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分泌シグナルペプチドをコードするDNA NEW

国内特許コード P190016128
整理番号 H25-039
掲載日 2019年6月14日
出願番号 特願2016-506110
登録番号 特許第6460538号
出願日 平成27年2月18日(2015.2.18)
登録日 平成31年1月11日(2019.1.11)
国際出願番号 JP2015000762
国際公開番号 WO2015133074
国際出願日 平成27年2月18日(2015.2.18)
国際公開日 平成27年9月11日(2015.9.11)
優先権データ
  • 特願2014-041820 (2014.3.4) JP
発明者
  • 赤田 倫治
  • 星田 尚司
  • 鎗水 透
  • 中村 美紀子
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 分泌シグナルペプチドをコードするDNA NEW
発明の概要 分泌能力が高く、かつ複数のタンパク質を分泌することができる汎用性の高い分泌シグナルペプチドをコードするDNAを提供する。
次の(a)又は(b)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチドをコードするDNAを作製する。
(a)式(I)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチド;
X-M1-M2・・・-Mi-E 式(I)
(式(I)中、Xはリジン又はアルギニンを示し、Mはメチオニンを示し、Eはグルタミン酸を示し、iは12~17の整数を示す)
(b)上記式(I)において1又は2個のメチオニンが疎水性アミノ酸に置換したアミノ酸配列からなり、酵母細胞で発現した目的タンパク質を細胞外に分泌する能力を有する分泌シグナルペプチド;
従来技術、競合技術の概要 これまでに、酵母をはじめとする様々な微生物を利用したタンパク質の生産技術が開発されている。遺伝子組み換え技術を利用してタンパク質を工業的に生産するには、タンパク質をコードするDNAを宿主となる細胞に導入し、細胞内でタンパク質を発現させる方法が用いられている。細胞内で発現したタンパク質には、細胞外に分泌されるタンパク質と、細胞外に分泌されない若しくは分泌されにくいタンパク質が存在する。後者のタンパク質を生産する場合には、細胞を破砕してタンパク質を細胞破砕物から分離する必要があり、生産効率が悪いという問題があった。そこで、細胞外に分泌されない若しくは分泌されにくいタンパク質を生産する場合には、タンパク質のN末端側に分泌シグナルペプチドを結合又は置換し、発現したタンパク質を細胞外に分泌させる方法が用いられている。

分泌シグナルペプチドとしては、キャンディダ・ユティリス(Candida utilis)のゲノムに由来する、真核細胞宿主内で分泌シグナルとして機能しうるペプチド(特許文献1参照)や、アスペルギルス・オリーゼ(Aspergillus oryzae)由来タカ(Taka)アミラーゼシグナル配列(TAAシグナル配列)(特許文献2参照)や、カイアシ類又は貝虫類のルシフェラーゼに由来する分泌シグナルペプチド(特許文献3参照)が提案されているが、いずれの分泌シグナルペプチドも、分泌能力が高いとはいえず、十分に満足いくものではなかった。

また、野生型の分泌シグナルペプチドを改変したペプチドを利用する方法が開発されており、例えば、異種性タンパク質の分泌のための発現カセットとして、シグナルペプチドをコード化しているDNA配列が、アミノ酸配列MMRP[疎水性アミノ酸]n TSALAをコード化しているDNA配列又はアミノ酸配列MKT[疎水性アミノ酸]n CATVHCをコード化しているDNA配列から選択され、式中のnは4~16の整数であり、前記疎水性アミノ酸はA、I、L、M、F又はVである発現カセット(特許文献4参照)が提案されているが、ルーチン的に使用されたシグナル配列を用いたコントロールと比較して、分泌量はわずか30%程度増加しているにすぎなかった。さらに、卵白リゾチームの天然のシグナルペプチドの第1、第2及び第16~18番目のアミノ酸を除く全て、又は少なくとも大部分のアミノ酸を1種の疎水性アミノ酸で置換した該シグナルペプチドのアミノ酸配列(特許文献5参照)が開示されているが、分泌量の向上は2.5倍程度にとどまっていた。

このように、野生型の分泌シグナルペプチドを改変しても十分な分泌量を得られていない理由の一つとして、分泌に関わるアミノ酸の種類や位置が特定されていないことが挙げられる。分泌シグナルペプチドはN末端近傍に塩基性アミノ酸が存在し、その後に疎水性アミノ酸、特にバリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファンが多く含まれていることは知られているが、どのアミノ酸がどのように配置されていれば分泌量が増加するかについては十分に明らかにされていない。そのため、分泌シグナルペプチドを改変するには、膨大なアミノ酸の組み合わせを検討する必要が生じ、手間も費用も必要となる。したがって、分泌シグナルペプチドを利用して細胞外へタンパク質を分泌させる場合には、既知の分泌シグナルペプチドの中から経験と勘によって最適と思われる分泌シグナルペプチドを選択して用いるのが現状であった。
産業上の利用分野 本発明は、タンパク質を細胞外に分泌させることが可能な分泌シグナルペプチドをコードするDNAに関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
次の(a)又は(b)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチドをコードするDNA。
(a)式(I)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチド;
X-M1-M2・・・-Mi-E 式(I)
(式(I)中、Xはリジン又はアルギニンを示し、Mはメチオニンを示し、Eはグルタミン酸を示し、iは12~17の整数を示す)
(b)上記式(I)において1又は2個のメチオニンがロイシン、フェニルアラニン、又はトリプトファンに置換したアミノ酸配列からなり、酵母細胞で発現した目的タンパク質を細胞外に分泌する能力を有する分泌シグナルペプチド;

【請求項2】
配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチドをコードする請求項1記載のDNA。

【請求項3】
請求項1又は2記載のDNAを含む酵母用組換えベクター。

【請求項4】
目的タンパク質をコードするDNAを含む請求項3記載の組換えベクター。

【請求項5】
請求項4記載の組換えベクターを含む酵母の形質転換体。

【請求項6】
請求項5記載の形質転換体を培養し、培養液から目的タンパク質を回収することを特徴とする目的タンパク質の生産方法。

【請求項7】
次の(a)又は(b)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチド。
(a)式(I)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチド;
X-M1-M2-・・・-Mi-E 式(I)
(式(I)中、Xはリジン又はアルギニンを示し、Mはメチオニンを示し、Eはグルタミン酸を示し、iは12~17の整数を示す)
(b)上記式(I)における1又は2個のメチオニンがロイシン、フェニルアラニン、又はトリプトファンに置換したアミノ酸配列からなり、酵母細胞で発現した目的タンパク質を細胞外に分泌する能力を有する分泌シグナルペプチド;
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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