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染色されたポリプロピレン繊維構造物およびそれを用いた衣料品

国内特許コード P200016641
整理番号 (S2017-0124-N0)
掲載日 2020年2月25日
出願番号 特願2018-559122
出願日 平成29年12月21日(2017.12.21)
国際出願番号 JP2017045943
国際公開番号 WO2018123811
国際出願日 平成29年12月21日(2017.12.21)
国際公開日 平成30年7月5日(2018.7.5)
優先権データ
  • 特願2016-250746 (2016.12.26) JP
発明者
  • 宮崎 慶輔
  • 古賀 孝一
  • 堀 照夫
  • 廣垣 和正
  • 田畑 功
出願人
  • 学校法人金沢工業大学
  • 国立大学法人福井大学
  • 有本化学工業株式会社
発明の名称 染色されたポリプロピレン繊維構造物およびそれを用いた衣料品
発明の概要 本発明の染色されたポリプロピレン繊維構造物は、下記一般式(1):
【化1】
(省略)
(式中、Rはそれぞれ独立に、炭素数4~8の分岐アルキル基、および炭素数9~19のアリールアルキル基からなる群より選ばれる1種であり、nは1~3である。前記分岐アルキル基は第四級炭素原子を含み、前記アリールアルキル基のアルキル部分は第四級炭素原子を含む。)で表される赤色染料で染色されていることを特徴とする。
従来技術、競合技術の概要

ポリプロピレン樹脂はプロピレンを付加重合させた、結晶性の熱可塑性樹脂である。このポリプロピレン樹脂は石油精製時の廃ガスであるプロピレンを原料としているため廉価であり、水に浮くほどの低密度(0.90~0.92g/cm)であるため軽量であり、吸水・吸湿性がほとんどない(公定水分率0.0%)ため速乾性である。さらに、ポリプロピレン樹脂は耐薬品性、耐擦過性、耐屈曲性、帯電防止性など、非常に多くの優れた特徴・特性を持っている(非特許文献1、2参照)。

ポリプロピレンは単純な分岐炭化水素の高分子であり、ペンダント基となるメチル基こそあるものの、染料との化学反応に有効な官能基を有していない。また、ポリプロピレンは結晶が比較的緻密で、極めて疎水性が高く、ほとんど水に膨潤されない。これらの理由により、従来の染色技法を用いたポリプロピレンの着色は極めて困難であるとされてきた。

現在市場にある有色のポリプロピレン繊維構造物は、ポリマーチップの製造段階で顔料を添加した原液着色法(原着法)による原着糸がほとんどである。原着法は繊維製品の製造における最も初期の段階、すなわち、溶融紡糸時に色を決定しなければならないという不便さがあり、タイムリーな色の選択ができない。また、原着糸は異物である顔料を添加しているため、着色していないレギュラー糸に比べ製糸性が悪く、単糸繊度1dtex以下の細い糸を安定的に生産することができない。さらに、製造する糸の色を変更する場合、溶融紡糸装置内にある先の色の樹脂を次の色の樹脂で押し出して置換させねばならないので、大量の捨て樹脂と多くの時間が必要となる。採算性と市場価格を考慮すると、原着糸は1つの色を一定量以上生産しなければならず、おのずと色数が制限されてしまうことになる。

合成樹脂としてのポリプロピレンはポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンと並ぶ四大汎用合成樹脂の一つとして挙げられ、廉価な原料費と優れた特性を背景として非常に幅広い分野で用いられている(非特許文献3)。これとは対照的に、合成繊維としてのポリプロピレンの用途は非常に限定されている(非特許文献4)。これは、ポリプロピレンレギュラー糸が染色できないことに起因する色数の少なさ、そして、唯一有効な着色方法である原着法では単糸繊度が大きくならざるを得ないことなどが主な理由と考えられる。

ポリプロピレン繊維を自在に染色する方法が実用化された場合、色数の制限がなくなり、単糸繊度の小さく(細い)廉価なレギュラー糸を着色することが可能となる。したがって、要求される意匠性が高いために、これまでポリプロピレン繊維が適用されてこなかった分野、例えば、車両内装材分野や衣料分野などにおいて、その特性を活かした新しい用途展開が期待される。

1960年代に染料の分子構造の変更によってポリプロピレン繊維を水系で染色することが試みられており、特許文献1~5、非特許文献5にはポリプロピレン染色のための染料がいくつか挙げられている。さらに、非特許文献6~11に記載のポリプロピレン繊維の水系染色の研究によれば、ポリプロピレンのような非常に疎水性が高い繊維のための染料は、ポリエステル繊維のために慣用されている染料よりも極度に高い疎水性を有することが必要である。しかしながら、耐光、洗濯、摩擦、昇華等の各種堅牢度がすべて良好である染色したポリプロピレン繊維を水系染色でもたらすことが可能な染料はこれまでに見出されていない。

水系染色に代わるポリプロピレン繊維の染色方法として、超臨界(流体)染色と呼ばれる、超臨界二酸化炭素(scCO)を染色媒体として用いて染色する方法が既知である。例えば、特許文献6には、scCOを用いて、ポリエステル繊維材料、ポリプロピレン繊維材料などの疎水性繊維材料を、様々な染料で染色することが開示されている。非特許文献12~17には、現在市場に流通しているポリエステル用染料でポリプロピレン繊維を超臨界染色で染色したことが記載されている。

また、非特許文献18、19には、scCOでポリプロピレン布を染色することが可能である特定の青色と黄色の染料が開示されており、これらの染料によって染色することにより、優れた染色堅牢度を有する染色ポリプロピレン繊維を提供できることが開示されている。

産業上の利用分野

本発明は、染色されたポリプロピレン繊維構造物およびそれを用いた衣料品に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1):
【化1】
(省略)
(式中、Rはそれぞれ独立に、炭素数4~8の分岐アルキル基、および炭素数9~19のアリールアルキル基からなる群より選ばれる1種であり、nは1~3である。前記分岐アルキル基は第四級炭素原子を含み、前記アリールアルキル基のアルキル部分は第四級炭素原子を含む。)で表される赤色染料で染色されていることを特徴とする染色されたポリプロピレン繊維構造物。

【請求項2】
nが2であることを特徴とする請求項1に記載の染色されたポリプロピレン繊維構造物。

【請求項3】
nが2であり、R基が前記分岐アルキル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の染色されたポリプロピレン繊維構造物。

【請求項4】
nが1であり、R基が前記分岐アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の染色されたポリプロピレン繊維構造物。

【請求項5】
前記赤色染料が、1-アミノ-4-ヒドロキシ-2-[2,4-ビス(2-メチルプロパン-2-イル)フェノキシ]アントラセン-9,10-ジオンである請求項1に記載の染色されたポリプロピレン繊維構造物。

【請求項6】
前記赤色染料が、1-アミノ-4-ヒドロキシ-2-[4-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノキシ]アントラセン-9,10-ジオンである請求項1に記載の染色されたポリプロピレン繊維構造物。

【請求項7】
布であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の染色されたポリプロピレン繊維構造物。

【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の染色されたポリプロピレン繊維構造物を用いた衣料品。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 4H157AA01
  • 4H157AA02
  • 4H157BA23
  • 4H157CA29
  • 4H157CB46
  • 4H157CB49
  • 4H157DA01
  • 4H157DA18
  • 4H157DA34
  • 4H157HA07
  • 4H157JA90
  • 4H157JB02
画像

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出願権利状態 公開
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