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脂質ナノ粒子 NEW

国内特許コード P190016423
整理番号 S2018-0438-N0
掲載日 2019年10月25日
出願番号 特願2018-038082
公開番号 特開2019-151589
出願日 平成30年3月2日(2018.3.2)
公開日 令和元年9月12日(2019.9.12)
発明者
  • 佐藤 悠介
  • 原島 秀吉
  • 岡部 奈々
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 脂質ナノ粒子 NEW
発明の概要 【課題】本発明は、siRNA等の薬効成分のキャリアとして有用であり、粒子径が小さくなっても送達効率の優れた脂質ナノ粒子を提供することを課題とする。
【解決手段】下記一般式(I)〔aは3~5の整数;bは0又は1;R及びRはそれぞれ独立に下記一般式(A)(qは1~9の整数、rは0又は1、sは1~3の整数、tは0又は1、uは1~8の整数、cは0又は1、vは4~12の整数を示す。)で表される炭素数20以上の基;Xは下記一般式(B)(dは0~3の整数、R及びRはそれぞれ独立にC1-4アルキル基又はC2-4アルケニル基である。)で表される基又は5~7員非芳香族ヘテロ環基を示す〕で表されるカチオン性脂質と、炭素数2以上の親水性基と直鎖状の疎水性基を備える中性脂質とを含有する、脂質ナノ粒子。
[化1]
(省略)
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

塩基配列特異的に標的のDNA又はRNAに結合することでそれらがコードする遺伝子の発現を制御する核酸分子は、がんなどの難治性疾患に対する新規治療モダリティとして非常に注目を集めている。とりわけ、siRNA(short interfering RNA)はRNA干渉を介して標的遺伝子を強力にノックダウンすることが可能な機能性核酸であり、その医薬品への応用が切望されている。しかし、siRNAは組織移行能を持たないため、医薬への応用には標的細胞へ効率的に送達可能な技術の開発が必須である。これまでに、siRNAの効率的なin vivo送達を実現可能な脂質ナノ粒子が多数報告されている。特に、生理的pHでは電気的に中性であり、エンドソームなどの弱酸性pH環境下ではカチオン性に変化するpH感受性カチオン性脂質(例えば、特許文献1参照。)。の開発は、脂質ナノ粒子によるsiRNA送達効率の向上に著しく寄与している。例えば、マウス肝臓における第7因子(F7)を標的とするsiRNAを内包したpH感受性カチオン性脂質を含む脂質ナノ粒子を投与することにより、高効率でF7ノックダウンが成功したことが報告されている。(例えば、非特許文献1参照。)。

一方で、がん組織へのsiRNA送達は、肝臓等の組織への送達よりも困難である。その大きな原因の一つとして、がん組織中に非常に豊富に存在するコラーゲンやヒアルロン酸をはじめとする間質成分(間質バリア)が挙げられる。間質バリアによってがん組織内におけるナノ粒子の浸透が物理的に妨げられるため、脂質ナノ粒子はがん組織深部まで移行できないため、充分な遺伝子ノックダウン効率や薬効を得ることができない。

薬効成分を標的の細胞へ送達するナノ粒子(薬剤キャリアナノ粒子)の小型化は、間質バリアを突破するための非常に有効な戦略である。例えば、白金製剤内封高分子ミセルの直径を約30nmに小さく制御することによって、がん組織内浸透性が向上し、抗腫瘍効果が向上することが報告されている(非特許文献2参照。)。siRNAを標的の細胞へ送達する脂質ナノ粒子(siRNAキャリア脂質ナノ粒子)においても同様の戦略が非常に有効であると考えられるが、siRNAキャリア脂質ナノ粒子の粒子径を小さく制御することは技術的に難しい。近年、2液の瞬間混合を達成可能なマイクロミキサー内蔵マイクロ流路を用いることで直径30nm程度の脂質ナノ粒子を再現良く製造可能であることが報告され(例えば、非特許文献3参照。)、製造そのものの技術的バリアは解消されつつある。しかしながら、脂質ナノ粒子を小型化した際にそのsiRNA送達活性が著しく低減するという問題がある(例えば、非特許文献4及び5参照。)。脂質ナノ粒子の小型化に伴う活性低下の原因として、脂質ナノ粒子表面の脂質分子が疎になることで不安定化すること(非特許文献4)、またそれに付随して、脂質ナノ粒子を構成する脂質分子が脱離して脂質ナノ粒子が崩壊すること(非特許文献5)が明らかにされている。

産業上の利用分野

本発明は、siRNA(small interfering RNA)等の薬効成分のキャリアとして有用な脂質ナノ粒子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(I)
【化1】
(省略)
〔式(I)中、aは3~5の整数を示し;bは0又は1を示し;R及びRはそれぞれ独立に下記一般式(A):
【化2】
(省略)
(式(A)中、qは1~9の整数を示し;rは0又は1を示し;sは1~3の整数を示し;tは0又は1を示し;uは1~8の整数を示し;cは0又は1を示し:vは4~12の整数を示し;q+2r+s+2t+u+c+vが19以上の整数であるが、bとcが同時に0となる場合には、qが3~5の整数であり、r及びtが1であり、sが1であり、かつu+vが6~10の整数である場合を除く)
で表される基を示し;Xは、下記一般式(B):
【化3】
(省略)
(式(B)中、dは0~3の整数を示し;R及びRはそれぞれ独立にC1-4アルキル基又はC2-4アルケニル基(該C1-4アルキル基又はC2-4アルケニル基は、1個又は2個の水素原子がフェニル基に置換されていてもよい)を示すが、R及びRは互いに結合して5~7員非芳香族ヘテロ環(該環の1個又は2個の水素原子が、C1-4アルキル基又はC2-4アルケニル基に置換されていてもよい)を形成してもよい)
で表される基又は5~7員非芳香族ヘテロ環基(ただし、該基は炭素原子により(O-CO)b-に結合し、該環の1個又は2個の水素原子が、C1-4アルキル基又はC2-4アルケニル基に置換されていてもよい)を示す〕
で表されるpH感受性カチオン性脂質と、炭素数2以上の親水性基から直鎖状の疎水性基が伸びている中性脂質とを含有し、脂質ナノ粒子を構成する全脂質量に対する前記pH感受性カチオン性脂質と前記中性脂質の合計量の割合が50モル%以上である、脂質ナノ粒子。

【請求項2】
前記中性脂質中の直鎖状の疎水性基が、炭素数16~20の直鎖状の炭化水素基(該基中の1個以上の炭素-炭素単結合間には、エーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、及びカーボネート結合からなる群より選択される1以上の結合が挿入されていてもよい)である、請求項1に記載の脂質ナノ粒子。

【請求項3】
前記中性脂質が、グリセロ脂質又はスフィンゴ脂質である、請求項1又は2に記載の脂質ナノ粒子。

【請求項4】
動的光散乱法により測定された個数平均粒子径が50nm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の脂質ナノ粒子。

【請求項5】
脂質ナノ粒子を構成する全脂質量に対する前記pH感受性カチオン性脂質の量の割合が20モル%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の脂質ナノ粒子。

【請求項6】
低分子化合物、低分子核酸、及びペプチドからなる群より選択される1種以上を含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の脂質ナノ粒子。

【請求項7】
薬効成分を含有しており、標的細胞へ前記薬効成分を送達するキャリアである、請求項1~6のいずれか一項に記載の脂質ナノ粒子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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