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細胞の分離回収装置及び方法 NEW 新技術説明会

国内特許コード P190016425
整理番号 (H29-G20)
掲載日 2019年10月28日
出願番号 特願2019-034487
公開番号 特開2019-150016
出願日 平成31年2月27日(2019.2.27)
公開日 令和元年9月12日(2019.9.12)
優先権データ
  • 特願2018-034952 (2018.2.28) JP
発明者
  • 須加 実
  • 篠原 寛明
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 細胞の分離回収装置及び方法 NEW 新技術説明会
発明の概要 【課題】 死細胞または生細胞を選択的に、高精度で分離する、細胞の分離回収装置及び方法を提供する。
【解決手段】 底面と上面とが対向する電極で構成され、少なくとも一方の前記電極と離間して、前記電極間に設けられた微細孔絶縁膜を備えるセルと、前記電極に所定範囲の周波数を印加する交流発振器とを備え、前記絶縁性薄膜の微細孔径が、所望の細胞の最小径より大きく、最小径の2.5倍以下である、細胞の分離回収装置。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

バイオテクノロジーや医療などの分野では、特定の細胞を選択し分離する技術が不可欠である。蛍光標識によるフローサイトメトリーや、磁気細胞分離などが広く使われているが、非常に高価で細胞への障害も大きい。それに対し安価で非侵襲なマイクロ流路と交流動電現象である誘電泳動を組み合わせた分離方法が考案されているが、分離精度が低く処理量も少ない問題がある。

効率的な分離処理のため、複数の細孔を有する絶縁膜を用い、細孔内及び入口周辺に不均一電界を形成して、細胞の誘電特性の違いで一度に大量の細胞を分離するシステムが知られている。しかし、そのような技術は大量処理を優先しているため、細孔径は細胞サイズに比べ極端に大きいものが多く、逆に分離精度の低下が生じている。

具体的には、分離の対象となる一般的な細胞のサイズ(最小径が数μm)よりかなり大きな直径100~200μmの細孔有り絶縁膜を用いた、細胞分離システムが知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1、2を参照)。このシステムでは、孔周辺部に不均一電界を形成し、一度に大量の細胞を分離することができる。特には、交流印加による負の誘電泳動力で穴に入らないものと、直流成分による電気泳動力で穴を通過するものとを分離する。しかし、分離精度が非常に悪いという問題がある。

細胞より大きな直径30μmのアレイ状の細孔内に正の誘電泳動力で細胞を導入保持し、さらに他の手法により細胞を固定し、標本化して分析する技術も知られている(例えば、特許文献2、非特許文献3を参照)。

他に、細胞が通過できない直径130nmの超微細孔を有する絶縁膜を用い、細胞を正の誘電泳動力で電界強度が強くなる細孔上部の膜表面付近に捕捉する技術も知られている(例えば、非特許文献4を参照)。しかし、この技術では、誘電泳動力のみで細胞を吸着しているため、膜表面への細胞の捕捉力が弱く保持するのが困難である。

細胞よりかなり大きい直径100μmのアレイ状の細孔有り絶縁膜を用い、細胞を正の誘電泳動力で電界強度が強くなる細孔内の壁面部又は細孔入口周辺に吸着させ濃縮する技術も知られている(例えば、非特許文献5を参照)。しかし、この技術でも捕捉力が弱く、細胞を保持するのが困難である。

多層電極層に垂直に直径400μmの細孔を貫通させることで、細孔内の壁面部に複数の電界強度の強い場所を発生させ正の誘電泳動力で生細胞を吸着させ、死細胞は負の誘電泳動力により吸着せず細孔内を通過させる技術も知られている(例えば、非特許文献6を参照)。この技術は、大量に処理することができるが分離精度はまだ低い。また吸着した生細胞が金属電極に接触するため細胞への障害が懸念される。

産業上の利用分野

本発明は、細胞を高精度で分離回収する装置及び方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
対向して設けられる2つの導電性層と、前記2つの導電性層間に設けられた1以上の微細孔薄膜とを備えるセルと、
前記2つの導電性層間に所定範囲の周波数を印加する交流発振器と
を備え
(a)前記微細孔が、円筒形状であり、前記微細孔径が、分離対象細胞の最小径より大きく、最小径の2.5倍以下である、または、
(b)前記微細孔が、円錐台型、階段型、鼓型、糸巻型、または壺型から選択される非円筒形状であり、前記微細孔の吸入口の孔径が、分離対象細胞の最小径より大きく、最小径の2.5倍以下である、
細胞の分離回収装置。

【請求項2】
前記対向して設けられる導電性層が前記セルの底面と上面とを構成する電極であり、
前記微細孔薄膜が、少なくとも一方の前記電極と離間して、前記電極間に設けられた微細孔絶縁膜である、
請求項1に記載の分離回収装置。

【請求項3】
前記対向して設けられる導電性層の少なくとも一方が、前記微細孔絶縁膜面を被覆する導電性被覆層である、請求項1に記載の分離回収装置。

【請求項4】
前記対向して設けられる導電性層の一方が、前記セルの底面もしくは上面を構成する電極であり、
前記対向して設けられる導電性層の他方及び前記微細孔薄膜が、前記電極と離間して設けられ、絶縁性被覆層で被覆された導電性網もしくは篩である、
請求項1に記載の分離回収装置。

【請求項5】
前記対向して設けられる導電性層の少なくとも一方が、導電性網もしくは篩であり、前記微細孔薄膜が、前記導電性網もしくは篩と離間してまたは接触して設けられる、請求項1に記載の分離回収装置。

【請求項6】
前記微細孔薄膜が7~30μmの厚さのトラックエッチドメンブレン、UVレーザー加工膜、またはフォトリソグラフィ加工膜である、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。

【請求項7】
前記微細孔絶縁膜が、前記電極の一方に接して、前記電極を被覆するように設けられる、請求項2に記載の装置。

【請求項8】
前記微細孔絶縁膜が、前記底面を構成する電極と、前記上面を構成する電極の両者から離間して、前記セルを分断するように設けられる、請求項2に記載の装置。

【請求項9】
前記セルが、分離対象細胞を含む試料懸濁液の入口と、出口とをさらに備える、請求項2に記載の装置。

【請求項10】
前記2つの導電性層間に設けられた1以上の微細孔薄膜が、互いに離間して設けられる2以上の微細孔絶縁膜であって、2以上の微細孔絶縁膜の微細孔径がそれぞれ異なっており、上面に近い微細孔絶縁膜から底面に近い微細孔絶縁膜にかけて、微細孔径が順次小さくなる、請求項2に記載の装置。

【請求項11】
上面が開放系である、請求項3、4または5のいずれか1項に記載の装置。

【請求項12】
対向して設けられる2つの導電性層と、前記2つの導電性層間に設けられた1以上の微細孔薄膜とを備えるセル中に、分離対象細胞を含む細胞懸濁液を注入する工程と、
前記一対の導電性層に、死細胞もしくは生細胞を選択的に前記微細孔に吸引または吐出する周波数を切り換えて印加する工程と
を含む、細胞の分離回収方法。

【請求項13】
周波数を印加する工程により、前記微細孔薄膜の微細孔内に不均一電界を発生させる、請求項12に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2019034487thum.jpg
出願権利状態 公開
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