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遺伝子ノックイン細胞の作製方法

国内特許コード P190016226
整理番号 (S2016-0981-N0)
掲載日 2019年7月26日
出願番号 特願2018-532953
出願日 平成29年8月1日(2017.8.1)
国際出願番号 JP2017027838
国際公開番号 WO2018030208
国際出願日 平成29年8月1日(2017.8.1)
国際公開日 平成30年2月15日(2018.2.15)
優先権データ
  • 特願2016-157484 (2016.8.10) JP
発明者
  • 相田 知海
  • 田中 光一
出願人
  • 国立大学法人東京医科歯科大学
発明の名称 遺伝子ノックイン細胞の作製方法
発明の概要 タンパク質の形態のヌクレアーゼ及びDNA標的化RNAを含むゲノム編集システムを利用して、一本鎖DNAをドナーとして、ノックイン動物の作製を試みたところ、極めて高い効率で、ドナーDNAがノックインされた細胞が得られることを見出した。
従来技術、競合技術の概要

遺伝子ターゲティング(ノックアウト又はノックイン)哺乳動物は、in vivoにおける遺伝子機能を解析する上で重要なツールとなっているが、その製造は胚性幹細胞(ES細胞)を利用する複雑かつ手間のかかる工程を要するものとなっている。

これまでに、ZFN、TALEN、CRISPR-Cas9などのゲノム編集技術が開発され、遺伝子改変のための有用なツールとして注目されている。

これらゲノム編集技術のうち、現在最も利用されているCRISPR-Cas9システムは、細菌の獲得免疫機構を基盤とし、二本鎖DNA切断酵素であるCas9タンパク質と、標的DNA領域と相補的な塩基配列を有するRNA(crRNA)と、crRNAと一部相補的な塩基配列を有するRNA(trans-activationg RNA;tracrRNA)からなる複合体が、標的DNA領域を特異的に認識・結合し、切断する。

このシステムを利用して、Cas9タンパク質をコードするRNA、ならびにcrRNA及びtracrRNA(これら2つのRNAがリンカーヌクレオチドを介して結合している一本鎖キメラRNAの形態の場合を含む)を受精卵に導入し、受精卵のゲノムをin vivoにて直接的に操作し(in vivoゲノム改変)、ES細胞を介することなく、遺伝子ターゲティング哺乳動物を製造することができる(特許文献1、非特許文献1)。今日までに、この手法によりノックアウトマウスの製造(特許文献2、非特許文献2-4)や、一塩基置換を伴うノックインマウスの製造(非特許文献3,5,6)が多数行われている。

しかしながら、CRISPR-Cas9システムを用いて比較的大きなサイズの遺伝子を挿入したノックイン哺乳動物を製造する場合、遺伝子のノックイン効率が非常に低いことが問題となっている(非特許文献7)。

そこで、Cas9タンパク質(RNAではなく、タンパク質の形態)、crRNA断片、及びtracrRNA断片からなるクローニングフリーのCRISPR-Cas9システムを利用して、比較的大きなサイズの二本鎖DNAをドナーとして、高効率で非ヒト哺乳動物にノックインする方法が開発された(特許文献3)。この方法では、主として、ドナーDNAがヘテロでノックインされた哺乳動物を作製することができる(後述の比較例2を参照のこと)。

その一方、従来のCRISPR-Cas9システムを利用して、一本鎖DNAをドナーとして、高効率で非ヒト哺乳動物にノックインする方法も開発されている(非特許文献8)。この方法では、ドナーDNAがホモでノックインされた哺乳動物を得ることに成功している。

なお、最近になり、新たなゲノム編集技術として、CRISPR-cpf1システムが開発された(非特許文献9)。このシステムも、CRISPR-Cas9システムと同様、ガイドRNA及びそれと相互作用するヌクレアーゼを利用したゲノム編集技術であり、CRISPR-Cas9システムと同様の利用が期待されている。

産業上の利用分野

本発明は、CRISPR-Cas9システムなどのゲノム編集技術を利用して、高効率で遺伝子ノックイン細胞を作製する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
所望のDNAが標的DNA領域に挿入された細胞の作製方法であって、
(a)ヌクレアーゼ活性を有するタンパク質、
(b)標的DNA領域の塩基配列に対して相補的な塩基配列及び(a)のタンパク質と相互作用する塩基配列を含むDNA標的化RNA、及び
(c)所望のDNAを含む一本鎖ドナーDNA
を細胞に導入する工程を含む方法。

【請求項2】
所望のDNAが標的DNA領域に挿入された細胞の作製方法であって、
(a)Cas9タンパク質、
(b)crRNA断片とtracrRNA断片の組み合わせ、及び
(c)所望のDNAを含む一本鎖ドナーDNA
を細胞に導入する工程を含む方法。

【請求項3】
(c)の一本鎖ドナーDNAが600塩基以上の塩基配列を有する、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
(c)の一本鎖ドナーDNAが、次の(i)又は(ii)の方法で調製される、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
(i)量の異なる一対のプライマーを用いたPCRによりDNAを増幅する工程、及び増幅産物に含まれる二本鎖DNAを特異的に分解する工程を含む方法
(ii)一対のプライマーのうち、一方のプライマーにリン酸化されたプライマーを用いるPCRによりDNAを増幅する工程、及び増幅産物におけるリン酸化された鎖を特異的に分解する工程を含む方法

【請求項5】
細胞が卵母細胞である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。

【請求項6】
卵母細胞が受精卵である、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
所望のDNAが標的DNA領域に挿入された細胞を含む非ヒト個体の作製方法であって、
(a)請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実施する工程、及び
(b)工程(a)により得られた細胞から非ヒト個体を作製する工程、
を含む方法。

【請求項8】
非ヒト哺乳動物がげっ歯類である、請求項7に記載の方法。

【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法に用いるためのキットであって、以下の(a)から(c)からなる群より選択される少なくとも1の分子を含むキット。
(a)ヌクレアーゼ活性を有するタンパク質
(b)標的DNA領域の塩基配列に対して相補的な塩基配列及び(a)のタンパク質と相互作用する塩基配列を含むDNA標的化RNA
(c)所望のDNAを含む一本鎖ドナーDNA
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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