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表面増強ラマン散乱分析用基板、その製造方法およびその使用方法 新技術説明会

国内特許コード P190016135
掲載日 2019年6月18日
出願番号 特願2016-058326
公開番号 特開2017-173084
出願日 平成28年3月23日(2016.3.23)
公開日 平成29年9月28日(2017.9.28)
発明者
  • 岩長 祐伸
出願人
  • 国立研究開発法人物質・材料研究機構
発明の名称 表面増強ラマン散乱分析用基板、その製造方法およびその使用方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】 表面増強ラマン散乱の強度を増大し、かつ、均一な信号分布を再現性良く測定できるSERS分析用基板、その量産可能な製造方法およびその使用方法を提供すること。
【解決手段】 被験物質の光学応答を増強させる表面増強ラマン分析用基板は、基材と、基材の表面に位置するスラブ材と、少なくともスラブ材上に位置する金属材料とを含み、基材は、少なくともスラブ材と接する表面層を備え、スラブ材は、表面層の屈折率よりも高い屈折率を有する材料からなり、スラブ材の表面から基材の表面層に達する、周期的に配列した複数の穴を有し、金属材料は、スラブ材の表面、および、複数の穴のそれぞれを介した前記基材の表面層上に位置し、相補的な金属構造を有し、複数の穴の直径および周期によって決定される複数の共鳴を有する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要

分子検出技術として、表面プラズモン増強蛍光分光(Surface-plasmon Enhanced Fluorescence Spectroscopy、SPEFS)、表面増強ラマン散乱(Surface Enhanced Raman Scattering、SERS)などが知られている。SPEFSでは、蛍光分子の蛍光を顕著に増強できる基板の存在は提示されている(例えば、非特許文献1および2を参照)。

一方、SERSが注目されてから20年以上が経つ。大きなSERS効果は単一分子からの信号も検出可能とすることから、分子レベルでの分析技術としてバイオテクノロジーや医療診断への応用が期待されている。しかしながら、当初提唱されてきた電場増強効果のみによる大きなSERS効果は極めて不均一な応答を示し、信号の再現性を得られない場合が多い。これらの点を鑑みて、均一な応答を模索する試みも多く行われてきた(例えば、非特許文献3を参照)。しかしながら、非特許文献3においても、SERS効果が十分に大きいとは言えなかった。

特許文献1は、電場の局所的な増強に注目して回折格子状の周期構造を有するSERS基板を開示する。特許文献2は、ナノギャップを特徴とするSERS基板を開示する。これらのSERS基板を用いたとしても、SERS効果が特別な条件が実現された例外的な場合を除けばあまり大きくならず、また、均一な応答が十分得れらない場合がある。したがって、実用技術としてのSERS分析法を確立するためには、大きなSERS効果がありながら同時に均一な応答を示し、再現性の高いSERS分析用基板の開発が望まれる状況が続いている。

産業上の利用分野

本発明は、表面増強ラマン散乱分析用基板、その製造方法およびその使用方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基材と、前記基材の表面に位置するスラブ材と、少なくとも前記スラブ材上に位置する金属材料とを含み、被験物質の光学応答を増強させる表面増強ラマン分析用基板であって、
前記基材は、少なくとも前記スラブ材と接する表面層を備え、
前記スラブ材は、前記表面層の屈折率よりも高い屈折率を有する材料からなり、前記スラブ材の表面から前記基材の前記表面層に達する、周期的に配列した複数の穴を有し、
前記金属材料は、前記スラブ材の表面、および、前記複数の穴のそれぞれを介した前記基材の表面層上に位置し、相補的な金属構造を有し、
前記複数の穴の直径および周期によって決定される複数の共鳴を有する、基板。

【請求項2】
前記スラブ材は、2以上の屈折率を有する材料からなり、
前記表面層は、2未満の屈折率を有する材料からなる、請求項1に記載の基板。

【請求項3】
前記スラブ材は、Si、Ge、SiN、SiC、II-VI属半導体、III-V属半導体およびTiOからなる群から選択される材料である、請求項2に記載の基板。

【請求項4】
前記スラブ材は、100nm以上2μm以下の範囲の厚さを有する、請求項1に記載の基板。

【請求項5】
前記表面層は、透明絶縁体からなる、請求項1に記載の基板。

【請求項6】
前記透明絶縁体は、SiO、Al、ガラスおよびポリマーからなる群から選択される、請求項5に記載の基板。

【請求項7】
前記基材は、SiO層と接合したSi基板である、請求項1に記載の基板。

【請求項8】
前記金属材料は、Au、Pt、Ag、Cu、Pd、Co、Feおよびそれらの合金からなる群から選択される材料である、請求項1に記載の基板。

【請求項9】
前記金属材料は、30nm以上100nm以下の厚さを有する、請求項1に記載の基板。

【請求項10】
前記複数の穴の直径は、100nm以上500nm以下の範囲である、請求項1に記載の基板。

【請求項11】
前記複数の穴の周期は、300nm以上1000nm以下の範囲である、請求項1に記載の基板。

【請求項12】
前記複数の穴は、2以上の異なる直径を有し、かつ/または、2以上の異なる周期で配列されている、請求項1に記載の基板。

【請求項13】
前記複数の共鳴の少なくとも1つは、可視光から近赤外光域の領域に位置する、請求項1に記載の基板。

【請求項14】
前記金属材料は、前記複数の穴の側壁を覆わない、請求項1に記載の基板。

【請求項15】
請求項1~14に記載の被験物質の光学応答を増強させる表面増強ラマン分析用基板を製造する方法は、
表面層を有する基材、前記表面層上にスラブ材および前記スラブ材上にレジストを備え、周期的に配列した複数の凸部からなるパターンを備えたモールドを前記レジストに押し当て、前記レジストに前記パターンを転写するステップと、
前記スラブ材を前記転写されたパターンにしたがってエッチングし、前記スラブ材に前記基材の表面層に達する、周期的に配列した複数の穴を形成するステップと、
残留するレジストを除去し、金属材料を前記スラブ材の表面、および、前記複数の穴のそれぞれを介した前記基材の表面層に付与するステップと
を包含し、
前記パターンの前記複数の凸部の直径および周期は、前記パターンが転写され、前記スラブ材に形成されるべき前記複数の穴の直径および周期によって決定される前記スラブ材の複数の共鳴の少なくとも1つの共鳴が前記被験物質の指紋領域を含むように設定される、方法。

【請求項16】
前記転写するステップは、加熱または紫外線照射のいずれかにより行う、請求項15に記載の方法。

【請求項17】
前記形成するステップは、BOSCH加工により行う、請求項15に記載の方法。

【請求項18】
前記付与するステップは、物理的気相成長法または化学的気相成長法により行う、請求項15に記載の方法。

【請求項19】
前記複数の凸部は、2以上の異なる直径を有し、かつ/または、2以上の異なる周期で配列されている、請求項15に記載の方法。

【請求項20】
表面増強ラマン分析用基板を用いて被験物質の光学応答を増強させる方法であって、
前記基板として、請求項1~13のいずれかに記載の基板であって、
前記基板が有する複数の共鳴のうち少なくとも1つの共鳴が、前記被験物質の指紋領域を含む、基板を用いる、方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) 機能性材料研究拠点光機能分野/プラズモニクスグループ
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