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(In Japanese)MSPL特異的阻害剤、及び高病原性インフルエンザウイルス感染又は増殖抑制用組成物

Patent code P200016629
File No. S2018-0614-N0
Posted date Feb 25, 2020
Application number P2018-126822
Publication number P2020-007234A
Date of filing Jul 3, 2018
Date of publication of application Jan 16, 2020
Inventor
  • (In Japanese)二川 健
  • (In Japanese)真板 綾子
  • (In Japanese)奥村 裕司
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人徳島大学
  • (In Japanese)学校法人相模女子大学
Title (In Japanese)MSPL特異的阻害剤、及び高病原性インフルエンザウイルス感染又は増殖抑制用組成物
Abstract (In Japanese)
【課題】
 各種ウイルス、特に高病原性インフルエンザウイルスの感染の予防または処置に有効に利用できるMSPL阻害剤を提供する。
【解決手段】
 下式(I)で示される化合物の少なくとも1種を有効成分とするMSPL阻害剤:(R1)x-(Lys)l-(Gln)m-(Arg)n-R2(I)(式中、R1はN末端側のアミノ基の修飾基、R2はC末端のアルギニン残基のカルボキシル基の修飾基を意味する。xは0または1、lは1~3の整数、mは0または1、及びnは1~3の整数であって、l+m+n=4である。但し、lが2のときmは0である。)。
【選択図】
 なし
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

インフルエンザウイルス感染過程は、ウイルス粒子(ビリオン)の標的細胞への付着、及びそれに続くウイルスエンベロープの標的細胞膜との融合によって開始される。こうしたウイルス粒子の付着及び細胞融合は、ウイルスエンベロープに存在する赤血球凝集素(ヘマグルチニン、以下、これを「HA蛋白質」と称する)によって媒介される。HA蛋白質はHA1とHA2の2つのサブユニットからなり、宿主細胞由来のエンドプロテアーゼによってHA1とHA2とのペプチド結合が開裂することにより、HA2の膜融合ドメインが露出し、標的細胞膜(エンドソーム膜)との融合が生じると報告されている。ウイルス膜とエンドソーム膜との融合によりウイルス遺伝子が細胞質内に侵入し、感染が成立することになる。この感染成立後、ウイルスは細胞内で増殖し、感染細胞から出芽することで、新たな細胞・組織へと感染が拡大していくことになる。このように、HA蛋白質のHA1とHA2との開裂は、インフルエンザウイルス感染過程における必須の工程であり、この感染を端にウイルス増殖、放出及び感染へと連鎖が生じることから、従来より、HA蛋白質の開裂(切断)による活性化を媒介する宿主細胞プロテアーゼが、インフルエンザ感染症に対する治療標的として提案されている(非特許文献1)。そして、宿主細胞プロテアーゼとして気道上皮細胞に発現するII型膜貫通結合型セリンプロテアーゼ(TMPRSS2、TMPRSS4、TMPRSS11D)等に対する阻害薬としてアプロチニン、カモスタット、ガベキサート、ロイペプチン、及びナファモスタットなどが、セリンプロテアーゼの活性部位を阻害してHA開裂を阻害することで、インフルエンザウイルスの増殖を抑えることが報告されている(非特許文献2参照)。

ところで、鳥インフルエンザウイルスが高病原性(強毒性)であるか低病原性(弱毒性)であるかは、ウイルスのHA蛋白質の開裂部位のアミノ酸配列と宿主細胞のプロテアーゼによって決まる。具体的には、弱毒性ウイルスのHA蛋白質の開裂部位は塩基性アミノ酸が一つのアルギニンだけで構成されており、それを認識して切断するプロテアーゼは、トリプシンや気道上皮細胞に発現するセリンプロテア-ゼ(TMPRSS2、TMPRSS4、TMPRSS11D等)など、呼吸器や消化器に限局して存在する特殊な酵素である。このため、弱毒性ウイルスの感染が呼吸器や消化器以外の臓器に拡大しても、他の臓器には低病原性ウイルスのHA蛋白質を切断するプロテアーゼが存在しないため、増殖はできず、呼吸器や消化器といった局所感染に留まる。一方、H5やH7という亜型の高病原性ウイルスのHA蛋白質は、複数のアルギニンやリジンなどの塩基性アミノ酸が多数並んだ構造をしているため、それらを認識して開裂できるプロテアーゼは、すべての細胞のゴルジ装置に存在している。このため、高病原性のウイルスは、例えば脊髄、大腸、心臓、腎臓等といったすべての臓器で多段階に増殖し、強い病原性をもって全身感染を引き起こすことになる(非特許文献3参照)。

自然界に存在する水禽類のインフルエンザウイルスの大部分は低病原性であるものの、近年、H5N1という強病原性ウイルスの感染が問題になっている。H5N1型鳥インフルエンザウイルスは、格段に広い宿主域と強い病原性を有することから、野鳥や家禽等の鳥類だけでなく、それを食したトラ、ネコ、犬等の哺乳動物も、その多くが全身感染を起こして死に至っている。またヒトへの感染も報告されており、1000名を超える感染者のうち6割近くが死亡しているとの報告もある(非特許文献3)。さらにH5N1型鳥インフルエンザウイルスは、遺伝子変異が生じることで、初期のウイルスよりも標的臓器域が拡大し、さらにより強い病原性を有するに至っているといわれている。このため、H5N1型鳥インフルエンザウイルスがいずれヒトからヒトへの伝撒性を獲得した場合は、新型インフルエンザとして世界中に大流行する危険性が懸念されている。

このため、高病原性であるH5N1型鳥インフルエンザウイルスの感染を阻止し、また増殖を抑制するための方法が早急に求められている。

Field of industrial application (In Japanese)

各種ウイルスの感染の予防または処置に有効に利用できるMSPL阻害剤に関する。特に高病原性インフルエンザウイルスの感染の予防または処置に有効に利用できるMSPL阻害剤に関する。また本発明はMSPL阻害剤を有効成分としたウイルス増殖抑制用またはウイルス感染抑制用組成物、特に高病原性インフルエンザウイルスの感染抑制用組成物に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
下式(I)で示される化合物の少なくとも1種を有効成分とするMSPL阻害剤:
(R1)x-(Lys)l-(Gln)m-(Arg)n-R2 (I)
(式中、R1はN末端側のアミノ基の修飾基、R2はC末端のアルギニン残基のカルボキシル基の修飾基を意味する。xは0または1、lは1~3の整数、mは0又は1、及びnは1~3の整数であって、l+m+n=4である。但し、lが2のときmは0である。)。

【請求項2】
 
R2が、クロロメチル基(-CH2Cl)またはフルオロメチル基(-CH2F)であるである、請求項1記載のMSPL阻害剤。

【請求項3】
 
R1が、アセチル基、またはデカノイル基である、請求項1または2に記載するMSPL阻害剤。

【請求項4】
 
請求項1~3のいずれかに記載するMSPL阻害剤を有効成分とする、ウイルス感染または増殖抑制用組成物。

【請求項5】
 
前記ウイルスが、高病原性インフルエンザウイルス、コロナウイルス、豚流行性下痢ウイルス、HIV-1ウイルス、エボラウイルス、及び黄熱ウイルスからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項4に記載するウイルス感染または増殖抑制用組成物。

【請求項6】
 
天然型及び変異型を含む高病原性インフルエンザウイルスの感染の予防または処置に使用される、請求項5に記載するウイルス感染またはウイルス増殖抑制用組成物。
IPC(International Patent Classification)
F-term
State of application right Published
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