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評価装置、評価方法、プログラム、ならびに、情報記録媒体 新技術説明会

国内特許コード P190016250
整理番号 08697
掲載日 2019年8月19日
出願番号 特願2017-105889
公開番号 特開2018-198870
出願日 平成29年5月29日(2017.5.29)
公開日 平成30年12月20日(2018.12.20)
発明者
  • 藤井 慶輔
  • 河原 吉伸
出願人
  • 国立研究開発法人理化学研究所
発明の名称 評価装置、評価方法、プログラム、ならびに、情報記録媒体 新技術説明会
発明の概要 【課題】得点条件が満たされるまでオブジェクトをコントロールすることにより点が得られるチームスポーツに参加する2つのチームに属するプレイヤおよびオブジェクトの位置時系列から、得点確率を推定する。
【解決手段】評価装置101にて、距離部102は、2つのチームのうち所望のチームがオブジェクトをコントロールしている間の位置時系列からなる攻撃セグメントから、所望のチームに属する攻撃者と他方のチームに属する守備者との間の、複数種類の距離時系列を算定する。分解部103は、算定された複数種類の距離時系列を特徴ベクトルに分解する。学習部104は、攻撃セグメントにて点が得られたか否かを教師データとして、攻撃セグメントに対する特徴ベクトルから得点確率を推定するための学習をする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

従来から、ゴールにボールをシュートすることによって点が得られるボール型集団球技等、得点条件が満たされるまでオブジェクトをコントロールすることによって点が得られるチームスポーツにおいては、プレイヤーのフォーメーションを分析することが広く行われている。

このようなチームスポーツとしては、オブジェクトしてボールを採用するバスケットボール、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボール、ホッケー、ハンドボール等や、オブジェクトとしてパックを採用するアイスホッケー等がある。

特にプロフェッショナルスポーツの業界では、自チームや対戦相手のチームの動きを分析し、戦術を評価したり立案したりすることが、系統立てて行われている。

計測技術の発達により、ビデオカメラで撮影した試合の経過から各プレイヤーやオブジェクトの位置の時系列を収集し、各種の情報を配信するまでの一連のシステムは整備されてきている。各チームのコーチは、このシステムを利用し、自身の経験と合わせて、フォーメーションの分析や立案などをすることができる。

さらに、自然言語処理等で利用される機械学習の技術を応用して、チーム全体の動きをおおまかに分析する技術が提案されている(非特許文献1, 2)。

非特許文献1においては、選手全員の軌跡のオプティカルフロー画像を再帰型ニューラルネットワーク(RNN)に入力して、攻撃フォーメーションの分類を行う技術が開示されている。

非特許文献2においては、ある長さの選手個人の軌跡データを単位として、その並びを考慮しない集合を用いて、教師なし学習手法である潜在ディリクレ配分法(LDA)を適用し、部分的に攻撃フォーメーションの分類を行った。

一方で、本願発明者は、バスケットボールにおいてボールをコントロールしている攻撃側のチームが得点条件を満たして点を得ることができるか否かの評価において、プレイヤ同士の位置関係を分析した。その結果、少なくとも
(1)攻撃側チームに属するプレイヤのうちボールに最も近い主攻撃者と、守備側チームに属するプレイヤのうち当該主攻撃者に最も近い守備者と、の間の距離(ボール-マーク距離)、
(2)主攻撃者と、守備側チームに属するプレイヤのうち主攻撃者に2番目に近い守備者と、の間の距離(ボール-ヘルプ距離)、
(3)攻撃側チームに属するプレイヤのうち主攻撃者以外の副攻撃者の各々と、守備側チームに属するプレイヤのうち当該副攻撃者の各々に最も近い守備者と、の距離の最大値(パス-マーク距離)
の3つの距離が、点を得る上で重要な役割を果たしていることが判明した。これらのパラメータに基づいて点が得られるか否かの成否を推定した際の正解率は、54%程度であった(非特許文献3)。

また、本願発明者は、可観測な対象の上での無限次元の線形演算子であるクープマン演算子をスペクトル分析することによって、非線型の動的なシステムのグローバルな振舞いのモードを、動的モード分解(Dynamic Mode Decomposition)アルゴリズムを提案した(非特許文献4)。本アルゴリズムに基づいてカーネル法による動的モード分解を利用すれば、非線形な潜在ダイナミクスを持つシステムから得られた少数の時系列に対し、当該システムの明示的な支配方程式の知識がない場合でも、厳密に力学的な意味を持つモードが定義できる。

産業上の利用分野

本発明は、ゴールにボールをシュートすることによって点が得られるゴール型集団球技等、得点条件が満たされるまでオブジェクトをコントロールすることにより点が得られるチームスポーツにおけるプレイヤーのフォーメーションを評価するのに好適な評価装置、評価方法、プログラム、ならびに、情報記録媒体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
得点条件が満たされるまでオブジェクトをコントロールすることにより点が得られるチームスポーツに参加する2つのチームのうち、所望のチームが前記オブジェクトをコントロールしている間の前記2つのチームに属するプレイヤおよび前記オブジェクトの位置時系列からなる攻撃セグメントから、前記所望のチームに属する攻撃者と他方のチームに属する守備者との間の、複数種類の距離時系列を算定する距離部、
前記算定された複数種類の距離時系列を特徴ベクトルに分解する分解部、
前記攻撃セグメントにて点が得られたか否かを教師データとして、前記攻撃セグメントに対する特徴ベクトルから得点確率を推定するための学習をする学習部
を備えることを特徴とする評価装置。

【請求項2】
前記分解部は、カーネル法により前記複数種類の距離時系列を動的モード分解することにより、前記特徴ベクトルを得る
ことを特徴とする請求項1に記載の評価装置。

【請求項3】
前記分解部は、クープマン固有値、クープマン固有関数、及びクープマンモードに対して指数割引を適用したシルベスタ方程式を解くことにより、クープマントレースカーネルまたはクープマン行列式カーネルを算定し、当該算定されたクープマントレースカーネルまたはクープマン行列式カーネルを前記攻撃セグメントの類似度とする
ことを特徴とする請求項2に記載の評価装置。

【請求項4】
前記分解部は、時系列を直列に結合した観測データの中心化グラム行列の右上部分を切り取った行列に基いてクープマンモードを作成し、当該作成されたクープマンモードの内積を合成した行列を用いて、一般化固有値問題を解くことにより、クープマン主成分角カーネルを算定し、当該算定されたクープマン主成分角カーネルを前記攻撃セグメントの類似度とする
ことを特徴とする請求項2に記載の評価装置。

【請求項5】
前記複数種類の距離時系列として、
(1)前記オブジェクトに最も近い主攻撃者と、当該主攻撃者に最も近い守備者と、の間の距離の時系列、
(2)前記主攻撃者と、前記守備者のうち前記主攻撃者に2番目に近い守備者と、の間の距離の時系列、
(3)前記主攻撃者以外の副攻撃者の各々と、当該副攻撃者の各々に前記守備者のうち最も近い守備者と、の距離の最大値の時系列、および、
(4)前記攻撃者の各々と、前記攻撃者の各々に前記守備者のうち2番目に近い守備者と、の距離の最大値の時系列
を採用する
ことを特徴とする請求項1に記載の評価装置。

【請求項6】
前記学習部は、単純ベイズ分類器により学習する
ことを特徴とする請求項1に記載の評価装置。

【請求項7】
前記学習部は、関連ベクトルマシンにより学習する
ことを特徴とする請求項1に記載の評価装置。

【請求項8】
前記2つのチームに属するプレイヤおよび前記オブジェクトの前記チームスポーツにおける位置時系列を、前記所望のチームが前記オブジェクトをコントロールしているか否かにより、前記攻撃セグメントと、守備セグメントと、のいずれかに分割する分割部をさらに備え、
前記分割された攻撃セグメントから、前記複数種類の距離時系列が算定される
ことを特徴とする請求項1に記載の評価装置。

【請求項9】
評価装置が、
得点条件が満たされるまでオブジェクトをコントロールすることにより点が得られるチームスポーツに参加する2つのチームのうち、所望のチームが前記オブジェクトをコントロールしている間の前記2つのチームに属するプレイヤおよび前記オブジェクトの位置時系列からなる攻撃セグメントから、前記所望のチームに属する攻撃者と他方のチームに属する守備者との間の、複数種類の距離時系列を算定し、
前記算定された複数種類の距離時系列を特徴ベクトルに分解し、
前記攻撃セグメントにて点が得られたか否かを教師データとして、前記攻撃セグメントに対する特徴ベクトルから得点確率を推定するための学習をする
ことを特徴とする評価方法。

【請求項10】
コンピュータに、
得点条件が満たされるまでオブジェクトをコントロールすることにより点が得られるチームスポーツに参加する2つのチームのうち、所望のチームが前記オブジェクトをコントロールしている間の前記2つのチームに属するプレイヤおよび前記オブジェクトの位置時系列からなる攻撃セグメントから、前記所望のチームに属する攻撃者と他方のチームに属する守備者との間の、複数種類の距離時系列を算定し、
前記算定された複数種類の距離時系列を特徴ベクトルに分解し、
前記攻撃セグメントにて点が得られたか否かを教師データとして、前記攻撃セグメントに対する特徴ベクトルから得点確率を推定するための学習をする
処理を実行させることを特徴とするプログラム。

【請求項11】
請求項10に記載のプログラムが記録された非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2017105889thum.jpg
出願権利状態 公開
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