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バイオディーゼル燃料の精製方法 UPDATE

国内特許コード P200016736
整理番号 5523
掲載日 2020年4月6日
出願番号 特願2016-151206
公開番号 特開2018-021091
登録番号 特許第6595415号
出願日 平成28年8月1日(2016.8.1)
公開日 平成30年2月8日(2018.2.8)
登録日 令和元年10月4日(2019.10.4)
発明者
  • 志佐 倫子
  • 林 倫
  • 坂 志朗
  • 南 英治
  • 洲上 唯一
  • 吉冨 慎一郎
出願人
  • トヨタ自動車株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 バイオディーゼル燃料の精製方法 UPDATE
発明の概要 【課題】モノグリセリドを効率よく除去することが可能なバイオディーゼル燃料の精製方法を提供する。
【解決手段】脂肪酸エステル及びモノグリセリドを含むバイオディーゼル燃料の精製方法であって、以下:(a)バイオディーゼル燃料を、バイオディーゼル燃料の曇り点より高く、モノグリセリドのβ’型結晶の析出温度以下である温度に保持して、モノグリセリドを含む凝集沈殿物を析出させる工程、及び(b)析出した凝集沈殿物を除去する工程を含む、上記バイオディーゼル燃料の精製方法。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

バイオディーゼル燃料とは、油脂の主成分であるトリグリセリドのエステル交換反応やエステル化反応により得られる脂肪酸エステルのことであり、従来のディーゼル車にそのまま使用できる。東南アジアや欧州、米国、中南米を中心として、バイオディーゼル燃料は再生可能エネルギーの中でも軽油代替燃料としての利用が拡大している。しかし、実際のバイオディーゼル燃料には脂肪酸エステル以外の成分も僅かに含まれており、その中でも反応中間体であるモノグリセリドは融点が高く、寒冷地等でバイオディーゼル燃料を使用した場合、モノグリセリド等の凝集析出によって燃料フィルターが目詰まりを起こすという問題がある。

例えば特許文献1には、バイオディーゼル燃料の製造過程において残留メタノール及びその他の不純物を除去するための蒸留精製装置が開示されている。具体的には、特許文献1には、脂肪酸エステルとモノグリセリドの沸点の差を利用し、減圧蒸留法によってモノグリセリドを除去する方法が示されている。特許文献1によれば、当該方法により沸点の低い脂肪酸エステルを蒸発させ、残ったモノグリセリドを除去することができるとされている。しかしながら、特許文献1に開示されるような減圧蒸留法の場合、バイオディーゼル燃料の加熱及び減圧のために大きなエネルギーが必要なため、エネルギー効率が悪いという問題がある。また、加熱によって不飽和脂肪酸エステルの酸化分解が起こり、燃料が変質する恐れもある。

特許文献2には、液-液抽出法によりモノグリセリドを除去する方法が示されている。当該方法においては、脂肪酸エステルよりもモノグリセリドの方が極性が高いことを利用し、例えば極性溶媒であるメタノール等のアルコールを抽出溶媒として用いている。すなわち特許文献2には、極性溶媒であるメタノールでバイオディーゼル燃料を洗浄することにより、メタノール相にモノグリセリドのみを溶解させて除去する方法が開示されている。また、特許文献3には、モノグリセリドをグリセリン/アルコール混合溶媒で抽出する工程を含む脂肪酸アルキルエステルを製造する方法が開示されている。しかしながら、特許文献2及び3に開示されるような液-液抽出法の場合、実際には脂肪酸エステルもアルコール中にある程度溶解するため、その分バイオディーゼル燃料の収率が低下するという問題がある。

さらには従来技術においては、燃料の低温特性を表す指標として曇り点が用いられており、曇り点は規定の冷却方法において凝集物の析出により燃料が曇り始める温度と定義されている。しかしながら、バイオディーゼル燃料の場合、曇り点以上の温度で保存しているにも関わらず、析出物が形成される場合があるという問題があった。当該析出物は主に融点の高い反応中間体であるモノグリセリドから構成されることも知られているが、モノグリセリドはα型、β’型、β型等の結晶多形を持ち、それぞれ融点(α<β’<β)が異なるため、低温での析出物の生成挙動をより複雑なものとしている。

特に寒冷地で使用する場合には、析出温度を予測することは重要な課題であり、脂肪酸メチルのみから構成される高品位バイオディーゼル燃料については、理想溶液を仮定した固液平衡式を用いることで析出温度が予測できることが知られている(非特許文献1)。しかしながら、上述したようにバイオディーゼル燃料には脂肪酸エステル以外の成分も僅かに含まれており、さらにモノグリセリドはα型やβ型等融点の異なる結晶多形を持つため、バイオディーゼル燃料の析出挙動は非常に複雑であり、いまだ正確な予測は実現されていない(非特許文献2)。

以上より、バイオディーゼル燃料中のモノグリセリドを簡単に、効率よく除去する方法が求められている。

産業上の利用分野

本発明は、バイオディーゼル燃料の精製方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
脂肪酸エステル及びモノグリセリドを含むバイオディーゼル燃料の精製方法であって、以下:
(c)モノグリセリドのβ’型結晶の析出温度を、バイオディーゼル燃料の化学組成に基づいた固液平衡計算によって算出する工程、
(a)バイオディーゼル燃料を、バイオディーゼル燃料の曇り点より高く、モノグリセリドのβ’型結晶の析出温度以下である温度に保持して、モノグリセリドを含む凝集沈殿物を析出させる工程、及び
(b)析出した凝集沈殿物を除去する工程
を含む、上記バイオディーゼル燃料の精製方法。

【請求項2】
工程(c)において、モノグリセリドのβ’型結晶の析出温度を、バイオディーゼル燃料の化学組成に基づいたUNIFACモデル又は修正UNIFAC(Dortmund)モデルによる固液平衡計算によって算出する、請求項に記載のバイオディーゼル燃料の精製方法。

【請求項3】
脂肪酸エステルが、炭素数8~24の脂肪酸と炭素数1~5のアルコールからなるエステル化合物からなる群から選択される1種又は2種以上の混合物である、請求項1又は2に記載のバイオディーゼル燃料の精製方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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