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二本鎖核酸分子、DNA、ベクター、がん細胞増殖抑制剤、医薬、及びSPON1-TRIM29融合遺伝子の利用 NEW

国内特許コード P200016540
整理番号 S2018-0530-N0
掲載日 2020年1月15日
出願番号 特願2018-094774
公開番号 特開2019-198271
出願日 平成30年5月16日(2018.5.16)
公開日 令和元年11月21日(2019.11.21)
発明者
  • 井上 聡
  • 池田 和博
  • 井上 公仁子
  • 長澤 さや
  • 長谷川 幸清
出願人
  • 学校法人埼玉医科大学
発明の名称 二本鎖核酸分子、DNA、ベクター、がん細胞増殖抑制剤、医薬、及びSPON1-TRIM29融合遺伝子の利用 NEW
発明の概要 【課題】がん細胞の増殖を効果的に抑制することができ、がんの予防及び/又は治療に用いる二本鎖核酸分子の提供。前記二本鎖核酸分子、前記二本鎖核酸分子をコードする配列を含むDNA、前記DNAを含むベクター、の少なくともいずれかを含むがん細胞増殖抑制剤、前記がん細胞増殖抑制剤を含む医薬、卵巣がん細胞の増殖能を判定する方法、卵巣がん個体の卵巣がん治療薬に対する抵抗性を判定する方法、及び、卵巣がん個体における前記医薬の有効性を判定する方法、の提供。
【解決手段】(a)特定のヌクレオチド配列を含むセンス鎖、(b)前記(a)のセンス鎖と二本鎖を形成する該センス鎖に相補的なヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖、とを含むSPON1遺伝子、及び、TRIM29遺伝子との融合遺伝子であるSPON1-TRIM29融合遺伝子の発現を抑制するための二本鎖核酸分子。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

卵巣がんは最も致死率が高い婦人科がんであり、年間約4,500人の日本人女性が死亡している。卵巣がんは、初期には症状に乏しく、多くは進行がんとして発見され、その場合の5年生存率は30%以下に留まる。卵巣がん特異的な腫瘍マーカーや超音波検査の至適実施時期など、卵巣がんの有効なサーベイランス方法は未だに確立されていない。

卵巣がんは主に高異型度漿液性がん、明細胞がん、類内膜がん、粘液性がんの4組織型に分類され、本邦での発生頻度はそれぞれ36%、24%、17%、11%である。レジメンの改善により卵巣がんの予後は改善しつつあるが、特に明細胞がんと粘液性がんは化学療法耐性が知られており、依然として予後不良である。また、漿液性がんと類内膜がんは化学療法感受性が比較的高いが、6割以上が再発するとも言われている。近年では、分子標的治療薬や免疫療法の開発が行われるなど、難治性及び化学療法耐性の卵巣がんに対する新たな治療法の開発は急務となっている。

これまでに、卵巣がんにおいて、組織特異的な遺伝子変異の報告がされている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、詳細な分子メカニズムや治療対象になりうる標的遺伝子は未だに明らかになっていない。

高異型度漿液性がんでは、TP53やBRCA1/2の遺伝子変異が多いことが知られており、これによりゲノム不安定性が生じるとされる。ゲノムの再構築により複数の遺伝子が連結されて生じる新たな遺伝子を融合遺伝子といい、融合遺伝子から産生される異常なタンパク質は細胞増殖シグナルを活性化する、あるいは細胞分化シグナルを抑制することで腫瘍化の原因となりうる。卵巣がんでも融合遺伝子の報告は幾つかされている(例えば、非特許文献2及び3参照)。しかしながら、診断及び治療意義のある融合遺伝子は不明であるのが現状である。

以上のように、従来の技術だけでは限界があり、腫瘍マーカー、診断、治療標的、治療法選択にあたってのバイオマーカー、創薬などに用い得る技術の速やかな開発が強く求められている。

産業上の利用分野

本発明は、がん、特に卵巣がんの予防乃至治療に好適に用いることができる二本鎖核酸分子、前記二本鎖核酸分子をコードする配列を含むDNA、前記DNAを含むベクター、前記二本鎖核酸分子、DNA、及びベクターの少なくともいずれかを含むがん細胞増殖抑制剤、及び前記がん細胞増殖抑制剤を含む医薬、並びにSPON1-TRIM29融合遺伝子の存在の有無を指標とする、卵巣がん細胞の増殖能を判定する方法、卵巣がん個体の卵巣がん治療薬に対する抵抗性を判定する方法、及び卵巣がん個体における前記医薬の有効性を判定する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
SPON1遺伝子と、TRIM29遺伝子との融合遺伝子であるSPON1-TRIM29融合遺伝子の発現を抑制するための二本鎖核酸分子であって、
(a)配列番号:1~配列番号:5のいずれかで表される標的配列に対応するヌクレオチド配列を含むセンス鎖と、
(b)前記(a)のセンス鎖と二本鎖を形成する該センス鎖に相補的なヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖とを含むことを特徴とする二本鎖核酸分子。

【請求項2】
前記センス鎖が、配列番号:1~配列番号:3のいずれかで表される標的配列に対応するヌクレオチド配列を含むセンス鎖である請求項1に記載の二本鎖核酸分子。

【請求項3】
前記センス鎖が、配列番号:1~配列番号:2のいずれかで表される標的配列に対応するヌクレオチド配列を含むセンス鎖である請求項1から2のいずれかに記載の二本鎖核酸分子。

【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の二本鎖核酸分子をコードするヌクレオチド配列を含むことを特徴とするDNA。

【請求項5】
請求項4に記載のDNAを含むことを特徴とするベクター。

【請求項6】
請求項1から3のいずれかに記載の二本鎖核酸分子、請求項4に記載のDNA、及び請求項5に記載のベクターの少なくともいずれかを含むことを特徴とするがん細胞増殖抑制剤。

【請求項7】
がんを予防乃至治療するための医薬であって、請求項6に記載のがん細胞増殖抑制剤を含むことを特徴とする医薬。

【請求項8】
卵巣がん細胞の増殖能を判定する方法であって、
個体から調製した試料中におけるSPON1遺伝子と、TRIM29遺伝子との融合遺伝子であるSPON1-TRIM29融合遺伝子を検出する工程と、
前記試料中に前記SPON1-TRIM29融合遺伝子が検出された場合には、前記SPON1-TRIM29融合遺伝子が検出されない細胞と比べて、卵巣がん細胞の増殖が亢進すると判定する工程とを含むことを特徴とする方法。

【請求項9】
卵巣がん個体の卵巣がん治療薬に対する抵抗性を判定する方法であって、
個体から調製した試料中におけるSPON1遺伝子と、TRIM29遺伝子との融合遺伝子であるSPON1-TRIM29融合遺伝子を検出する工程と、
前記試料中に前記SPON1-TRIM29融合遺伝子が検出された場合には、卵巣がん治療薬に対する抵抗性を有すると判定する工程とを含むことを特徴とする方法。

【請求項10】
卵巣がん個体における請求項7に記載の医薬の有効性を判定する方法であって、
個体から調製した試料中におけるSPON1遺伝子と、TRIM29遺伝子との融合遺伝子であるSPON1-TRIM29融合遺伝子を検出する工程と、
前記試料中に前記SPON1-TRIM29融合遺伝子が検出された場合には、請求項7に記載の医薬が有効であると判定する工程とを含むことを特徴とする方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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