TOP > 国内特許検索 > スピン偏極高輝度電子発生フォトカソード及びその製造方法

スピン偏極高輝度電子発生フォトカソード及びその製造方法 NEW

国内特許コード P190016146
整理番号 (S2016-0566-N0)
掲載日 2019年6月24日
出願番号 特願2017-069378
公開番号 特開2017-195178
出願日 平成29年3月30日(2017.3.30)
公開日 平成29年10月26日(2017.10.26)
優先権データ
  • 特願2016-081955 (2016.4.15) JP
発明者
  • 金 秀光
  • 竹田 美和
  • 山本 将博
  • 神谷 幸秀
出願人
  • 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 スピン偏極高輝度電子発生フォトカソード及びその製造方法 NEW
発明の概要 【課題】本発明は、簡易な構造を有する裏面照射用のスピン偏極高輝度電子発生フォトカソード及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ナノメートルの表面平坦性を有する単結晶基板の上にNEA性を有する単結晶化合物半導体の薄膜を形成させる。本発明スピン偏極高輝度電子発生フォトカソードは、有機金属気相成長法を用いて製造することができる。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要

本発明におけるスピン偏極電子とは、上向き電子スピンと下向き電子スピンの存在比率が同じではない状態に在る電子をいう。NEA性とは、半導体の伝導帯よりも真空準位のほうがエネルギー的に低い状態のことをいい、これを、負電子親和性(negative electron affinity)又は負の電子親和力の状態という。NEA性を有するとは、スピン偏極電子を発生させる場合があり、あるいは、スピン偏極電子を発生させない場合もある。スピン偏極電子発生能とは、半導体の伝導帯に在る電子が真空準位に移動するときに、スピン偏極電子を発生する能力を有することをいう。高輝度電子発生物質とは、光を吸収して輝度の高い電子を発生させることができる物質をいう。スピン偏極電子発生物質とは、偏光レーザー等の偏光を吸収してスピン偏極電子を発生させることができる物質をいう。本発明スピン偏極高輝度電子発生フォトカソードとは、光を吸収して高輝度電子を発生するフォトカソードであり、又、偏光レーザー等の偏光を吸収してスピン偏極した高輝度電子を発生させるフォトカソードのことである。

従来、裏面照射型のスピン偏極電子発生素子に係る発明が提案されている(特許文献1~4)。特許文献1には、GaAs基板上にGaAsを主成分とする中間層やバッファ層を積層させ、その上にGaAs-GaAsPの超格子層を10層程度積層させ、更にその上にGaAs等の薄膜(以下、NEA活性層と略す。)を形成させたスピン偏極電子発生素子が開示されている。特許文献2には、GaN基板上にAlGaInNを主成分とする中間層やバッファ層を積層させ、その上にGaAs-GaAsPの超格子層を10層程度積層させ、更にその上にGaAs等のNEA活性層を形成させたスピン偏極電子発生素子が開示されている。特許文献3には、GaP基板上にAlGaAsPを主成分とする少なくとも中間層やバッファ層を積層させ、その上にGaAs-GaAsPの超格子層を10層程度積層させ、更にその上にGaAs等のNEA活性層を形成させたスピン偏極電子発生素子が開示されている。特許文献4には、GaAs基板上にInGaAsを主成分とする中間層やバッファ層を積層させ、その上にGaAs-GaAsPの超格子層を10層程度積層させ、更にその上にGaAs等のNEA活性層を形成させたスピン偏極電子発生素子が開示されている。

従来の裏面照射型のスピン偏極電子発生素子は、スピン偏極度90%程度の電子を発生させることは可能であるが、光を電子に変換させる当該素子の量子効率が非常に小さい(概ね0.4%以下である)こと、高輝度電子の発生が困難である(10Acm-2sr-1程度の非常に低い輝度である)こと、基板と最上層であるGaAs等のNEA活性層との間に中間層やバッファ層を必ず介在させる必要があるために製造工程が非常に複雑であること、用いる基板の光透過の吸収端のために当該素子を励起する励起光が狭い波長範囲に限られるということ、等の実用上改善すべき問題があった。

しかし、90%程度乃至それ以上の高いスピン偏極度を維持しながら高量子効率で高輝度電子を発生させることができ、簡易な構造を有し、広い波長域の励起光を利用可能な、裏面照射型のスピン偏極高輝度電子発生フォトカソード及びその製造方法は、ほとんど知られていない。

産業上の利用分野

本発明は、スピン偏極高輝度電子発生フォトカソード及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ナノメートルレベルの平坦な清浄表面を有し1.5eVから10eVの範囲にあるバンドギャップを有する単結晶基板と、該基板の上にエピタキシャル成長させた、該基板に対して選ばれた一つの、0.15eVから6.5eVの範囲にあるバンドギャップを有しかつNEA性を有する単結晶化合物半導体の薄膜と、からなるスピン偏極高輝度電子発生フォトカソードであって、前記単結晶基板の底面に1.5eVから10eVの範囲にある光が入射されたときに、前記単結晶化合物半導体の薄膜から電子線輝度が10Acm-2sr-1程度乃至それ以上の電子線が発生されることを特徴とするスピン偏極高輝度電子発生フォトカソード。

【請求項2】
ナノメートルレベルの平坦な清浄表面を有し1.5eVから10eVの範囲にあるバンドギャップを有する単結晶基板と、該基板の上にエピタキシャル成長させた、該基板に対して選ばれた一つの、0.15eVから6.5eVの範囲にあるバンドギャップを有しNEA性及びスピン偏極電子発生能を有する単結晶化合物半導体の薄膜と、からなるスピン偏極高輝度電子発生フォトカソードであって、前記単結晶基板の底面に1.5eVから10eVの範囲にある光が入射されたときに、前記単結晶基板の底面に1.5eVから10eVの範囲にある偏光レーザーが入射されたときに、前記単結晶化合物半導体の薄膜から電子線輝度が10Acm-2sr-1程度乃至それ以上の、且つ、スピン偏極度が90%以上程度乃至それ以上の電子線が発生されることを特徴とするスピン偏極高輝度電子発生フォトカソード。

【請求項3】
前記単結晶化合物半導体がGaAs系の単結晶化合物半導体であり、前記単結晶基板がZnS又はZnTeであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピン偏極高輝度電子発生フォトカソード。

【請求項4】
前記単結晶化合物半導体がGaAs系の単結晶化合物半導体であり、前記単結晶基板がZnSeであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピン偏極高輝度電子発生フォトカソード。

【請求項5】
前記単結晶化合物半導体がInSb系の単結晶化合物半導体であり、前記単結晶基板がMgTe、CdTe、CdMnTe及びCdZnTeの中から選ばれた一つであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピン偏極高輝度電子発生フォトカソード。

【請求項6】
前記単結晶化合物半導体がInN系の単結晶化合物半導体であり、前記単結晶基板が単結晶ダイヤモンド及び立方晶窒化硼素の中から選ばれた一つであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピン偏極高輝度電子発生フォトカソード。

【請求項7】
前記単結晶化合物半導体がGaN系の単結晶化合物半導体であり、前記単結晶基板がZnO及び六方晶窒化ホウ素の中から選ばれた一つであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピン偏極高輝度電子発生フォトカソード。

【請求項8】
前記単結晶化合物半導体がCdS系の単結晶化合物半導体であり、前記単結晶基板がGaNであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピン偏極高輝度電子発生フォトカソード。

【請求項9】
前記単結晶化合物半導体が50nm~500nmの厚みであることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のスピン偏極高輝度電子発生フォトカソード。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2017069378thum.jpg
出願権利状態 公開
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close