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ホウ素中性子捕捉療法のための新規BSH複合体 NEW

国内特許コード P190016452
整理番号 (S2017-0130-N0)
掲載日 2019年10月30日
出願番号 特願2018-553029
登録番号 特許第6548060号
出願日 平成29年11月24日(2017.11.24)
登録日 令和元年7月5日(2019.7.5)
国際出願番号 JP2017043220
国際公開番号 WO2018097335
国際出願日 平成29年11月24日(2017.11.24)
国際公開日 平成30年5月31日(2018.5.31)
優先権データ
  • 特願2016-229302 (2016.11.25) JP
発明者
  • 松井 秀樹
  • 古矢 修一
  • 道上 宏之
  • 加来田 博貴
  • 竹内 康明
出願人
  • 国立大学法人岡山大学
発明の名称 ホウ素中性子捕捉療法のための新規BSH複合体 NEW
発明の概要 本発明は、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)のためのメルカプトウンデカハイドロデカボレート(BSH)とペプチドとの複合体、その製造方法、およびそれを用いた癌の治療を提供する。
従来技術、競合技術の概要

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、ホウ素同位体10Bをがん細胞に導入し、中性子線を照射してがん細胞のみを殺傷する優れたがん治療法であり、術後のQOLも優れている。BNCTにとってがん細胞内に十分量のホウ素薬剤を安全かつ容易に送達することは、最大の課題である。従来は、ホウ素原子1個を含むアミノ酸誘導体であるBPAが主剤として使われ、がん細胞を含めた細胞自体には入らないBSHが副次的に使われてきた(非特許文献1、2参照)。

BPAは細胞膜に存在するアミノ酸輸送体により細胞内に取り込まれる。しかし、正常細胞でも粘膜上皮や発毛細胞など増殖の強い細胞はPBAを良く取り込んでしまうので、中性子照射によりこれらの正常細胞も障害される。加えて、アミノ酸輸送体(主に関与するものはLAT1と推定される)を介して細胞内に取り込まれるBPAは、当該アミノ酸輸送体が「交換輸送体(非特許文献3参照)」であることから細胞内、がん細胞内にBPAを大量に滞留させることが難しく、更に一分子当たりホウ素を一原子しか有していないので中性線との衝突効率が悪く、がん細胞内に必要なホウ素を送達、滞留するためには大量に投与(成人1名当り数十g)する必要がある。

BSHは一分子当たりホウ素原子12個の結晶体であり効率が良い。しかしながら、細胞膜を透過できないのでそのままでは細胞内には入らない。BSHはがん組織の脆弱な血管から漏れ出して間質液に入り細胞周囲に貯留するのみである。そのため、中性子照射して発生する2次粒子(α粒子、Li核)が影響遺伝子DNAの存在する細胞核まで届くことが難しく、十分ながん殺傷効果が得られない。更には、BSHにはがん細胞特異性が無いことも問題である。

臨床で使用されてきた既存のホウ素薬剤BPA、BSHに加え、現在、様々なナノキャリアが提案されている。これらは、リポソーム(脂質二重膜ベシクル)、高分子ミセル(両親媒性ポリマーベシクル)、カーボンナノチューブに分類されるが、以下のような問題点を有する。リポソームは、薬剤を持続的に放出し、毒性は低いが、物理的に不安定である。高分子ミセルは、生体適合性・生分解性に優れるが、体内半減期が短い。カーボンナノチューブは、表面積が広いが、カーゴ選択性がなく、毒性がある。

産業上の利用分野

本発明は、がん治療のための薬剤およびその製造方法に関する。詳細には、本発明は、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)のためのメルカプトウンデカハイドロデカボレート(BSH)とペプチドとの複合体、その製造方法、およびそれを用いた癌の治療に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
水溶液中で疎水性アミノ酸残基と塩基性アミノ酸残基を含むペプチドとメルカプトウンデカハイドロデカボレート(BSH)を混合することを特徴とする、上記ペプチドとBSHを含む複合体の製造方法であって、上記ペプチドがA6KまたはA6Rであり、上記ペプチド1モルに対してBSH1モル~1000モルの割合で混合するものである方法。

【請求項2】
複合体の直径を調節することをさらに特徴とする、請求項1記載の方法。

【請求項3】
複合体が直径約20nm~約200nmの球状である請求項1または2記載の方法。

【請求項4】
疎水性アミノ酸残基と塩基性アミノ酸残基を含むペプチドとBSHを含む複合体であって、上記ペプチドがA6KまたはA6Rであり、直径が約20nm~約200nmの球形であり、がん細胞中に送達され滞留する複合体。

【請求項5】
請求項記載の複合体を含む、がんのホウ素中性子捕捉療法のための薬剤。

【請求項6】
がんのホウ素中性子捕捉療法に用いられる、請求項記載の複合体。

【請求項7】
がんのホウ素中性子捕捉療法のための薬剤を製造するための、請求項記載の複合体の使用。

【請求項8】
静脈注射剤または輸液剤である請求項記載の薬剤。

【請求項9】
静脈注射または輸液により投与される請求項記載の複合体。

【請求項10】
薬剤が静脈注射または輸液により投与される請求項記載の使用。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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