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微分型電気移動度分級装置、粒子計測システム、及び粒子選別システム 外国出願あり

国内特許コード P190016270
整理番号 07734
掲載日 2019年8月20日
出願番号 特願2010-021552
公開番号 特開2011-158399
登録番号 特許第5652851号
出願日 平成22年2月2日(2010.2.2)
公開日 平成23年8月18日(2011.8.18)
登録日 平成26年11月28日(2014.11.28)
発明者
  • 折井 孝彰
  • 工藤 聡
出願人
  • 国立研究開発法人理化学研究所
発明の名称 微分型電気移動度分級装置、粒子計測システム、及び粒子選別システム 外国出願あり
発明の概要 【課題】分級可能な荷電粒子の粒径の上限値を大きくすることが容易で、かつ粒径が変化しうる荷電粒子を分析可能な微分型電気移動度分級装置等を提供すること。
【解決手段】DMA(微分型電気移動度分級装置)100は、それぞれ入口スリット102、スリット104、出口スリット106を有する入口電極103、中間電極105、及び出口電極107が、所定の間隔をおいて対向するように順次配置された分級槽101と、分級槽101にシースガスを供給するガス供給部と、対向する上記電極間に所定の電圧を印加する電圧源108・109と、を備え、分級槽101は、対向する上記電極間毎に形成される第1分級部10及び第2分級部20を有し、上記ガス供給部は、分級槽101に供給する上記シースガスの流量を第1分級部10及び第2分級部20で個別に制御する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

近年、半導体製造プロセス中における粒子汚染の抑制、量子ナノ材料の開発、又は大気中の酸性雨及びスモッグの発生機構の解明などに関連して、気体雰囲気中に浮遊する粉塵及びミストなどの微粒子が注目を集めている。

ナノメートルスケールからマイクロメートルスケールの粒径を持つエアロゾル粒子を分級する方法としては、気流中における荷電粒子の電気移動度が粒径に依存する現象を利用した、微分型電気移動度分級装置(DMA、Differential Mobility Analyzer)が用いられ、中でも、円筒型の微分型電気移動度分級装置(CDMA、Cylindrical Differential Mobility Analyzer)が広く用いられてきた(非特許文献1参照)。DMAは、近年著しい発展を遂げ、分級可能な荷電粒子の粒径の下限は10ナノメートル以下の極小サイズとなり、また、減圧状態下でも稼動可能となった(特許文献1参照)。

ここで、図9に従来のCDMAの一例を示す。図9に示すように、CDMA800は、中心ロッド(内筒)1と、囲み体(外筒)2とからなる二重円筒構造を有する。囲み体2の内周面(外筒電極)と中心ロッド1の外周面(内筒電極)との間は可変電圧源により所定の電圧が印加されている。シースガスは、囲み体2の上方にある図示しない吐出口より、囲み体2と中心ロッド1との間の空間に、層流をなすように供給される。囲み体2の上部には、荷電粒子を装置内へ導入する環状の入口スリット3が設けられている。また、中心ロッド1の下部には、分級された荷電粒子を装置から排出する環状の出口スリット4が設けられている。

CDMA800において、粒子が分級される原理について説明する。なお、CDMA800では、充分なシースガス流量に対して、荷電粒子を含む試料ガスが、入口スリット3から所定の流量Qaで導入されかつ同じ流量Qaで出口スリット4から排気されるとき、シースガスの層流条件は影響を受けないものとする。荷電したエアロゾル粒子(荷電粒子)は、入口スリット3から装置内に入ると、囲み体2と中心ロッド1との間の空間で層流をなしているシースガスと共に、囲み体2の内面壁に沿うように中心軸方向下方に移動する。これと共に、可変電圧源によって囲み体2と中心ロッド1との間に形成される電場の影響(静電引力)により、一方の極性のエアロゾル粒子のみが、その電気移動度に応じた速度で中心ロッド1の方向に引き寄せられる。電気移動度は粒子の粒径に依存するため、特定の粒径のエアロゾル粒子のみが出口スリット4に到着し、出口スリット4から装置外部に排出される。

ここで、荷電粒子の電気移動度Zpは、以下の式(1)
Zp=Qs・ln(R2/R1)/(2・π・V・L)・・・(1)
により与えられる。図9に示すように、式(1)において、Qsはシースガスの流量であり、R2は囲み体2の半径であり、R1は中心ロッド1の半径である。Lは入口スリット3と出口スリット4と間の、中心軸方向に沿った距離である。Vは、囲み体2の内周面と中心ロッド1の外周面との間に印加されている印加電圧である。

また、荷電粒子の電気移動度Zpは、以下の式(2)
Zp=q・e・Cc/(3・π・μ・Dp)・・・(2)
によっても与えられる。式(2)において、qは荷電粒子の電荷量、eは電気素量定数、Ccはカニンガム補正係数、μはシースガスの粘性係数であり、Dpは荷電粒子の粒径である。

ここで、式(1)と式(2)とを連立することにより、以下の式(3)
Dp=(2・V・L・q・e・Cc)/(3・μ・Qs・ln(R2/R1)) ・・・(3)
が得られ、分級される荷電粒子の粒径Dpと、印加電圧Vの大きさとは比例関係にあることがわかる。

産業上の利用分野

本発明は微分型電気移動度分級装置、当該装置を備えた粒子計測システム、及び当該装置を備えた粒子選別システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
帯電した粒子を電気移動度に応じて分級する微分型電気移動度分級装置であって、
帯電した粒子が通過するスリットを有するn個(nは3以上の整数)の面状の電極が、所定の間隔をおいて対向するように順次配置された分級槽と、
上記分級槽にシースガスを供給するガス供給部と、
上記分級槽内の対向する上記電極間に所定の電圧を印加する電圧供給部と、を備え、
上記分級槽は、対向する上記電極間毎に形成される、帯電した粒子を分級する(n-1)段の分級部を有し、
n個の面状の上記電極は、1)互いに平行となるように上記分級槽内に配置されている平板形状の電極であるか、2)同心円状に配置された円筒状の電極であり、
上記ガス供給部は、上記分級槽に供給する上記シースガスの流量を上記分級部毎に制御し、
少なくとも一組の隣り合う上記分級部間で、上記シースガスの流線方向が互いに逆向きであることを特徴とする微分型電気移動度分級装置。

【請求項2】
帯電した粒子を電気移動度に応じて分級する微分型電気移動度分級装置であって、
帯電した粒子が通過するスリットを有するn個(nは3以上の整数)の面状の電極が、所定の間隔をおいて対向するように順次配置された分級槽と、
上記分級槽にシースガスを供給するガス供給部と、
上記分級槽内の対向する上記電極間に所定の電圧を印加する電圧供給部と、を備え、
上記分級槽は、対向する上記電極間毎に形成される、帯電した粒子を分級する(n-1)段の分級部を有し、
n個の面状の上記電極は、1)互いに平行となるように上記分級槽内に配置されている平板形状の電極であるか、2)同心円状に配置された円筒状の電極であり、
上記ガス供給部は、上記分級槽に供給する上記シースガスの流量を上記分級部毎に制御し、
上記スリットとして帯電した粒子を分級槽外に取出すためのものを有する上記電極が、複数個の上記スリットを当該電極における高さの異なる位置に有し、
複数個の上記スリットを高さの異なる位置に有する上記電極とこの電極に対向する電極との間に形成される分級部において、上記ガス供給部は、上記シースガスを上方から下方へ流すか下方から上方へ流すかという、シースガスの流線方向の制御を行うことを特徴とする微分型電気移動度分級装置。

【請求項3】
上記分級部の少なくとも一つにおいて、対向する上記電極が有するスリット同士の、上記シースガスの流線方向における相対的な位置関係が、可変であることを特徴とする請求項1又は2に記載の微分型電気移動度分級装置。

【請求項4】
上記電圧供給部は、対向する上記電極間毎に、印加する電圧を制御することを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の微分型電気移動度分級装置。

【請求項5】
上記ガス供給部は、上記分級部毎に、分級部からのシースガスの排出流量と実質的に同一の流量でシースガスを供給することを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の微分型電気移動度分級装置。

【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の微分型電気移動度分級装置と、当該微分型電気移動度分級装置により分級された粒子の化学成分を分析する粒子成分計測装置とを備えることを特徴とする粒子計測システム。

【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の微分型電気移動度分級装置と、当該微分型電気移動度分級装置により分級された特定粒径の粒子を選別して回収する粒子選別装置とを備えることを特徴とする粒子選別システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010021552thum.jpg
出願権利状態 登録
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