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膵腫瘍摘出術後予後リスク判別法

国内特許コード P200016626
整理番号 S2018-0718-N0
掲載日 2020年2月25日
出願番号 特願2018-111885
公開番号 特開2019-213473
出願日 平成30年6月12日(2018.6.12)
公開日 令和元年12月19日(2019.12.19)
発明者
  • 横山 勢也
  • 谷本 昭英
  • 東 美智代
出願人
  • 国立大学法人鹿児島大学
発明の名称 膵腫瘍摘出術後予後リスク判別法
発明の概要 【課題】膵腫瘍の早期診断又は膵腫瘍の悪性度の規定に有効な膵腫瘍の予後判別方法を提供することを目的とする。
【解決手段】被験者由来の検体試料中の癌遺伝子及び/又は癌抑制遺伝子の5'側非翻訳領域又は5'側非翻訳領域と翻訳領域とを含む領域のメチル化状況を測定する第1工程と、前記被験者の膵腫瘍の予後を判別するために、腫瘍組織由来の検体試料であること又は非腫瘍組織由来の検体試料であることが既知の複数の検体試料中の前記癌遺伝子及び/又は癌抑制遺伝子の5'側非翻訳領域又は5'側非翻訳領域と翻訳領域とを含む領域のメチル化状況を測定することで得られた測定値を教師とした機械学習モデルの判別式に、第1工程で得られた癌遺伝子及び/又は癌抑制遺伝子の5'側非翻訳領域又は5'側非翻訳領域と翻訳領域とを含む領域のメチル化状況の測定値を代入する第2工程とを含む、膵腫瘍の予後判別方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

日本における癌死は年間37万人を超えており、死因の第1位である。また、癌の罹患数も年々増加しており、2017年には100万人を超えると予測されている。その中で、膵癌罹患数は39,800人であり、全体における割合は約4%で第7位の希少性の高い癌である。加えて、同年の膵癌での死亡者数はほぼ同数であり、年齢調整率を加味した場合でも、男女共に死亡者数が減少傾向でない癌である。5年相対生存率を他の癌と比較すると、膵癌は7.7%と極めて低く、難治性癌の代表といえる(2017年,国立がん研究センター試算)。

膵癌は症状がほとんどないため発見が遅れ、手術ができるのは、患者全体の20~30%程度しかない。また、切除手術ができたとしても、5年生存率は20%程度と極めて低く、消化器系の癌の中では最も低い数字となっている。しかしながら、腫瘍径が1cm以下で発見された場合の5年生存率は、80.4%にも及ぶことが近年報告されている。

膵癌の予後を改善するには、手術が可能な段階での早期発見、早期治療を目指すことが何よりも重要となる。膵癌は、腫瘍マーカー検査(CA19-9、CEA)でもはっきりとした上昇が見られず、上昇する割合は半分にも満たない状況となっている。加えて、超音波検査やCT検査による腫瘍径1cm以下の抽出率は決して高いとは言えず、超音波検査で17~70%、造影CT検査で35~75%とされている。

従って、低侵襲性な体液検体や術後の摘出組織検体等の臨床検体を用いた、膵癌及び膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の「早期診断法」又は「悪性度を規定する方法」の確立が切望されている。

近年、膵癌を含む種々の癌において、糖タンパク質であるムチン分子ファミリーの異常発現が確認され、増殖・浸潤転移・抗癌剤耐性・免疫機構回避等癌進展の各プロセスにおいて、癌の悪性度に関与することが報告されている(非特許文献1)。一方、本発明者等は、以下のように、早くからムチンに注目して研究を進め、様々な組織におけるムチン発現と悪性度との関係や、その発現機構を世界に先駆けて明らかにしてきた:
(1) 膵腫瘍の生物学的悪性度と一連のムチン抗原発現について詳細な分析を行い、前癌病変(PanIN)、膵癌(PDAC)、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)におけるMUC1、MUC2、MUC4のムチン発現と悪性度との関連を世界に先駆けて明らかにしてきた。加えて、MUC1の細胞質内ドメインに対する新規抗体を開発した(特許文献1);
(2) 各ムチン遺伝子が各々のプロモーター領域のメチル化により、対象遺伝子の発現が制御されていることを見出した(非特許文献2);
(3) 従来のDNAメチル化検出限界を超える0.1%の解像度を有する新規高感度メチル化解析法の開発を行い報告した(特許文献2及び非特許文献3);
(4) 実際の膵液検体・組織検体を用いた新規メチル化解析法による解析において、その悪性度・予後とDNAメチル化の相関を明らかにし(非特許文献4及び5)、膵腫瘍の病型診断方法(特許文献3)として報告している。

産業上の利用分野

本発明は、例えば膵腫瘍の摘出術後の予後における再発等の悪性度予測又はリスク予測法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験者由来の検体試料中の癌遺伝子及び/又は癌抑制遺伝子の5'側非翻訳領域又は5'側非翻訳領域と翻訳領域とを含む領域のメチル化状況を測定する第1工程と、
前記被験者の膵腫瘍の予後を判別するために、腫瘍組織由来の検体試料であること又は非腫瘍組織由来の検体試料であることが既知の複数の検体試料中の前記癌遺伝子及び/又は癌抑制遺伝子の5'側非翻訳領域又は5'側非翻訳領域と翻訳領域とを含む領域のメチル化状況を測定することで得られた測定値を教師とした機械学習モデルの判別式に、第1工程で得られた癌遺伝子及び/又は癌抑制遺伝子の5'側非翻訳領域又は5'側非翻訳領域と翻訳領域とを含む領域のメチル化状況の測定値を代入する第2工程と、
を含む、膵腫瘍の予後判別方法。

【請求項2】
機械学習モデルが、サポートベクターマシーンモデル、ニューラルネットワークモデル、ランダムフォレストモデル及びディープラーニングモデルから成る群より選択される、請求項1記載の方法。

【請求項3】
腫瘍組織及び非腫瘍組織が膵臓組織である、請求項1又は2記載の方法。

【請求項4】
癌遺伝子及び/又は癌抑制遺伝子が、MUC1遺伝子、MUC2遺伝子及びMUC4遺伝子から成る群より選択される1以上のムチンコアタンパク質をコードする遺伝子を含む遺伝子セットである、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。

【請求項5】
癌遺伝子及び/又は癌抑制遺伝子が、MUC1遺伝子、MUC2遺伝子及びMUC4遺伝子を含む遺伝子セットである、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。

【請求項6】
癌遺伝子及び/又は癌抑制遺伝子が、MUC1遺伝子、MUC2遺伝子及びMUC4遺伝子から成る遺伝子セットである、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。

【請求項7】
MUC1遺伝子の5'側非翻訳領域又は5'側非翻訳領域と翻訳領域とを含む領域が、配列番号1に示される塩基配列から成る領域である、請求項4~6のいずれか1項記載の方法。

【請求項8】
MUC2遺伝子の5'側非翻訳領域又は5'側非翻訳領域と翻訳領域とを含む領域が、配列番号2に示される塩基配列から成る領域である、請求項4~7のいずれか1項記載の方法。

【請求項9】
MUC4遺伝子の5'側非翻訳領域又は5'側非翻訳領域と翻訳領域とを含む領域が、配列番号3に示される塩基配列から成る領域である、請求項4~8のいずれか1項記載の方法。

【請求項10】
膵腫瘍が膵癌又は膵管内乳頭粘液性腫瘍である、請求項1~9のいずれか1項記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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