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金属ナノ粒子を液状化する方法 UPDATE

国内特許コード P200016538
整理番号 S2018-0601-N0
掲載日 2020年1月15日
出願番号 特願2018-089380
公開番号 特開2019-196506
出願日 平成30年5月7日(2018.5.7)
公開日 令和元年11月14日(2019.11.14)
発明者
  • 中西 英行
出願人
  • 国立大学法人京都工芸繊維大学
発明の名称 金属ナノ粒子を液状化する方法 UPDATE
発明の概要 【課題】金属ナノ粒子を容易に液状化する方法、及び、様々な基材に金属を容易に形成する方法の提供。
【解決手段】金属ナノ粒子を液状化する方法であって、
(1)前記金属ナノ粒子は、遷移金属ナノ粒子の表面に保護分子が被覆した表面保護金属ナノ粒子の状態で分散液中に分散され、
(2)前記表面保護金属ナノ粒子、金属ナノ粒子及び保護分子の間に成り立つ化学平衡の平衡点を保護分子の脱着の方向に移動させる工程を含み、
(3)前記平衡点を保護分子の脱着の方向に移動させる工程が、下記(a)及び/又は(b)の工程、
(a)前記保護分子の脱着平衡定数(Kd)を増大させる工程、
(b)前記化学平衡が成り立たない非平衡状態とする工程、
を含む方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

近年、モバイル機器をはじめとして電子機器が目覚ましい進歩を遂げている。電子機器は更なる小型・薄型・軽量化・フレキシブル化等が要求され、しかも生産性の向上も求められている。半導体デバイスをはじめとする電子部品に対する要求は厳しくなり、それらのデバイスの配線についても様々な工夫、改善がさらに必要とされている。
このような状況において、常温に近い温度において配線形成できる材料があれば、耐熱性のある材料のみならず、耐熱性のない各種有機材料も配線基板として用いることができる。インクジェットやディスペンサ印刷技術の進展により、現在ではナノサイズの金属微粒子がそのような材料の一つとして検討が進められている(例えば非特許文献1参照)。しかしながら、従来の金属微粒子は、焼結反応を利用して金属形成させているため、最低でも150℃程度の温度で処理しなければならず、その利用範囲は限られている。このような状況の下、さらなる低温で配線形成が可能な材料が求められている。
また、特許文献1には、シュウ酸銀とオレイルアミンを反応させて錯化合物を生成させ、これを加熱分解して銀超微粒子を得ることが開示されている。しかしながら、この銀超微粒子を用いて導電被膜等を形成する場合は焼結反応を利用するため、処理温度は500℃以下の高温で、使用範囲は狭い範囲に限られており、さらなる低温焼結可能な方法が求められている。
さらに、特許文献2には、被覆された金属ナノ粒子と分散溶媒とを含む金属ナノ粒子ペーストに、極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させて、金属ナノ粒子を焼結させ、基板上に配線形成する方法が開示されている。しかしながら、この方法も金属焼結を利用しているため、形成した配線の電気抵抗率が高くバラつきが大きいという問題点があり、また、低温焼結工法は基板への金属の付着強度が小さいという問題点もある。

産業上の利用分野

本発明は、金属ナノ粒子を液状化する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
金属ナノ粒子を液状化する方法であって、
(1)前記金属ナノ粒子は、遷移金属ナノ粒子の表面に保護分子が被覆した表面保護金属ナノ粒子の状態で分散液中に分散されており、
(2)前記表面保護金属ナノ粒子、金属ナノ粒子及び保護分子の間に、下記式(I)で表される化学平衡が成り立ち、
【化1】
(省略)
〔式中、(Site-PM)は保護分子が吸着している金属原子の吸着サイトを示し、(Site)は保護分子が吸着していない金属原子の吸着サイトを示し、(PM)は遊離の保護分子を示す。〕
前記化学平衡の平衡点を保護分子の脱着の方向に移動させる工程を含み、
(3)前記化学平衡の平衡点を保護分子の脱着の方向に移動させる工程が、下記(a)及び/又は(b)の工程
(a)前記分散液に含まれる分散媒を構成する種類及び/又はその構成割合を変える、及び/又は、前記分散液の温度を変えることにより、下記式(II):
Kd={[Site]eq[PM]eq}/[Site-PM]eq (II)
〔式中、[Site]eqは平衡状態における保護分子が吸着していない金属原子の吸着サイト濃度(mol/L)を示し、[PM]eqは平衡状態における遊離の保護分子の濃度(mol/L)を示し、[Site-PM]eqは平衡状態における保護分子が吸着している金属原子の吸着サイト濃度(mol/L)を示す。〕
で表される保護分子の脱着平衡定数(Kd)を増大させる工程、
(b)前記分散液に溶媒及び/又は表面保護金属ナノ粒子を添加し、前記式(II)における3つの濃度のうちの少なくとも1つを変化させて、前記式(I)の化学平衡が成り立たない非平衡状態とする工程、
を含む、金属ナノ粒子を液状化する方法。

【請求項2】
金属ナノ粒子を液状化する方法であって、
(1)前記金属ナノ粒子は、遷移金属ナノ粒子の表面に保護分子が被覆した表面保護金属ナノ粒子の状態で分散液中に分散されており、
(2)前記分散液を基材に塗布し、前記分散液が塗布された基材を溶媒に接触させる工程を含み、
(3)前記分散液が塗布された基材を溶媒に接触させた際に、前記表面保護金属ナノ粒子、金属ナノ粒子及び保護分子の間に、下記式(I)で表される化学平衡が成り立ち、
【化2】
(省略)
〔式中、(Site-PM)は保護分子が吸着している金属原子の吸着サイトを示し、(Site)は保護分子が吸着していない金属原子の吸着サイトを示し、(PM)は遊離の保護分子を示す。〕
前記化学平衡の平衡点を保護分子の脱着の方向に移動させる工程を含み、
(4)前記化学平衡の平衡点を保護分子の脱着の方向に移動させる工程が、下記(a’)及び/又は(b’)の工程
(a’)前記溶媒の種類及び/又はその構成割合を変える、及び/又は、前記溶媒及び/又は基材の温度を変えることにより、下記式(II):
Kd={[Site]eq[PM]eq}/[Site-PM]eq (II)
〔式中、[Site]eqは平衡状態における保護分子が吸着していない金属原子の吸着サイト濃度(mol/L)を示し、[PM]eqは平衡状態における遊離の保護分子の濃度(mol/L)を示し、[Site-PM]eqは平衡状態における保護分子が吸着している金属原子の吸着サイト濃度(mol/L)を示す。〕
で表される保護分子の脱着平衡定数(Kd)を増大させる工程、
(b’)前記溶媒に、溶媒及び/又は表面保護金属ナノ粒子を添加して、前記式(II)における3つの濃度のうちの少なくとも1つを変化させて、前記式(I)の化学平衡が成り立たない非平衡状態とする工程、
を含む、金属ナノ粒子を液状化する方法。

【請求項3】
前記金属ナノ粒子の平均粒径が1~30nmである請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
前記遷移金属ナノ粒子を構成する遷移金属は、周期表第10族~第11族で且つ第4周期~第6周期に属する元素の少なくとも一種である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】
前記遷移金属ナノ粒子を構成する遷移金属は、金、銀、銅、白金及びパラジウムからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。

【請求項6】
前記保護分子は、アミノ基及びカルボキシル基の少なくとも一種を含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。

【請求項7】
基材に金属を形成する方法であって、
(1)金属ナノ粒子を含有する分散液に、基材を接触させる工程を含み、
(2)前記金属ナノ粒子は、遷移金属ナノ粒子の表面に保護分子が被覆した表面保護金属ナノ粒子の状態で前記分散液中に分散されており、
(3)前記表面保護金属ナノ粒子、金属ナノ粒子及び保護分子の間に、下記式(I)で表される化学平衡が成り立ち、
【化3】
(省略)
〔式中、(Site-PM)は保護分子が吸着している金属原子の吸着サイトを示し、(Site)は保護分子が吸着していない金属原子の吸着サイトを示し、(PM)は遊離の保護分子を示す。〕
前記化学平衡の平衡点を保護分子の脱着の方向に移動させる工程を含み、
(4)前記化学平衡の平衡点を保護分子の脱着の方向に移動させる工程が、下記(a)及び/又は(b)の工程
(a)前記分散液に含まれる分散媒を構成する種類及び/又はその構成割合を変える、及び/又は、前記分散液の温度を変えることにより、下記式(II):
Kd={[Site]eq[PM]eq}/[Site-PM]eq (II)
〔式中、[Site]eqは平衡状態における保護分子が吸着していない金属原子の吸着サイト濃度(mol/L)を示し、[PM]eqは平衡状態における遊離の保護分子の濃度(mol/L)を示し、[Site-PM]eqは平衡状態における保護分子が吸着している金属原子の吸着サイト濃度(mol/L)を示す。〕
で表される保護分子の脱着平衡定数(Kd)を増大させる工程、
(b)前記分散液に溶媒及び/又は表面保護金属ナノ粒子を添加し、前記式(II)における3つの濃度のうちの少なくとも1つを変化させて、前記式(I)の化学平衡が成り立たない非平衡状態とする工程、
を含む、基材に金属を形成する方法。

【請求項8】
基材に金属を形成する方法であって、
(1)金属ナノ粒子を含有する分散液を基材に塗布し、前記分散液が塗布された基材を溶媒に接触させる工程を含み、
(2)前記金属ナノ粒子は、遷移金属ナノ粒子の表面に保護分子が被覆した表面保護金属ナノ粒子の状態で前記分散液中に分散されており、
(3)前記分散液が塗布された基材を溶媒に接触させた際に、前記表面保護金属ナノ粒子、金属ナノ粒子及び保護分子の間に、下記式(I)で表される化学平衡が成り立ち、
【化4】
(省略)
〔式中、(Site-PM)は保護分子が吸着している金属原子の吸着サイトを示し、(Site)は保護分子が吸着していない金属原子の吸着サイトを示し、(PM)は遊離の保護分子を示す。〕
前記化学平衡の平衡点を保護分子の脱着の方向に移動させる工程を含み、
(4)前記化学平衡の平衡点を保護分子の脱着の方向に移動させる工程が、下記(a’)及び/又は(b’)の工程
(a’)前記溶媒の種類及び/又はその構成割合を変える、及び/又は、前記溶媒及び/又は基材の温度を変えることにより、下記式(II):
Kd={[Site]eq[PM]eq}/[Site-PM]eq (II)
〔式中、[Site]eqは平衡状態における保護分子が吸着していない金属原子の吸着サイト濃度(mol/L)を示し、[PM]eqは平衡状態における遊離の保護分子の濃度(mol/L)を示し、[Site-PM]eqは平衡状態における保護分子が吸着している金属原子の吸着サイト濃度(mol/L)を示す。〕
で表される保護分子の脱着平衡定数(Kd)を増大させる工程、
(b’)前記溶媒に、溶媒及び/又は表面保護金属ナノ粒子を添加して、前記式(II)における3つの濃度のうちの少なくとも1つを変化させて、前記式(I)の化学平衡が成り立たない非平衡状態とする工程、
を含む、基材に金属を形成する方法。

【請求項9】
金、銀、銅、白金及びパラジウムからなる群から選択される少なくとも一種から構成され、平均粒径が1~30nmである金属ナノ粒子の表面に、
アミノ基及びカルボキシル基の少なくとも一種を含有する保護分子が被覆した表面保護金属ナノ粒子が、
無極性溶媒を含む分散媒に分散されている分散液。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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