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IgG結合ペプチドを含む固相担体及びIgGの分離方法 UPDATE

国内特許コード P190016513
整理番号 (S2017-0101-N0)
掲載日 2019年11月25日
出願番号 特願2018-551692
出願日 平成29年11月17日(2017.11.17)
国際出願番号 JP2017041404
国際公開番号 WO2018092867
国際出願日 平成29年11月17日(2017.11.17)
国際公開日 平成30年5月24日(2018.5.24)
優先権データ
  • 特願2016-225483 (2016.11.18) JP
発明者
  • 伊東 祐二
  • 内村 誠一
出願人
  • 国立大学法人鹿児島大学
  • 株式会社ダイセル
発明の名称 IgG結合ペプチドを含む固相担体及びIgGの分離方法 UPDATE
発明の概要 本発明は、IgG精製のために用いることができ、かつ安定性、例えばアルカリ安定性に優れたIgG結合ペプチドを提供すること等を課題とする。また、本発明は、上記IgG結合ペプチドを用いてIgGを精製する方法等を提供することを課題とする。具体的には、本発明は、IgG結合ペプチドを含む固相担体、該固相担体を含むIgG分離用カラム、該固相担体又はカラムを含むキット、及び該固相担体又はカラムを用いるIgGの精製方法等に関する。
従来技術、競合技術の概要

IgG抗体は、現在最も注目されているバイオ医薬品の1つである。近年、IgG抗体を中心とした抗体医薬が、医薬分野に利用されるようになり、工業的、製薬的な利用における重要性がますます高まっている。抗体の精製にはプロテインAカラムが中心的な役割を果たしており、多くの抗体医薬の製造メーカは、このカラムを中心とした精製システムを導入している。

しかしながら、このプロテインAカラムは、いくつかの問題点が指摘されている。1つには、精製抗体中へのプロテインAの混入の問題である。プロテインAはバクテリア由来のタンパク質であり、人体投与後の免疫原性が高く、またエンドトキシンの混入が危惧される。IgGのような医薬品の精製に用いるアフィニティーリガンドとしては、不都合な物質の混入が起こらないよう、リガンドとしてのプロテインAには高い精製度が求められており、これが医薬品精製に利用するプロテインAカラムのコストを上げる要因になっている。このため、プロテインAに代わる新たなアフィニティーカラムの開発が期待されている。

本発明者らは、これまでにジスルフィド結合で環化された特定の配列を含むペプチドリガンドによりIgGを精製し得ることを報告しているが(特許文献1)、本ペプチドリガンドは、アルカリ溶液洗浄の繰り返しにより、親和性が低下するという問題を抱えていた。

産業上の利用分野

本発明は、IgG結合ペプチドを含む固相担体、該固相担体を含むIgG分離用カラム、該固相担体又はカラムを含むキット、及び該固相担体又はカラムを用いるIgGの精製方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヒトIgGと結合可能であることを特徴とするペプチドを固定化した固相担体であって、
前記ペプチドが、下記の式I:
(X1-3)-C-(X2)-H-(Xaa1)-G-(Xaa2)-L-V-W-C-(X1-3) (I)
(式中、Xの各々は独立的にシステイン以外の任意のアミノ酸残基であり、
Cはシステイン残基であり、
Hはヒスチジン残基であり、
Xaa1はアルギニン残基、リシン残基、ロイシン残基、若しくはアスパラギン残基、又はそれらの誘導体であり、
Gはグリシン残基であり、
Xaa2はグルタミン酸残基又はアスパラギン残基であり、
Lはロイシン残基であり、
Vはバリン残基であり、かつ
Wはトリプトファン残基である。)
によって表される、13~17アミノ酸残基からなるアミノ酸配列を含み、かつ前記ペプチドの外側の2つのシステイン残基中のスルフィド基が、以下の式:
【化1】
(省略)
で表されるリンカーからなる群より選択されるリンカーにより連結されており、ここでRは、置換された若しくは置換されていないC1~C6アルキルである、固相担体。

【請求項2】
前記ペプチドが、下記の式II:
(X1-3)-C-(Xaa3)-(Xaa4)-H-(Xaa1)-G-(Xaa2)-L-V-W-C-(X1-3) (II)
(式中、Xの各々は独立的にシステイン以外の任意のアミノ酸残基であり、
Cはシステイン残基であり、
Hはヒスチジン残基であり、
Xaa1はアルギニン残基、リシン残基、ロイシン残基、若しくはアスパラギン残基、又はそれらの誘導体であり、
Gはグリシン残基であり、
Xaa2はグルタミン酸残基又はアスパラギン残基であり、
Lはロイシン残基であり、
Vはバリン残基であり、
Wはトリプトファン残基であり、
Xaa3はアラニン残基、セリン残基又はトレオニン残基であり、かつ
Xaa4はチロシン残基又はトリプトファン残基である。)
によって表される、13~17アミノ酸残基からなるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の固相担体。

【請求項3】
前記ペプチドが、下記の式III:
(X1-3)-C-A-Y-H-(Xaa1)-G-E-L-V-W-C-(X1-3) (III)
(式中、Xの各々は独立的にシステイン以外の任意のアミノ酸残基であり、
Cはシステイン残基であり、
Aはアラニン残基であり、
Yはチロシン残基であり、
Hはヒスチジン残基であり、
Xaa1はアルギニン残基、リシン残基、ロイシン残基、若しくはアスパラギン残基、又はそれらの誘導体であり、
Gはグリシン残基であり、
Eはグルタミン酸残基であり、
Lはロイシン残基であり、
Vはバリン残基であり、かつ
Wはトリプトファン残基である。)
によって表される、13~17アミノ酸残基からなるアミノ酸配列を含む、請求項1又は2に記載の固相担体。

【請求項4】
17アミノ酸残基とした場合の、前記ペプチドのN末端から1~3、15~17番目の各アミノ酸残基が、
1番目のアミノ酸残基= S、G、F又は、なし
2番目のアミノ酸残基= D、G、A、S、P、ホモシステイン、又は、なし
3番目のアミノ酸残基= S、D、T、N、E又はR、
15番目のアミノ酸残基= S、T又はD、
16番目のアミノ酸残基= H、G、Y、T、N、D、F、ホモシステイン、又は、なし、
17番目のアミノ酸残基= Y、F、H、M又は、なし
である、請求項1~3のいずれか一項に記載の固相担体。

【請求項5】
前記ペプチドが、以下の1)~14)のいずれかのアミノ酸配列からなる、ただし、Xaa1はアルギニン残基、リシン残基、ロイシン残基、若しくはアスパラギン残基、又はそれらの誘導体であり、Xaa2はホモシステインである、請求項4に記載の固相担体:
1)DCAYH(Xaa1)GELVWCT(配列番号1)
2)GPDCAYH(Xaa1)GELVWCTFH(配列番号2)
3)RCAYH(Xaa1)GELVWCS(配列番号3)
4)GPRCAYH(Xaa1)GELVWCSFH(配列番号4)
5)SPDCAYH(Xaa1)GELVWCTFH(配列番号5)
6)GDDCAYH(Xaa1)GELVWCTFH(配列番号6)
7)GPSCAYH(Xaa1)GELVWCTFH(配列番号7)
8)GPDCAYH(Xaa1)GELVWCSFH(配列番号8)
9)GPDCAYH(Xaa1)GELVWCTHH(配列番号9)
10)GPDCAYH(Xaa1)GELVWCTFY(配列番号10)
11)SPDCAYH(Xaa1)GELVWCTFY(配列番号11)
12)SDDCAYH(Xaa1)GELVWCTFY(配列番号12)
13)RGNCAYH(Xaa1)GQLVWCTYH(配列番号13)
14)G(Xaa2)DCAYH(Xaa1)GELVWCT(Xaa2)H(配列番号14)。

【請求項6】
前記ペプチドが、下記の式IV:
D-C-(Xaa3)-(Xaa4)-H-(Xaa1)-G-(Xaa2)-L-V-W-C-T (IV)
(式中、
Dはアスパラギン酸残基であり、
Cはシステイン残基であり、
Hはヒスチジン残基であり、
Xaa1はアルギニン残基、リシン残基、ロイシン残基、若しくはアスパラギン残基、又はそれらの誘導体であり、
Gはグリシン残基であり、
Xaa2はグルタミン酸残基又はアスパラギン残基であり、
Lはロイシン残基であり、
Vはバリン残基であり、
Wはトリプトファン残基であり、
Tはトレオニン残基であり、
Xaa3はアラニン残基又はトレオニン残基であり、かつ、
Xaa4はチロシン残基又はトリプトファン残基である。)によって表される、13アミノ酸残基からなるアミノ酸配列を含む、請求項1又は2に記載の固相担体。

【請求項7】
前記ペプチドが、以下の1)~4)のいずれかのアミノ酸配列からなる、ただし、Xaa1はアルギニン残基、リシン残基、ロイシン残基、若しくはアスパラギン残基、又はそれらの誘導体である、請求項6に記載の固相担体:
1)DCTYH(Xaa1)GNLVWCT(配列番号15)
2)DCAYH(Xaa1)GNLVWCT(配列番号16)
3)DCTYH(Xaa1)GELVWCT(配列番号17)
4)DCAWH(Xaa1)GELVWCT(配列番号18)。

【請求項8】
ヒトIgGと結合可能であることを特徴とするペプチドを固定化した固相担体であって、
前記ペプチドが、下記の式V:
D-C-(Xaa2)-(Xaa3)-(Xaa4)-(Xaa1)-G-(Xaa5)-L-(Xaa6)-W-C-T (V)
(式中、
Dはアスパラギン酸残基であり、
Cはシステイン残基であり、
Gはグリシン残基であり、
Lはロイシン残基であり、
Wはトリプトファン残基であり、
Tはトレオニン残基であり、
Xaa1はアルギニン残基、リシン残基、ロイシン残基、若しくはアスパラギン残基、又はそれらの誘導体であり、
Xaa2はアラニン残基、セリン残基又はトレオニン残基であり、
Xaa3はトリプトファン残基又はチロシン残基であり、
Xaa4はヒスチジン残基、アルギニン残基、セリン残基又はトレオニン残基であり、
Xaa5はグルタミン酸残基、アスパラギン残基、アルギニン残基、又はアスパラギン酸残基であり、かつ
Xaa6はイソロイシン残基又はバリン残基である)によって表される、13アミノ酸残基からなるアミノ酸配列を含み、かつ前記ペプチドの外側の2つのシステイン残基中のスルフィド基が、以下の式:
【化2】
(省略)
で表されるリンカーからなる群より選択されるリンカーにより連結されており、ここでRは、置換された若しくは置換されていないC1~C6アルキルである、固相担体。

【請求項9】
Xaa1がアルギニン残基、リシン残基若しくはそのアシル化誘導体、又はロイシン残基である、請求項1~8のいずれか一項に記載の固相担体。

【請求項10】
前記ペプチドが、以下のアミノ酸配列からなる、請求項1に記載の固相担体:
GPDCAYHRGELVWCTFH(配列番号31)。

【請求項11】
前記リンカーが、
【化3】
(省略)
で表されるリンカーである、請求項1~10のいずれか一項に記載の固相担体。

【請求項12】
前記ペプチドのN末端がPEG化されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の固相担体。

【請求項13】
前記ペプチドのC末端がアミド化されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の固相担体。

【請求項14】
前記ペプチドが多量体化されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の固相担体。

【請求項15】
前記ペプチドの多量体が、該ペプチド間にスペーサーを有する、請求項14に記載の固相担体。

【請求項16】
前記ペプチドと固相の間にスペーサーを有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の固相担体。

【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の固相担体を含む、IgG分離用カラム。

【請求項18】
請求項1~16のいずれか一項に記載の固相担体又は請求項17に記載のIgG分離用カラムを含む、IgGの精製のためのキット。

【請求項19】
請求項1~16のいずれか一項に記載の固相担体又は請求項17に記載のIgG分離用カラムにIgGを結合させる工程、及び
結合したIgGを溶出させてIgGを回収する工程を含む、IgGの精製方法。
国際特許分類(IPC)
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