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微小物質封入方法及び微小物質検出方法並びに微小物質検出用デバイス

国内特許コード P200016676
整理番号 (AF19-15WO)
掲載日 2020年3月24日
出願番号 特願2019-509955
出願日 平成30年3月28日(2018.3.28)
国際出願番号 JP2018012678
国際公開番号 WO2018181443
国際出願日 平成30年3月28日(2018.3.28)
国際公開日 平成30年10月4日(2018.10.4)
優先権データ
  • 特願2017-064789 (2017.3.29) JP
発明者
  • 野地 博行
  • 田端 和仁
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 微小物質封入方法及び微小物質検出方法並びに微小物質検出用デバイス
発明の概要 簡易な操作で、核酸、タンパク質、ウイルス及び細胞等の検出対象物質を極小容積の液滴中に封入し、高感度な検出を可能とするための技術として、基板の表面に互いに隔てられて形成された複数の凹部の少なくとも一部に微小物質を封入する方法であって、以下の手順を少なくとも含む方法を提供する。
(1)前記基板の凹部形成面の上方に挿入体を配置し、該挿入体と前記基板との相対的な位置を前記挿入体に設けられた支持部により位置決めして、前記挿入体の下面と前記基板の前記凹部形成面とを対向配置し、これによって前記挿入体の下面と前記基板の前記凹部形成面との間に溶液導入空間を設け、かつ、前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記基板と前記挿入体との間、前記基板内及び/又は前記挿入体内に位置させて、前記溶液導入空間と連通する溶液排出空間を設ける、第一手順。
従来技術、競合技術の概要

疾患や感染症等の診断のため、核酸、タンパク質、ウイルス及び細胞等のマーカーを迅速、簡便、かつ高感度に検出するための技術が求められている。例えば、体積1mm3の腫瘍に含まれる100万個の癌細胞からマーカータンパク質(各細胞から100分子ずつ)が5Lの血中に分泌された場合、マーカータンパク質の血中濃度は30aM程度である。このような非常に低濃度の物質をも検出しうる技術が求められている。

このような技術として、核酸、タンパク質、ウイルス及び細胞等の検出対象物質を極小容積の液滴中に封入し、標識抗体を用いた免疫学的手法によって検出する「一分子酵素アッセイ」がある。一分子酵素アッセイによれば、検出対象物質を一分子単位の感度で検出することができる。

特許文献1には、一分子酵素アッセイに応用可能な技術として、「ビーズを1個のみ収容可能な複数の収容部が、疎水性の上面を有する側壁によって互いに隔てられて形成されている下層部と、当該下層部における当該収容部が形成されている面に対向している上層部との間の空間に、当該ビーズを含む親水性溶媒を導入するビーズ導入工程と、上記ビーズ導入工程の後に上記空間に疎水性溶媒を導入する疎水性溶媒導入工程とを含むことを特徴とするビーズ封入方法」が開示されている。

特許文献1に開示される技術は、「複数の収容部が疎水性の上面を有する側壁によって互いに隔てられて形成されている下層部と、上記下層部における上記収容部が形成されている面に対して空間を隔てて対向している上層部とを備えていることを特徴とするアレイ」を用いるものであり、下層部と上層部が空間を隔てて対向するフローセル構造を有するアレイを用いるものである。この技術によれば、「多数のビーズをアレイに効率よく封入させることができるので、低濃度のターゲット分子を高感度に検出可能」とされている。

産業上の利用分野

本発明は、微小物質封入方法及び微小物質検出方法並びに微小物質検出用デバイスに関する。より詳しくは、基板上に互いに隔てられて形成された複数の凹部内に、微小物質が封入された液滴を形成する方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基板の表面に互いに隔てられて形成された複数の凹部の少なくとも一部に微小物質を封入する方法であって、
(1)前記基板の凹部形成面の上方に挿入体を配置し、該挿入体と前記基板との相対的な位置を前記挿入体に設けられた支持部により位置決めして、前記挿入体の下面と前記基板の前記凹部形成面とを対向配置し、これによって前記挿入体の下面と前記基板の前記凹部形成面との間に溶液導入空間を設け、かつ、
前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記基板と前記挿入体との間、前記基板内及び/又は前記挿入体内に位置させて、前記溶液導入空間と連通する溶液排出空間を設ける、第一手順と、
(2)前記微小物質と第一溶媒とを含む第一溶液を前記溶液導入空間内に導入する第二手順と、
(3)前記第一溶媒と非混和性の第二溶媒を含む第二液体を前記溶液導入空間に導入し、前記溶液導入空間と前記凹部内とに導入された前記第一溶媒のうち前記溶液導入空間に導入された前記第一溶媒を前記溶液排出空間へ排出して、これによって前記凹部内に、前記第二液体で被覆されかつ前記微小物質を包含する、前記第一液体の液滴を形成する第三手順と、を含む方法。

【請求項2】
前記第一手順において、前記溶液排出空間を、前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記基板と前記挿入体との間に設ける、請求項1記載の方法。

【請求項3】
前記第一手順において、前記溶液排出空間を、前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記基板内に設ける、請求項1記載の方法。

【請求項4】
前記第一手順において、前記溶液排出空間を、前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記基板と前記挿入体との間及び前記基板内に設ける、請求項1記載の方法。

【請求項5】
前記第一手順において、前記溶液排出空間を、前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記挿入体内に設ける、請求項1記載の方法。

【請求項6】
前記第一手順において、前記溶液排出空間を、前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記基板と前記挿入体との間及び前記挿入体内に設ける、請求項1記載の方法。

【請求項7】
前記第二手順において、前記第一溶液を、前記挿入体及び/又は前記基板に形成され、前記溶液導入空間にアウトレットを有する流路を通じて、前記溶液導入空間に導入する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。

【請求項8】
前記挿入体は挿入方向の両端にフリンジを備えたボビン状形状を有し、
該挿入体の前記下面は、前記基板の前記凹部形成面と略同一形状を有する第一フリンジとされ、
該第一フリンジは、前記基板の前記凹部形成面の上方空間を、該該第一フリンジと前記凹部形成面との間に位置する前記溶液導入空間と、該第一フリンジよりも上方に位置する前記溶液排出空間とに、両空間を区画する、
請求項2記載の方法。

【請求項9】
前記第二手順と前記第三手順との間に、前記ウェルが形成された基板の温度を制御する手順をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。

【請求項10】
基板の表面に互いに隔てられて形成された複数の凹部の少なくとも一部に微小物質を封入する方法であって、
(A)挿入体を、前記基板の凹部形成面の上方に、該挿入体の下面と前記基板の前記凹部形成面とが対向するように配置し、これによって形成される前記挿入体の下面と前記基板の前記凹部形成面との間の溶液導入空間に、前記微小物質と第一溶媒とを含む第一溶液を導入する手順と、
(B)前記第一溶媒と非混和性の第二溶媒を含む第二液体を前記溶液導入空間に導入し、前記溶液導入空間と前記凹部内とに導入された前記第一溶媒のうち前記溶液導入空間に導入された前記第一溶媒を、前記溶液導入空間と連通する溶液排出空間へ排出して、これによって前記凹部内に、前記第二液体で被覆されかつ前記微小物質を包含する、前記第一液体の液滴を形成する手順と、を含む方法。

【請求項11】
基板の表面に互いに隔てられて形成された複数の凹部の少なくとも一部に封入された微小物質を検出する方法であって、
(1)前記基板の凹部形成面の上方に挿入体を配置し、該挿入体と前記基板との相対的な位置を前記挿入体に設けられた支持部により位置決めして、前記挿入体の下面と前記基板の前記凹部形成面とを対向配置し、これによって前記挿入体の下面と前記基板の前記凹部形成面との間に溶液導入空間を設け、かつ、
前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記基板と前記挿入体との間、前記基板内及び/又は前記挿入体内に位置させて、前記溶液導入空間と連通する溶媒排出空間を設ける、第一手順と、
(2)前記微小物質と第一溶媒とを含む第一溶液を前記溶液導入空間内に導入する第二手順と、
(3)前記第一溶媒と非混和性の第二溶媒を含む第二液体を前記溶液導入空間内に導入し、前記溶液導入空間と前記凹部内とに導入された前記第一溶媒のうち前記溶液導入空間に導入された前記第一溶媒を前記溶液排出空間へ排出して、これによって前記凹部内に、前記第二液体で被覆されかつ前記微小物質を包含する、前記第一液体の液滴を形成する第三手順と、
(4)前記液滴内に存在する前記微小物質を光学的、電気的及び/又は磁気的に検出する第四手順と、
を含む方法。

【請求項12】
基板の表面に互いに隔てられて形成された複数の凹部の少なくとも一部に封入された微小物質を発色基質の吸光度変化及び/又は蛍光に基づいて光学的に検出する方法であって、
(1)前記基板の凹部形成面の上方に挿入体を配置し、該挿入体と前記基板との相対的な位置を前記挿入体に設けられた支持部により位置決めして、前記挿入体の下面と前記基板の前記凹部形成面とを対向配置し、これによって前記挿入体の下面と前記基板の前記凹部形成面との間に溶液導入空間を設け、かつ、
前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記基板と前記挿入体との間、前記基板内及び/又は前記挿入体内に位置させて、前記溶液導入空間と連通する溶媒排出空間を設ける、第一手順と、
(2)前記微小物質と前記発色基質と第一溶媒とを含む第一溶液を前記溶液導入空間内に導入する第二手順と、
(3)前記第一溶媒と非混和性の第二溶媒を含む第二液体を前記溶液導入空間に導入し、前記溶液導入空間と前記凹部内とに導入された前記第一溶媒のうち前記溶液導入空間に導入された前記第一溶媒を前記溶液排出空間へ排出して、これによって前記凹部内に、前記第二液体で被覆されかつ前記微小物質を包含する、前記第一液体の液滴を形成する第三手順と、
(4)前記液滴内に存在する前記発色基質の吸光度変化及び/又は蛍光を検出する第四手順と、
を含む方法。

【請求項13】
微小物質が封入される凹部が互いに隔てられて複数形成された表面を備える基板と、前記基板の凹部形成面の上方に配置される挿入体と、を含んでなる微小物質検出用デバイスであり、
前記挿入体は、前記基板との相対的な位置を位置決めするための支持部を備え、
前記基板の前記凹部形成面と、その上方に対向配置された前記挿入体の下面との間に溶液導入空間が設けられ、
前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記基板と前記挿入体との間、前記基板内及び/又は前記挿入体内に位置して、前記溶液導入空間と連通する溶液排出空間が設けられ、かつ、
前記挿入体及び/又は前記基板に、前記溶液導入空間にアウトレットを有する流路が形成されている、デバイス。

【請求項14】
前記溶液導入空間内に保持された第一溶媒が、前記流路を通じて前記溶液導入空間内に導入される、前記第一溶媒と非混和性の第二溶媒に置換されて前記溶液排出空間へ排出され得るように構成された、請求項13記載のデバイス。

【請求項15】
前記溶液導入空間内及び前記凹部内に保持された、前記微小物質と前記第一溶媒を含む第一液体のうち前記溶液導入空間内に保持された該第一液体が、前記流路を通じて前記溶液導入空間内に導入される、前記第一溶媒と非混和性の第二溶媒を含む第二液体によって前記溶液排出空間へ排出されて、前記凹部内に、前記第二液体で被覆されかつ前記微小物質を包含する、前記第一液体の液滴が形成されるように構成された、請求項14記載のデバイス。

【請求項16】
前記溶媒排出空間が、前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記基板と前記挿入体との間に設けられた、請求項13記載のデバイス。

【請求項17】
前記溶媒排出空間が、前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記基板内に設けられた、請求項13記載のデバイス。

【請求項18】
記溶媒排出空間が、前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記基板と前記挿入体との間及び前記基板内に設けられた、請求項13記載のデバイス。

【請求項19】
前記溶媒排出空間が、前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記挿入体内に設けられた、請求項13記載のデバイス。

【請求項20】
前記溶媒排出空間が、前記挿入体の前記下面よりも上方であって、かつ前記基板と前記挿入体との間及び前記挿入体に設けられた、請求項13記載のデバイス。

【請求項21】
前記挿入体は挿入方向の両端にフリンジを備えたボビン状形状を有し、
該挿入体の前記下面は、前記基板の前記凹部形成面と略同一形状を有する第一フリンジとされ、
該第一フリンジは、前記基板の前記凹部形成面の上方空間を、該第一フリンジと前記凹部形成面との間に位置する前記溶液導入空間と、該第一フリンジよりも上方に位置する前記溶液排出空間とに、両空間を区画する、請求項13記載のデバイス。

【請求項22】
前記支持部は、前記挿入体の上端側に周設された第二フリンジであり、
該第二フリンジは、前記基板の凹部形成面の上方への配置時において前記基板に係止し、前記挿入体の前記第一フリンジから該第二フリンジまでの高さが、前記溶液排出空間の高さである、請求項21記載のデバイス。

【請求項23】
前記支持部は、前記挿入体の前記下面に配設された突起であり、
前記突起の高さが、前記溶液導入空間の高さである、請求項21記載のデバイス。

【請求項24】
前記凹部形成面の上方への配置時において、該第一フリンジと前記基板との間に形成される間隙が、前記溶液導入空間と前記溶液排出空間とを液体流通可能に連通する、請求項21~23のいずれか一項に記載のデバイス。

【請求項25】
前記挿入体の前記第一フリンジは、切欠を有し、
前記凹部形成面の上方への配置時において、該切欠が、前記溶液導入空間と前記溶液排出空間とを液体流通可能に連通する、請求項20~22のいずれか一項に記載のデバイス。

【請求項26】
前記挿入体が、少なくともその下面において光不透過性である、請求項13~25のいずれか一項に記載のデバイス。

【請求項27】
前記挿入体の前記基板の凹部形成面の上方への配置時において、前記支持部が前記基板に嵌合する、請求項13~26のいずれか一項に記載のデバイス。

【請求項28】
前記基板の温度を制御する温度調節器をさらに備える、請求項13~27のいずれか一項に記載のデバイス。

【請求項29】
前記凹部内に存在する前記微小物質を光学的、電気的及び/又は磁気的に検出する検出器をさらに備える、請求項13~28のいずれか一項に記載のデバイス。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST プロセスインテグレーションによる機能発現ナノシステムの創製 領域
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