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SERS測定用材料及びその製造方法

国内特許コード P200016634
整理番号 S2018-0778-N0
掲載日 2020年2月25日
出願番号 特願2018-134965
公開番号 特開2020-012724
出願日 平成30年7月18日(2018.7.18)
公開日 令和2年1月23日(2020.1.23)
発明者
  • 豊玉 彰子
  • 山中 淳平
  • 奥薗 透
出願人
  • 公立大学法人名古屋市立大学
発明の名称 SERS測定用材料及びその製造方法
発明の概要 【課題】金属粒子の配置を制御するための複雑なパターン形成技術を必要とせず、製造が容易であり、且つ、検出感度の高い局在型の表面プラズモンセンサーを構築することのできるSERS測定用材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のSERS測定用材料の製造方法は、分散媒中に金属粒子と該金属粒子間に枯渇引力を引き起こすための高分子化合物と重合前駆体とが含まれており、該枯渇引力によって該金属粒子のコロイド結晶が析出しているコロイド結晶分散液を調製するコロイド結晶分散液調製工程と、該分散媒中の前記重合前駆体を重合させることによって、析出した該コロイド結晶を固化するコロイド結晶固化工程と、コロイド結晶固化体のコロイド結晶面を剥き出し状態とするコロイド結晶面形成工程とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

近年、抗原抗体反応を利用した医療用のセンサー等、表面吸着を利用した様々なセンサーが開発されている。これらのセンサーには、表面吸着量を高感度で他の信号に変換するトランスデューサーとしての材料が必要となる。この様なセンサー用材料として、表面プラズモン共鳴(SPR: Surface Plasmon Resonance)を利用した分光分析、特に表面増強ラマン散乱分光(SERS: Surface Enhanced Raman Scattering)用いたSPR測定用材料が注目されている。これらの技術の原理は次の通りである。

一般に、光は電子波(plasmon)とはカップリングしないが、表面においては表面固有の境界条件により光とカップリングを起こす電子波のモードが生じる。これを表面プラズモン(surface plasmon)と呼ぶ。表面プラズモンを励起する方法としては、金属表面に回折格子を形成して光とプラズモンを結合させる方法や、エバネッセント波を利用する方法がある。例えば、SPRを利用したセンサーとしては、全反射型プリズムと、当該プリズムの表面に形成された標的物質に接触する金属膜とからなるセンサーが挙げられる。このような構成により、抗原抗体反応における抗原の吸着量のセンシングを行うことができる。

ところで、金属表面には伝搬型の表面プラズモンが存在するが、金属粒子においても表面の金属微細構造上に局在する表面プラズモンが存在しており、「局在型の表面プラズモン」と呼ばれている。局在型の表面プラズモンが励起された場合には、著しく増強された電場が誘起される。そして、局在表面プラズモン共鳴(LSPR:Localized SurfacePlasmon Resonance)によって形成される増強電場にラマン散乱光が照射されると表面増強ラマン散乱現象によってラマン散乱光が増強されることが知られている。この現象を利用して、各種の物質を高感度に検出することができるセンサーが提案されている(特許文献1)。また、金属粒子の大きさと金属粒子間の間隙とを一定の範囲に制御することによりホットスポットの密度を高くし、ラマン散乱光を増強して検出能力を向上させることも提案されている(特許文献2)。

なお、本発明に関係する技術として、本発明者らは、金コロイド粒子のコロイド結晶を利用し、リソグラフィー等の複雑なパターン形成技術が不要なプラズモニック結晶を開発している(非特許文献1)。

産業上の利用分野

本発明は、コロイド結晶を利用したSERS測定用材料及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
分散媒中に金属粒子と該金属粒子間に枯渇引力を引き起こすための高分子化合物と重合前駆体とが含まれており、該枯渇引力によって該金属粒子のコロイド結晶が析出しているコロイド結晶分散液を調製するコロイド結晶分散液調製工程と、
該分散媒中の前記重合前駆体を重合させることによって、析出した該コロイド結晶を固化するコロイド結晶固化工程と、
コロイド結晶固化体のコロイド結晶面を剥き出し状態とするコロイド結晶面形成工程とを備えることを特徴とするSERS測定用材料の製造方法。

【請求項2】
前記コロイド結晶固化工程の前に、前記コロイド結晶分散液中のコロイド結晶を沈殿させるコロイド結晶沈殿工程を行うことを特徴とする請求項1に記載のSERS測定用材料の製造方法。

【請求項3】
前記コロイド結晶分散液中の金属粒子は表面電位調整剤によって表面電位が制御されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のSERS測定用材料の製造方法。

【請求項4】
前記コロイド結晶固化工程を行った後、前記コロイド結晶固化体を取り出して反転させることによって剥き出しのコロイド結晶面を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のSERS測定用材料の製造方法。

【請求項5】
前記コロイド結晶面形成工程は、前記コロイド結晶固化体を切出すことによってコロイド結晶面を剥き出しにさせることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のSERS測定用材料の製造方法。

【請求項6】
前記金属粒子は、バルクの金属粒子又は非金属粒子表面に金属が被覆された金属被覆微粒子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のSERS測定用材料の製造方法。

【請求項7】
前記金属粒子の粒子径の変動係数は20%以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のSERS測定用材料の製造方法。

【請求項8】
前記金属粒子の平均粒子径は10nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のSERS測定用材料の製造方法。

【請求項9】
前記重合前駆体は、アクリルアミド系の単量体を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のSERS測定用材料の製造方法。

【請求項10】
前記コロイド結晶固化工程は2回以上の固化工程を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のSERS測定用材料の製造方法。

【請求項11】
前記金属粒子の濃度は0.00025容量%以上であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のSERS測定用材料の製造方法。

【請求項12】
前記コロイド結晶固化体中の隣同士の金属粒子の間隔は50nm以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のSERS測定用材料の製造方法。

【請求項13】
金属粒子コロイド結晶を測定面に有するSERS測定用材料であって、
前記金属粒子の平均粒子径が10nm以上1000nm以下であり、前記金属粒子コロイド結晶中の隣同士の金属粒子の間隔は50nm以下であることを特徴とするSERS測定用材料。

【請求項14】
前記金属粒子の粒子径の変動係数は20%以下であることを特徴とする請求項13に記載のSERS測定用材料。

【請求項15】
表面増強ラマン散乱(SERS)測定用として用いられることを特徴とする請求項13又は14に記載のSERS測定用材料。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2018134965thum.jpg
出願権利状態 公開
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