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(In Japanese)標的物質と親和性の高い物質をスクリーニングする方法

Patent code P200016556
File No. (S2017-0313-N0)
Posted date Jan 15, 2020
Application number P2018-566091
Date of filing Feb 1, 2018
International application number JP2018003442
International publication number WO2018143357
Date of international filing Feb 1, 2018
Date of international publication Aug 9, 2018
Priority data
  • P2017-016609 (Feb 1, 2017) JP
Inventor
  • (In Japanese)瀬藤 光利
  • (In Japanese)近藤 豪
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人浜松医科大学
Title (In Japanese)標的物質と親和性の高い物質をスクリーニングする方法
Abstract (In Japanese)標的物質と候補物質を含む試料を接触させた測定用試料を調製する工程と、前記測定用試料に対して、前記標的物質をマトリクスとしたMALDI法を用いたイメージング質量分析法を行い、イオン化された分子を同定する工程と、前記同定した分子を、前記標的物質との親和性の高い物質であると選出する工程と、を有する、標的物質と親和性の高い物質をスクリーニングする方法。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

医薬品開発においては、莫大な化合物ライブラリから期待する治療効果をもつ化合物を効率的に選出することが重要である。このためには、評価項目はシンプルであればあるほど良い。例えば、様々な生理機能が複雑に影響しあっている動物個体を対象にして、候補化合物による治療効果をスクリーニングするよりも、より生理機能のシンプルな細胞を対象にするほうが好ましい。さらに、治療効果に直接関与している分子のレベルで相互作用を解析できるほうが、目的の治療効果を持つ化合物をより効率的に選出できる。とりわけ精神神経疾患治療薬のような生体の高次機能に影響するものについては、個別に動物の行動実験で評価することは多大な時間と投資、労力が要求されるため、信頼性の高いエビデンスに基づいた分子標的とその評価法が求められる。

従来、分子間相互作用の評価方法としては、免疫沈降法等のアフィニティ精製とウエスタンブロットや質量分析のような検出系との組み合わせ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のようなイメージング技術を用いた方法、表面プラズモン共鳴解析や熱量変化解析、高磁場核磁気共鳴(NMR)などのスペクトル解析などにより行なわれるのが一般的である。これらの方法では、高い純度の試料、高品質な抗体、プローブの作製、同位体ラベルなどが要求されるため、実施に際しては、コストや労力、時間、安全性などの面で様々な制約が存在する。例えば、検出にプローブが必要な方法では、観測対象ごとに特異的なプローブを設計するため、興味のある分子間の相互作用しか測定できない。また、検出にプローブを用いない方法、例えば、標的物質に対する結合分子を液体クロマトグラフィー質量分析などで検出する方法でも、事前処理として免疫沈降などの方法で精製するのが一般的であり、この精製工程においてやはり検出可能な分子は限定されてしまう。このため、結合分子の探索研究を行う場合には、ノンターゲット解析可能な検出系が必要である。さらに、生体からの抽出工程がある場合は、精製操作や試験管内環境によって生体中とは立体構造が変化する場合があることや、生体の限られた部位にしか存在しない微量分子はそもそも回収が困難であることなどの問題もある。

また、医薬品開発においては、近年、疾患の原因となっている特定の生体内細胞、特に特定の生体内細胞に関与する生理活性物質を標的とした、いわゆる分子標的薬の開発が進んでいる。これは、疾患の原因を分子レベルまたはゲノムレベルで解明し、疾患に関わる物質を標的とした医薬(薬理作用を有する化合物)の分子設計を行うものであるから、設計された医薬は、疾患の治療効果が大きく、さらに疾患以外の生体内細胞に作用しにくいことから、副作用の低減効果も期待されている。その反面、(1)疾患の原因を分子レベルまたはゲノムレベルで解明すること、(2)特定された原因物質の化学構造に基づく、医薬品の分子設計を行うこと、が必要とされる。しかしながら、(1)、(2)のいずれにも検討には長い日数を要するものであり、結果的に開発が長期化していた。

一方で、近年、組織試料上の生体分子を2次元に可視化できるIMS(質量顕微鏡法(Mass microscopy)ともいう。)のための装置が開発されている。MALDI法を利用したIMS(MALDI-IMS)では、組織切片等の解析対象の試料に対して、レーザー光を吸収し生体分子のイオン化を促す低分子化合物(マトリクス)を塗布し、ここに走査的にレーザー光を照射し、2次元座標の各点で検出されたイオンの情報を基にイメージ像を再構成する。この方法では、組織切片を2次元のレーザー走査によってそのまま解析するため、組織試料上の生体分子をその位置情報を保持したままイオン化できる。イオン化された生体分子は、飛行時間型質量分析計によって分析され、質量対電荷比に従って同定される。これにより、MALDI-IMSでは、組織試料上の生体分子の分布を、測定ポイント間のシグナル強度の相対値によってイメージ化できる。マトリクスとしては、生体分子のイオン化に適した化合物が経験的に使われている。例えば、3,5-メトキシ-4-ヒドロキシケイ皮酸、9-アミノアクリジン(9AA)のような分子量50以上300未満のイオン解離性の物質が用いられ、組織試料上の生体分子とイオン化したマトリクスの分子が結合した状態で組織試料から脱離、飛翔し、MALDI-IMS内の分析器によって、質量対電荷比(m/z)ごとに分離、同定される。

例えば特許文献1には、MALDI-IMSを利用して、乳癌治療剤の候補化合物の治療効果の評価を行う方法が開示されている。当該方法では、乳癌においては、脂質代謝異常により特定の分子種のホスファチジルコリン(PC)が乳腺組織に多く存在していることから、候補化合物を投与された被検者の乳腺組織中のホスファチジルコリンの分子種の存在比率をMALDI-IMSにより測定し、乳癌患者に多く存在している分子種の存在比率が低くなっていた場合に、当該候補化合物は乳癌治療剤として有効であると評価する。すなわち、当該方法は、候補化合物を被検者に対して直接投与し、代謝を経て抗癌作用を呈する前後を比較するものであるから、スクリーニングに用いることのできる候補物質の種類にはおのずと制約があり、スクリーニングの効率には限界があった。
また、従来、MALDI-IMSを利用して、上述の分子間相互作用はおろか、生体内物質が関与する親和性を測定する方法も見出されていなかった。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、マトリクス支援レーザー脱離イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption /Ionization:MALDI)法を利用したイメージング質量分析法(Imaging Mass Spectrometry:IMS)を用いて、標的物質と親和性の高い物質のスクリーニングを行う方法に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
標的物質と候補物質を含む試料を接触させた測定用試料を調製する工程と、
前記測定用試料に対して、前記標的物質をマトリクスとしたMALDI法を用いたイメージング質量分析法を行い、イオン化された分子を同定する工程と、
前記同定した分子を、前記標的物質との親和性の高い物質であると選出する工程と、を有する、標的物質と親和性の高い物質をスクリーニングする方法。

【請求項2】
 
前記測定用試料を調製する工程は、
前記候補物質を含む被検試料と、前記標的物質と、を接触させる工程と、
前記接触させた試料と標的物質を、接触状態のまま乾燥させ、測定用試料とする乾燥工程と、を含み、
前記同定工程は、前記測定用試料に対して、MALDI法を用いたイメージング質量分析法を行い、イオン化された分子のスペクトルを得るスペクトルスキャン工程と、
前記スペクトルより、ピーク物質を同定する工程と、を含む、
請求項1に記載の方法。

【請求項3】
 
前記標的物質が、分子量10,000以下の化合物である、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
 
前記候補物質が、リン脂質である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】
 
前記候補物質を含む試料が組織切片であり、前記測定用試料が、前記候補物質を含む試料の表面に前記標的物質を付着させたものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。

【請求項6】
 
前記MALDI法を用いたイメージング質量分析法に用いるレーザーの波長が200~400nmであり、
前記標的物質が、芳香環及び/または複素環を含む分子量300~10,000の化合物である請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。

【請求項7】
 
前記標的物質とは異なる物質を対照物質とし、さらに、
前記対照物質と前記候補物質を含む試料を接触させた測定用対照試料を調製する工程と、
前記測定用対照試料に対して、前記対照物質をマトリクスとしたMALDI法を用いたイメージング質量分析法を行い、イオン化された分子を同定する工程と、
前記同定した分子を、前記対照物質との親和性の高い物質であると選出する工程と、を有し、
前記測定用試料からイオン化された分子のうち、前記対照物質との親和性の高い物質であると選出された分子以外を、前記標的物質との親和性の高い物質であると選定する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。

【請求項8】
 
前記対照物質が、3,5-メトキシ-4-ヒドロキシケイ皮酸、α-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸、trans-4-ヒドロキシ-3-メトキシケイ皮酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシピコリン酸、9-アミノアクリジン、2,5-ジヒドロキシアセトフェノン、又は1,8-ジヒドロキシ-9,10-ジヒドロアントラセン-9-オンである、請求項7に記載の方法。

【請求項9】
 
標的物質を含む被検試料と、候補物質と、を接触させる工程と、
前記被検試料と前記候補物質とを、接触状態のまま乾燥させ、測定用試料とする乾燥工程と、
前記測定用試料に対して、MALDI法を用いたイメージング質量分析法を行い、イオン化された分子のうち、前記標的物質に対応するm/zをスキャンするスキャン工程と、
前記m/zにおけるピーク強度を測定するピーク強度測定工程と、
前記ピーク強度が検出された候補物質を、前記標的物質との親和性の高い物質であると選出する工程と、を含む、
標的物質と親和性の高い物質をスクリーニングする方法。

【請求項10】
 
前記候補物質が、分子量10,000以下の化合物である、請求項9に記載の方法。

【請求項11】
 
前記標的物質が、リン脂質である、請求項9又は10記載の方法。

【請求項12】
 
前記標的物質を含む試料が組織切片であり、前記測定用試料が、前記標的物質を含む試料の表面に前記候補物質を付着させたものである、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。

【請求項13】
 
前記MALDI法を用いたイメージング質量分析法に用いるレーザーの波長が200~400nmであり、
前記候補物質が、芳香環及び/または複素環を含む分子量300~10,000の化合物である請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。

【請求項14】
 
請求項9~13のいずれか一項に記載の標的物質と親和性の高い物質のスクリーニング工程と、
前記スクリーニング工程により選出された候補物質を有効成分として含有させることを含む、医薬の設計方法。

【請求項15】
 
請求項9~13のいずれか一項に記載の標的物質と親和性の高い物質のスクリーニング工程と、
前記スクリーニング工程により選出された候補物質を有効成分として含有させることを含む、医薬の製造方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2018566091thum.jpg
State of application right Published
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