TOP > 国内特許検索 > プラズマ発生装置、プラズマスパッタリング装置及びプラズマスパッタリング方法

プラズマ発生装置、プラズマスパッタリング装置及びプラズマスパッタリング方法 NEW

国内特許コード P200016546
整理番号 (S2017-0320-N0)
掲載日 2020年1月15日
出願番号 特願2018-565548
出願日 平成30年1月30日(2018.1.30)
国際出願番号 JP2018002876
国際公開番号 WO2018143164
国際出願日 平成30年1月30日(2018.1.30)
国際公開日 平成30年8月9日(2018.8.9)
優先権データ
  • 特願2017-015548 (2017.1.31) JP
発明者
  • 高橋 和貴
  • 福島 潤
  • 安藤 晃
  • 佐々木 保正
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 プラズマ発生装置、プラズマスパッタリング装置及びプラズマスパッタリング方法 NEW
発明の概要 本発明は、内径が拡大し端部または側部にガス導入口を備えた絶縁管、静磁場を印加可能な第1の電磁石または永久磁石群及び高周波アンテナを有した1個または複数個のプラズマ発生装置と、前記プラズマ発生装置の下流域に配設された、湾曲した磁力線構造を形成可能な第2の電磁石と、永久磁石を埋没しかつ冷却機構を備えた直流または高周波電圧印加可能なターゲット機構と、ターゲット機構に対向する基板ステージと、基板ステージ周囲の第2の永久磁石群と、ターゲット材料とターゲット機構の間の断熱機構とを備えていることを特徴とするプラズマスパッタリング装置に関する。本発明のプラズマスパッタリング装置は、基板ダメージがなく、ターゲット材の昇温機構を兼ね備え、大口径基板への均一成膜が可能であり、磁性体ターゲットにおいても薄膜形成が可能な高速スパッタリングが可能である。
従来技術、競合技術の概要

半導体デバイス、磁気記録デバイスなどの製造分野においては、薄膜形成装置として、プラズマ中のイオンをターゲット材へ引き込み、イオン衝撃により飛散する粒子を基板表面に堆積させるスパッタ装置が広く利用されている。単位時間あたりにスパッタされるターゲット材の厚さは引き込むイオン電流、すなわちターゲット材表面のイオン密度に比例関係にあることから、産業的に生産性を確保する高速スパッタ装置を実現するためには、高密度プラズマをターゲット近傍に生成する必要がある。

デバイスの微細化の進展または薄膜結晶の高品質化の要求が高まるにつれて、基板へのイオンダメージが大きな問題となり、幅広く使用されているマグネトロンスパッタ法では、ターゲット材と基板の間に直接プラズマを形成するため、イオンダメージの回避が困難であり、高密度プラズマ生成時にはこの問題が顕著化してしまう。またプラズマ生成のための放電とイオン引き込みを同一の電源で同時に行うため、ターゲット材へ流入するイオン量とそのエネルギーを独立に制御することが不可能である。また、マグネトロンスパッタ法では、ターゲット表面に存在する漏れ磁束でプラズマ閉じ込めを行うため、磁性体ターゲットにおいては使用が困難である。

プラズマ生成とイオン引き込みを独立に制御可能なスパッタ装置として、誘導結合性プラズマ源またはヘリコン波プラズマ源内部に基板とターゲットを挿入したスパッタ装置が開示されている(特開2003-289070号公報;特許文献1)。この方式では基板が直接プラズマに曝されるため、基板へのイオンダメージを回避することは困難であり、その対策については言及されていない。

ダメージフリースパッタ装置として、例えばヘリコン波励起スパッタ装置が開示されている(特開2002-329669号公報;特許文献2)。一般にプラズマ生成部とイオン引き込みを別途用意するこのような方式においては、最もスパッタ効率の良いと考えられるターゲットと基板を対向に設置した配置を取ることが困難である。

基板にプラズマが流入する場合、基板へ流入するイオンエネルギーは基板前面に発生するシース構造の電位降下で決定されるため、結果として高エネルギーイオンが基板へ流入し損傷を引き起こすと考えられる。この電位降下は電子温度によって決定されるため、基板表面での電子温度を低下させる必要がある。
これまでにプラズマの流れ方向に垂直に磁力線を印加する磁気フィルタ方式を採用することで電子温度を低下させる手法は開示されているが(特開2005-183062号公報;特許文献3)、スパッタリング装置において基板へ流入するイオンエネルギーに関しては一切言及されていない。

ヘリコン波励起プラズマス発生装置及び誘導結合性プラズマ発生装置では、一般的に円筒状の絶縁管内でプラズマを生成する特徴を有している(例えば、特許文献1及び特許第3224443号公報;特許文献4)。このような円筒状絶縁管の内部にて高周波電磁場により高密度プラズマを発生した際に、絶縁管内壁へのプラズマの損失を抑制することは困難であり、プラズマ源の下流域で高密度プラズマを維持することが困難である。さらにプラズマの高密度化及び大電力化を進めた際には、中性粒子枯渇と呼ばれる現象に起因してプラズマ分布が変化するために損失が顕著になり、プラズマ源の下流域のプラズマ密度が減少することも報告されている(非特許文献1及び2)。

プラズマ源の下流域において高密度プラズマを維持する手法として、ターゲット背面に永久磁石を設置し収束磁場を形成することでプラズマを収束する手法がこれまでに開示されている(特開2015-135883号公報;特許文献5)。

また、プラズマスパッタリング法では、基板上への成膜レートや形成される薄膜特性が、ターゲット温度に応じて変化することが明らかであり、広範な範囲でターゲット表面温度を制御することが求められる。さらに、ターゲット材料の昇温により蒸着現象が起こる場合には、成膜の高速化が可能であり(非特許文献3)、ターゲット材料が昇温により昇華する材料の場合には、固体ターゲットからの昇華現象によりさらに高速成膜が可能となる。

プラズマスパッタリングにより薄膜デバイスの生産性を確保するためには、一連のプロセスを比較的大口径のウエハに対して高速で実施することが可能なプラズマスパッタリング装置の開発が必要とされている。

形成されるプラズマ密度の分布は、中性ガスの電離度によって変化することが知られており(非特許文献1及び2)、反応性ガスを用いたスパッタ方式においては、導入するガス種によってプラズマ分布が大きく変化すると考えられる。したがって、例えば特許文献1及び2に記載のスパッタリング装置では、導入するガス種に応じてプラズマ生成部の設計を調整する必要があり、生産性、スパッタリング装置の汎用性という観点から改良の余地がある。

特許文献1及び4記載のプラズマスパッタリング装置及びプラズマ発生方式では、プラズマ源の下流域において高密度プラズマを維持できないという問題点があり、基板ダメージを抑制するためにプラズマ生成部とスパッタ部を別途用意するプラズマスパッタリング装置においては、高速スパッタリングを実現することが困難である。

特許文献2のプラズマスパッタリング装置では、直線状の磁力線に沿ってプラズマがターゲット領域へと輸送されるため、基板配置角度に制限があり、最もスパッタリング効率が良いとされる基板とターゲット材を対向に配置することが困難である。

特許文献2、4、5のプラズマスパッタリング装置においては、基板前面のシース構造形成による高エネルギーイオン流入を避けることが困難であり、基板へのイオンダメージを抑制する必要がある。

特許文献1、2、4、及び5のプラズマスパッタリング装置においては、ターゲット材の昇温機構を備えておらず、種々のターゲット材の最適プロセスへと対応することができない。

特許文献1、2、4、及び5のプラズマスパッタリング装置においては、単一のプラズマ源のみを有しており、生産性を考慮した大口径基板への均一成膜のためのプラズマ密度分布調整がプラズマ源の設計のみで決定されるため、プロセスガス種によって生じる分布の変化への柔軟な対応が困難である。

産業上の利用分野

本発明は、プラズマ発生装置、プラズマスパッタリング装置及びプラズマスパッタリング方法に関する。さらに詳しく言えば、高周波電力供給装置を備えたプラズマ発生装置と静磁場印加機構を備えたプラズマ制御装置とプラズマによるターゲット加熱機構とターゲット機構に対向する基板ステージを備えたプラズマスパッタリング装置、及びその装置を用いたプラズマスパッタリング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
内径が拡大し端部または側部にガス導入口を備えた絶縁管、静磁場を印加可能な第1の電磁石または永久磁石群及び高周波アンテナを有した1個または複数個のプラズマ発生装置により1個または複数個のプラズマを発生させ、下流域に配設された第2の電磁石による湾曲した磁力線構造によりプラズマを真空層へ流してターゲット近傍に局所化し、前記ターゲットへイオンを引き込むことを特徴とするプラズマスパッタリング方法。

【請求項2】
前記ターゲットへイオンを引き込む際に、ターゲット材へ流入するイオンエネルギーにより昇温させる請求項1に記載のプラズマスパッタリング方法。

【請求項3】
基板ステージ近傍の永久磁石による磁力線構造によって、ターゲット機構に対向する前記基板ステージへのイオン入射エネルギーを抑制して成膜する請求項1または2に記載のプラズマスパッタリング方法。

【請求項4】
プラズマ発生装置からターゲットへの湾曲した磁力線と干渉しない位置、またはその位置よりもターゲットから離れた位置へ基板を設置し、基板へのプラズマダメージを抑制する請求項1~3のいずれかに記載のプラズマスパッタリング方法。

【請求項5】
プラズマ発生装置と同等またはそれ以上の面積を有するターゲットを配置し、ターゲット材料以外へのイオン照射を抑制する請求項1~4のいずれかに記載のプラズマスパッタリング方法。

【請求項6】
内径が拡大し端部または側部にガス導入口を備えた絶縁管、静磁場を印加可能な第1の電磁石または永久磁石群及び高周波アンテナを有した1個または複数個のプラズマ発生装置と、前記プラズマ発生装置の下流域に配設された、湾曲した磁力線構造を形成する第2の電磁石と、ターゲット機構と、ターゲット機構に対向する基板ステージとを備えていることを特徴とするプラズマスパッタリング装置。

【請求項7】
前記ターゲット機構に、永久磁石が埋設され、直流または高周波電圧印加可能である請求項6に記載のプラズマスパッタリング装置。

【請求項8】
前記ターゲット機構が冷却機構を有する請求項6または7に記載のプラズマスパッタリング装置。

【請求項9】
ターゲット材料と前記ターゲット機構の間に断熱機構を有する請求項6~8のいずれかに記載のプラズマスパッタリング装置。

【請求項10】
前記基板ステージ周囲に第2の永久磁石群を有する請求項6~9のいずれかに記載のプラズマスパッタリング装置。

【請求項11】
前記第1の電磁石及び第2の電磁石または永久磁石を埋没したターゲット機構によって形成される湾曲した磁力線構造と干渉しない位置、またはその位置よりもターゲットから離れた位置へ基板を設置した請求項6~10のいずれかに記載のプラズマスパッタリング装置。

【請求項12】
プラズマ発生装置と同等またはそれ以上の面積を有するターゲットを配置し、ターゲット材料以外へのイオン照射を抑制する請求項6~11のいずれかに記載のプラズマスパッタリング装置。

【請求項13】
前記第1の電磁石または第1の永久磁石群が前記絶縁管の長手方向の静磁場を印加可能であり、前記高周波電力供給装置が周波数2MHz~100MHz帯の高周波電力供給装置であり、前記絶縁管周囲に誘導結合性高周波アンテナが設置されている請求項6~12のいずれかに記載のプラズマスパッタリング装置。

【請求項14】
基板ステージ周囲の第2の永久磁石群が、基板表面に平行方向の静磁場を印加可能な永久磁石群である請求項10~13のいずれかに記載のプラズマスパッタリング装置。

【請求項15】
第2の電磁石の励磁電流を時間的に変動させる手段を有する請求項6~14のいずれかに記載のプラズマスパッタリング装置。

【請求項16】
内径が拡大し端部または側部にガス導入口を備えた絶縁管と、前記絶縁管の静磁場を印加可能な第1の電磁石または第1の永久磁石群と、2MHz~100MHz帯の周波数を有する高周波電力供給装置と、前記絶縁管周囲に設置された誘導結合性高周波アンテナとを備えていることを特徴とするプラズマ発生装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2018565548thum.jpg
出願権利状態 公開
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close