TOP > 国内特許検索 > 遺伝性乳癌卵巣癌症候群の治療薬のスクリーニング方法

遺伝性乳癌卵巣癌症候群の治療薬のスクリーニング方法 UPDATE 新技術説明会

国内特許コード P190016397
整理番号 17T163,S2018-0305-N0
掲載日 2019年10月18日
出願番号 特願2018-077857
公開番号 特開2019-184500
出願日 平成30年4月13日(2018.4.13)
公開日 令和元年10月24日(2019.10.24)
発明者
  • 岩▲崎▼ 博史
  • 坪内 英生
  • 伊藤 武彦
  • 梶谷 嶺
  • パリハッティ マルダン
  • 韓 龍雲
出願人
  • 国立大学法人東京工業大学
発明の名称 遺伝性乳癌卵巣癌症候群の治療薬のスクリーニング方法 UPDATE 新技術説明会
発明の概要 【課題】遺伝性乳癌卵巣癌症候群の治療薬をスクリーニングする技術を提供する。
【解決手段】遺伝性乳癌卵巣癌症候群の治療薬のスクリーニング方法であって、被験物質の存在下で、クリプトコッカス属菌のBRH2遺伝子欠損株を培養することと、前記BRH2遺伝子欠損株の生存率を測定することと、を含み、前記被験物質の存在下における前記BRH2遺伝子欠損株の生存率が、前記被験物質の非存在下における前記BRH2遺伝子欠損株の生存率と比較して低いことが、前記被験物質が遺伝性乳癌卵巣癌症候群の治療薬であることを示す、スクリーニング方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

乳癌や卵巣癌の5~10%は、遺伝的な要因が強く関与して発症していると考えられている。遺伝的な要因としては、遺伝性乳癌卵巣癌症候群(Hereditary Breast and Ovarian Cancer、HBOC)が最も多い。

遺伝性乳癌卵巣癌症候群は、BRCA1遺伝子又はBRCA2遺伝子の変異が原因で乳癌や卵巣癌を高いリスクで発症する遺伝性腫瘍の1つである。また、癌を発症する場合には、乳癌及び卵巣癌の両方を発症する場合が多い。

例えば非特許文献1には、BRCA1遺伝子又はBRCA2遺伝子の変異を有するヒトのうち、55~65%が70歳までに乳癌を発生すると報告されている。卵巣癌も同程度の割合である。乳癌又は卵巣癌の予防のためにタモキシフェンを投与する場合もあるが、タモキシフェン投与は子宮癌の発生リスクを上昇させてしまう。また、遺伝性乳癌卵巣癌症候群の癌患者に通常の抗癌剤を安易に投与すると、白血球や好中球が減少する場合がある。

ところで、RAD51タンパク質は、DNA二重鎖切断の相同組換え修復機構における重要な酵素である。そして、BRCA1タンパク質及びBRCA2タンパク質は、RAD51タンパク質の補助因子として機能していると考えられている。BRCA1タンパク質又はBRCA2タンパク質の欠損だけでは致死とはならないが、相同組換え修復機構の機能が低下することにより、ゲノム不安定化がおこり、その結果として癌が発症すると考えられている。

DNA代謝の細胞内分子機構は、生物種間で保存されている。例えば、ヒトRAD51タンパク質と酵母Rad51タンパク質は87%の配列同一性を有しており、酵母における研究がヒトの分子機構の解明に直接貢献している。

しかしながら、基礎研究に用いられる出芽酵母(サッカロミセス・セレビシエ)や分裂酵母(シゾサッカロミセス・ポンベ)は、BRCA1遺伝子及びBRCA2遺伝子を有していない。このため、従来、酵母を用いて、BRCA1遺伝子又はBRCA2遺伝子の機能解析を行うことや、BRCA1遺伝子又はBRCA2遺伝子の変異株の薬剤応答試験等を行うことができなかった。

産業上の利用分野

本発明は、遺伝性乳癌卵巣癌症候群の治療薬のスクリーニング方法に関する。より詳細には、本発明は、遺伝性乳癌卵巣癌症候群の治療薬のスクリーニング方法、及び、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害剤に対する耐性解除剤のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
遺伝性乳癌卵巣癌症候群の治療薬のスクリーニング方法であって、
被験物質の存在下及び非存在下で、クリプトコッカス属菌のBRH2遺伝子欠損株及び野生型株をそれぞれ培養することと、
前記被験物質の存在下における前記BRH2遺伝子欠損株及び野生型株の生存率をそれぞれ測定することと、を含み、
前記BRH2遺伝子欠損株の生存率が、前記野生型株の生存率と比較して低いことが、前記被験物質が遺伝性乳癌卵巣癌症候群の治療薬であることを示す、スクリーニング方法。

【請求項2】
遺伝性乳癌卵巣癌症候群の治療薬のスクリーニング方法であって、
被験物質の存在下で、クリプトコッカス属菌のBRH2遺伝子欠損株を合成致死又は合成感受性にする遺伝子にコードされるタンパク質の活性を測定することを含み、
前記被験物質の存在下における前記タンパク質の活性が、前記被験物質の非存在下における前記タンパク質の活性と比較して低いことが、前記被験物質が遺伝性乳癌卵巣癌症候群の治療薬であることを示す、スクリーニング方法。

【請求項3】
クリプトコッカス属菌のBRH2遺伝子欠損株を合成致死又は合成感受性にする前記遺伝子が、DNA2、EXO1、FAN1、FANCM、MRE11、MUS81、RAD50、RAD51、RAD51C、RAD52、RAD54、RAD54B、BLM、SRS2、XRCC3、XRCC6、FEN1、RFC1、RFC2、RFC3、RFC4、RFC5、PCNA、ATM、ATR、CHK1、CHK2、APEX1、PARP、XPF、XPG、PNK、NTHL1、MLH1、MSH2、MSH3、MSH6、PMS1、ERCC1、RTEL1、SMARCAD1-1、SMARCAD1-2、DSS1、TOP1、TOP2-alpha、TOP3-alpha及びSFR1からなる群より選択される遺伝子である、請求項2に記載のスクリーニング方法。

【請求項4】
乳癌細胞又は卵巣癌細胞のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤に対する耐性解除剤のスクリーニング方法であって、
クリプトコッカス属菌のBRH2遺伝子欠損株をPARP阻害剤耐性にする変異遺伝子を特定することと、
被験物質の存在下で、前記変異遺伝子にコードされるタンパク質の活性を測定することと、を含み、
前記被験物質の存在下における前記タンパク質の活性が、前記被験物質の非存在下における前記タンパク質の活性と比較して低いことが、前記被験物質が乳癌細胞又は卵巣癌細胞のPARP阻害剤に対する耐性解除剤であることを示す、スクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) 科学研究費助成事業挑戦的萌芽研究(H27-H28)
詳しくお知りになりたい方は下記「問合せ先」まで直接お問合わせください


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close