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双安定構造を持つ管腔臓器への留置器具 NEW 新技術説明会

国内特許コード P200016684
整理番号 (S2017-0385-N0)
掲載日 2020年3月24日
出願番号 特願2019-504651
出願日 平成30年3月7日(2018.3.7)
国際出願番号 JP2018008867
国際公開番号 WO2018164205
国際出願日 平成30年3月7日(2018.3.7)
国際公開日 平成30年9月13日(2018.9.13)
優先権データ
  • 特願2017-043453 (2017.3.8) JP
発明者
  • 南 和幸
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 双安定構造を持つ管腔臓器への留置器具 NEW 新技術説明会
発明の概要 円筒形状の留置器具(1)は、複数のストラット(3)が軸方向のリブ(2)を共有する形で周方向に連結されて環状ないし螺旋状の列とされ、複数のストラット(3)の列を軸方向に要所でリンク(2a)により連結して網目形状を有する円筒形状に構成される。各ストラット(3)は留置器具の縮径方向への作用による荷重を支える双安定構造なす少なくとも一組のストラット辺と、その飛び移り座屈変形を誘起させる部分とを有し、留置器具を縮径させようとする作用は双安定構造をなす少なくとも一組のストラット辺に逆向きの飛び移り座屈変形を妨げる方向の荷重を与える。それにより留置器具は管腔臓器内に導入され拡径して留置された後に逆向きの飛び移り座屈変形が阻止され、留置器具を縮径させる作用に十分に抗し、その拡径状態を確実に保持することができる。
従来技術、競合技術の概要

心筋梗塞や脳梗塞など、血管の疾患による病気の療法として、バルーンカテーテルにより血管を拡張しステントを留置することが行われる。このステントとしては一般的に金属製のものが用いられるが、金属製のステントは永久的に体内に残留するものであるため、体の大きさが変わる若年者への適用は可能でなく、また、長時間にわたる力学的刺激により狭窄を再発する危険がある。金属製のステントは強度的に優れるが柔軟性に劣り、血管等の管腔壁への力学的刺激、ストレスを与えやすく、管腔壁の肥厚を招くことのほかに、金属製の留置器具が体内に残留した状態ではMRI(磁気共鳴イメージング)による画像に影響を及ぼすために診断が困難になるということがある。

ポリマー製の留置器具では金属製の留置器具において問題となる管腔壁へのストレスを抑制し、生分解性/生体吸収性ポリマーでステントを作製することにより生体内にステントが永久的に存在することによるストレスを解消でき、MRI画像にも影響を及ぼさない等の点で、金属製ステントの欠点を解消できるという利点があり、最近ではポリマー製ステントも多く用いられている。

一方で、ポリマー製ステントは、金属製ステントに比して弾性率、強度が低いために収縮抑制力が小さく、またクリープ変形を起こし易いことから、バルーン拡張型の留置器具では留置後に縮径してしまう可能性があり、さらに、自己拡張性の留置器具では長時間収縮状態に保持したり、収縮の割合を大きくしたりする場合に永久変形が生じて復元拡張、すなわち自己拡張できなくなる可能性があるというような弱点をもっている。

ポリマーステントは血管等の管腔臓器内への留置器具として、円筒状に構成され、縮径状態として管腔臓器内に挿入し、拡径して留置した後に、管腔臓器の狭窄を阻止するように作用するものであり、基本的にはポリマー材料のストラットないしリンクによるセルの網目構造が円筒形状の周方向、軸方向に展開して配置形成された構造を有するものとなる。

特許文献1には、長手方向軸線回りに螺旋状に延在する波状の螺旋要素を備え、軸方向に隣接する螺旋要素のピーク部からピーク部に延在する支柱により連結されてセルを形成するステントについて記載されているが、このステントは金属製のものであり、金属製であることによる難点を有する。

特許文献2には、ストラットの網目構造が波形をなす複数の周方向の環をなし、隣接する波形の環の山部と谷部が結合されてセルを形成するようにした管状ステントについて記載されているが、このような構成のステントにおいては、縮径させようとする作用に抗する能力は材料の特性によるところが大きく、ポリマー製のように剛性が低い材料によるものでは、縮径方向の作用に抗し難くなり、ステントの機能を保持できない可能性がある。

特許文献3には、頂点と谷部が軸方向に交互に配置されるように形成されたストラット要素を周方向に丸めて円筒状のステントを形成し、ストラット要素の各頂点に形成された凸部に歯が設けられ、各谷部には凸部が挿入されるスリットが形成複数の頂点が形成されており、各頂点の凸部に設けられた歯は頂点における凸部を谷部のスリットに挿入可能であり、円筒状ステントをなすストラット要素がステントの縮径方向の力に抗するような形状になっているステント装置について記載されており、また、特許文献4には、スリットが形成された頭部と一方の側辺に鈎状突起部が形成された胴部からなるT字形ユニットを複数個並設したものを筒状に丸め、胴部を頭部のスリットに挿入し、胴部において鈎状突起部に対向する側辺に設幅可変部の作用により胴部のスリットへの挿入を円滑にしたポリマーステントについて記載されている。

特許文献3、4は爪、鈎部がスリットに係止されるラチェット機構によりステントの拡張状態を保持するものであるが、フィルムを素材として用いるものであって、屈曲に対する柔軟性が得られないという弱点を有する。

特許文献5には、薄いストラットと厚いストラットとを組合せて一連の複数のセルを螺旋状に巻回させて筒状のステントとし、各セルが双安定セルをなしブリッジ要素によって連結されているステントについて記載されており、また、特許文献6には、ストラット辺とリンクとを組合せて複数のセルが網目状に配列された円筒形のポリマーステントを構成し、リンクを介しての牽引作用によりこれに連結されたストラット辺が一方の安定状態から他の安定状態に変形可能な双安定性を有するものとしたポリマーステントについて記載されている。

産業上の利用分野

本発明は双安定構造をもつ管腔臓器への留置器具に関し、特に双安定性ストラットにより拡径状態が保持される双安定構造をもつ管腔臓器への留置器具に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数のストラットが連結されて網目構造をなすように配設され全体として円筒形状をなすように形成された管腔臓器への留置器具であって、各ストラットはヒンジを介して複数のストラット辺を一体的に連結して構成されるとともに前記留置器具の拡径に応じて各ストラットが周方向に伸張するように変形するものであり、また、各ストラットは周方向への伸張の過程で一方の安定状態の形状から飛び移り座屈変形により他方の安定状態の形状に変位した状態で前記留置器具を縮径させようとする荷重を支える双安定構造をなす少なくとも一組のストラット辺を有し、他のストラット辺は各ストラットの周方向への伸張の過程で前記双安定構造をなす少なくとも1組のストラット辺の飛び移り座屈変形を誘起させる作用を有するように連結されており、飛び移り座屈変形後に前記留置器具を縮径させようとする荷重は前記双安定構造をなす少なくとも一組のストラット辺に逆向きの飛び移り座屈変形を妨げる作用を与え前記留置器具が縮径状態に戻ることを阻止して拡径状態を保持するものであることを特徴とする管腔臓器への留置器具。

【請求項2】
前記各ストラットにおける双安定構造をなす少なくとも1組のストラット辺は前記留置器具の周方向に隣り合う2本のリブの間にかけ渡されるように連結された2本のストラット辺の間をヒンジで連結したものであり、前記双安定構造をなす少なくとも一組のストラット辺またはこれを連結するヒンジに前記少なくとも一組のストラット辺の飛び移り座屈変形を誘起させる他のストラット辺を含む部分が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の管腔臓器への留置器具。

【請求項3】
前記留置器具を構成するストラットの各々は、前記留置器具の周方向に隣り合う2つのストラットがリブを共有する形で略周方向に連結されてストラットの環状体をなし、複数の前記ストラットの環状体がリブ同士を要所でリンクにより連結することにより円筒形状の留置器具を形成するものであり、前記リンクが前記リブよりも屈曲し易い太さであることにより留置器具が全体として屈撓性を有するようにしたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の管腔臓器への留置器具。

【請求項4】
留置器具の周方向に連結されたストラットの環状体と留置器具の軸方向に隣合う他のストラットの環状体との間でリブ同士を要所でリンクにより連結するに際して、周方向に1本以上のリブをあけて軸方向のリブ同士をリンクで連結し、周方向に間にあるリブ同士は連結されないようにすることにより留置器具における屈撓性が与えられることを特徴とする請求項3に記載の管腔臓器への留置器具。

【請求項5】
前記留置器具を構成するストラットの各々は、前記留置器具の周方向に隣り合う2つのストラットがリブを共有する形で連結されてストラットの列をなし、該ストラットの列が螺旋状に旋回して延びて全体として円筒面を形成し、1ピッチだけ軸方向に前後するストラットの列におけるリブ同士を要所でリンクにより連結することにより円筒形状の留置器具を形成するものであり、前記リンクが前記リブよりも屈曲し易い太さであることにより留置器具が全体として屈撓性を有するようにしたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の管腔臓器への留置器具。

【請求項6】
前記ストラットの列が螺旋方向に延びて形成された留置器具において、1ピッチだけ軸方向に前後するストラットの列におけるリブ同士を要所でリンクにより連結する際に、前記留置器具の周方向に連結されたストラットの列と、該ストラットの列に1ピツチだけ軸方向に前後して隣合うストラットの列との間でリブ同士を要所でリンクにより連結し、周方向に1本以上のリブをあけて軸方向のリブ同士をリンクで連結し、周方向に間にあるリブ同士は連結されないようにすることにより留置器具における屈撓性が与えられることを特徴とする請求項5に記載の管腔臓器への留置器具。

【請求項7】
前記留置器具の縮径方向への作用による荷重を支える双安定構造をなす少なくとも一組のストラット辺の飛び移り座屈変形を誘起させる前記他のストラットを含む部分が前記留置器具の拡径の際に前記少なくとも一組のストラット辺の飛び移り座屈変形を誘起させつつ自ら飛び移り座屈変形する性質を有していることにより各ストラットが二重双安定構造を備えるものであることを特徴とする請求項2~6のいずれかに記載の管腔臓器への留置器具。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 4C267AA44
  • 4C267AA45
  • 4C267AA49
  • 4C267AA55
  • 4C267BB07
  • 4C267BB26
  • 4C267BB47
  • 4C267CC09
  • 4C267CC12
  • 4C267CC19
  • 4C267DD01
  • 4C267EE03
  • 4C267GG01
  • 4C267GG21
  • 4C267HH01
  • 4C267HH17
画像

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JP2019504651thum.jpg
出願権利状態 公開


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