Top > Search of Japanese Patents > (In Japanese)π型熱電変換素子のセル直列構造を有する機能性素子とその作製方法

(In Japanese)π型熱電変換素子のセル直列構造を有する機能性素子とその作製方法 NEW_EN

Patent code P190016329
File No. (S2016-1027-N0)
Posted date Aug 27, 2019
Application number P2018-538450
Date of filing Sep 6, 2017
International application number JP2017032179
International publication number WO2018047882
Date of international filing Sep 6, 2017
Date of international publication Mar 15, 2018
Priority data
  • P2016-173221 (Sep 6, 2016) JP
Inventor
  • (In Japanese)中村 雅一
  • (In Japanese)伊藤 光洋
  • (In Japanese)小泉 拓也
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
Title (In Japanese)π型熱電変換素子のセル直列構造を有する機能性素子とその作製方法 NEW_EN
Abstract (In Japanese)温度差を得るための十分な厚みがあるフレキシブル熱電デバイスを得るための構造として、熱電材料によって構成された糸が、熱伝導率が小さいフレキシブルな絶縁性基材に縫い込まれた織物構造を有し、断線に強い機能性素子を提供する。絶縁性基材の厚み方向の温度差を利用するπ型熱電変換セルの直列構造が複数並列に並んだ素子構造において、p型とn型が切り換わる部位で、発電時に同電位となる段間が電気的に接続されるトポロジーを有し、π型熱電変換セルが電気回路として直列接続と並列接続の両方で網目状に縦横に接続される。これにより断線に対して出力特性が低下しにくい機能性素子を実現する。具体的には、導電性繊維状物質から成るn型紡績糸とp型紡績糸が、シート状の絶縁性基材に交互かつ並行に縫い込まれるものであり、n型紡績糸とp型紡績糸は、それぞれ絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通する際に電気的に接続される。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

近年、身の周りの未利用のエネルギーを回収して利用する、エナジーハーベスティングが注目を集めている。このような技術の中でも、熱を回収して電気エネルギーに変換する熱電変換技術への期待が大きい。身の回りで利用されているエネルギー全体量の約70%が活用されることなく排熱となっているからである。
しかし、従来の面積単価の高い熱電変換素子では経済的メリットが得にくいとう理由から、これまでのところ限定的な利用に留っている。そこで、大面積に対して低コストで利用でき、様々な形状の表面に対応できる柔軟性があり軽量化が図られた大面積フレキシブル熱電デバイスを実現することにより、使用用途が大きく広がる可能性がある。例えば、スマートビルディングなどで用いるセンサーネットワークにおける分散型自立電源や、体温による小型電気デバイスの駆動電源などに用いることが期待できる。

このような背景から有機材料や有機無機複合材料が有望な熱電材料として注目され始め、研究の発展とともにその性能は大きく向上してきた。しかし、多くの有機材料はもともと電極やトランジスタ、太陽電池材料として使用することを念頭に開発されてきた。そのため、薄膜での利用が一般的であり、熱電デバイスに必要な十分な厚みの高品質な熱電変換材料を得ることは容易ではない。

一般に、熱電変換材料の性能は、パワーファクターPF(=α2σ)及び無次元性能指数ZT(=α2σT/κ)で評価される。ここで、αはゼーベック係数、σは導電率、κは熱伝導率、Tは絶対温度である。パワーファクターPFは、熱電変換材料から得られる電力に対応し、無次元性能指数ZTは、エネルギー変換効率に対応しており、共に値が大きい方が熱電変換材料としての性能が良い。熱電変換素子の変換効率は、理想的にはZTのみで決まり、デバイス構造に依存しない。

これは温度差ΔTがついた定常状態において、全ての熱流が熱電材料を通じて低温側に流れているという仮定のもとに導出された指標であり、実際のデバイスではΔTは材料だけではなくデバイス構造にも依存し、厚みが厚いほどまた熱伝導率が小さいほどΔTは大きくなる。つまり、無次元性能指数ZTはデバイス構造に依存しない値であるが、実際の熱電デバイスの出力や効率はデバイス構造に大きく依存することになる。
例えば、体温37℃、外気温22℃の15℃の温度差がついた界面に対して、熱伝導率が0.1W/mKのデバイスを貼り付けるとすると、温度差を10℃つけるためには5mm程度の厚みが必要となる。仮に200μm程度の小さい厚みでは、1℃程度の温度差しかつかない。室温付近では熱電デバイスの効率と温度差には、ほぼ線形の関係があることから、熱電デバイスの厚みと熱電効率の関係は、厚みが大きくなると温度差は15℃に近づき、熱電効率が飽和する。高い熱電効率を得るためには、熱電デバイスに十分な膜厚が必要なのである。

特に、ゼーベック効果によって生じる熱起電力はデバイスの低温側と高温側の温度差に比例することから、デバイスに十分な温度差をつけることが重要となる。
しかしながら、デバイスの低温側と大気中との界面には対流熱抵抗が存在しているため、高温側からの熱流がせき止められ、薄膜形状(数百μm)では殆ど温度差がつかないという実態がある。また、薄膜材料でミリメートルオーダーの膜厚を成膜するのは困難である。従来のフレキシブル熱電デバイスは、薄膜材料を使用していることから、その厚みは200μm程度以下であり、実用的な高出力が得られ難いという問題点があった。

そのため、熱電デバイスの面内方向に対して温度差をつける(例えば、非特許文献1を参照)、或は、薄膜をスタックすることによって熱電デバイスの厚み方向に温度差をつけている(例えば、非特許文献2を参照)。多くが前者、すなわち、面内方向に対して温度差をつける方法を用いているが、この方法ではフレキシブル熱電デバイスの用途として考えられる医療用モニタリングやスマートビルディングなどの分散型電源として使用することができず、使用用途が限定されてしまうといった問題がある。また、後者、すなわち、厚み方向に温度差をつける方法では、膜厚制御が困難であり、また基板が必要となることから、熱流の多くが基板を通じて流れるため、効率が低下してしまうといった問題がある。

一方、織物構造体を形成する熱電デバイスが知られている。例えば、消防衣服などの耐熱防護服用の生地として用いられ、環境温度を定量的に測定することが可能な熱電対含有織物がある(特許文献1を参照)。これは、複数の経糸と複数の緯糸とが交差して織られ、経糸同士の間又は緯糸同士の間に、少なくとも一対の第一の熱電対素線と第二の熱電対素線が織り込まれている熱電対含有織物である。すなわち、織糸の間に熱電対素線を織り込んだものである。また、実質的に横糸方向を向くような複数のワイヤの網状組織により形成される熱電構造体がある(特許文献2を参照)。
また、絶縁性繊維からなる経糸に、熱電対を形成する2種の金属繊維Xと金属繊維Yとを交互に緯糸として織り込まれたもので、全体として緯糸が金属繊維Xと金属繊維Yとからなる熱電対列を形成する熱電変換材料が知られている(特許文献3を参照)。

特許文献1の熱電デバイスの場合、電極を形成しなければならず、金属線を利用していることから熱電効率が大きく低下することが問題である。また、特許文献2の熱電構造体の場合、熱電対としての使用を想定しており、π型構造をもっていないことから熱電効率が悪いことが問題である。さらに、特許文献1の熱電デバイスと特許文献2の熱電構造体と特許文献3の熱電変換材料の全てが、温度差を面内方向につける構造になっており、厚さ方向につける構造になっていない。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、フレキシブル熱電デバイスを構成できる機能性素子ならびにその作製技術に関するものである。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
絶縁性基材の厚み方向の温度差を利用するπ型熱電変換セルの直列構造が複数並列に並び、p型とn型が切り換わる部位で、発電時に同電位となる段間が電気的に接続されるトポロジーを有する素子であって、
前記絶縁性基材は、断熱性と柔軟性を有するシート状または帯状で、使用環境において基材単体で形状保持し得る基材強度を有し、
前記素子は、断熱性を有する導電性繊維状物質から成るn型紡績糸とp型紡績糸が、前記絶縁性基材に交互かつ並行して縫い込まれ、それぞれ前記絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通する際に互いに電気的に接続されており、
前記絶縁性基材と前記紡績糸が互いに緩やかに結合し、π型熱電変換セルが電気回路として直列接続と並列接続の両方で網目状に縦横に接続され、断線に対する素子の耐性を高めたことを特徴とする機能性素子。

【請求項2】
 
前記導電性繊維状物質の長手方向の熱伝導率が、10W/mK未満に抑制されていることを特徴とする請求項1に記載の機能性素子。

【請求項3】
 
前記n型紡績糸と前記p型紡績糸が、それぞれ前記絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通する際に糸を少なくとも1回交差させられ、交差部で電気的に接触していることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性素子。

【請求項4】
 
前記n型紡績糸と前記p型紡績糸が、それぞれ前記絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通する際に糸を交差あるいは接触させられ、交点あるいは接点に導電性ペーストによる電気的接続の補強が設けられたことを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の機能性素子。

【請求項5】
 
前記n型紡績糸と前記p型紡績糸が、それぞれ前記絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通する際に糸を交差あるいは接触させられ、交点あるいは接点が接着されたことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の機能性素子。

【請求項6】
 
前記n型紡績糸と前記p型紡績糸が、前記絶縁性基材の厚み方向に対して斜めに貫通し、前記絶縁性基材の表面と裏面にそれぞれ露出される部分を増減させたことを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の機能性素子。

【請求項7】
 
前記n型紡績糸と前記p型紡績糸が帯状、又は、前記n型紡績糸と前記p型紡績糸の断面が多角形もしくは楕円形であることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の機能性素子。

【請求項8】
 
前記絶縁性基材は、柔軟性および伸縮性あるいはその一方を有することを特徴とする請求項1~7の何れかに記載の機能性素子。

【請求項9】
 
前記絶縁性基材は、布又は紙、あるいは、発泡ポリマー、エラストマー、綿状凝集体及びゲル状凝集体から選択される素材を板状あるいはシート状に加工したものの何れかであることを特徴とする請求項8に記載の機能性素子。

【請求項10】
 
前記絶縁性基材は、縫製されたものであり、縫製される際に、前記n型紡績糸と前記p型紡績糸が、同時に縫製されたことを特徴とする請求項1~9の何れかに記載の機能性素子。

【請求項11】
 
前記絶縁性基材は、π型熱電変換セルの厚みと実質的同一の径を有する縦糸と横糸を用いて縫製されたことを特徴とする請求項10に記載の機能性素子。

【請求項12】
 
前記紡績糸は、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)、グラフェン、グラフェンナノリボン、フラーレンナノウィスカー及び無機半導体ウィスカーの群から選択される1種以上の導電性ナノファイバーと、
ポリマー、デンドリマー、ポリペプチド及びタンパク質の群から選択される1種以上を主成分とする絶縁性材料又は導電性材料との複合材料から成ることを特徴とする請求項1~11の何れかに記載の機能性素子。

【請求項13】
 
前記紡績糸は、0.1~100μmの径のCNTから成る繊維を複数撚り合せた撚糸であることを特徴とする請求項12に記載の機能性素子。

【請求項14】
 
請求項1~13の機能性素子の製造方法であって、
前記n型紡績糸と前記p型紡績糸の一方を第1紡績糸、他方を第2紡績糸とし、前記絶縁基材の表面と裏面の一方を第1面、他方を第2面として、
第1紡績糸が前記絶縁性基材に直線状に波縫いされている状態で、
波縫いされた第1紡績糸に並行に隣接して第2紡績糸を波縫いする際に、第1面で一工程前に縫った第1紡績糸の第1面に露出している部分を交差させ、少なくとも1回捻じった後に縫うステップ、
次に、波縫いされた第2紡績糸に並行に隣接して第1紡績糸を波縫いする際に、第2面で一工程前に縫った第2紡績糸の第2面に露出している部分を交差させ、少なくとも1回捻じった後に縫うステップ、
上記のステップを繰り返すことにより、波縫いの方向と直交する方向に電流経路が形成され、該電流経路に沿ってπ型構造直列接合が形成されることを特徴とする機能性素子の作製方法。
IPC(International Patent Classification)
Drawing

※Click image to enlarge.

JP2018538450thum.jpg
State of application right Published
Please contact us by E-mail or facsimile if you have any interests on this patent.


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close