴とするコンクリート躯体の補強方法。

【請求項4】
前記ダム堤体は、前記基礎に接する底面と、この底面の一端から上へ延び貯水又は土砂を受ける受圧面と、前記底面の他端から斜め上に延びる斜面とからなる、略三角形の断面を有し、
前記テンドンは、前記斜面から前記底面の一端又はその近傍に向かって延ばされることを特徴とする請求項3記載のコンクリート躯体の補強方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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