TOP > 国内特許検索 > 骨成長の促進特性を有する生体埋植材及びその製造方法

骨成長の促進特性を有する生体埋植材及びその製造方法 UPDATE

国内特許コード P190016527
整理番号 2042
掲載日 2019年12月11日
出願番号 特願2018-096756
公開番号 特開2019-201688
出願日 平成30年5月21日(2018.5.21)
公開日 令和元年11月28日(2019.11.28)
発明者
  • 塩澤 茉由子
  • 桑江 博之
  • 水野 潤
  • 魚島 勝美
  • 秋葉 陽介
出願人
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 骨成長の促進特性を有する生体埋植材及びその製造方法 UPDATE
発明の概要 【課題】 生体に埋植後、細胞増殖性及びオッセオインテグレーションが向上した生体埋植材を安定して提供するための製造方法、及び、該生体埋植材を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明者らは、鋭意研究し、チタン又はチタン合金の表面にナノメートルオーターの微細構造を精密に形成する方法を確立し、該微細構造を有する生体埋植材を製造することに成功した。その結果、体液流によって細胞が流されることなく生体埋植材表面で、再現性よく、細胞増殖性と早期のオッセオインテグレーション成立をもたらすことが可能であることを見出し、本発明を完成させた。また、前記微細構造の凹面を粗面とすることで、さらなる細胞増殖性と早期オッセオインテグレーション成立をもたらすことを見出した。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要

歯科及び整形外科等の領域で、傷害を有する骨及び歯等の治療にインプラントをはじめとした各種の生体埋植材が使用されている。これらの生体埋植材は、生体に埋植後、その表面にコラーゲン等の細胞外マトリクス成分が結合する。その後、オステオポンチン等の細胞接着成分が結合し、そこに骨芽細胞が接着し分化増殖し、骨化し最終的にヒドロキシアパタイトとして蓄積することによって、生体組織との結合を形成すると考えられている(非特許文献1、2)。

しかし、生体埋植材を傷害部位等に埋植し、埋植された生体埋植材が生体組織と結合するまで数十日~数か月を要するため、患者のQOLの向上のためには可及的に短期間で骨形成細胞が接着し分化増殖を経て生体組織と結合することが好ましい。

また、骨と結合するとしても、その結合力は生体埋植材の材質、表面特性、患者の状態及び術者の技術によって相違する。そこで、より生体組織とより強い骨結合力を安定して形成可能な生体埋植材が望まれている。このような生体組織との骨結合性を表す概念が、オッセオインテグレーションとして表される。

チタン又はチタン合金は、生体に対する安全性が高く、かつ、オッセオインテグレーションをもたらすため、生体埋植材の材料として汎用されている(非特許文献1、2)。また、このチタン又はチタン合金の表面をマイクロメートルオーダーとナノメートルオーダーの幅の周期溝を形成して粗面とすることにより、培養細胞を効率的に増殖できる(特許文献1)。

一方、埋植材の表面にマイクロメートルオーダーとナノメートルオーダーの幅の微細周期溝を形成すると、平坦な(plane)平面よりも細胞接着は低下するものの、マイクロメートルオーダーの幅の周期溝の方が、ナノメートルオーダーの幅の溝と比較して、より多くの細胞が溝に沿って配列して増殖することが知られている(非特許文献3)。

しかし、再現性良く安定した細胞増殖と、早期のオッセオインテグレーション成立をもたらす生体埋植材の表面加工法は確立されていなかった。

産業上の利用分野

本発明は、骨成長の促進特性を有する生体埋植材及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基材の外表面に金属からなる被覆層を有する生体埋植材の製造方法であって、
前記被覆層は、ナノメートルオーダーの周期的微細構造パターンを有し、
a. 基板上にイオンビームスパッタ法により基材層を成膜する工程、
b. 前記基材層上にエッチングマスクとして、紫外線硬化性樹脂を塗布し、紫外線硬化性樹脂層を形成する工程、
c. 紫外線ナノインプリト(UV-NIL)法により前記紫外線硬化性樹脂層に、レジストパターンを形成する工程、
d. 反応性イオンエッチング(RIE)法により前記レジストパターンに基づいたパターンを有する周期的微細構造パターンを前記基材層に形成する工程、
e. アッシングによりレジストパターンを除去する工程、及び、
f. 前記周期的微細構造パターンが形成された基材層上に、金属を含む被覆層を成膜する工程、
を含むことを特徴とする、製造方法。

【請求項2】
前記周期的微細構造パターンが凹構造を有し、該凹構造の該表面が粗面を有する生体埋植材の製造方法であって、
前記工程fが、
f. 前記周期的微細構造パターンが形成された基材層上に、結晶粒度1~20 nmの金属を含む被覆層を成膜し、前記周期的微細構造の微細凹面表面に粗面を形成する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
前記金属は、チタン若しくは酸化チタン又はそれらと他の金属との合金であり、結晶粒度が1~20 nmの範囲であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。

【請求項4】
前記基材層の材質が、チタン、チタン合金、パターン形成容易な金属、二酸化ケイ素(SiO2)、又はセラミックから選択されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項5】
前記金属からなる被覆層の成膜方法が、イオンビームスパッタ法(IBS)又は 電子ビーム(EB)蒸着法から選択されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項6】
基材の外表面に金属からなる被覆層を有し、前記被覆層は、ナノメートルオーダーの周期的な微細凹面構造を有し、該微細凹面構造の凹面の表面が粗面であることを特徴とする、生体埋植材。

【請求項7】
前記周期的微細構造が、平行線状(ライン&スペース形状)、格子状、メッシュ状、ハニカム状、ドット状及び/又はホール状に加工された周期的微細凹状構造であることを特徴とする、請求項6に記載の生体埋植材。

【請求項8】
前記周期的微細凹状構造は、幅が10~1000 nm、深さが10~1000 nm、ピッチが20~2000 nmの範囲から各々選択されることを特徴とする、請求項6又は7に記載の生体埋植材。

【請求項9】
前記金属は、チタン若しくは酸化チタン又はそれらと他の金属との合金から選択されることを特徴とする、請求項6~8のいずれか1項に記載の生体埋植材。

【請求項10】
前記基材層の材質が、チタン、チタン合金、パターン形成容易な金属、二酸化ケイ素(SiO2)、又はセラミックから選択されることを特徴とする、請求項6~9のいずれか1項に記載の生体埋植材。

【請求項11】
前記生体埋植材が、歯科用インプラント、顎骨インプラント、骨の補修及び安定化用のスクリュー、ピン及びプレート、脊椎インプラント、大腿骨インプラント、頸骨インプラント、膝関節インプラント、手関節インプラント、関節インプラント、(耳及び鼻インプラントなどの)顎顔面インプラント、傷害及び疾患により生じた症状のための四肢プロテーゼ、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項6~10のいずれか1項に記載の生体埋植材。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2018096756thum.jpg
出願権利状態 公開
技術導入、技術提携、実用化開発(受託研究・共同研究等)のご相談を承っております。お気軽にご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close