TOP > 国内特許検索 > リポソームの製造方法および製造装置

リポソームの製造方法および製造装置 NEW 新技術説明会

国内特許コード P200016550
整理番号 (FU-316)
掲載日 2020年1月15日
出願番号 特願2019-088434
公開番号 特開2019-198860
出願日 令和元年5月8日(2019.5.8)
公開日 令和元年11月21日(2019.11.21)
優先権データ
  • 特願2018-091759 (2018.5.10) JP
発明者
  • 三島 健司
  • シャーミン タンジナ
  • 徳永 真一
出願人
  • 学校法人福岡大学
発明の名称 リポソームの製造方法および製造装置 NEW 新技術説明会
発明の概要 【課題】有機溶剤の残存を回避し得る、リポソームの製造方法および製造装置を提供すること。
【解決手段】リポソームの製造方法を開示する。この製造方法は、密閉容器内において、二酸化炭素流体および水を含有するバッチ混合物の存在下でリン脂質を含む原料に超音波を照射する工程を含み、該超音波が、該密閉容器内で鉛直方向に指向するように取り付けられた超音波振動子の振動部分から、該原料および該バッチ混合物に対して直接的かつ一軸方向に照射される。リポソームの製造装置もまた開示する。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要

リポソームは、両親媒性脂質(例えば、リン脂質)の二分子膜からなる閉鎖小胞構造を有する。リポソームは、例えば、この構造形態から、優れた薬物キャリアとして薬物送達システム(DDS)に用いられ得る。

従来、リポソームの調製には、有機溶剤を用いる方法が多数知られている。このような調製のための具体的な方法として、例えば、(1)リン脂質をクロロホルム、エーテルなどの有機溶剤に溶解させた後、減圧乾燥により有機溶剤を留去して脂質薄膜を形成させ、得られた脂質薄膜を機械的撹拌により水または緩衝液により水和させてリポソームを調製する方法;(2)リン脂質をエーテルあるいはアルコールなどの有機溶剤に完全に溶解させ、これを高温の水または緩衝液に加え、有機溶剤が除去される、あるいは希釈されることによりリン脂質が二重層(ベシクル状)を形成し、リポソームを調製する方法;および(3)リン脂質を溶解した有機溶剤を水相に加え超音波照射し、いったん油中水(W/O)型エマルジョンを形成し、ついで有機溶剤を除去することによりゲル化させ、このゲルを機械的撹拌により転相を起こしリポソームを調製する方法などが挙げられる。

一方、超臨界二酸化炭素を用いたリポソームの製造について報告がある(非特許文献1)。非特許文献1においては、一旦リン脂質を有機溶剤であるエタノールに溶解した溶液を、超臨界二酸化炭素が水と相分離した高圧容器内に添加している。これにより、有機溶剤は超臨界二酸化炭素に吸収され、他方、リン脂質は別途添加された水滴と接触され、最終的に、超臨界二酸化炭素相の下にある水相内でリポソームが調製される。この場合においても、リポソームの調製に有機溶剤が重要な役割を果たす。さらに、二酸化炭素と超音波を併用したリポソーム調製法について報告がある(特許文献1~2)。特許文献1~2には、密閉したセル内に二酸化炭素、リン脂質、水等を入れて、超音波照射を行うことが記載されている。二酸化炭素と超音波とを併用する方法では、超音波振動子が密閉された高圧セル内に超音波を照射するように設置される。このような設置として、従来、超音波振動子を高圧セルの壁に貼り付ける固定型で固定されていた。しかし、このような固定型の振動子では高圧セル内で振動エネルギーが分散して減衰が大きく、二酸化炭素と水との界面に振動が届かず、ミクロ相分離を誘起できず、リポソームの量産化にはなお改良の余地があった。

上記で使用されるクロロホルム、エーテルなどの有機溶剤は人体にとって有害であり、そのような有機溶剤を用いる方法では、調製されたリポソームを含む水溶液内に有機溶剤などが残存している可能性があることから、人体への投与について安全性に不安が生じ得る。また、リポソームの原料となるリン脂質は、水に溶解しにくく、有機溶媒と水が作る界面に膜を作る性質がある。このため、水の有機溶媒の大きな界面が実現できない従来の装置では、量産化が困難であった。二酸化炭素と超音波を併用したリポソーム調製法においても、リポソームの調製時間や生産量に関してなお改善が求められている。

産業上の利用分野

本発明は、リポソームの製造方法および製造装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
リポソームの製造方法であって、
密閉容器内において、二酸化炭素流体および水を含有するバッチ混合物の存在下でリン脂質を含む原料に超音波を照射する工程
を含み、
該超音波が、該密閉容器内で鉛直方向に指向するように取り付けられた超音波振動子の振動部分から、該原料および該バッチ混合物に対して直接的かつ一軸方向に照射される、方法。

【請求項2】
前記超音波の照射が常圧よりも高い圧力下で行われる、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記常圧よりも高い圧力が5MPa~8MPaである、請求項2に記載の方法。

【請求項4】
前記超音波振動子の前記振動部分が前記密閉容器内の略中央に鉛直方向に指向して配置されている、請求項1から3のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
前記超音波振動子の前記振動部分が超音波振動ホーンである、請求項1から4のいずれかに記載の方法。

【請求項6】
前記原料が、リポソームへの内包を目的とする内包物質をさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。

【請求項7】
前記リン脂質が、親水性ポリマーで修飾されたリン脂質を含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。

【請求項8】
前記密閉容器内に有機溶剤を含んでいない、請求項1から7のいずれかに記載の方法。

【請求項9】
リポソームの製造装置であって、
二酸化炭素流体および水を含有するバッチ混合物ならびにリン脂質を含む原料を含む密閉可能な容器と、
該密閉可能な容器に取り付けられたホーン型超音波振動子であって、該ホーン型超音波振動子の振動部分が該密閉可能な容器内に貫設されておりかつ鉛直方向に指向して配置されている、ホーン型超音波振動子とを備える、装置。

【請求項10】
前記ホーン型超音波振動子の前記振動部分が、前記密閉可能な容器内の略中央に鉛直方向に指向して配置されている、請求項9に記載の装置。

【請求項11】
前記ホーン型超音波振動子の前記振動部分が超音波振動ホーンである、請求項9または10に記載の装置。

【請求項12】
前記密閉可能な容器が、前記二酸化炭素流体を該密閉可能な容器に供給する供給管を備え、該供給管に該二酸化炭素流体の供給を制御するバルブが設けられている、請求項11に記載の装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2019088434thum.jpg
出願権利状態 公開
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、「問合せ先」まで直接お問合せ下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close