TOP > 国内特許検索 > 人工多能性幹細胞由来腸管幹細胞の維持培養

人工多能性幹細胞由来腸管幹細胞の維持培養 NEW

国内特許コード P200016561
整理番号 (S2017-0284-N0)
掲載日 2020年1月16日
出願番号 特願2018-568660
出願日 平成30年2月20日(2018.2.20)
国際出願番号 JP2018005849
国際公開番号 WO2018151307
国際出願日 平成30年2月20日(2018.2.20)
国際公開日 平成30年8月23日(2018.8.23)
優先権データ
  • 特願2017-029448 (2017.2.20) JP
発明者
  • 岩尾 岳洋
  • 松永 民秀
  • 近藤 聡志
  • 水野 翔太
出願人
  • 公立大学法人名古屋市立大学
  • 富士フイルム株式会社
発明の名称 人工多能性幹細胞由来腸管幹細胞の維持培養 NEW
発明の概要 腸管幹細胞の性質を維持させたまま、人工多能性幹細胞由来腸管幹細胞を維持・培養することを可能にする培養方法を提供することを課題とする。人工多能性幹細胞由来腸管幹細胞様細胞をGSK-3β阻害剤、ヒストン脱アセチル化阻害剤、及び血清代替物の存在下、或いはGSK-3β阻害剤及び血清代替物の存在下で培養する。好ましくは、上皮成長因子、TGFβ受容体阻害剤及び線維芽細胞増殖因子からなる群より選択される一以上の化合物が更に存在する条件下で培養する。
従来技術、競合技術の概要

小腸には多くの薬物代謝酵素や薬物トランスポーターが存在することから、肝臓と同様、薬物の初回通過効果に関わる臓器として非常に重要である。そのため、医薬品開発早期の段階から小腸における医薬品の膜透過性や代謝を評価することが、薬物動態特性に優れた医薬品の開発に必要である。現在、小腸のモデル系としてはヒト結腸癌由来のCaco-2細胞が多用されている。しかし、Caco-2細胞における薬物トランスポーターの発現パターンはヒト小腸とは異なる。また、Caco-2細胞には薬物代謝酵素の発現及び酵素誘導はほとんど認められないことから、正確に小腸での薬物動態を評価することは難しい。したがって、小腸における薬物代謝及び膜透過性を総合的に評価するためには初代小腸上皮細胞の利用が望ましいが、初代小腸上皮細胞の入手は困難である。

そこで、ヒト胚性幹細胞(embryonic stem cells:ES細胞)と同様の多分化能とほぼ無限の増殖能を有するヒト人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells:iPS細胞)から作製される腸管上皮細胞の利用が期待されている。

尚、生体の腸管から腸管幹細胞を単離し、体外で腸管幹細胞や腸管上皮細胞を培養する技術やヒトiPS細胞から腸管上皮細胞を分化誘導する技術はいくつか報告されているが(例えば特許文献1~4、非特許文献1~3を参照)、ヒトiPS細胞由来の腸管幹細胞の維持又は増殖を目的とした培養技術は報告されていない。

産業上の利用分野

本発明は人工多能性幹細胞由来の腸管幹細胞を培養する技術及びその用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
人工多能性幹細胞由来の腸管幹細胞様細胞をGSK-3β阻害剤、ヒストン脱アセチル化阻害剤、及び血清代替物の存在下、或いはGSK-3β阻害剤及び血清代替物の存在下で培養する工程を含む、人工多能性幹細胞由来の腸管幹細胞様細胞を培養する方法。

【請求項2】
GSK-3β阻害剤がCHIR 99021、SB216763、CHIR 98014、TWS119、Tideglusib、SB415286、BIO、AZD2858、AZD1080、AR-A014418、TDZD-8、LY2090314、IM-12、Indirubin、Bikinin又は1-Azakenpaulloneであり、ヒストン脱アセチル化阻害剤がバルプロ酸、ボリノスタット、トリコスタチンA、ツバスタチンA、ギビノスタット又はプラシノスタットであり、血清代替物がノックアウト血清代替物である、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記培養が、上皮成長因子、TGFβ受容体阻害剤及び線維芽細胞増殖因子からなる群より選択される一以上の化合物が更に存在する条件下で行われる、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
TGFβ受容体阻害剤がA-83-01であり、線維芽細胞増殖因子がFGF2、FGF4又はFGF10である、請求項3に記載の方法。

【請求項5】
前記培養が、BMP阻害剤、Wntシグナル活性化剤及びWntアゴニストからなる群より選択される一以上の化合物が更に存在する条件下で行われる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。

【請求項6】
BMP阻害剤がNogginであり、Wntシグナル活性化剤がR-spondin 1であり、WntアゴニストがWnt3aである、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
前記培養が、ニコチンアミド、N-アセチルシステイン、p38阻害剤及びROCK阻害剤からなる群より選択される一以上の化合物が更に存在する条件下で行われる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。

【請求項8】
p38阻害剤がSB202190であり、ROCK阻害剤がY-27632である、請求項7に記載の方法。

【請求項9】
人工多能性幹細胞がヒト人工多能性幹細胞である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。

【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法で培養した腸管幹細胞様細胞を腸管上皮細胞様細胞へと分化させる工程を含む、腸管上皮細胞様細胞を調製する方法。

【請求項11】
請求項10に記載の方法で得られた腸管上皮細胞様細胞。

【請求項12】
請求項11に記載の腸管上皮細胞様細胞を用いた、被検物質の体内動態又は毒性を評価する方法。

【請求項13】
前記体内動態が、代謝、吸収、排泄、薬物相互作用、薬物代謝酵素の誘導、又は薬物トランスポーターの誘導である、請求項12に記載の方法。

【請求項14】
以下の工程(i)~(iii)を含む、請求項12又は13に記載の方法:
(i)請求項11に記載の腸管上皮細胞様細胞で構成された細胞層を用意する工程;
(ii)前記細胞層に被検物質を接触させる工程;
(iii)前記細胞層を透過した被検物質を定量し、被検物質の吸収性ないし膜透過性、薬物相互作用、薬物代謝酵素の誘導、薬物トランスポーターの誘導、又は毒性を評価する工程。

【請求項15】
以下の工程(I)及び(II)を含む、請求項12又は13に記載の方法:
(I)請求項11に記載の腸管上皮細胞様細胞に被検物質を接触させる工程;
(II)被検物質の代謝若しくは吸収、薬物相互作用、薬物代謝酵素の誘導、薬物トランスポーターの誘導、又は毒性を測定・評価する工程。

【請求項16】
以下の工程(a)及び(b)を含む、被検物質の消化管粘膜障害作用を評価する方法:
(a)請求項11に記載の腸管上皮細胞様細胞に被検物質を接触させる工程;
(b)前記腸管上皮細胞様細胞におけるムチン2又はクロモグラニンAの発現を検出し、検出結果に基づき被検物質の消化管粘膜障害作用を判定する工程であって、ムチン2又はクロモグラニンAの発現低下が認められることが、被検物質が消化管粘膜障害作用を有することの指標となる工程。

【請求項17】
以下の工程(A)及び(B)を含む、被検物質の消化管粘膜保護作用を評価する方法:
(A)消化管粘膜障害作用を示す物質の存在下、請求項11に記載の腸管上皮細胞様細胞に被検物質を接触させる工程;
(B)前記腸管上皮細胞様細胞におけるムチン2又はクロモグラニンAの発現を検出し、検出結果に基づき被検物質の消化管粘膜保護作用を判定する工程であって、前記物質によるムチン2又はクロモグラニンAの発現低下の抑制が認められることが、被検物質が消化管粘膜保護作用を有することの指標となる工程。

【請求項18】
請求項11に記載の腸管上皮細胞様細胞を含む、細胞製剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close