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細胞選別法 NEW

国内特許コード P200016686
整理番号 (S2017-0495-N0)
掲載日 2020年3月24日
出願番号 特願2019-504611
出願日 平成30年3月6日(2018.3.6)
国際出願番号 JP2018008615
国際公開番号 WO2018164133
国際出願日 平成30年3月6日(2018.3.6)
国際公開日 平成30年9月13日(2018.9.13)
優先権データ
  • 特願2017-043744 (2017.3.8) JP
発明者
  • 武部 貴則
  • 谷口 英樹
  • 松崎 賢寿
出願人
  • 公立大学法人横浜市立大学
発明の名称 細胞選別法 NEW
発明の概要 簡便かつ容易な新規細胞分離法を提供する.a)標的細胞と非標的細胞との細胞膜流動性の差を拡大させる処理を行うこと,及びb) 細胞膜流動性の差を利用して,標的細胞を選別することを含む,細胞選別法.細胞選別用キット,細胞選別用培地,標的細胞と非標的細胞との細胞膜流動性の差を拡大させる処理を行うための試薬,基質に対する細胞の接着性を定量する方法も提供する.
従来技術、競合技術の概要

Takebeらは肝臓発生の初期プロセスの出芽現象(形態形成)に関わる3つの細胞群を同定し,それらをin vitroで混合することで肝臓原基(臓器の種)の創出に成功した(非特許文献1:Nature 2013, 特許文献1:WO2013/047639 A1:組織及び臓器の作製方法).この肝臓原基は移植後に肝臓機能を発現するため,臓器不全の患者に対する画期的な治療法として脚光を浴びている.また,同手法は腸,腎臓,膵臓,脳,肺,癌,心臓など,多様な組織へと拡張可能である(特許文献2:WO2015/012158 A1,特許文献3:WO2015/129822 A1)ことから,器官原基の構築する基盤原理として,さまざまな分野への応用が期待されている.そこで,実際の臓器再生医療へ応用するためには,均質でかつ安全性が担保された器官原基を誘導する手法を確立する必要性がある.しかしながら,本システムが抱える大きな問題点として,細胞原料における「安全性」と「均質性」の問題がある.
器官原基はヒトiPS細胞などの幹細胞から複数の細胞材料を調整し,誘導することが可能であるが,未分化iPS細胞や,分化途上にある未分化な前駆細胞などの非標的細胞が混入する可能性があり,安全性や均質性に課題が残されていた.例えば,これまでに残存する未分化細胞ががん化・増殖するリスクが示されてきているものの,実験実施者レベルで簡便かつ容易な未分化細胞の分離手法が確立されていない(非特許文献2:Cunningham et al., Nat. Biothechnol. 2012).また,分化途上にある内胚葉細胞や目的外の腸細胞へ分化した細胞が残存することで腸管組織を形成したり,同様に間質細胞の残存が過剰な線維化組織を形成することなどのリスクが指摘されているものの,このような組織の前駆細胞を細胞原料から選択的に除去する手法は存在しない.実際の研究室レベルでは,数多くのドナー細胞を用いた器官原基機能の網羅解析という研究者の経験論に依存した手法がとられており,産業応用上の決定的な障壁となっていた.
細胞選別法として再生医療研究・創薬研究の分野で広く用いられるのがFluorescence activated cell sorting (FACS)や,Magnetic-activated cell sorting (MACS)である(非特許文献3:Maecker et al., Nature Immunology 2010).本手法は表面抗原に対応する蛍光や磁性物質を付与した抗体を反応させ,蛍光や磁力を発する細胞のみを選択的に単離できる.しかしながら,表面抗原の同定と蛍光抗体の選定,さらにFACS装置の購入に膨大な時間とコストが必要である.また,実際の再生医療の現場での利用を想定した場合,固形臓器などの疾患治療に必要な超大量(1010~)の細胞の正確な選別が必要となるが, 選別に要する時間や伴う細胞へのダメージのため利用が困難である.さらに,標識物質の残存およびそのリスク評価についても大きな課題が残っていた.そこで非標識であり,安価・迅速な細胞選別法の開発が期待されている.

産業上の利用分野

本発明は,細胞選別法に関する.

特許請求の範囲 【請求項1】
a)標的細胞と非標的細胞との細胞膜流動性の差を拡大させる処理を行うこと,及び
b) 細胞膜流動性の差を利用して,標的細胞を選別すること
を含む,細胞選別法.

【請求項2】
未分化細胞を除去するために用いられる請求項1記載の方法.

【請求項3】
分化細胞を濃縮するために用いられる請求項1記載の方法.

【請求項4】
細胞集団を構成する細胞を均質化するために用いられる請求項1記載の方法.

【請求項5】
標的細胞と非標的細胞との細胞膜流動性の差を拡大させる処理が,細胞膜流動性を細胞種特異的に変化させることができる物質を培地に添加することである請求項1~4のいずれかに記載の方法.

【請求項6】
細胞膜流動性の差を拡大することにより、基質に対する細胞の接着性の差を拡大させ、この差を利用して、標的細胞を選別する請求項1~5のいずれかに記載の方法。

【請求項7】
細胞膜流動性を細胞種特異的に変化させることができる物質が、ポリフェノール、分化誘導因子、インヒビター、増殖因子、薬剤又はアミノ酸・界面活性剤のいずれかである請求項5又は6に記載の方法。

【請求項8】
細胞膜流動性を細胞種特異的に変化させることができる物質が、下記の群から選択される少なくとも1つの化合物である請求項7記載の方法。
(1) ポリフェノール群:resveratrol、epigallocatechin gallate (EGCG)、curcumin及びgenistein
(2) 分化誘導因子群:activin-A、wint-3a、sodium butylate、basic fibroblast growth factor (bFGF)、oncostatin M (OSM)、dexamethasone (DEX)、hepatocyte growth factor (HGF)、CHIR-99021及びforskolin
(3) インヒビター群:Y-27632 (rock inhibitor)、(s)-(-)-blebbistatin、IWP2、A83-01、LY294002、SB-431542、NVP-BHG、Cyclopamine-KAAD、及びPD-0325901
(4) 増殖因子群:FGF4、LDN-193189、insulin like growth factor (IGF)、bone morphogenetic protein (BMP)2、transforming growth factor (TGF)β2、BMP4、FGF-7、platelet-derived growth factor (PDGF)β3、epidermal growth factor (EGF)、exendin-4、human neuregulin (hHRG)β3、retionic acid (RA)、L-Ascorbic acid 2-phosphate (AA2P)、ascorbic acid、insulin-transferrin-selenium ethanolamine solution (ITS-X)、及びinsulin
(4) 薬剤群:rifampicin、prostaglandin E2 (PGE2)及びpeniciline/streptomycine solution
(5) アミノ酸・界面活性剤群:2-mercaptoethanol、3-mercaptopropane-1,2-diol (thioglycerol)、L-proline、L-glutamine、non-essential amino acid mixture(NEAA)、sodium pyruvate、trypsin-EDTA及びphosphatidylinositol (PI)

【請求項9】
標的細胞と非標的細胞との細胞膜流動性の差を拡大させる処理を行うための試薬を含む,細胞選別用キット.

【請求項10】
標的細胞と非標的細胞との細胞膜流動性の差を拡大させる処理を行うための試薬を含む,細胞選別用培地.

【請求項11】
細胞膜流動性を細胞種特異的に変化させることができる物質を含む,標的細胞と非標的細胞との細胞膜流動性の差を拡大させる処理を行うための試薬.

【請求項12】
基質に接着した細胞の割合(接着率)を培養時間毎に測定することを含む,基質に対する細胞の接着性を定量する方法.

【請求項13】
細胞を提供するドナー間の差を調べるために測定を行う請求項12記載の方法.

【請求項14】
細胞種間の差を調べるために測定を行う請求項12記載の方法.

【請求項15】
a1) 未分化細胞を分化誘導するにあたり,未分化細胞の分化前と分化後との細胞膜流動性の差を拡大させる処理を行なうこと,及び
b1)細胞膜流動性の差を利用して,分化細胞を選別すること
を含む,細胞の分化誘導方法.

【請求項16】
a1) 未分化細胞を分化誘導するにあたり,未分化細胞の分化前と分化後との細胞膜流動性の差を拡大させる処理を行なうこと,及び
b1)細胞膜流動性の差を利用して,分化細胞を選別すること
を含む,分化細胞の調製方法.
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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