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新規誘電材料 NEW 新技術説明会

国内特許コード P190016340
整理番号 (AF39P003)
掲載日 2019年8月27日
出願番号 特願2018-541057
出願日 平成29年9月19日(2017.9.19)
国際出願番号 JP2017033629
国際公開番号 WO2018056237
国際出願日 平成29年9月19日(2017.9.19)
国際公開日 平成30年3月29日(2018.3.29)
優先権データ
  • 特願2016-182562 (2016.9.20) JP
発明者
  • 今野 巧
  • 山下 智史
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 新規誘電材料 NEW 新技術説明会
発明の概要 新たな誘電材料及び電歪材料の提供。
金属元素と配位子からなる錯体カチオンが集積してカチオンクラスターを形成し、当該カチオンクラスターが最密充填構造に配列し、その空孔にアニオンが集積してアニオンクラスターが形成されている電荷分離型の非クーロン力支配型イオン性固体を含有する誘電材料又は電歪材料。
従来技術、競合技術の概要

誘電体は、コンデンサ、半導体素子、光ファイバー等に広く応用されている。例えば、ペロブスカイト構造を有するチタン酸バリウムは、極めて高い比誘電率を有することからセラミック積層コンデンサの誘電材料として広く使用されている。

また、温度の上昇に従って電気抵抗が低下するサーミスタとしては、温度の上昇とともにゆるやかに電気抵抗が低下するNTC(negative temperature coefficient)サーミスタ、及びある温度を超えると急激に抵抗が減少するCTR(critical temperature resistor)サーミスタがある。NTCサーミスタとしては、ニッケル、マンガン、鉄などの酸化物の焼結体が用いられる。CTRサーミスタとしては、バナジウムの酸化物に添加物を加えて焼結したものが用いられる。
しかしながら、NTCサーミスタは、温度の上昇に対して電気抵抗の減少がゆるやかであることから利用分野が限定されている。一方、現在用いられているCTRサーミスタは、初期電気抵抗値が十分に高くないものが一般的であり、種類も少ないため回路の抵抗値によっては動作せず、使用方法が限定的である。また、温度上昇に伴う電気抵抗率の変化は103倍程度であり、サーモスタット等の制御回路としての性能が低い等の問題がある。さらに、これらのサーミスタを温度計として使用する場合、NTCサーミスタは電気抵抗の減少が緩やかであることから精密な温度検出が十分にできず、CTRサーミスタはせまい温度領域で急激な抵抗変化をするため、ある特定の温度領域以外では温度計としての感度が著しく低下するという問題がある。

また、誘電材料の一種である圧電材料は、電場を与えたときに歪みを生じる逆圧電型の電歪材料であり、電気-機械エネルギー変換のアクチュエータなどに広く使用されている。そのような電歪材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等が使用されている(非特許文献1)。従来開発されてきた逆圧電型を含む典型的な電歪材料では、電圧印加方向と駆動方向が同方向であり、その他の方向に対して動作させるためにはギア等を組み込む必要があった。

一方、本発明者は、全く新しい機能を有するイオン性固体を製造すべく種々検討し、[Au4Co2(dppe)2(D-pen)4](ClO4)2・qH2Oの創製に成功した。このイオン性固体は、自然界に存在するイオン性固体とは相違し、イオンが対になっているのではなく、イオン性クラスターを形成した非クーロンカにより固体になっている電荷分離型イオン性固体であることを見出した(非特許文献2)。

産業上の利用分野

本発明は、新規な誘電材料及び電歪材料に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
金属元素と配位子からなる錯体カチオンが集積してカチオンクラスターを形成し、当該カチオンクラスターが最密充填構造に配列し、その空孔にアニオンが集積してアニオンクラスターが形成されている電荷分離型の非クーロン力支配型イオン性固体を含有する誘電材料。

【請求項2】
前記電荷分離型の非クーロン力支配型イオン性固体が、2種類の金属元素と2種類の配位子からなる多核の錯体カチオンが集積してカチオンクラスターを形成し、当該カチオンクラスターが面心立方体に配列し、その四面体孔に対アニオンである無機アニオンが集積してアニオンクラスターが形成されている電荷分離型の非クーロン力支配型イオン性固体である請求項1記載の誘電材料。

【請求項3】
前記カチオンクラスターが、10族及び11族から選ばれる元素(M1)と、6族、9族及び13族から選ばれる元素(M2)とが2種の配位子(X1及びX2)を介して結合したM12六~十核錯体カチオンクラスターである請求項1又は2記載の誘電材料。

【請求項4】
前記電荷分離型の非クーロン力支配型イオン性固体が、一般式(1)
(M1l(M2m(X1n(X2o(X3p・qH2O ・・・(1)
(式中、M1は、10族及び11族から選ばれる元素を示し;
2は、6族、9族及び13族から選ばれる元素を示し;
1は、少なくとも2個のホスフィノ基を有する配位子を示し;
2は、少なくとも1個のチオール基とカルボキシル基を有する配位子を示し;
3は、アニオンを示し;
l及びmは、それぞれ2~6の数であって、合計が6~10になる数を示し;
nは1~2の数を示し;oは2~6の数を示し;p及びqは、それぞれ1~16の数を示す。)
で表される電荷分離型の非クーロン力支配型イオン性固体である請求項1~3のいずれか1項記載の誘電材料。

【請求項5】
1が、少なくとも2個のジアリールホスフィノ基を有する配位子である請求項1~4のいずれか1項記載の誘電材料。

【請求項6】
2が、チオール基とカルボキシル基以外に水素結合性官能基を有する配位子である請求項1~5のいずれか1項記載の誘電材料。

【請求項7】
前記電荷分離型の非クーロン力支配型イオン性固体が、100Kから450Kの温度変化で電気抵抗値が1/100000以下に低下するものである請求項1~6のいずれか1項記載の誘電材料。

【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項記載の誘電材料を用いた温度計。

【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項記載の誘電材料を用いたサーミスタ。

【請求項10】
請求項1~7のいずれか1項記載の誘電材料を用いたサーモスタットを含む、温度上昇で作動する装置保護回路。

【請求項11】
金属元素と配位子からなる錯体カチオンが集積してカチオンクラスターを形成し、当該カチオンクラスターが最密充填構造に配列し、その空孔にアニオンが集積してアニオンクラスターが形成されている電荷分離型の非クーロン力支配型イオン性固体を含有する電歪材料。

【請求項12】
前記電荷分離型の非クーロン力支配型イオン性固体が、2種類の金属元素と2種類の配位子からなる多核の錯体カチオンが集積してカチオンクラスターを形成し、当該カチオンクラスターが面心立方体に配列し、その四面体孔に対アニオンである無機アニオンが集積してアニオンクラスターが形成されている電荷分離型の非クーロン力支配型イオン性固体である請求項11記載の電歪材料。

【請求項13】
前記カチオンクラスターが、10族及び11族から選ばれる元素(M1)と、6族、9族及び13族から選ばれる元素(M2)とが2種の配位子(X1及びX2)を介して結合したM12六~十核錯体カチオンクラスターである請求項11又は12記載の電歪材料。

【請求項14】
前記電荷分離型の非クーロン力支配型イオン性固体が、一般式(1)
(M1l(M2m(X1n(X2o(X3p・qH2O ・・・(1)
(式中、M1は、10族及び11族から選ばれる元素を示し;
2は、6族、9族及び13族から選ばれる元素を示し;
1は、少なくとも2個のホスフィノ基を有する配位子を示し;
2は、少なくとも1個のチオール基とカルボキシル基を有する配位子を示し;
3は、アニオンを示し;
l及びmは、それぞれ2~6の数であって、合計が6~10になる数を示し;
nは1~2の数を示し;oは2~6の数を示し;p及びqは、それぞれ1~16の数を示す。)
で表される電荷分離型の非クーロン力支配型電荷分離型イオン性固体である請求項11~13のいずれか1項記載の電歪材料。

【請求項15】
1が、少なくとも2個のジアリールホスフィノ基を有する配位子である請求項11~14のいずれか1項記載の電歪材料。

【請求項16】
2が、チオール基とカルボキシル基以外に水素結合性官能基を有する配位子である請求項11~15のいずれか1項記載の電歪材料。

【請求項17】
前記電荷分離型の非クーロン力支配型イオン性固体が、電圧印加により等方的に収縮するものである請求項11~16のいずれか1項記載の電歪材料。

【請求項18】
請求項11~17のいずれか1項記載の電歪材料を有するアクチュエータ。

【請求項19】
一般式(1a)
(M1l(M2m(X1n(X2ao・(X3p・qH2O ・・・(1a)
(式中、M1は、10族及び11族から選ばれる元素を示し;
2は、6族、9族及び13族から選ばれる元素を示し;
1は、少なくとも2個のホスフィノ基を有する配位子を示し;
2aは、少なくとも1個のチオール基とカルボキシル基を有する配位子(ペニシラミンを除く)を示し:
3は、アニオンを示し;
l及びmは、それぞれ2~6の数であって、合計が6~10になる数を示し;
nは1~2の数を示し;oは3~6の数を示し;p及びqは、それぞれ1~16の数を示す。)
で表される多核金属錯体。

【請求項20】
1が、少なくとも2個のジアリールホスフィノ基を有する配位子である請求項19記載の多核金属錯体。

【請求項21】
2aが、チオール基とカルボキシル基以外に、水素結合性官能基を有する配位子である請求項19又は20記載の多核金属錯体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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JP2018541057thum.jpg
出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 新機能創出を目指した分子技術の構築 領域
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