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二層ショートスロット結合器、バトラーマトリクス給電回路およびフェイズドアレーアンテナ

国内特許コード P190016402
整理番号 14T125
掲載日 2019年10月18日
出願番号 特願2015-019984
公開番号 特開2016-144113
登録番号 特許第6562497号
出願日 平成27年2月4日(2015.2.4)
公開日 平成28年8月8日(2016.8.8)
登録日 令和元年8月2日(2019.8.2)
発明者
  • 廣川 二郎
出願人
  • 国立大学法人東京工業大学
発明の名称 二層ショートスロット結合器、バトラーマトリクス給電回路およびフェイズドアレーアンテナ
発明の概要 【課題】2次元方向の切替をするための装置構成を簡略化することができる、二層ショートスロット結合器およびバトラーマトリクス給電回路を提供すること。
【解決手段】本発明は、入力信号を入力する4つの入力口11~14がマトリクス状に2×2層に配置された入力部10Aと、入力信号を出力する4つの出力口15~18がマトリクス状に2×2層に配置された出力部10Bと、入力部10Aと出力部10Bとの間に配置され、多モードの電磁界を発生させる断面形状Pを有する結合部10Cとを有し、結合部10Cは、入力口11~14のいずれかより入力された入力信号に対して出力部10Bからの信号の出力形態を二次元的に変化させる、二層ショートスロット結合器10である。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要 フェイズドアレーアンテナは、複数の給電点となる入力ポートと、入力される信号の入力ポートの位置に対応してビーム方向を変化させるためのマトリクス回路と、マトリクス回路の出力ポートに接続されマトリクス状に配置された複数のアンテナ素子とを有している。これは、給電点切替型のフェイズドアレーアンテナと呼ばれている。ビーム方向を変化させるためのマトリクス回路として、ハイブリッド回路を4つ用いてビーム方向を1次元の4方向に切り替えるバトラーマトリクス給電回路が知られている。

入力ポートから給電回路に入力された信号は、バトラーマトリクス給電回路の中で等配分され、複数の出力ポート毎に異なる位相差が与えられて出力される。バトラーマトリクス給電回路によると、信号を入力する入力ポートの位置によって、出力ポートで出力される位相の傾きが異なるため、入力ポートの位置に対応して出力されるビーム方向が変化する。

バトラーマトリクス給電回路において、複数の入力ポートのどの入力ポートから電力を入力しても、出力ポートには電力が均等に分配されて出力される。出力ポートから出力される位相の傾きは入力ポートの位置によって異なるため、入力ポートの位置によって複数の出力ポートに出力される電波は、異なる位相差によって傾きを有している。バトラーマトリクス給電回路をアンテナに応用すると、入力ポートによってビーム方向を切り替えることが可能となる。

図19に示されるように、1次元方向の切替をするためのバトラーマトリクスを用いた1層4分配回路90は、1層のハイブリッド結合器91と、1層の交差結合器92と、1層の-45度位相器93とを有している。入力側に設けられた4つの入力ポート94のいずれかに信号Qを入力すると、出力側に設けられた出力ポート95のそれぞれから電力が等分配された信号Q1~Q4が位相差を与えられて出力される。出力される信号Q1~Q4の位相の傾きは、入力ポート94の位置によって異なる。この位相差を利用して、出力側から出力されるビームを1次元方向に切替することができる。
産業上の利用分野 本発明は、二次元ビーム切替のための二層ショートスロット結合器、それを用いた二次元ビーム切替のためのバトラーマトリクス給電回路およびそれを用いたフェイズドアレーアンテナに関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
入力信号を入力する4つの入力口がマトリクス状に2×2層に配置され且つTE10モードの信号だけが伝搬する入力部と、
入力信号を出力する4つの出力口がマトリクス状に2×2層に配置された出力部と、
前記入力部と前記出力部との間に配置され、前記入力部からTE10モードの信号が入力された場合にTE10対応モード、TE01対応モード、TE20対応モード、TM11対応モード、TE11対応モード、TM21対応モード、TE21対応モード、及びTE30対応モードの電磁界を発生させる結合部とを有し、
前記結合部の断面形状は、
TE10モードとTE01対応モードとが結合しない、第1条件と、
TE21対応モードとTE30対応モードを減衰させる、第2条件と、
TE20対応モード、TM11対応モード、TE11対応モードの位相定数は同じである、第3条件と、
TE10対応モード、TE20対応モード、TM21対応モードの位相定数をそれぞれβ10,β20,β21としたとき、β10,β20,β21が下記の式を満たす、第4条件と、
TE10対応モード、TE20対応モード、TM11対応モード、TE11対応モード、及びTM21対応モードのそれぞれのTE10モードとの結合量が等しい、第5条件と、
を満たし、且つ、
前記結合部は、前記入力信号が第1入力口に入力された場合、前記4つの出力口から前記入力信号の電力が均等に分配され且つ互いの位相が異なる出力信号を出力させる、又は、前記第1入力口と対向する位置に存在する第1出力口と対角で隣接する第2出力口から信号を出力させ且つ前記第2出力口以外の出力口から信号を出力させない、
二層ショートスロット結合器。
【数1】
(省略)

【請求項2】
前記断面形状は、矩形の四隅を矩形に切り欠いた切欠き部と、上辺と下辺との中央部が中心に向かって矩形に凹んだ凹部を有する、
請求項1に記載の二層ショートスロット結合器。

【請求項3】
前記結合部は、
前記結合部が第1の長さを有する場合、前記4つの出力口から前記入力信号の電力が均等に分配され且つ互いの位相が異なる出力信号を出力させ、
前記結合部が前記第1の長さの2倍である第2の長さを有する場合、前記第1入力口と対向する第1出力口と対角で隣接する第2出力口から信号を出力させ且つ前記第2出力口以外の出力口から信号を出力させない、
請求項2に記載の二層ショートスロット結合器。

【請求項4】
前記結合部は、前記結合部が第1の長さを有する場合に、前記第1出力口から出力される第1出力信号に対して、前記第1出力口の水平方向に隣接する第3出力口および前記第1出力口の垂直方向に隣接する第4出力口からそれぞれ出力される第2および第3出力信号は、位相が90度遅れて出力され、
前記第2出力口から出力される第4出力信号は、位相が180度遅れて出力されるよう形成されている、
請求項3に記載の二層ショートスロット結合器。

【請求項5】
入力信号に位相差を与えて等振幅で分配して出力するハイブリッド結合部と、入力信号を交差する回路に出力する交差部と、入力信号に位相差を与えて出力する位相器部とからなるバトラーマトリクス給電回路であって、
前記ハイブリッド結合部に配設された第1二層ショートスロット結合器と、
前記交差部に配設された第2二層ショートスロット結合器と、
を有し、
前記第1二層ショートスロット結合器及び前記第2二層ショートスロット結合器のそれぞれは、
入力信号を入力する4つの入力口がマトリクス状に2×2層に配置され且つTE10モードの信号だけが伝搬する入力部と、
入力信号を出力する4つの出力口がマトリクス状に2×2層に配置された出力部と、
前記入力部と前記出力部との間に配置され、前記入力部からTE10モードの信号が入力された場合にTE10対応モード、TE01対応モード、TE20対応モード、TM11対応モード、TE11対応モード、TM21対応モード、TE21対応モード、及びTE30対応モードの電磁界を発生させる結合部とを有し、
前記結合部の断面形状は、
TE10モードとTE01対応モードとが結合しない、第1条件と、
TE21対応モードとTE30対応モードを減衰させる、第2条件と、
TE20対応モード、TM11対応モード、TE11対応モードの位相定数は同じである、第3条件と、
TE10対応モード、TE20対応モード、TM21対応モードの位相定数をそれぞれβ10,β20,β21としたとき、β10,β20,β21が下記の式を満たす、第4条件と、
TE10対応モード、TE20対応モード、TM11対応モード、TE11対応モード、及びTM21対応モードのそれぞれのTE10モードとの結合量が等しい、第5条件と、
を満たし、
前記第1二層ショートスロット結合器の前記結合部は、前記入力信号が第1入力口に入力された場合、前記4つの出力口から前記入力信号の電力が均等に分配され且つ互いの位相が異なる出力信号を出力させ、
前記第2二層ショートスロット結合器の前記結合部は、前記入力信号が第1入力口に入力された場合、前記第1入力口と対向する位置に存在する第1出力口と対角で隣接する第2出力口から信号を出力させ且つ前記第2出力口以外の出力口から信号を出力させない、
二次元ビーム切替のためのバトラーマトリクス給電回路。
【数2】
(省略)

【請求項6】
前記断面形状は、矩形状の四隅が矩形に凹んだ切欠き部と、上辺と下辺との中央部が中心に向かって矩形に凹んだ凹部を有する、
請求項5に記載のバトラーマトリクス給電回路。

【請求項7】
前記第2二層ショートスロット結合器の前記結合部の長さは、前記第1二層ショートスロット結合器の前記結合部の長さの2倍である、
請求項6に記載のバトラーマトリクス給電回路。

【請求項8】
前記第1二層ショートスロット結合器の前記結合部は、前記第1出力口から出力される第1出力信号に対して、前記第1出力口の水平方向に隣接する第3出力口および前記第1出力口の垂直方向に隣接する第4出力口からそれぞれ出力される第2および第3出力信号は、位相が90度遅れて出力され、
前記第2出力口から出力される第4出力信号は、位相が180度遅れて出力されるよう形成されている、
請求項7に記載のバトラーマトリクス給電回路。

【請求項9】
前記ハイブリッド結合部には、断面に1層給電回路がマトリクス状に4×4層分配置される配置位置に対して、前記第1二層ショートスロット結合器が前記配置位置の下段から第1層および第2層の位置に2つ並置され、下段から第3層と第4層の位置に2つ並置され、
前記交差部には、前記第2二層ショートスロット結合器が前記第2層と前記第3層との中央位置に1つ配置されている、
請求項8に記載のバトラーマトリクス給電回路。

【請求項10】
前記交差部には、さらに、前記第2二層ショートスロット結合器の上下の前記第1層および前記第4層に一層交差器が横置きにそれぞれ配置され、前記第2二層ショートスロット結合器の左右の前記第2層および前記第3層に前記一層交差器が縦置きにそれぞれ配置されている、
請求項9に記載のバトラーマトリクス給電回路。

【請求項11】
前記位相器部は、前記第1層および前記第4層の両側に一層-90度位相器が配置され、前記一層-90度位相器の間に一層-45度位相器が2つ並置され、前記第2層と前記第3層の両側に一層-45度位相器がそれぞれ縦方向に2つ積層されている、
請求項10に記載のバトラーマトリクス給電回路。

【請求項12】
入力信号に位相差を与えて等振幅で分配して出力するハイブリッド結合部と、入力信号を交差する回路に出力する交差部と、入力信号に位相差を与えて出力する位相器部とからなるバトラーマトリクス給電回路を有するフェイズドアレーアンテナであって、
前記バトラーマトリクス給電回路に接続された複数のアンテナ素子と、
を有し、
前記バトラーマトリクス給電回路は、
前記ハイブリッド結合部に配設された第1二層ショートスロット結合器と、
前記交差部に配設された第2二層ショートスロット結合器と、
を有し、
前記第1二層ショートスロット結合器及び前記第2二層ショートスロット結合器のそれぞれは、
入力信号を入力する4つの入力口がマトリクス状に2×2層に配置され且つTE10モードの信号だけが伝搬する入力部と、
入力信号を出力する4つの出力口がマトリクス状に2×2層に配置された出力部と、
前記入力部と前記出力部との間に配置され、前記入力部からTE10モードの信号が入力された場合にTE10対応モード、TE01対応モード、TE20対応モード、TM11対応モード、TE11対応モード、TM21対応モード、TE21対応モード、及びTE30対応モードの電磁界を発生させる結合部とを有し、
前記結合部の断面形状は、
TE10モードとTE01対応モードとが結合しない、第1条件と、
TE21対応モードとTE30対応モードを減衰させる、第2条件と、
TE20対応モード、TM11対応モード、TE11対応モードの位相定数は同じである、第3条件と、
TE10対応モード、TE20対応モード、TM21対応モードの位相定数をそれぞれβ10,β20,β21としたとき、β10,β20,β21が下記の式を満たす、第4条件と、
TE10対応モード、TE20対応モード、TM11対応モード、TE11対応モード、及びTM21対応モードのそれぞれのTE10モードとの結合量が等しい、第5条件と、
を満たし、
前記第1二層ショートスロット結合器の前記結合部は、前記入力信号が第1入力口に入力された場合、前記4つの出力口から前記入力信号の電力が均等に分配され且つ互いの位相が異なる出力信号を出力させ、
前記第2二層ショートスロット結合器の前記結合部は、前記入力信号が第1入力口に入力された場合、前記第1入力口と対向する位置に存在する第1出力口と対角で隣接する第2出力口から信号を出力させ且つ前記第2出力口以外の出力口から信号を出力させない、
二次元ビーム切替のためのフェイズドアレーアンテナ。
【数3】
(省略)
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 登録
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