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ジアリールエテン化合物 新技術説明会

国内特許コード P190016343
掲載日 2019年8月27日
出願番号 特願2018-535728
出願日 平成29年8月23日(2017.8.23)
国際出願番号 JP2017030075
国際公開番号 WO2018038145
国際出願日 平成29年8月23日(2017.8.23)
国際公開日 平成30年3月1日(2018.3.1)
優先権データ
  • 特願2016-165105 (2016.8.25) JP
発明者
  • 小畠 誠也
出願人
  • 公立大学法人大阪
発明の名称 ジアリールエテン化合物 新技術説明会
発明の概要 着色現象の発現に酸などの付加成分が不要であって、スイッチング機能(紫外光照射による着色)、着色状態の可視光下での優れた安定性、さらに、低温環境下(例えば室温以下)での温度上昇による再生不可能な消色という機能を好適に発揮することができるジアリールエテン化合物を提供する。
下記一般式(1)で表される、ジアリールエテン化合物。
【化1】
(省略)
従来技術、競合技術の概要

冷凍技術や冷蔵技術の発達により、食品や医薬品などの物品が長期間にわたり、品質や安全性を保つことができるようになった。また、低温輸送技術の発達と普及により、市場にも様々な冷凍食品や冷蔵食品が出回るようになってきている。このため、流通過程や貯蔵過程における物品の温度管理が重要になる。例えば、物品が食品である場合、停電などの不慮の出来事で、所定の温度に管理ができなくなると、食品に細菌が繁殖し、腐敗・変質などの原因となる。また、物品が国際的に流通されるようになっている現在、食品物流業界では、赤道下の船舶輸送時における商品の温度管理(安全性)が問題となっている。

物品が一度でも管理温度以上の条件下に曝されたか否かは、物品を見ただけでは容易に判別し難いことがある。このため、低温保存食品などの個々の物品に、温度インジケータや感温色材などを貼付する物品の温度管理が試みられている。温度インジケータや感温色材は、物品が管理温度以上の条件下に曝されたときに変色し、その変色状態がその後長期間にわたって保持されること、すなわちその変色が不可逆型であることが望ましい。

温度インジケータや感温色材としては、様々な材料や応用技術が提案されている。例えば、特許文献1では、発色剤層、検温剤層および顕色剤層を備えた、低温で不可逆に変色(「着色」または「発色」ともいう)する温度履歴表示体が提案されている。また、例えば、特許文献2では、支持体上に染料前駆体および、該染料前駆体と加熱時反応して着色体を形成する顕色剤を主成分として含有する感熱記録層、顔料とバインダーを主成分とする浸透層、融点が0℃以上の感温物質を内包したマイクロカプセル含有層、保護層を順次積層した示温ラベルが提案されている。

しかしながら、特許文献1および2に記載の温度履歴表示体や示温ラベルは、特定の融点を有する検温剤や感温物質を用いているために、温度履歴表示体や示温ラベルの製造後、使用状態に至るまでの輸送・保管時に、所定の温度以下に保つことが必要である。また、材料が不可逆型であるために、それが一旦変色すると、使用できなくなる。このため、これらの材料は、温度変化機構を作動可能にするスイッチオン機構を備えていることが望ましい。

このようなスイッチオン機構を備えた材料(温度履歴表示材)として、紫外光照射により着色し、温度履歴がスタートするフォトクロミック化合物(フォトクロミック材料)を利用したものがある。例えば、特許文献3には、着色状態によって、従来の10倍の感度で温度を感知し、不可逆的に消色するフォトクロミック材料が開示されている。しかしながら、フォトクロミック材料にこのような機能を発現させるためには、トリフルオロメタンスルホン酸のような強い酸を必要とする。また、固体状態で所定の機能を発現させるためには、均一に酸を添加する必要があり、この酸の添加は、製造工程上、大きな問題となる。

また、本発明者は、非特許文献1に記載された化合物が、温度変化や、紫外光または可視光照射によって、可逆的に変色することを見出している。しかしながら、当該化合物では、例えば物品の表面に当該化合物が露出した状態で紫外光を照射して、温度センサーとして使用を開始する場合に、紫外光照射によって着色した色は、物品の保管環境下において、可視光が照射された場合にも、温度が高温になった場合にも、消失する。このため、可視光が照射される環境下においては、当該化合物は利用できないという問題がある。

さらに、本発明者は、紫外光が照射されて着色された後、着色状態が可視光下で極めて安定であり、さらに、加熱により不可逆的により消失する化合物を見出している(特許文献4)。しかしながら、特許文献4に記載された化合物では、着色された化合物の半減期は、30℃で30時間程度が最大であり、例えば室温よりも低温下での温度変化が生じた場合には、ほとんど着色が消失しない。このため、この化合物では、例えば室温以下という低温下での温度センサーとして使用することは困難である。なお、非特許文献1の化合物についても、室温よりも低温下での温度変化が生じた場合には、ほとんど着色が消失しないため、前述の問題に加えて、低温下で使用しにくいという問題も有している。

産業上の利用分野

本発明は、新規なジアリールエテン化合物に関する。さらに、本発明は、当該ジアリールエテン化合物を含むフォトクロミック材料、当該フォトクロミック材料を含む光機能素子、温度センサーに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1)で表される、ジアリールエテン化合物。
【化1】
(省略)
[式(1)中、環Aは、5員環構造または6員環構造を示しており、
Xは、S、NR7、またはOであり、R7は、水素原子またはアルキル基であり、
1及びY2は、それぞれ独立に、CまたはNであり、
3つのR1は、それぞれ独立に、アルキル基または芳香族基であり、
3つのR2は、それぞれ独立に、アルキル基または芳香族基であり、
3は、Y1がCである場合には、水素原子、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基、またはシアノ基、あるいはR4と互いに結合して環構造を形成しており、Y1がNである場合には、電子対であり、
5は、Y2がCである場合には、水素原子、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基、またはシアノ基、あるいはR6と互いに結合して環構造を形成しており、Y2がNである場合には、電子対であり、
4は、水素原子、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基、またはシアノ基、あるいはR3と互いに結合して環構造を形成しており、
6は、水素原子、フェニル基、アルキル基、アルコキシ基、またはシアノ基、あるいはR5と互いに結合して環構造を形成している。]

【請求項2】
前記環Aが、5員環構造であり、
前記Xは、Sであり、
前記Y1及びY2が、それぞれ、Cであり、
前記R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、フェニル基、または炭素数が1~5のアルキル基であるか、前記R3とR4とが互いに結合して6員環構造を形成しており、
前記R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、フェニル基、または炭素数が1~5のアルキル基であるか、前記R5とR6とが互いに結合して6員環構造を形成している、請求項1に記載のジアリールエテン化合物。

【請求項3】
下記一般式(1A)で表される、請求項2に記載のジアリールエテン化合物。
【化2】
(省略)
[式(1A)中、6つのZは、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子であり、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ、請求項2と同じである。]

【請求項4】
下記一般式(1B)で表される、請求項3に記載のジアリールエテン化合物。
【化3】
(省略)
[式(1B)中、Z、R1、R2、R3、及びR5は、それぞれ、請求項3と同じである。]

【請求項5】
下記式で表される、ジアリールエテン化合物。
【化4】
(省略)

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のジアリールエテン化合物を含む、フォトクロミック材料。

【請求項7】
請求項6に記載のフォトクロミック材料を含む、光機能素子。

【請求項8】
請求項6に記載のフォトクロミック材料を含む、温度センサー。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2018535728thum.jpg
出願権利状態 公開


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